マネタス

賃貸物件用の火災保険ランキング!お得&安い保険選びのポイントをFPが解説

賃貸物件用の火災保険ランキング!お得&安い保険選びのポイントをFPが解説

カテゴリー:

著者名

岩崎真明

岩崎真明

CFP(日本FP協会認定)、一級FP技能士、証券アナリスト(日本CFA兼CIIA)

独立系ファイナンシャルプランナー、CFP歴20年の資格保持者です。現在は独立系FP会社の代表として、外資系金融機関に勤務した経験も活かしつつ、幅広い金融知識を簡単にわかりやすくお伝えし、ご相談者の生活に役立てていただく相談業務を中心に活動しています。保険のセールスを一切行わないという真にお客様の立場での保険相談業務にも定評があります。

この記事のポイント

  • 賃貸物件での火災保険を安くするには家財に対する補償とし、補償の範囲を絞ることです。
  • ただし家財の補償に加えて、大家さんに対する借家人としての個人賠償責任の補償を加えておくことも必要です。
  • 安い火災保険の選び方についてはネットでの一括見積もりサイトなどを利用して、注意深く比較検討することをお勧めします。

火災保険はなるべく安い保険料で抑えたい。このように考える方も多いでしょう。賃貸物件であれば尚更そうした思いを強く持つ方も多いはずです。

今回は賃貸物件用の火災保険から、お得な安い火災保険を選ぶポイントと、具体的な火災保険をランキング形式でご紹介していきたいと思います。

なお新築戸建ての火災保険については別の記事で詳しく説明をしていますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

【お得&安い火災保険①】火災保険で安いのはどのような保険?

火災保険で安いのはどのような保険?

どのような火災保険が安くなるのでしょうか。火災保険とは建物と家財が被害を受けた際にその損害を保障する保険です。したがって火災保険の補償対象には3つのパターンがあります。

  • 建物と家財の両方
  • 建物のみ
  • 家財のみ

家財よりも建物の方が高額となるのが一般的ですから、火災保険として安くなるのは家財のみを補償する場合です。家財のみだけで火災保険に加入するケースとはどのような場合でしょうか。それは賃貸物件の入居者が火災保険に加入する場合です。

 

賃貸物件で安い火災保険にするには

賃貸物件の入居者は建物(賃貸物件)の所有者ではありません。したがって他人の失火により建物が焼失したとしても引っ越しをすればいいだけで、建物に対する経済的な補償は必要ありません。

また、自分が失火した場合でも、失火法により重大な過失で無い限りは建物に対して経済的な補償をする必要はありません。したがって火災保険では自分の家財に対する補償を考えればよいということになります。

 

借家人賠償責任保険は必要

しかしながら、賃貸物件の場合は大家さんとの賃貸契約を締結します。この場合賃借人である入居者は物件を貸してくれる大家さんに対して現状回復義務を負うことになります。

もし自分の過失で建物(賃貸物件)に損害を与えてしまった場合、大家さんに対する損害賠償責任により数百万円程度の賠償金を払う可能性があります。

したがって火災保険としては家財に対する補償だけを考えればよいのですが、大家さんに対する借家人としての賠償責任保険にセットで加入しておく必要があります。

ただし、別途個人賠償責任保険に加入している場合は、借家人賠償責任保険に入る必要はありません。

 

マンションで安い火災保険の注意点

賃貸物件で必要なのは家財に対する火災保険と、借家人としての個人賠償責任保険であることを説明してきました。ここで、マンションなど集合住宅の賃貸物件で火災保険に加入する場合の注意点をお伝えしておきたいと思います。

火災保険の補償は災害などの原因別にわかれており、加入にあたってある程度取捨選択することが出来ます。(中にはプランとしてパッケージ化されているものもあります。)

マンションなどの集合住宅の賃貸物件で、これだけは揃えておきたいという補償は以下のとおりです。

  • 火災による損害
  • 落雷による損害
  • 破裂や爆発による損害
  • 水漏れによる損害

 

マンションで必要な補償の理由

火災による家財の損害はイメージしやすいと思います。落雷はどうでしょうか。落雷により電話回線・通信回線のショートなどでWiFi機器などが損傷を受けるということがあります。

また、破裂や爆発とは、ガスコンロやガスヒーターなどのガス漏れが原因で発生することがあります。

そして水漏れとは浴室や洗濯機などの水漏れによって家財が水浸しになる損害です。洪水などの水害(水災)による補償と混同されることがありますが、両者は違う補償となりますので注意してください。

 

 

【お得&安い火災保険②】安い火災保険のランキング

安い火災保険のランキング

ここからは安い火災保険を具体的に紹介していきましょう。

これまでご説明してきたとおり、家財の損害を補償する火災保険に借家人の個人賠償責任保険をセットした補償内容を基準として、各種ランキングサイト・比較サイトで取り上げられている中で、安い火災保険をいくつか紹介していきたいと思います。

 

賃貸向け火災保険ランキング3位:全労済の「すまいる共済」

最初に紹介するのは全労済のすまいる共済です。まずは具体的な補償内容を下表でご覧ください。

家財(火災/落雷/破裂・爆発/他人の住居からの水ぬれ/消火作業による冠水・破壊/他人の車両の飛び込み等) 保険金額500万円
借家人賠償責任 支払限度額1,000万円
保険料 年払4,000円

組合員として出資金年払1,000円が別途必要

設定条件 ・年齢30歳~39歳、単身

・住宅保障面積10 坪

・建物構造区分:鉄骨・耐火構造

これまで説明してきた通り、家財の補償に必要な火災、落雷、破裂・爆発、水濡れを対象とする内容となっています。

そして借家人としての賠償責任の補償が1,000万円ついているというシンプルで最低限の補償が揃っています。

この補償内容で保険料は年間4,000円となっていますが、注意点があります。全労済は組合員組織のため、この火災保険に加入するには年間1,000円の出資金が必要となります。これも実質的な保険料として考えておく必要があります。

全労済のすまいる共済

 

賃貸向け火災保険ランキング2位:日新火災の「お部屋を借りるときの保険」

次に紹介するのは日新火災のお部屋を借りるときの保険です。こちらも具体的な契約例をご確認ください。

家財 (火災/落雷/破裂・爆発/風災/雹災/雪災/水ぬれ/盗難/物体の飛来・落下・衝突・倒壊等/騒擾・集団行為・労働争議) 保険金額300万円
借家人賠償責任 支払限度額2,000万円
個人賠償責任 支払限度額1億円
被害事故法律相談費用等 支払限度額30万円
保険料 年払6,000円
設定条件 ・年齢30歳前後、単身

・賃貸住宅

・部屋面積、居住地域等の条件設定なし

日新火災のお部屋を借りるときの保険は、火災、落雷、破裂・爆発、水濡れを含んだ各種原因による補償と、借家人賠償責任の補償とをベースにして、個人賠償の補償、法律相談費用などが付帯されています。

このため家財の保険金額は300万円となり、先ほどの全労済のすまいる共済の保険金額500万円よりも少なくなっていますが、補償が広くなっている分、保険料は年払6,000円となっています。

日新火災お部屋を借りるときの保険

 

賃貸向け火災保険ランキング1位:アイアル少額短期保険の「愛ある家財保険」

最後に紹介するのはアイアル少額短期の愛ある家財保険です。こちらも保障内容を確認してください。

家財 (火災/落雷/破裂・爆発/水災/風災/雹災/雪災/水ぬれ/盗難/物体の飛来・落下・衝突・倒壊等/騒擾・集団行為・労働争議) 保険金額300万円
修理費用 残存物清掃費用 実費(15万円限度)
緊急避難費用 1泊につき5,000円
近隣見舞費用 被災世帯数×5万円(15万円限度)
ドアロック交換費用 同等のドアロックに交換する費用

(3万円限度)

修理費用 実費(100万円限度)
借家人賠償責任 支払限度額1,000万円

(ただし自己負担額5千円)

個人賠償責任 支払限度額1,000万円

(ただし借家人賠償責任と通算

保険料 年払5,400円
設定条件 ・賃貸物件

・その他の設定条件特になし

「愛ある家財保険」の特徴ですが、年払で5,400円と保険料は安く抑えられている一方で、修理費用の保障がバラエティ多く揃っていることです。

また大家さんに対する賠償責任の補償だけではなく、大家さん以外に対する個人賠償責任も補償に含められています。(ただし借家人賠償責任と通算)

アイアル少額短期保険の愛ある家財保険

 

お得な火災保険の選び方

こうした安い火災保険ですがどのように選べばよいでしょうか。一番のオススメは、ネットの一括見積もりサイトなどを利用することです。

自分の設定した条件である程度自由に設計できる火災保険も増えていますので、一括見積サイドで自分の設定した条件で見積もりを行ない、比較検討して加入することが重要です。

火災保険一括見積もり依頼サイト

ただし、注意していただきたいのは、各社の火災保険の設計に違いがあるため、全く同じ条件・金額での比較がなかなか難しいということと、ネットで手軽に操作ができる半面、加入前に押さえておくべき注意事項などを見落としがちな点です。

こうした点に気をつけたうえで比較サイト等を利用してください。

なお、賃貸物件の火災保険の選び方については、別の記事でも詳しく説明していますので合わせて参考にしてみてください。

 

お得な安い火災保険に関するまとめ

安い火災保険の補償内容と注意点について説明をしてきました。賃貸物件であれば、最低限の備えとして、家財を対象とした火災保険と借家人賠償責任保険に加入しておけばよいでしょう。

また安い火災保険を具体的な紹介しましたので、ご自身の火災保険を検討される際の参考にしてみてください。

火災保険に関する以下記事もおすすめ☆