- 自己破産手続きは複雑で2種類ある。
- 免責決定まで手続きに時間もかかり、用意する書類は多岐に渡る。
- 自己破産手続きはプロに任せるのが無難。
公開日:2019年6月21日
借金問題を解決するための最後の手段が、自己破産です。しかし、自己破産には時間も費用もかかりますしリスクもあります。
「早く借金問題を解決したい」と考えた時には、プロに相談してスムーズに手続きを行なってもらうことが懸命です。
自己破産にかかる手続きにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?自己破産に必要な費用や自己破産のリスクについて、詳しく解説していきたいと思います。
また、借金に関するお悩みについては以下記事も参考にどうぞ。
自己破産にはどのくらいの手続き期間が必要なのでしょうか?自己破産の種類や手続きの流れ、借金がゼロになるまでの期間はどのくらいかかるのかについて詳しく解説していきます。
自己破産の手続きには同時廃止と管財事件という2つの手続きがあります。まずは、この2つの手続きの違いについてご説明していきます。
同時廃止とは、財産の少ない人に適用される比較的簡単な破産の手続きです。同時廃止は破産管財人が専任されず、破産手続き開始と同時に終了となるので、費用も時間もそれほどかかりません。
管財事件とは、財産のある人に適用される破産手続きの原則的な手続きです。
破産管財人が専任され、破産管財人によって財産の管理や処分が行われるので、破産管財人への報酬がかかったり時間がかかる手続きになります。
一般的に個人が自己破産を行う時には、財産がない状態がほとんどですので同時廃止となることが多くなっています。
破産手続きは弁護士や司法書士などのプロに依頼して行うのが一般的です。
債務者から自己破産の依頼を受けると、弁護士や司法書士は債権者に対して受任通知を送り、これによって債権者からの督促はストップします。
そして、債権調査が行われ、自己破産手続きのために必要な書類を集めます。書類が揃ったら、裁判所に破産の申し立ての手続きを行います。
裁判所が申し立て書類の審査を行い、審査で問題がなければ破産手続開始決定を下します。同時廃止の場合にはここで破産手続きは廃止され、裁判所が債務を免責するかどうかの判断を行います。
裁判所が免責をするかどうか決めるために、裁判所と債務者が面談を行う免責審尋が行われ、免責審尋で問題がなければ免責決定となります。
免責が確定するまでの時間は以下の通りです。裁判所が破産手続開始決定をするまで1週間〜10日程度。破産手続開始決定から免責決定まで3ヶ月程度。
裁判所に破産の申し立てを行なってから免責が確定するまでに必要な時間は、4ヶ月程度かかると考えておきましょう。
もちろん、これは同時廃止の場合で、管財事件の場合には1年以上の時間がかかることもあります。
自己破産は無料で行うことができるわけではありません。税金関係の費用や弁護士報酬など、様々な費用がかかります。
自己破産(同時廃止の場合)にかかる費用としては以下のようなものがあります。
収入印紙代 | 1,500円 | 破産申立+免責申立にかかる費用 |
---|---|---|
予納郵券代(切手代) | 3,000円~15,000円 | 借入社数に応じて変わる |
予納金・官報広告費 | 10,000円~30,000円 | 同時廃止事件 |
この費用は最低限必要になる経費の部分ですが、この他、弁護士報酬として着手金が20万円〜30万円程度、成功報酬として0円〜20万円程度の費用が必要になります。
また、管財事件になる場合には、ここに+50万円〜100万円程度の費用が必要になります。
自己破産には少なくない費用がかかりますが、自己破産を行おうとする人はこれだけの費用を事前に支払うことはできません。
そのため、自己破産後にこのような費用は分割で支払うことができる弁護士がほとんどです。手元にお金がなくても自己破産の手続きは進めることができます。
自己破産は借金がゼロになるというメリットがあるだけではなく、リスクも少なくありません。自己破産に伴うリスクもよくよく承知した上で手続きを行う必要があります。
自己破産手続きに伴い生じる以下のリスクについて理解しておくようにしましょう。
自己破産を行うと、信用情報がいわゆるブラックという状態になります。
金融事故情報として信用情報機関に登録され、消費者金融の情報を集めるJICCには自己破産から5年間、銀行や信用金庫などの金融機関の情報を集めるKSCには10年間記録されます。
この間はいわゆるブラックという状態になり、ローンの契約などは不可能になってしまいます。
さらに自己破産を行うと資格制限と言って、法的な権限が制限されてしまいます。
例えば、公認会計士や税理士などのいわゆる士業と呼ばれる職業に就くことはできなくなってしまいますし、公務員の委員や委員長(公証人、教育委員長、公正取引委員会など)、団体役員(日本銀行、商工会議所、日本銀行など)などの職業に就くことも不可能です。
ただし、資格制限となるのは、破産手続開始決定から免責が確定するまでの間ですので、同時廃止であれば3ヶ月程度の期間です。
3ヶ月といえども資格制限がかかってしまいますので、資格制限に該当する職業についている人は、自己破産をすることによって職を失ってしまう可能性が高いので、安易に自己破産という選択をするわけにはいかないかもしれません。
自己破産は債務者の状況によって同時廃止となるのか、管財事件になるのかが異なります。
手続きが異なれば費用も免責確定までの時間も異なることになりますし、手続きにはケースに応じて膨大な書類も必要になります。
また、債務整理の手続きは自己破産以外にもあるので、どの手続きが債務者にとって最善なのかはケースバイケースです。
結論的にいえば、自己破産手続きはおろか、債務整理手続きそのものを素人の判断で、素人が手続きを行うことは現実的とはいえません。債務整理はプロに任せるのが最善の方法なのです。
プロの中には、相談するだけで相談料が発生することもありますので、できる限り相談料無料の弁護士を選択した方がよいでしょう。
また、弁護士と言っても得意分野は様々で債務整理に強い弁護士もいれば、そうではない弁護士も存在します。
まずは、相談無料の法テラスや、イストワール法律事務所のような相談料無料で債務整理に強い弁護士事務所へ相談するのがよいでしょう。
メールなどでも相談に乗ってくれるので、弁護士事務所へ電話をするのは抵抗があるという人でも気軽に相談することができます。
自己破産手続きは、債務者の資産の状況によって同時廃止と管財事件という2つの手続きに分かれます。手続きの方法によって費用も免責になるまでの期間も異なりますし、事務手続も非常に煩雑です。
また、自己破産は借金をチャラにすることができるメリットの反面、少なからずデメリットも存在するので、数ある債務整理手続きの中で本当に自己破産が適切な手続きなのかどうかはよくよく熟慮して行う必要がありますが、素人にはその判断もつきません。
そのため、債務整理に強い弁護士事務所にまずは相談するのが最善です。
どの方法がよいのかは相談して決めることができ、債務整理の複雑な事務手続を任せることができます。
手元にお金がなくても費用は債務整理後に清算することができますので、まずは気軽に相談してみてください。