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自己破産とはどんな状態?デメリットも含めわかりやすくご説明いたします。

自己破産とはどんな状態?デメリットも含めわかりやすくご説明いたします。

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手塚 大輔

手塚 大輔

FP2級、日商簿記検定2級、証券外務員

地方銀行に8年勤務し、住宅ローン・カードローン・フリーローンなど個人ローンの他、事業性融資・創業融資など幅広い業務を担当。ファイナンシャルプランナーの資格を有する、100件あまりのフリーローン、住宅ローン数十件、その他に投資信託・個人年金・国債販売も取り扱う。 現在は、飲食店のオーナーを務める傍ら、金融ライターとして大手メディアに数多く寄稿。

この記事のポイント

  • 自己破産は借金をゼロにして没収された資産を債権者に分配する手続き。
  • 自己破産でも免責されない債務と没収されない資産がある。
  • 自己破産にはデメリットも大きく手続きが複雑なのでプロへの相談が必要。

この記事は約5分で読めます。

借金の返済がどうしても困難になったら自己破産をするという方法があります。「自己破産は人生の究極のリセットボタン」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。

確かに自己破産は究極のリセットボタンで、メリットとデメリットが非常に大きな債務整理の方法です。今回は、国が用意している人生のやり直しの方法である自己破産の概要やメリットとデメリットを解説していきます。

自己破産についてしっかりと理解を深め、借金と向き合うことができるようにしましょう。

 

自己破産の意味は?自己破産とは何か

自己破産の意味は?自己破産とは何か

そもそも自己破産とは何なのでしょうか?

自己破産について「単純に借金と資産をゼロにする」と考えている人も多いようですが、自己破産は誰でも無制限に行うことができるわけではありませんし、全ての借金と資産がリセットできるとは限りません。

まずは自己破産の意味と概要について解説していきます。

 

【自己破産のポイント①】借金と資産をリセットする

自己破産とは、簡単に言えば「借金と資産をゼロにする」という手続きです。すでに期日を迎えた借金を返済することができない時に、借金をゼロにする代わりに資産を債権者に分配する手続きです。

要約すると、借金を返済することができないから、その返済の代わりに、債務者の持っている資産を債権者で分配する手続きになります。

例えば、1億円の借金を抱えた人が2,000万円の資産を持って自己破産した場合には、債権者に対してこの2,000万円の資産を分配して弁済に充てる手続きになります。

自己破産というと、「借金がゼロになる」と単純に思われがちですが、債務者が持っている資産で弁済をするという手続きでもあるのです。

 

免責されない債務

自己破産をしたとしても債務を免除(免責)されない債権もあります。破産法251条1項には、以下の債務は自己破産をしたとしても免除されないと記載されていますので覚えておきましょう。

  1. 租税等の請求権
  2. 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  3. 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
  4. 次に掲げる義務に係る請求権
    イ 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
    ロ 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
    ハ 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
    ニ 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務
    ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
  5. 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
  6. 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
  7. 罰金等の請求権

税金の滞納をした場合には免責されませんし、損害賠償の債務なども免責の対象とはなりません

自己破産をする人の中には、税金を滞納している人が非常に多く存在しますが、いくら自己破産したとしても税金の支払義務からは逃れることはできませんので、注意してください。

 

20万円以下の財産は処分されない

自己破産は全ての財産を処分されると思われていますが、実は処分の対象となるのは20万円超の財産のみです。

20万円以下の財産でも、非日常品であれば処分の対象となる可能性はありますが、一般的に20万円以下の財産が処分の対象となることはほとんどないようです。

価値の低い自動車など日常生活に必要な20万円以下の価値であれば没収されませんので、自己破産を行なっても日常生活を維持することができるようになっているのです。

 

【自己破産のポイント②】裁判所の許可が必要

自己破産は誰でも行うことができるわけではありません。裁判所の許可が必要になります。

裁判所に申し立てを行い、裁判官と面談を行い、破産手続開始決定と免責許可決定という許可を裁判所から得ることができなければ自己破産を行うことはできません。

借金の理由がギャンブルであったり、裁判所に嘘をついていると、免責不許可事由に該当し、自己破産の許可が降りないことがあります。自己破産は誰でも必ず行うことができるわけではないのです。

 

【自己破産のポイント③】自己破産と破産宣告の違いはある?

今は、破産宣告という言葉は使いません。2005年に破産法が改正する前までは、裁判所が出す「破産手続開始決定」のことを破産宣告と呼んでいました。

それが2005年の法改正によって破産宣告という言葉は使われなくなったのです。破産宣告と破産手続開始決定の意味は同じです。

自己破産は破産手続開始決定を経て行われるので、破産宣告と自己破産の意味も基本的には同じであると考えておいて問題ありません。

 

自己破産のメリット

自己破産のメリット

ここで自己破産のメリットについて確認しておきましょう。

 

【自己破産のメリット①】借金返済義務が完全になくなる

自己破産最大のメリットは、前述した非免責債務以外の借金の返済義務は完全に無くなるという点に尽きるでしょう。

借金で首が回らない状態でも、自己破産を行えば返済の苦しみから逃れることができますし、人生をやり直すことができるのです。

 

【自己破産のメリット②】20万円以下の資産は残る

さらに生活必需品の20万円以下の財産を残すことができるので、完全に全ての財産を没収されて丸裸にされるわけではありません。自己破産を行っても、明日からすぐに就職先を見つけに行くことはできるだけの生活必需品は手元に残るのです。

 

 

自己破産のデメリット

自己破産のデメリット

自己破産はデメリットも大きな債務整理の方法です。デメリットもよく理解した上で自己破産を行う決断を下す必要があります。

 

【自己破産のデメリット①】信用情報がブラックになる

自己破産をすると信用情報がブラックになります。官報という国のお知らせに掲示されるので、この情報を見たKSCという信用情報機関は以後10年間信用情報に自己破産の情報を記録します。

このため、KSCに加盟している銀行からは10年間はお金を借りることは絶対に不可能になります。

そのほか、CICとJICCという信用情報機関にも5年間は金融事故として記録されますので、消費者金融やクレジットカード会社と契約することも5年間は不可能になりますし、保証会社付きの賃貸住宅や携帯電話の分割購入などの契約も不可能になります

 

【自己破産のデメリット②】法的な権限に制約がかかる

自己破産すると資格制限という制限がかかり、一定期間(破産者から復権するまでの数ヶ月程度の期間)は法的な権利に制限がかかってしまいます。例えば法定代理人や後見人や補佐人などにはなることができません。

また職業に関しても、士業(弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士など)、公務員の委員や委員長(公証人、教育委員長、公正取引委員会など)、団体役員(日本銀行、商工会議所、日本銀行など)、一定の業種(質屋、貸金業者、生命保険募集人など)などの職業に就くことは不可能になります。

このように、自己破産を行い、破産者となっている期間は、国民であれば当然に与えられている法的な資格に制限がかかってしまうのです。

 

【自己破産のデメリット③】以後10年間は自己破産できない

一度自己破産を行うと、原則的には10年間は再度の自己破産を認められなくなってしまいます。この間に借金を重ねてしまうと、救済の手段がありませんので、無計画な借金は絶対にしないように注意してください。

 

自己破産は素人には難しい

自己破産をするためには、裁判所の許可を得なければなりません。この手続きは、複雑な書類を記入し、裁判所を納得させる必要がありますので、素人が手続きを行うことは不可能です。

また、債務整理には自己破産以外にも様々な方法がありますので、もしかすると自己破産以外にも借金から救済される方法があるかもしれません。そのため、債務整理のプロへ相談することが問題解決の近道です。

相談無料のイストワール法律事務所なら電話でもメールでも相談に乗ってくれますので、まずは気軽に相談してみるのがよいでしょう。

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