- 最寄りの郵便局で相談できるので安心。
- 医師による審査が必要ないところもメリット。
- デメリットは元本割れするリスクがあること。
- リスクを減らすために特約は付加しない方が良い。
公開日:2020年5月5日
ひとむかし前は「郵便局の養老保険」といえば、お金を貯めながら生命保険も持っている、というイメージでした。今はかんぽ生命の取り扱いになりますが、実際は養老保険はかんぽ生命だけで販売しているのではなく、各生命保険会社でも販売しています。
現在は様々な問題から新規加入者数は伸び悩んでいるものの、かんぽ生命の代名詞でもある養老保険について、メリット・デメリットとともに解説していきます。是非ご参考になさってください。
現在かんぽ生命で取り扱っている養老保険【新フリープラン】は、「普通養老保険」「特別養老保険」の2種類に分けられます。さらに、それぞれの払い方や死亡保障の設定によって、以下のように細分化されています。
かんぽ生命では、この他に【かんぽにおまかせ(満期タイプ)】という引受基準緩和型の養老保険が2019年4月より販売されています。既往症があるなど、健康に不安のある方でも加入しやすい養老保険です。
「新フリープラン」「新フリープラン短期払込型」が、普通養老保険にあたります。まず「新フリープラン」ですが、保険期間と払込期間が同じである商品です。「新フリープラン短期払込型」は、保険期間よりも払込期間を短く設定する商品です。
一般的に、早く払い込んでしまう方が月々の掛け金は高くなります。しかし、保険料の払い込み総額を比較すると、短期払込にした方が若干安くなります。保障内容は同条件で比較した場合、短期払込型の保険料でも負担にならない場合は、短期払込型の方がお得なのでおすすめです。
「新フリープラン」のうち、「2倍保障型」「5倍保障型」「10倍保障型」の3種類が特別養老保険にあたります。この2倍、5倍、10倍というのは何を表しているかと言うと、加入時に設定した満期保険金の2倍、5倍、10倍の死亡保険金を設定できるということです。
たとえば、満期保険金200万円に設定した2倍保障型に加入していた場合、死亡保険金は400万円支払われるということです。
ただし、各商品で死亡保険金や満期金の上限がありますので、ご加入の際には必ずご確認ください。
養老保険とは、生命保険の仕組みでいうと「定期保険」の仲間です。定期保険とは、一定期間のみの保障をする保険商品です。その一定期間が終わると、更新はできません。つまり、定期期間が終わってもさらに保険が必要な場合は、新たに別の保険に加入する必要があります。
養老保険では、一定期間(加入時から満期時までの間)の死亡保障を備えることができます。さらに、満期時には予め設定した満期金を受け取ることができます。保険と貯金の一石二鳥の商品です。
しかし、考え方によってはリスクもあります。養老保険以外に生命保険を持っていない人は特に要注意です。
たとえば保険期間が20年だったとして、加入時に40歳だった方が、20年後60歳になり満期金を受け取ったら、そこで養老保険は消滅します。つまり、死亡保障が一気になくなるということです。
他に死亡保障の備えがある方はさほど心配しなくても良いですが、問題は養老保険しか加入していなかった場合です。この例で行くと、60歳になって新たな生命保険に加入するとなると、少なくとも40歳で養老保険に加入したときよりも保険料が割高になっているはずです。
また、60歳の加入時点で健康なら良いですが、たとえば持病がある場合などは、商品によっては医的診査に引っかかり、新規加入を断られる場合もあります。ともすると、養老保険の保険期間が終わったら、無保険になることもあり得るということです。
この点を踏まえたうえで、どのような形で養老保険に加入するのがベストであるか、検討してから加入するとより安心ですね。
一番知りたい「かんぽ生命・養老保険」の評判ですが、年代によって差があるようです。主に50代以上の方は、その方たちの親御さんの世代の方が多く加入していたことから親しみのあるイメージをお持ちの方が多いようです。
一方、50代以下の方には若干馴染みが薄く、他の保険会社での養老保険も含めて全体像としては把握していても、特にかんぽ生命の養老保険にこだわりを持っている方は少ない印象です。
現在のかんぽ生命の商品は、以前は郵便局が取り扱っていました。当時は郵便局で取り扱う保険を「簡易保険」と呼んでいました。地元の郵便職員の方への信頼もあり、郵便局に行ったついでに、職員の方から勧められて簡易保険に加入する方も多かったそうです。
そんな簡易保険の中でも、保険と貯金のいいとこどりである「養老保険」は人気の商品でした。自分のためと言うよりも、子や孫のためにかけてあげる方も多かったということでさらに普及し、簡易保険(通称かんぽ)=養老保険というイメージが根強いものとなったようです。
以前の郵便局では、お金を預けることも(預金)、保険に入ることも(簡易保険)、切手を貼って配達してもらうことも同じ場所でお願いすることができました。お金のことなら、郵便局に行けば事足りていたというイメージです。
今は、郵便部門は郵便局、預金などの銀行部門は「ゆうちょ銀行」、そして簡易保険は「かんぽ生命」とそれぞれの役割をもって細分化されています。
最寄りの郵便局は、かんぽ生命も併設している場合が多いので、養老保険について不明な点があれば、いつでもすぐに訊ねることができるのは安心であり、メリットでもあると言えます。身近な存在であるということですね。
この他、商品自体のメリットとしては、加入の際に医師の審査が不要であるということです。加入の手軽さから人気の商品です。
さらに、まとまった満期金を受け取ることを前提にコツコツ貯金をしている感覚と、生命保険として死亡保障も持っているという安心感かもあります。なかなか貯金ができない方の場合は、生命保険の要素も兼ね備えた養老保険を一つ持っておけば安心ですね。
簡易保険時代から、賢く貯金をするなら簡保の養老保険でお得に、というイメージが多いようです。確かに、以前は契約者配当も受け取ることができ、そもそもの満期金に関しても、払った総額よりも上回って受け取ることができていたので、貯蓄型保険の代名詞であったと言えます。
他に、貯蓄型保険と言えば、学資保険、終身保険、個人年金保険があります。
かんぽ生命の養老保険のデメリットとして、現在ではほとんど解約金と既払込保険料が同額程度であるということです。つまり、返戻率が100%か、医療特約などを付加していた場合は逆に元本割れをしてしまうこともあります。
マイナス金利政策の影響もあり、かんぽ生命だけでなく各生命保険会社が貯蓄性の高い保険商品の販売には苦戦しています。実際、養老保険の販売停止に踏み切った保険会社もあるくらいです。
これは、かんぽ生命の養老保険に限ったデメリットではありませんが、今は養老保険でも「ほとんど増えない」というイメージも色濃くなっています。
以前は、保険料の一括払いをすることで少し割引が発生し、月々保険料を払うよりも割安になる場合がありましたが、今はその割引もほとんどありません。
さらに、満期を待たずに解約した場合は、払い込んだ保険料総額よりも少ない金額しか戻ってきません。当初の契約時に保険期間や保障内容を決める際、途中で解約しなくていいように余裕を持ったプランニングを心がけましょう。
かんぽ生命は、2020年3月末まで行政処分を受けていたので、ここからどのように信頼を取り戻していけるかは、もちろん養老保険の販売に関しても大きなカギとなります。
かんぽ生命の養老保険にデメリットの要素を強く感じてしまう方は、同じくかんぽ生命から販売されている終身保険「新ながいきくん」という商品と比較検討されると良いでしょう。終身保険とは、保障が一生涯続く生命保険です。
養老保険の場合は、満期金を受け取ったら、同時に生命保険の機能もそこで終了します。つまり、満期がきたら死亡保障がなくなってしまうので、新たに別の形で備える必要があります。一方終身保険は、貯蓄性も持ちつつ、保障は一生涯ですので、より保険としての機能が強い商品です。
「新ながいきくん」の詳細については、こちらの記事に詳しくまとめられていますのでご参照ください。
かんぽ生命の養老保険だけでなく、他の生命保険会社でも養老保険という商品自体が少し影が薄くなってきている印象です。既に生命保険会社の一部では販売をとりやめた会社もあります。
マイナス金利政策によって標準金利を引き下げることになり、保険会社が貯蓄性の高い商品を販売し続けることが困難になったのがその理由です。
養老保険とは「貯金と保険のいいとこどり」が一番のセールスポイントです。満期が来たら一時金でお金が戻ってくるのです。保険期間中に亡くなったら、遺族に死亡保険として遺すことができる、実に合理的な商品です。
かんぽ生命では、古くから主力商品として養老保険を販売してきた経緯もありますから、今後も引き続き販売を継続すると推測されます。是非、本記事で紹介したメリット・デメリットを理解したうえで、今後の加入・見直しの参考になればと思います。
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