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個人再生とは?仕組み・手続きの流れ・メリットデメリットをFPが徹底解説!

個人再生とは?仕組み・手続きの流れ・メリットデメリットをFPが徹底解説!

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田中 英哉

田中 英哉

2級ファイナンシャルプランニング技能士、上級心理カウンセラー

2級ファイナンシャルプランニング技能士の有資格者。長年のライター経験の中で、お金に関する記事を執筆。日本最大級のソーシャルワークサイトにてプロクラウドワーカー TOPclass認定。ライター部門契約ランキング最高6位。難しいお金の話しを分かりやすく伝える記事は、読者から読みやすいと好評。

この記事のポイント

  • 個人再生は裁判所を通じて借金を5分の1程度に減らす、債務整理の方法です。
  • 個人再生をすると、借金の悩みが解決するなどのメリットがあります。
  • 個人再生をすると、信用情報にキズがつくなどのデメリットがあります。

借金の負担が大きいと、生活苦に陥りやすくなります。しかし、個人再生をすれば合法的に借金を整理することができますので、一気にお金の悩みが解決できるでしょう。この記事では、個人再生の仕組みや手続きの流れ、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

 

個人再生とは?その仕組みや条件

個人再生とは?その仕組みや条件

多重債務で苦しんでいたり、返せる見込みがない借金を背負っている場合、精神的に辛い日々を送ることになります。しかし、合法的な手段で借金問題の解決は可能です。その有効な手段である個人再生について、以下内容を紹介します。

  • 債務整理の1つで民事再生とも呼ばれる
  • 裁判所を通じで借金を5分の1程度に減らせる
  • 個人再生の条件

 

債務整理の1つで民事再生とも呼ばれる

個人再生とは債務整理の1つで、民事再生とも呼ばれています。債務整理には任意整理や自己破産などがありますが、個人再生はその中間的存在です。

任意整理よりも大きく借金の軽減ができ、自己破産のように資産を失う必要がありません。また、自己破産はギャンブルで生じた借金などの場合は認められませんが、個人再生では認められる違いもあります。

家族に内緒で個人再生を行うことも可能であるため、借金を内緒にしていた人も安心です。

 

裁判所を通じで借金を5分の1程度に減らせる

個人再生は裁判所を通じて手続きをします。しかし、個人が複雑な法的手続きをするのは高いハードルとなるため、司法書士や弁護士に依頼するのが現実的です。個人再生を行えば、借金を5分の1程度に軽減でき、残りの分を3年ほどかけて返済していくこととなります。

 

個人再生の条件

小規模個人再生と給与所得者等再生(サラリーマンなど)があり、小規模個人再生が基本形となります。個人再生には大きく2つの条件があります。

1つは負債の総額が5,000万円を超えない人です。5,000万円を超える場合には自己破産を検討しなくてはなりません。もう1つの条件は、返済ができる人です。そのため、安定収入が前提となります。

 

個人再生の手続きの流れ

個人再生の手続きの流れ

個人再生の手続きは以下の8ステップです。複雑に思えるかも知れませんが、ほとんど司法書士や弁護士などが行ってくれますので、あなたはその指示に従うだけで良いでしょう。順を追ってカンタンに解説いたします。

  1. 専門家へ相談
  2. 債権者へ連絡
  3. 必要書類の用意
  4. 裁判所に申立て
  5. 家計収支表の記録
  6. 積立て
  7. 裁判所に書類提出
  8. 返済開始

 

【個人再生の流れ①】専門家へ相談

まずは司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。初回相談費用は無料としている専門家が多いため、気軽な相談が可能です。本当に個人再生で良いのか、任意整理や自己破産の方が良いのかなども、あなたの状況に合わせてアドバイスしてくれます。

相談の際に気を付けるべきことは、何でも赤裸々に話すことです。羞恥心から借金の全容を語らない人もいますが、そうすると助けてもらいにくくなります。洗いざらい話した方が専門家も協力しやすいのです。

 

【個人再生の流れ②】債権者へ連絡

司法書士や弁護士に対し、正式依頼をすれば、債権者に対して連絡してくれます。専門家から「受託通知及び債権調査へのご協力のお願い」が送られ、それ以降は督促が止まります。万一督促が入った場合は個人で対応する必要はなく、担当専門家に相談すると良いでしょう。

 

【個人再生の流れ③】必要書類の用意

債権者への通知後は、必要書類を準備することになります。必要書類は申立書、陳述書、債権者一覧表、家計表、財産目録などを求められますが、専門家がしっかりとサポートしてくれるため、現段階でこれら書類がどういうものか分からなくても大丈夫です。

 

【個人再生の流れ④】裁判所に申立て

必要書類が揃った段階で、司法書士や弁護士が申立書を作成し、地方裁判所に申立てをしてくれます。

 

【個人再生の流れ⑤】家計収支表の記録

申立をしてから3ヶ月程度、家計収支表をつける必要があります。家計収支表とは簡単に言うと家計簿のことです。個人再生は一定分の返済は必要であるため、本当に返済していけるのか確認がなされます。

また家計簿をつけることで計画性が身につく効果もありますので、家計簿は必須となっています。

 

【個人再生の流れ⑥】積立

家計簿と同時に銀行への積立も必要です。毎月一回返済分を半年間積立てていきます。積立が終われば個人再生委員の報酬(東京地方裁判所の場合15万円)が差し引かれ、残りの分は戻ってきますので、積立期間はトレーニングの期間だと考えましょう。

半年間積立ができるかどうかは、本当に返していけるかどうかの一番の目安となります。

 

【個人再生の流れ⑦】裁判所に書類提出

再生計画案と、先述した家計簿のほか、積立てた通帳(写し)を裁判所に提出します。ここまで来ればすべき手続きはほぼ終了です。

 

【個人再生の流れ⑧】返済開始

再生計画案が認められれば、いよいよ返済していくことになります。個人再生の返済分を延滞してしまうと、自己破産しか道がなくなるというリスクが高まりますので、延滞なくしっかり返していきましょう。

 

個人再生のメリット

個人再生のメリット

個人再生は合法的に借金を整理する方法で、借金の悩みを抱えてる人にとってさまざまなメリットがあります。多くのメリットを中から特に大きなメリットについて具体的に紹介します。

  • 借金の悩みが解決する
  • 借金の督促が止まる
  • 住宅や車を手放す必要がない

 

 

借金の悩みが解決する

借金のお悩みは慢性化するケースが多く、ずっとお金の心配が付きまといます。来月の支払いに間に合うのかという近い悩みと、これから先本当にやっていけるのかという将来的な悩みまで、同時に悩み続けることになるのです。

お金の悩みは心理的負担が大きいため、個人再生によってその悩みから解放されるのは大きなメリットでしょう。

 

借金の督促が止まる

個人再生をすれば借金の督促が止まります。銀行カードローンや消費者金融など正規の事業者から借り入れしている場合、督促は法律に基づいた方法となります。

たとえば「深夜や早朝に督促してはいけない」「第三者に借金の事実を明るみにしてはいけない」「退居を止められたら引き上げなければいけない」など、法律のルールは守られます。一般的に正規業者はハガキや電話で督促することとなりますので、任侠映画のような苛烈な督促ではありません。

しかし、繰り返し督促ハガキや電話がくると、精神的には辛いものがあります。放置していると強制執行の対象となる可能性もあるため、不安を抱えながら生活することになるでしょう。

しかし、個人再生をすれば督促が止まり、静かな生活を取り戻せます。それだけでも気持ちが軽くなるでしょう。

 

闇金の督促も個人再生で止まる?

闇金は貸金業登録のない違法業者であり、法外な利息を貪ったり、厳しい取り立てで債務者を苦しめます。個人再生をすれば闇金の督促も止まるのかという疑問は多いのですが、そもそも闇金は違法であるため、個人再生をしなくても借金返済の必要はありません。

弁護士に相談すると手を引く業者が大半なので、闇金からの借金も弁護士に相談しましょう。

 

住宅や車を手放す必要がない

上記でも軽く触れたとおり、個人再生は住宅や車を手放す必要がありません。自己破産の場合は借金がすべて帳消しになる代わりに、住宅や車などの資産が没収されてしまいます。

しかし個人再生の場合はこれまで通り住宅や車を保有できますので、今まで通りの生活スタイルとなります。その上で借金だけ軽くなりますので、今まで通りの暮らし方のまま生活が楽になるでしょう。

 

個人再生のデメリット

個人再生のデメリット

個人再生は借金をしている人にとって大きなメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットもあります。メリットだけを享受しようとして安易に手続きをしてしまうと、思わぬ落とし穴に落ちかねません。以下デメリットも把握しておきましょう。

  • 信用情報にキズが付く
  • 専門家費用がかかる
  • 官報に掲載される

 

信用情報にキズが付く

個人再生をすると信用情報にキズがついてしまいます。信用情報とは個人の金融取引が記録されているもので、個人信用情報機関に履歴が残されます。

信用情報にキズがつくと、各種ローンの審査やクレジットカード審査で不利となります。複数社への借金同時申し込みや軽微な遅延などの軽いキズの場合は、審査で若干不利となる程度ですが、個人再生をすると10年程度は金融取引が困難となります。

スマートフォンの本体分割、クレカ付帯のETCカード、後払い式の電子マネー発行などもできなくなりますので、想定しておく必要があります。

 

専門家費用がかかる

個人再生は弁護士や司法書士に依頼するため、専門家費用がかかります。事務所によってその費用は異なりますが、概算で50万円程度の覚悟が必要です。

借金に困っていて手続きをするのに、大きな費用がかかると絶望する人もいらっしゃるかもしれません。ただし専門家費用は分割払いが一般的ですので、安心して依頼することができるでしょう。

個人再生の手続きは専門家費用を払い終えてから開始となりますが、この段階で既に「受託通知及び債権調査へのご協力のお願い」が送られていますので、分割払い中も督促が入ることはありません。

 

官報に掲載される

個人再生をすると「官報」という国の機関紙に記載されてしまいます。基本的に個人再生をしたことが周りの人に知られることはありませんが、官報を見ている人には知られる可能性があります。

弁護士などの専門家や不動産関係の職業であれば、官報を読んでいる可能性がゼロではありません。とはいえ、官報を読んでいる人は少数であることと、仮に読んでいたとしてもくまなく読んでいるとは限りませんので、誰かに知られる可能性は低いです。

 

闇金からの勧誘に注意

官報に記録されると、闇金から勧誘が入る可能性があります。債務整理をした人はお金に困っていた訳ですから、闇金がターゲットとしやすいのです。電話やメールなどで勧誘が入っても無視しておきましょう。

 

個人再生に関するまとめ

個人再生は裁判所を通じて借金を5分の1程度に減らす、合法的な方法です。個人再生をすると、借金の悩みが解決するなどのメリットがありますので、借金問題を抱えている人に有効です。

ただし、信用情報にキズがつくなどのデメリットは想定しておく必要があります。とはいえ、圧倒的にメリットの方が大きいので、借金で悩んでいるのであれば、早めに専門家に相談しましょう。

 

借金の返済にお困りなら

債務整理の手続きは複雑で難しいため、債務整理のプロへ相談することが賢明です。まずは相談料無料で債務整理に強い弁護士事務所に相談してみるのがいいでしょう。

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