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住宅ローン選びでネット銀行を利用するのはどうなの?メリット・デメリットをご紹介

住宅ローン選びでネット銀行を利用するのはどうなの?メリット・デメリットをご紹介

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田中祐介

田中祐介

住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランナー

大学卒業後、大手金融機関にて融資業務を担当。その後外資系生命保険会社にスカウトされ転職。 主にライフプランニングを中心に活動。以後、保険代理店へと移籍。移籍後は数多くの企業と提携し 個人向けマネーセミナーを開催中。金融業界で経験した知識、経験を基に「お金」にまつわる幅広い知識を 「いかに分かり易くお伝えするか?」をモットーに日々活動しています。

この記事のポイント

  • ネット銀行のメリット「金利の低さ」は人件費抑制にある
  • ネット銀行は有店舗型銀行と比べて金利を低く出来るだけの利点はある
  • 困ったとき、質問したい時等時間を要する事がデメリットになり得るので銀行選びは慎重に

今回は、住宅ローン選びで「ネット銀行」を利用する際のメリット・デメリットについて説明していきたいと思います。最近筆者の所にも多くのご相談が寄せられていますが、ネット銀行ってどうですか?と聞かれる事が多く、本記事をご覧になる方も「ネット銀行」がどんな銀行なのか知りたいのではないでしょうか?早速本題に入っていきます。

 

ネット銀行の歴史を知ろう!

そもそもネット銀行はなぜここまで世に広まったのか?なぜ住宅ローンを取り扱う様になったのか?その根底の部分からお話をしていきたいと思います。

 

インターネットの普及で時代が変わった

皆さんは何かを調べたり広く周知したりする時に当たり前のようにネットを利用しませんか?時代の変化につれて今ではネット環境に依存してしまっていると言っても過言ではありません。ネット自体の歴史は古く、1960年頃から研究が始まり今に至っています。

今ではパソコンだけでなく、携帯電話でも当たり前のように何でも調べたり、便利なアプリを使ったりと生活には無くてはならない存在になっており、逆に利用していない方の方が少ない時代ですね。本当に便利な時代になったと言えます。

 

ネットの利便性は?

ネットが普及し、皆さんの生活には無くてはならない存在にまでなりました。そこで、皆さんも心当たりがあると思いますが「調べる」「比較する」といった行動を行った事はありませんか?

例えば、食事に行く時にリーズナブルなお店を検索したり、旅行に行く時に名所を調べてみたり、また、飛行機や新幹線、ホテル等「どこが安くてお得なのか?」を調べて比較した事などあるのではないでしょうか?筆者もその一人でもあります。

なぜこういった調べて比較をするのでしょうか?筆者の考えは「損をしない」ようにする為だからだと考えます。当然損得があるのなら、知った上で取捨選択して得したいのが心情ですよね。納得、満足するだけの情報がネットには溢れているんですね。

 

ネット利用者の拡大に目を付けた銀行

今、日本でネットを利用している方って何人くらいいるのかご存知ですか?調べてみましたが、何と!1億人もの人がネットを利用しているんです日本の人口の8割にあたる方々がネットを利用している事が分かりました。それだけ便利で利用する価値があるって事ですよね。

これだけの人がネットを利用している事にビジネスチャンスがあると考え、銀行事業に参入を考えた結果1995年にアメリカでネット銀行が誕生し、日本は2000年にジャパンネット銀行が誕生しました。その結果現在日本におけるネット銀行は10行に増えました。

 

ネット銀行の利点

こんなに多くの方が利用しているネットで、手軽に、自宅にいながらでも銀行での振り込み等が出来るのは大変便利ではないでしょうか?今では24時間コンビニでもお金を下ろせる時代です。

そんな中、既存の銀行はというと、ATM操作の時間は限られ、店舗も15時までと縛りは多く、その中で利益を上げてきました。しかし、ネットの普及に伴い顧客ニーズにも変化が生じ、既存の銀行もネットバンキングなるものを取り入れてきました。

利用者からすると本当に使い勝手が良くなりました。逆に銀行にも得になる事があります。

 

銀行のビジネススタイル

銀行は主に「貸出」から利益を出します。そこに常に絡むのは「手数料」や「利息」です。ATMを時間外に利用したら「時間外手数料」を取られますよね。

借入を行った際に利息を支払わなければなりません。そうする事で「利益」を出し商売にしている訳です。これまでは人を雇い、営業をして利益を出してきました。しかし、人件費はどの企業でもかかり過ぎてはいけないのです。

そこで新たに人件費を抑制し貸出できないものか?と考えたのがネット銀行です。担当者や店舗も無くネットで完結できるのであれば、最小の人員を置いてさえおけば多少なりとも貸出金利を低くしても「利ザヤ」は生まれるのです。

 

ネット銀行の住宅ローンの良し悪し

さて遠回りしましたが、ここからネット銀行を利用した住宅ローンのお話に触れていきますね。まず良い所から見ていきましょう。

 

ネット銀行のメリット①住宅ローンは何故金利が低いのか?

ここで皆さんに考えて頂きたいのはネット銀行の住宅ローン金利は地銀と比べかなり低くなっていますよね。理由は先程も述べましたが、人件費を抑制出来ているからです。

担当者といっても、コールセンターの人員位で、対面を要しない、必要のある時だけ回答すれば良いという効率化を図った結果、金利に反映した訳です。これは銀行にとっても、利用者にとってもお互い大変助かりますよね。コールセンターも稼働時間が決まっていますので、人件費の管理がし易く、コストを抑制し易くなっています。

 

ネット銀行のメリット②ネットを利用した、ある行動で生まれる相互メリット

先程「損得」のお話をしました。その前段階で、皆さんの行動を振り返ると、「調べる」事をやっていると思います。住宅ローンを調べるにあたって、検索キーワードは「住宅ローン」「低金利」とか「安い」とか「口コミ」とか「損」しない為の検索キーワードを羅列しているはずです。

検索結果は当然、金利の低いネット銀行から順番に画面に出てきます。そこから地元の地銀の金利や35年固定金利と比較に入っていきますが、何せ見た目の金利の低さにインパクトがあり過ぎる為、なぜネット銀行はこんなにも金利が低いのか?と疑問を持ち始めます。

行きつく先は、前述しました人件費に辿り着きます。ここから初めて「対面」が安心なのか「非対面(ネット完結)」でも良いと考えるのか、または変動金利や固定期間選択型、35年固定型かの自己での比較に入っていきます。(ご相談頂く方皆さんに質問したら、この行動を取っていらっしゃる方が殆どでした)

こうなると、ネット銀行はCMを打たなくてもユーザーが勝手に調べて辿り着く方だけを待っていれば良い訳ですね。これも双方にとって「押し売り」など無く「待ちの営業」として、営業面でも成立しますね。

 

ネット銀行のデメリット①対面じゃない煩わしさ

ここからはデメリットの部分に触れたいと思います。実際に借入を行う際に膨大な準備書類や印鑑などが必要になる住宅ローンですが、不備があった際に「担当者」がいる場合と「コールセンター」で毎回異なる方が対応する場合を想像してみて下さい。

別のケースで想像して頂いても構いませんが、ハッキリ言って「担当者」がいる方が事はスムーズに運びます。なぜなら「コミュニケーション」と「目視」の有無が異なります。電話やメールだけでのやり取りは「齟齬」が発生し易く、お互いの意図が異なれば利用者はどう思うでしょうか?

やり取りが面倒くさいと思う事もあるのでは無いでしょうか?実際に筆者のお客様にネット銀行を利用した感想などを聞くと「大変だった」とか「本当に面倒くさい」といった回答も少なくありませんでした。

書類の不備に印鑑漏れが有り、何度もやり直したといったケースが多い様です。これは対面だとすぐに解消できますよね。この点に於いてはデメリットと言わざるを得ませんね。

 

ネット銀行のデメリット②人員削減による対応の遅さ

金利を低くする代わりに、人件費を抑制できますが、問い合わせをする際、電話、メール対応になります。専ら電話だと理解も早く質問もできますが、コールセンターに連絡し待たされる事ありませんか?

しかも、契約者でなければ回答できません!と言われた場合、仕事の関係で日中電話できそうも無い、となると、話が一向に進みませんよね。こういった部分は利用者の方にご迷惑をお掛けする部分です。せっかちな方はイライラが募る事でしょう。

 

住宅ローン選びでネット銀行を利用まとめ

今回はネット銀行に関して書いてきました。メリットばかりではありません。もちろんデメリットも存在します。金利の低さを追及した結果、人員を削るやり方が普及してきました。ここまで読んで頂き、皆さんの「性格」や「考え」「ご意向」に応じた銀行を選択するのが、納得、満足できる近道だと思います。

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