- 生命保険は万一の時の資金が用意できない場合は入る必要があるが、資金を用意できる場合は入る必要がない。
- 生命保険の世帯加入率は88.7%。
- 世帯の平均年間払込保険料は38.2万円。
- 生命保険は万一の時に備える場合に最適な制度。
- 若くて健康なうちに必要最低限の生命保険に入っておくべき。
公開日:2019年9月30日
「生命保険に入るのか入らないのか」、ズバリ結論から申します。
生命保険は万一の時の資金が用意できない場合は入る必要がある。ただし、資金を用意できる場合は入る必要がありません。
生命保険に入る必要があるのはこのような場合です。
これらに当てはまる方は生命保険で保障を用意し、万一の時の資金を確保しておくほうが安心です。
これから生命保険に入るのか、入らないのかを決断するために知っておきたい生命保険と周辺知識をご紹介します。
なお、生命保険の必要性については以下記事からも詳しく知ることができます。
目次
日本人の生命保険加入率は8割を超えており、世界的に見ても日本人は保険好きと考えられています。
日本人が保険好きになった理由は3つあります。
生命保険は中間所得層向けの商品です。富裕層はお金に余裕があるので生命保険は必要なく、低所得者層は保険に加入する余裕がありません。
高度経済成長を経験し、「一億総中流」と言われたまじめで貯蓄が好きな人が多い日本で、生命保険の人気が高くなるのは当然のことでした。バブル崩壊、リーマンショックを経験した現在でも、その頃の名残りを受け継ぎ日本人の保険好きは続いています。
生命保険に関する情報は、生命保険文化センターが1965年から3年毎に行っている「生命保険に関する全国実態調査」で知ることができます。
生命保険にどれくらいの人が加入しているのかを知る指標に世帯加入率があります。
生命保険の世帯加入率は88.7%(平成30年度)で、日本の8割以上の世帯が生命保険に加入しています。
全体的に生命保険に加入する人は減ってはいるものの、民間の生命保険会社に加入する人は増加しています。その理由は、民間生命保険の商品には保障内容が優れ、保険料が安い商品が多いからだと考えられます。
各世帯が一年間に支払った保険料を世帯年間払込保険料といいます。
世帯の平均年間払込保険料は38.2万円で、1ヵ月に平均3.18万円の保険料を支払っています。
この金額は子供がいる世帯、夫婦だけの世帯、独身世帯など全ての世帯が対象になっていて、実際は独身の場合はより少ない保険料、子供がいる世帯はより多い保険料です。
万一の時に支払われる主な保険金には、死亡保険金、入院給付金があります。
世帯主の平均死亡保険金額は1,406万円、妻の平均死亡保険金額は758万円です。
この金額はあくまで平均です。小さな子供がいる世帯の夫に万一のことがあった場合の資金を考えると、これらの金額では少ない印象を受けます。20~30代のご夫婦、小さな子供がいる家庭、これから結婚を考えている方は自分に万が一のことがあった場合に、残された家族が今と同じ生活を送れる資金を残す手段を考えておくべきです。
一方で、入院した際に支払われる世帯主の平均入院給付金は9.9千円、妻の平均入院給付金は8.4千円です。
こちらはやや高めの金額になっている印象ですが、医療費は貯蓄や公的保険などの民間の医療保険以外でカバーできる場合が多くあり、医療費をご自身で用意できる場合は医療保険は必要ありません。
また、生涯支払う保険料と入院時の医療費を比較すると、保険に加入するよりも生涯支払う保険料をそのまま貯蓄しておくほうが家計にとっていい結果を招く場合があります。医療保険に加入して安心できる保障を用意するのか、生命保険に入らず貯蓄して万一に備えるのかはご自身でご判断ください。
「生命保険に関する2つのリスク」には、死亡のリスクと入院のリスクがあります。
これらのリスクをご自身に当てはめて考えることで、生命保険に入るか入らないかがよりはっきり見えてきます。
死亡のリスクには、病気、事故、災害があります。
病気で死亡するリスクは、90歳の女性を除いて死因の6割以上を悪性新生物(ガン)、心疾患、脳血管疾患、肺炎が占めています。死因の6割以上が病気で死亡するリスクなので、これらの病気に対して生命保険で備えておくことは有効だと考えられます。
その他の死因には事故や災害、上記主な死因以外の病気による死亡が含まれています。
事故、災害での死亡者数は、交通事故死者数は5,278人(平成28年)、火災で1,563人(平成27年)、自然災害で92人、事故による死亡・行方不明が1,135人です。
調査年度は違いますが、上記死亡者総数は8,068人です。日本の人口が1,268億人(2017年)なので事故や災害で死亡する確率は極めて低いと言えます。
ですが、死亡のリスクに対応するには何十年分の資金が必要です。死亡する確率は極めて低いのですが、数千万単位の遺族の生活費を少ない保険料で用意できる生命保険は入っておくと安心できます。
入院のリスクは厚生労働省の「平成26年患者調査」から知ることができます。以下は調査結果です。
10万人に対しておよそ1%が入院していますが、思っていたよりも少なく感じられます。
また、国の政策として入院の短期化が推進されていることもあり、平均在院日数は以前に比べ短くなっています。胸を開いて心臓の手術をした場合も1~2週間で退院することが多くなっています。
入院のリスクは死亡のリスクよりも高くなっていますが、それでも入院する確率は1%です。最優先して備えるべきリスクであるかどうかは、ご自身の経済状況と健康状態で判断し、万一の時の資金がない場合は生命保険に入って保障を用意します。
万一の時に必要なお金には、ご遺族の生活費、医療費などがあります。遺族の生活費、医療費を知ることで万一の時に必要な資金を把握できます。それから、その資金をどのように用意するのかを考えます。
ご遺族の生活費は各家庭で異なっているので平均的なデータはありません。
まずはご自身に万が一の時に、ご家族が今の生活の維持に必要な生活費を1ヵ月単位で算出します。それに将来必要になる教育費などの資金を加えることで必要な資金がみえてきます。
その資金を万一の時に用意できない場合は生命保険に入っておいたほうが安心です。
生命保険文化センターによる「直近の入院時の自己負担費用」に関する調査(平成28年度)によると、1日あたりの自己負担費用の平均は19,835円です。
下図は「直近の入院時の自己負担費用『1日あたりの自己負担費用』」です。
入院時の自己負担費用5,000~20,000円未満が約67%となっていますが、20,000~30,000円未満の自己負担費用が14.1%あることも注意したいポイントです。意外と入院時の自己負担額がかかることがわかります。
ご紹介した万一の時に必要な資金をどう準備するかは、ひとりひとりの経済状況によって変わってきます。現在の収入や貯蓄、将来的に得られる資金でまかなえるのであれば万一の時に備える必要はありませんが、そうでない場合は資金の準備が必要です。
資金の準備方法として、第三者からの借入や生命保険などが考えられます。働けなくなると定期的な収入が見込めないので金融機関など第三者からの借入は難しくなります。また、世帯主が死亡し定期収入がなくなった世帯は借入が難しいのが現実です。
一方で、生命保険は万一の時に必要なお金を確実に受け取れます。そして、少ないお金で確実に資金を準備できるので、生命保険は万一の時に備える場合に最適な制度です。
ただし、生命保険には「健康でないと加入できない」、「加入時の年齢が高くなるに連れて保険料が上がる」というデメリットがあります。
この点に注意して、将来的に必要な資金がわからない場合や万一の時に不安がある場合は、若くて健康なうちに必要最低限の生命保険に入っておくべきです。そして保障が足りなくなったら上乗せし、必要がなくなったら解約する方法を取るのが賢い生命保険との付き合い方ではないでしょうか。
これまで「そもそも生命保険ってどういうものなの?」「生命保険に関する2つのリスク」「万一の時に必要なお金」を見てきました。
最初にお伝えしたように、生命保険は万一の時の資金が用意できない場合は入る必要がありますが、資金を用意できる場合は入る必要がありませんでしたね。
今後生命保険に加入される場合はご自身に必要な資金を十分検討し、必要な場合は生命保険に入り万一の保障を用意し、ご自身とご家族の生活を守ってください。
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