- お金管理の重要性と結婚前にすべきこと。
- 結婚後に話し合うこととお金管理のコツ。
- お金管理と専業主婦のリアル。
公開日:2018年12月21日
こんにちは、婚活FP山本です。独身女性の中には意外に感じる方もいますが、たとえ夫婦であっても「話し合いにくい事」がいくつかあり、筆頭には「お金のこと」が挙げられます。
一見、話し合って決めたつもりでも、言い出せなかったり心変わりしたりで、お金に関するトラブルは後を絶たないのが実情です。
そこで今回は、婚活FPである筆者が結婚前後のお金の管理方法と話し合うべきポイントをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
そもそも、結婚に必要な費用について知りたい方は以下の記事をどうぞ。
目次
まずはお金管理の重要性について統計をもとにお伝えします。総務省統計局の平成30年「家計調査」によると、一般的な定年直後である世帯主60~64歳の世帯の平均貯金額は、約23%が2000万円以下、約12%は1000万円以下です。また1割は100万円以下となっています。
最終的に定年時にいくらの貯金があれば大丈夫かは各家庭の生活水準や願望で左右されますが、仮に年100万円取り崩すと仮定すれば今は人生100年時代ですから、この頃には4000万円以上必要です。しかし4000万円を超える世帯は、わずか18%に留まっています。
定年を迎えてから貯金が無くなり、乏しい年金や労働収入の範囲での生活を強いられる……つまり老後破産です。その予備軍が、なんと8割を超えているのが今の日本といえます。しっかりお金を管理して貯めなければならない重要性が、少しは伝わるでしょうか。
中には「死ぬまで働くから大丈夫」と楽観視している方も多いです。しかし実際には健康寿命というものもあるため、死ぬ直前までは働けないのが現実といえます。しかもそもそも、会社員や公務員には「定年」があります。その先、雇ってくれる先は見つかるでしょうか。
雇用が続いても年収は半減、激減するのが基本ですね。現代は、ただ働いていれば生涯安泰という時代ではなくなっているため、時代に合わせた考え方が必要といえます。
次は結婚前のお金管理についてです。少し意外に思う女性もいるかもしれませんが、お金管理は結婚前から始まっています。結婚前に少しも管理できなかったカップルなら、結婚しても管理できないのも自然です。警戒心が残る頃でしょうが、少し勇気を出しましょう。
そして結婚前のお金管理とは、簡単にいえば「互いの口座を公開すること」です。理想としては、単に口座を公開するだけでなく、一切の財産調査を互いにすることですが、さすがに大変なので基本は口座公開程度になります。あなたは彼氏に公開できるでしょうか。
女性としては、彼氏の口座は見たいけど自分の口座は見せたくない……という方もいるかもしれませんが、夫婦で一方通行は不満を感じさせるだけです。あなたも見せるから彼氏のも見せてもらい、それを互いの安心に繋げながら「お金の話し合い」をしていきましょう。
考えるだけでもイメージできるでしょうが、意外と夫婦になる前提のカップルでも、口座の公開は勇気が必要な行為です。特に最近では共働きが一般的になった結果、夫婦間でも互いの経済状態が分からない、知らないということも多いですから尚更かもしれません。
しかし、それを乗り越えてこそ夫婦でのお金管理の第一歩です。財布を一つにするのは心を一つにする行為と考え、互いの経済状態を最初に確認したうえで結婚に進みましょう。
そして、結婚直後のお金管理のために話し合うべきポイントです。最終的には当人次第ですが、婚活FPである筆者は以下の点をお勧めします。
まず子供の数だけは絶対です。子供は一人につき1000万円を超える教育費が必要になりますからね。他にどんなお金が必要になるかを考え、育てられる数を望むようにしましょう。
そして先ほどの延長ですが、結婚後は口座だけではなく二人で家計簿をつけ、世帯の家計と経済状態を互いに確認します。ぜひ、おサイフを一つにし続けましょう。
その一方、結婚したとしても少しはプライベートも大切です。家計簿をもとに互いの小遣い金額を定めたら、その範囲でお金を使う以上、一切の文句を言わない事を約束しましょう。
中でも子供は「産んだらお返しできない」部分です。どんなに結婚・出産を経て家計が苦しくなっても、捨てることも別れることもできません。そして、産んだら一人につき1000万円を超えるお金が必要になります。ぜひ感情ではなく、現実的な経済力で考えましょう。
もっとも、一人程度なら育てられることも多いので、そこまで不安になる必要もありません。その分、二人を超えると十分な警戒が必要といえるので、冷静に考えて頂きたいところです。
さらに、結婚後のお金管理の方法についてです。基本かつ一番大切なことは「なぜお金を管理して貯金する必要があるのか」を、目的意識を通して理解することといえます。すでに触れた通り、最終的には「老後のため」、そして目先なら「教育費のため」です。
ちなみに目的意識は、夫婦どちらかの年収が高いほどに安心感から気が緩み、ついつい忘れてしまう部分といえます。自分たちは年収が高いから少しくらい大丈夫……。そうやって一度でも生活水準が上がれば下げるのが困難になり、それだけ目的達成が遠のく訳です。
またこの点は、夫婦どちらか一方でも忘れてしまったら簡単には取り返しがつきません。これを防止するために、夫婦で互いに監視しあうために、口座を公開して常に家計簿を共有して「共通の目的意識」を忘れない工夫をしていくことが重要になります。
最近では方々で「貯金したいのにできない」と嘆く声を聞きますが、貯金したいだけなら「しなくても問題ない」という意識を生みます。「貯金しなければ〇〇で困る」という強めの危機感こそが、貯金には大切です。どうしても貯金は、節約という苦痛をともないますからね。
ただし、そんな目的意識や危機感は、長く持ち続けるのは意外に難しいものかもしれません。だからこそ、あなたなりに工夫して、そういう意識を長持ちさせられるようにしましょう。
最後は、よく聞くお金管理の誤解についてお伝えします。最近では共働きが一般的になりつつありますが、まだまだ女性の中には「結婚したら専業主婦になりたい」声も多いのが実情です。もし、あなたにもそういう願望があるのなら、ちょっと注意が必要かもしれません。
というのも、実際に専業主婦になって私に相談に来る女性の多くが「贅沢していない、普通に暮らしているだけなのに、なぜ?」という事情を言われます。つまり、節約していれば、上手にお金を管理していれば専業主婦でも大丈夫と、勝手に考えている訳です。
残念ながら、節約には限度があります。そして上手なお金管理とは、先々に必要なお金を見据えた生活水準を維持することであり、単に月々赤字を出さなければ大丈夫というものでもありません。また、教育費は年々上がり、将来的な年金は年々下がっていくのが実情です。
これらの背景をプロとして分析すると、ハッキリ言ってどう足掻いても「もう専業主婦はムリ」と言えてしまいます。むしろ、今は共働きのうえで節約して、それでどうにか生涯安泰の可能性が出てくるのが現実です。8割の世帯は老後破産予備軍ということをお忘れなく。
女性としては、男性に経済的な面を頼りたい気持ちはあるでしょう。そのお気持ちや女性の経済力は分かる一方、男性心理や男性の経済力、そして時代背景も理解することが大切です。もはやバブルはとっくに終わっているので、現代に合わせた考え方をしましょう。
結局のところ、お金管理は「生涯を幸せに生きるため」に必要です。お金には限りがありますし、稼げる期間にも限りがありますからね。今は「結婚したら安泰」ではありませんから、しっかりと先々を見据え、その時に必要なお金を考えて家計を管理していきましょう。
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