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返済がいらない給付型奨学金。その種類から申し込み方法まで丸わかり!

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大倉 愛子

大倉 愛子

ライター、AFP。投資歴30年です。上場株、国内外の投信・債券、商品先物に投資して、一時はデイトレーダーもやってみました。そこで思ったのは、“投資は本業あってこそ”。本業は、外資で精密機械バイヤーから主婦へ、外資ロジスティックス担当を経て現在はマネー系ライター、国土交通省系の専門紙編集長をやっています。お金の知識を増やして、“お金の不安”から解放されましょう!

この記事のポイント

・返済がいらない給付型奨学金は、日本学生支援機構などの公的機関、大学や学校、各種団体など多くの選択肢がある。

・日本学生支援機構の給付型奨学金は2020年春進学分から給付が授業料や受験料の一部などへ増える予定だ。

・給付型奨学金をもらおうと考えたら、高校3年生になる際には準備が終わっていることが理想的。

「子供達の学びたい意欲を応援したい」と準備されている奨学金。この記事では、奨学金の種類からはじめて、返済のいらない奨学金に焦点を当てて説明していきます。どんな方が奨学金をもらえるのか、また「もらってデメリットはないの?」という疑問、「どうやったらもらえるの?」という申し込み方法まで一緒に見ていきましょう。

そもそも奨学金ってなに?

日本は世界の中でも、経済的に豊かな国です。ところが、「もっと勉強したい!」と思っても、自分の家庭の経済状況を考えると「働いた方がいいかな」と進学を諦める中学生や高校生が多数いるようです。そんな生徒の進学を後押しするために、生活費や授業料の一部として学費を支援する制度を奨学金制度といいます。

「子供達の学びたい意欲を応援したい」と、奨学金は様々な団体が設定しています。個人や企業、各種団体、自治体、国の機関(文部科学省の関連機関である日本学生支援機構)まで、多くの団体が奨学金を用意して応募を待っています。支給する金額や支給対象となる子供達もバリエーション豊かです。まずは、奨学金はどんな種類があるか確認してみましょう。

 

奨学金はどんな種類があるの?

奨学金の種類は、大きく分けて、「もらったままでよい奨学金」と「返さなくてはならない奨学金」があります。もらったまま返さなくてよい奨学金は、「給付型奨学金」。学校の卒業後などに返す必要がある奨学金は「貸与型奨学金」と呼ばれています。

また、返す必要がある「貸与型奨学金」は金融機関などで借りるため、本来は利子(金利)を上乗せして返済しなければなりません。ところが、“成績が一定の基準以上”だったり、“収入が少ない世帯の子供”などの条件を満たすと利子を払わなくてよい「無利子奨学金」を借りることもできます。

 

奨学金をもらえるのは、どんな人?

奨学金をもらえる対象となる方は、奨学金を設定している団体によって様々です。一般的に“奨学金”と聞くと、大学へ進学する学生がもらうイメージですね。ところが、企業などで準備している奨学金では、幼稚園児から支給対象になっているところも。これは、その企業のグループ会社で在職中に社員が亡くなると、残されたお子さんに奨学金を支給する独自の制度です。

他にも、経営者の方などが「母子家庭のお子さん向けに」広く募集を設定していたり、自治体が地域の生徒を応援する奨学金や、大学などが入学してくる学生に支給するものなど、様々な種類があります。

具体的には、大学・短期大学・専修学校などの学校1,365校や、地方公共団体829団体、公益財団法人などの549団体が給付型・貸与型の奨学金を用意しています(日本学生支援機構調べ)。

お子さんの進学費用が不安な保護者の方や、家の経済状況が心配な生徒の皆さんは、一度調べてみてはいかがでしょうか。公的機関の日本学生支援機構も、各種の奨学金情報をホームページに掲載しています。

独立行政法人日本学生支援機構

 

給付型奨学金は、誰がくれるの?

奨学金の種類が分かったところで、どんな団体が給付型奨学金をくれるのか、気になりますね。

給付型奨学金は、国が運営する公的機関から、大学などの学校、企業や個人が運営する団体まで、様々な団体が子供達に奨学金を支給しています。それぞれの募集団体によって、支給対象の条件が違います。同時に給付の対象となる人もみてみましょう。

 

【日本学生支援機構】

文部科学省のお手伝いをしている国の機関です。ルーツをたどると、1944年創立の大日本育英会からスタートして、2004年に日本学生支援機構へ引き継ぎました。74年の歴史の中で、はじめて給付型奨学金をスタートしたのが2017年です。

日本学生支援機構は、大学生などを対象にした返済不要の給付型奨学金を支給しています

2018年からは、約2万人の大学生や短期大学生、専修学校(専門課程)、高等専門学校4年次に進級した生徒が給付型奨学金をもらっています。

国の公的機関なので、支給の対象者がけた違いに多く設定されていますね。そこで、日本学生支援機構の給付型奨学金は、詳しく募集条件から確認してみましょう。

 

募集と申し込みはどこで?

募集も申し込みも、通っている高等学校で行います。例年4月~5月くらいに各高等学校で募集します。選抜・推薦は各高等学校が行い、各高等学校は慎重に選抜した生徒を日本学生支援機構へ推薦します。

「学びたい意欲」を後押しするのが目的なので、大学や専門学校に行ってもがんばって勉強してくれそうな生徒を高校が推薦することになります。

また、生徒の家計についても、下記のような「厳しい経済環境にあるので進学が難しいと思われること」などが条件となっています。

  • 住民税非課税世帯の人(4人家族で全体の年収が270万円以下)、または生活保護受給世帯の人。
  • 社会的養護を必要とする人(養護施設入所者など)

 

日本学生支援機構の給付型奨学金は毎月いくらもらえるの?

支給額は、以下の通りです(例外あります)

  • 国立大学へ通学する自宅生は月に2万円
  • 国立大学へ通学する下宿生(自宅以外から通う学生)と私立大学の自宅生は月3万円
  • 私立大学へ通学する下宿生は月4万円

また、まだ詳細は決まっていませんが、2020年春に大学などに進学する際は、給付型奨学金の金額が授業料や受験料まで広い範囲をカバーするようになる予定です。給付金額も大きく増えます。受給対象者の世帯年収の縛りも、段階的に緩和される予定です。

2020年春の進学というと、奨学金受給の申し込みは2019年の4月~5月の予定になります。ニュースや学校の説明をしっかり確認して、制度を活用しましょう。

 

日本学生支援機構ほどの規模はないものの、他に給付型奨学金を出している大学や各種学校、団体、新聞奨学金も確認してみましょう。

【大学・各種学校】

大学では、企業や卒業生からの寄付で大きな金額の給付型奨学金を設定しているところもあります。

一例をあげますと、名古屋工業大学ホシザキ奨学金は、業務用厨房機器メーカーのホシザキ株式会社が「独創的かつ高品質なモノづくりにより社会に貢献すること」という理念で、工学部3年生と4年生に支給しています。月額12万円で、年間144万円と高額です。

 

【各種団体】

各種団体も多くの給付型奨学金を用意しています。団体独自の指定校制度があったり、選考があったりするので、進学予定の生徒さんの高等学校に募集が来ているかどうか、確認しましょう。

一例をあげますと、公益財団法人電通育英会では、大学生に月6万円、大学院生には月8万円を支給します。

 

【新聞奨学金】

新聞奨学金も給付型の奨学金ではありますが、他の制度とは大きく違います。奨学金とともに給与も支払われる、働きながら学ぶ制度です。入学手続き金も貸してもらうことができます。働く場所は、新聞販売店になります。仕事の内容は、新聞の朝刊や夕刊の配達、夕方から夜にかけては集金やお客さんを増やす営業も仕事の一部です。

新聞奨学金は返済不要となっていますが、学生生活の途中で辞めてしまうと(途中退会)、授業料などの支給された金額を「一括返済」しなければならない契約でもあります。契約する前に、条件などをしっかり確認しましょう。

 

給付型奨学金のデメリットとは?

「毎月お小遣いをもらえるような、夢のような制度にデメリットがあるの?」という疑問もごもっともです。

デメリットというほどではないのですが、各種の給付型奨学金は「学びたい意欲を後押しするのが目的」です。

そこで、一定の出席日数や一定の良い成績を納めることが卒業まで求められます。

そうは言っても人間ですから、病気になったり、調子が悪くなったりする時もあるものです。

その辺りも考慮されていて、学業成績については「最近出席が少ないようですよ」とか「成績が足りなくなるかもしれませんよ」と学校側が警告を出してくれることになっています。

その際にしっかり受け止めて、出席日数や成績を本来の水準まで戻していきましょう。

また、各種団体では、それぞれの団体で開催する勉強会などの集まりに出席する必要がある場合もあります。

給付条件と一緒に、求められる役割なども申し込み前に確認したいものです。

勉強会などの集まりも、「どんな人が学費を助けてくれているのかな」くらいの前向きな気持ちで参加すると、友達が増えるチャンスになるかもしれません。

 

申し込み方法は?

日本学生支援機構の給付型奨学金についてはすでにお伝えしていますので、前項をご覧ください。その他の大学・各種学校、団体、新聞奨学制度の申し込みについては、それぞれの団体ごとに違います

一つだけ共通しているのは、進学する前年・・・つまり高校生なら3年生になった時点で準備が整っていることが理想的です。成績や家庭の経済状況によって応募できる奨学金の種類が変わってきます。「大学は給付型奨学金をもらって通うぞ!」という生徒さんは、高校2年生までの間に給付型奨学金を行っている団体や申し込み方法を確認しておきましょう。

 

まとめ

学びたい気持ちを後押しする、返済不要の「給付型奨学金」。意外に種類が多くてびっくりされた方も多いかもしれません。お子さんの進学は、将来のことを親子で話し合う良いチャンスです。ご家族で、しっかりと取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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