公開日:2019年9月11日
毎年台風のシーズンになると取り上げられるのが台風の被害です。テレビやネットのニュースなどで台風による住宅の被害をご覧になった方も多いでしょう。しかしこうした台風被害は対岸の火事ではありません。台風被害にご自身の住宅が見舞われるかもしれないのです。
台風被害にあった場合、火災保険がどのように適用されるのかについて、わかりやすく説明していきたいと思います。
目次
まず火災保険の補償についてどのようなものがあるのかを確認しましょう。火災保険の概要を確認したうえで、台風による被害の場合に火災保険でどのように補償されるのかを説明していきます。
火災保険には様々なタイプの商品がありますが、どの火災保険にも共通した基本補償があります。具体的には以下の通りの補償です。
どの火災保険にも共通した基本補償に加えて任意で追加できる補償として以下のものがあります。
火災保険の補償の概要はさきほど確認したとおりですが、ここで注意していただきたい点があります。それは地震を原因とする補償が火災保険には入っていない、ということです。
現在でも地震の予測や予知について研究が進められていますが、保険という観点からすると、どこでどのような規模の地震災害が発生するかを予測することは困難なため、火災保険の対象となっていません。
そこで国と連携して地震保険という各保険会社共通の商品となっています。火災保険に加入する際にはこの地震保険も合わせて検討することをお勧めします。
次に火災保険の保険金額の設定方法について確認しておきましょう。火災保険の対象には建物と家財とがありますが、ここでは建物の保険金額について確認しておきましょう。
建物の補償とは、建物が何らか災害により被害を受けた場合に最悪立て直しをしなければならないことに対する準備です。そのため、建物を建て直す場合の再調達価格(新価)を最大限として保険金額を設定することが通常です。
現在の建物を建て直すとした場合の価格が2,500万円とすれば、2,500万円を最大限として保険金額を設定することが出来るのです。
なお、火災保険の基本的な内容と選び方については詳細を別記事にて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
災害により建物が全壊した場合には、立て直し費用の全額が補償されるのでしょうか。この全額補償されるのか否か、については免責額というものを知ることが必要です。実際に火災保険に加入するときには、この免責額というものを設定することになっています。
例えば免責額が10万円であれば、補償される金額から10万円が差し引かれて保険金として受け取ることになります。もし免責額が0円(無し)であれば全額補償となり、保険金を全額受け取れるということになります。
ではなぜこうした免責(額)が設定されるのでしょうか。免責額(自己負担にすること)によって、火災保険の保険料を引き下げることができるからです。
保険の本来の目的は、自己では大変な負担となる保険金を万が一の時に受け取れることです。大きい保険金額を補償してもらうためには、その分高い保険料を支払う必要があるのですが、免責額を設けることで、少額の保険金額の支払いが少なくなるので、保険料を引き下げられるというわけです。
免責額の設定についてですが、各保険会社の商品によって出来る範囲は異なるのですが、災害ごとに免責額を設定することが可能です。例えば火災での補償では免責額10万円、破損・汚損では5千円といった具合です。
免責額が大きければ大きいほど、保険料が安くなります。しかしながら免責額はあくまでも自己負担となる金額です。万が一のことが急に発生した場合でも無理なく支払うことができる金額を免責額の上限とすることをお勧めします。
それではここからは、台風被害の場合に火災保険でどのように補償されるのかを確認していきましょう。台風による災害の補償は通常以下のものが考えられます。
台風による被害で一番最初に考えられるのは風災です。台風による強風・突風などによって屋根の瓦が飛んだりして建物の一部が破損した場合などには風災による被害として補償の対象となります。
門扉や塀の場合の被害はどうなるでしょうか。台風などの強風・突風で門扉や塀に被害を受けるということは想定されることです。まずこの場合ですが、火災保険の対象としての建物の定義のなかに、門扉や塀が含まれているかどうかが重要です。
対象に含まれていれば、建物の一部として門扉や塀も火災保険の対象となりますから保険金を受け取ることが可能です。ただし、通常の火災保険には含まれていることが多いのですが、任意で含むか含まないかを決める商品もあるので加入時には十分に気をつけてください。
台風や台風による竜巻などによって、飛んできたものが建物に当たって被害を受けることもあります。こうした飛んできたものを飛来物と呼びますが、原因が台風による風災なので、こうした被害も火災保険の対象となるのです。
台風を原因として電気系統に損害をこうむって、漏電するということは十分に考えられることです。こうした台風を原因とした漏電は火災保険の補償の対象となります。
台風が原因で洪水になり床上浸水といった被害も多く発生しています。また台風の大雨を原因として土砂崩れとなり建物が全壊したり、土砂に建物が流されたりすることがあります。こうした床上浸水や土砂崩れの被害は水災による被害として補償されます。
ここまで台風を原因として災害を受けた場合の補償について説明をしてきました。実際に被害を受けた場合の請求に関する注意点について説明をしていきます。
まず最初に注意すべきことは、あくまでも台風を原因とした災害による被害であることが保険金を請求する前提となります。したがって、経年劣化(長年使っていてもろくなったの)で壊れた、ということになると火災保険の対象とはならないのです。
ただし、経年劣化していたとしても、台風などの風災・水災で破損したのであれば火災保険の対象となります。台風が原因なのであれば「もともと古かったから壊れたんだ・・・」とは思わず、堂々と保険金の請求をして何ら問題ないのです。
最近は保険会社の請求対応サービスも充実していますので、コールセンターなどで受け付けてくれる保険会社も多くあります。しかしながらそこで安易な受け答えをしてしまった結果「保険金がおりないのだ・・・」と思い込んでしまうことがありますので、注意をしてください。
具体的にどういうことかというと、さきほどの経年劣化もその一つの例で、もともと古くなっていたので壊れた=火災保険の対象にならない、という思い込みです。繰り返しになりますが、台風を原因として実際に被害が発生したのであれば火災保険の対象となります。請求書の用紙に定められた事項にありのまま詳細に記載するようにしてください。
また被害状況を補足する手段として、被害状況にあったときの写真が有効な場合があります。携帯電話・スマートフォンにカメラ機能が搭載されていると思いますので、被害状況をいろいろな角度から写真におさめておくとよいでしょう。
台風による被害が火災保険でどのように補償されるのかを確認してきました。火災保険の基本補償にある風災と、任意で追加できる水災が台風による被害の大半を手当てしてくれる補償となります。
台風による被害が発生した時に、具体的にどのような補償があるのかを知っておくことで保険金の請求漏れを防ぐことができます。また請求時には経年劣化による破損と一方的に思い込むことなく、台風の被害であることをきちんと説明・記載することが重要です。
火災保険に加入する際は複数社見積もりをとって検討することをおすすめします。生命保険同様、火災保険も物件や家庭の状況に合わせて、最適な商品を選ぶことで、 保険料を抑えられる可能性があるのです。
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