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教育ローンの借り換え効果は本当にあるのか?教育ローンの特徴と借り換えの基本からFPが考察してみます

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表、日本FP協会CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士。 税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

この記事のポイント

  • 教育ローンの借り換えの基本について紹介しています
  • 教育ローンの借り換え効果が得られる場合を紹介しています
  • 教育ローンの借り換え効果は本当にあるのか筆者の主観とその理由を紹介しています

教育ローンは、借入から完済までの期間が長い場合もあるため、借入金額や融資条件によっては、借り換えを検討し実行された方が得策になることがあるのは確かです。

その一方で、教育ローンは、住宅ローンのように借入金額が1,000万円単位になるといったことは極めて稀であるとも考えられることから、教育ローンは本当に借り換え効果が得られるのだろうかといった疑問が生じることも十分考えられます。

そこで本記事では、教育ローンの借り換え効果は本当にあるのか?といった疑問について教育ローンの特徴と借り換えの基本を踏まえて考察してみたものを紹介していきます。

教育ローンの特徴

教育ローンは、おもに子供が高校や大学などへ進学する際に必要となる教育資金を借入するために利用されるローン(借金)ですが、返済が長期に渡り、金利が比較的高めといった特徴があります。

 

金融機関 日本政策金融公庫 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行 ろうきん(東北労金)
年利 1.76% 3.975% 2.975%

(有担保型)

3.475%

(無担保型)

3.475%

(変動金利)

4.300%

(固定金利)

2.525%

(変動金利)

2.450%~3.150%

(固定金利は、完済年数によって利率が異なる)

借入金額 最高350万円まで。ただし、海外留学資金(一定の条件付き)の

場合は最高450万円まで

30万円以上500万円以内

ただし、医歯薬系学部・研究科、航空パイロット養成の場合は、30万円以上1,000万円以内

10万円以上300万円以内(無担保型)50万円から3,000万円(有担保型) 10万円以上300万円以内

ただし、今回の借り入れと他の無担保借入金残高(カードローン極度額を含みます)との合計が前年度税込年収の原則50%以内であることが条件

最高2,000万円
借入期間 原則15年。ただし、世帯年収200万円以下の方や母子家庭・父子家庭など、特殊事情がある方の場合は18年 6ヶ月以上10年以内。ただし、医歯薬系学部・研究科・航空パイロット養成の場合は、6ヵ月以上16年以内 1年~10年以内(無担保型)

 

1年~30年以内(有担保型)

6ヵ月以上10年以内 変動金利は、最長20年で固定金利は、最長で10年

教育ローンは、どの金融機関を選ぶべきなのか?主要な金融機関を比較検討してみました」より一部引用

また、教育ローンの毎月の返済金額は、借入金額、適用金利、返済期間、返済方法といった諸条件によって決定されることになりますが、基本的には、借入金額が多い、金利が高い、返済期間が短いといった返済条件の場合は、毎月の返済金額は多くなるといった特徴があります。

つまり、教育ローンを借入する金融機関や借入の仕方によって、負担する金額が大きく異なることを意味します。

 

教育ローンの借り換えとは

教育ローンの借り換えとは、すでに借入している教育ローンを他の金融機関に乗り換えすることで、負担する返済金額などを減らすことを言います。

ただし、教育ローンの借り換えをする場合は、現在と借り換えした後にどのくらいの借り換え効果があるのかを必ず比較検討しなければならないほか、教育ローンの借り換えにかかる諸費用も考慮した結果、それでも借り換え効果があることを明確にした上で行わなければなりません。

はっきりと申し上げさせていただきますが、今の借入金利よりも借り換え後の方が低い金利だから借り換えしようなどといった単純な考えで教育ローンの借り換えがうまくいくほど甘くはありませんのでその辺には細心の注意を払っておくことを強く推奨します。

 

借り換えの基本を知ろう!教育ローンの借り換え効果が得られる場合とは

教育ローンに関わらず、ローンの借り換えをするにあたっての基本とは、先に紹介した通り、現在と借り換えした後にどのくらいの借り換え効果があるのかを必ず比較検討し、借り換えにかかる諸費用も考慮した結果、それでも借り換え効果があることを明確にした上で行わなければなりません。

ちなみに、教育ローンを借り換えするのにあたって、参考までに住宅ローンの借り換えを検討する場合を知ることでイメージがわきやすくなると筆者は考えています。

一般的には、住宅ローンの借り換え効果が得られやすいとされている条件は、以下の3つにあてはまっていることとされています。

  1. 1,000万円以上のローン残高がある場合
  2. 10年以上の返済期間が残っている場合
  3. 金利差が1%以上下がる場合

 

上記を踏まえた上で、教育ローンの借り換え効果を得るためには、大まかな条件となるものの、少なくとも以下の条件にあてはまっていることが必要だと考えられます。

  1. 教育ローンの残高が多くあること
  2. 完済までの返済期間が、できる限り長いこと
  3. 現在借入している金利と借り換え金利の差が大きいこと

 

では、これらの条件を踏まえた時、はたして、教育ローンの借り換え効果は本当にあるのでしょうか。

 

教育ローンの借り換え効果は本当にあるのか

ここからは、あくまでも筆者個人の主観となる部分が多くなりますが、教育ローンの借り換え効果は本当にあるのかについて考えていきたいと思います。

通常、教育ローンを初めて借入する時は、それぞれの金融機関の教育ローンを比較検討した中で、自分に合った教育ローンを申し込んで融資を受けることが考えられます。

そして、教育ローンの借り換えを考える時というのは、少なくとも、教育ローンを新規に借入してから何年か年数が経過していることも考えられます。

これらを踏まえた時、率直に教育ローンの借り換え効果を見出すのは難しい場合がほとんどなのではないかと筆者は考えています。

以下、このように考える理由を記述していきたいと思います。

 

教育ローンの借入金額が、極端に高額になるとは考えにくい

教育ローンは、金融機関によって融資上限額が定められているものの、たとえば、奨学金を活用した場合、あらかじめまとまった教育資金を準備している場合、学資保険に加入している場合などでは、極端に高額な教育ローンを借入する可能性はあまり高くないと思われます。

もちろん、ケース・バイ・ケースで、教育ローンを借入する保護者などの収入やその他の借入状況などによっても変わってくることが考えられるものの、借入金額が借り換え効果を得られる程度の金額になるケースは、あまり見受けられないのではと感じています。

 

教育ローンの金利差に期待できない

教育ローンを初めて借入する場合は、ご自身が納得した上でお金を借入していることはもちろんですが、この納得した内容の中には、納得した教育ローンの金利も含まれていることと思われます。

つまり、教育ローンを比較検討した上で、少しでも低い金利の教育ローンを選んでいることが考えられるため、改めて教育ローンを借り換えする際に、現状と借り換え後の金利差に期待できないことが十分に考えられます。

金利差が、さほど生じないということは、借り換え効果が得られにくいことにつながるため、結果として、教育ローンの借り換えが、かえって時間や費用の無駄になってしまう懸念も十分予測されます。

 

教育ローンを完済するまでの期間が短くなっている可能性が高い

教育ローンの借り換えを考える時というのは、少なくとも、教育ローンを新規に借入してから何年か年数が経過していることが考えられます。

そのため、教育ローンを完済するまでの期間が短くなっている可能性が高いことが考えられ、この結果、教育ローンの借り換え効果が十分に得られないことが予測されます。

なお、教育ローンの借り換えにおきましては、住宅ローンの借り換えと同じように、返済期間がこれまでの残存期間で返済をすることになりますので、教育ローンの新規借入のように、返済期間が長くなるわけではありませんので注意が必要です。

ちなみに、残存期間とは、たとえば、教育ローンを返済期間15年で借入し、完済までの残り返済期間が10年間の場合は、借り換え後も10年間が最長返済期間という意味になります

 

まとめ

教育ローンの借り換えについて、筆者個人の主観が強い内容となりましたが、実際のところ、住宅ローンの借り換えに比べて、教育ローンの借り換えを強く推している金融機関がほとんど見受けられないのも現状です。

これには、筆者が紹介したような借り換えのメリットが借り手側と貸し手側の双方にあまり無いと考えることもできる表れなのかもしれません。

もし、教育ローンの借り換えを検討しているのであれば、借り換えの比較検討はもちろんですが、借り換え検討よりも前に、現在抱えている教育ローンの繰上返済を優先して考えてみることをおすすめします

 

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