- 貯金するには「目標」と「時期」が大切
- 貯金に慣れたら「資産運用」を考えよう
- 貯金の大敵は「普通」という見栄
公開日:2019年3月18日
こんにちは、婚活FP山本です。一般的に年収でも貯金でも、1000万円というのが一つの目標となる事が多いのではないでしょうか。そして中にはアッサリ超える人もいるものの、多くの人にとっては「遠くて中々到達しない目標」といえます。
特に昨今の日本は、ただ働いているだけでは十分なお金が貰えないので尚更です。そこで今回は、筆者が貯金1000万円を達成するための方法についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは最も基本かつ大切な事について、統計を通してお伝えします。知るぽると(金融広報中央委員会)の平成30年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、年収1000~1200万円の方の貯金状況は、以下の通りです。
ざっくり、年収1000万円の方の約4割は、ほぼ無貯金となっています。一方、既婚世帯では約1割という結果です。結婚すれば、誰もが教育費や住居費などが必要になるため、総じて貯金に励むものの、独身の方にはそういった目標が何もないからこその結果といえます。
つまり、貯金するための最も基本かつ大切な事とは「目標」、つまり「貯金する理由」です。なぜ貯金が必要か、しなければならないか、しなければどうなるのかを考えましょう。
中には、貯金を「生活費の余り」や「余裕の範囲でするもの」と考えている人もいますが、こういう人は永遠に貯金できません。貯金の優先順位が低く、その必要性も分かっていないためです。貯金するもしないもあなたの自由ですが、それで苦しむのもあなただけですよ。
結婚していたら、あなただけでは話が済まず、夫や子供にも迷惑をかける事に繋がります。迷惑どころか不幸のどん底にまで突き落とす事も多いので、十分な注意が必要です。
次に、もう一つの貯金における大切な事をお伝えします。例えば、子供の教育費は総額で約1250万円、うち大学4年間で700万円が必要です。そして、子供の進学は「お金が貯まってから行かせる」という事が基本的にはできません。もちろんですが、当たり前の話…ですよね。
つまり、貯金は「目標や理由」が大切なのですが、並行的に「いつ達成するか」も重要となります。とりわけ、例えば老後資金なら定年後も働くなどで相応に時期を調整できますが、進学時期は子供が産まれたら実質的に変えられません。時期に間に合うか否かも重要です。
合わせていえば、一般的なお金が必要になる理由は、一時期に一つではなく、複数あることが多いといえます。教育費と住宅ローンは最たる理由ですが、複数の理由を合計して時期と必要貯金額を考えましょう。
時期を少し小難しく考えてしまう方もいるかもしれませんが、冷静に考えれば簡単ではないでしょうか。例えば子供が産まれたら18年後に700万円ですから、一年あたり約40万円の貯金が必要になります。お給料の何割を貯金すれば、目標を達成できるでしょう。
子供が小学校入学頃に家を買う場合も同じです。7年後に必要と思える頭金の額を考え、7年で割れば出てきます。時期を考えると計画も立てやすいですから、ぜひしっかり考えましょう。
今度は、少し応用的な貯金のことをお伝えします。貯金を語る時には、よく「収入の〇%を貯金しよう」などと言ったものを見かけますが、こういったものは決して万能ではありません。貯金は大切ではありますが、当人の年齢や諸事情などを考えて決める事が大切です。
例えば、まだ年齢も若くキャリアもこれからという人が、イキナリ「貯金1000万円」を目標に掲げても、そこに何の意味も見いだせないでしょう。「外車を買う」や「結婚資金と住居費の頭金にするため」などの理由があれば別ですが、基本的には分不相応といえます。
あるいは、必要時期まで一年しかない人が、無理やり「貯金1000万円」を目標に掲げるのも無謀です。無謀な目標を持つと、人は簡単に諦めますから、実現可能かつ意味のある目標を掲げましょう。
なお、あなたが20代の場合の貯金のコツが知りたい方は、以下記事も参考にどうぞ。
並行的に、貯金は「客観的な理由」も大切といえます。例えば結婚資金のためと貯金に励んでいても、それが実家暮らしの人やアルバイトの人なら、ちょっと説得力に欠けるのではないでしょうか。老後資金のためなら、人の目線は関係ないので自由かもしれませんけどね。
貯金は目標や理由が大切ですが、取って付けたような理由では本人のやる気も周囲の理解も得られません。ぜひ貯金に励み、貯金に協力してもらえるよう、本人も周囲の人も納得できる理由を考え、実践しましょう。
さらに、貯金そのもののデメリットをお伝えします。日本では貯金が絶対的なものとして捉えられており、大切なものであるという点は間違いありません。しかし、貯金はご存知の通り「減らない代わりに増えない」資産です。物価上昇を考えたら目減りするとさえ言えます。
このため、一定金額以上に貯金が貯まった頃には、少しずつでも資産運用をすることをお勧めしたいところです。それこそ「貯金1000万円」が分かりやすい目標ですが、他にも「生活費一年分」や「年収一年分」でもかまいません。それを上回る部分を資産運用しましょう。
ちなみに目標金額の基本は「しばらく手をつけないでいられるか否か」です。少々の事があっても、この金額よりは貯金が減らない、つまり当面は眠らせる……のなら、代わりに資産運用に回しましょう。
貯金の最終目標は、基本的に「老後資金」になります。そしてこの老後資金を考えると、多くの場合で貯金だけでは必要額が貯まりません。貯金は目標や時期とともに「足りるか否か」もかなり重要なポイントです。この点を考えると、おのずと資産運用も視野に入るでしょう。
一口に資産運用といっても、その内容は本当に色んなものがあります。リスクとリターンを存分に勉強して考え、あなたに見合った方法のものを少しずつでも試していきましょう。
最後に、中々貯金ができないという人にありがちな原因をお伝えします。分かりやすく年収がとても低く、本当に食べるので精いっぱいという方は除いて、「普通」が原因という事も多いです。つまり周囲に合わせ、周囲の普通を自分にも取り入れた結果……でしょうか。
例えば、周囲がスマホを持っていたら自分も持ち、飲み会に誘われたら簡単に応じる……そんな見栄が、往々にして貯金の邪魔となる原因です。特に男性なら「付き合いも大事」などと言い出すところですが、それと貯金の理由である目標と、どちらが大切でしょうか。
言い方を変えれば、「今という現金」と「未来に必要な貯金」で、今を優先した結果ともいえます。今を優先すれば、それだけ未来が困窮するのも道理ですから、十分に注意しましょう。
生活水準というのは、たとえ周囲に合わせた結果であっても、それが本人にとっても普通になってしまえば落とすのは極めて困難です。お金や私生活で苦労した事がない人にはイメージする事すら困難かもしれませんが、「お金が足りない現実」は、すぐ傍にありますよ。
一概には言えませんが、大学生や新卒の頃の生活水準はいかがでしたか?年収とともに生活水準が上がっていれば貯金額は大きく変わっていないハズです。昔を思い出し、現在の普通という贅沢を改めていきましょう。
貯金1000万円と聞くと「随分と貯まっているな」と感じがちですが、生涯スパンで考えれば全然足りません。しかし1000万円すら貯められない人には、それ以上の貯金はできません。あくまで通過点ではありますが、千里の道も一歩からですし、まずは1000万円の貯金を目標にがんばりましょう。