- 自己破産をしても生活保護の受給は可能。
- 自己破産をした方が生活保護は受給しやすい。
- 自己破産手続きはプロに依頼を。
公開日:2019年6月15日
債務整理を検討している人の中には「最悪の場合生活保護を受給しなければならない」と検討している人も多いのではないでしょうか?
しかし、債務整理、特に自己破産をしたら生活保護を受けることができないと考えている人が多いようです。
自己破産をすると、就くことができない職業があるなど法的な資格が制限される「資格制限」があるので、資格制限の一環として生活保護も受けることができないと考えている人が多いようです。
自己破産と生活保護は実際にどのような関係なのでしょうか?自己破産をすると生活保護を受けることができるかどうか解説していきます。
自己破産をすると資格制限という法的な資格が制限されることがありますが、この資格制限と生活保護は無関係です。自己破産と生活保護がどのような制度なのか、まずは解説していきます。
自己破産とは、借金を免除にする代わりに資産も没収されるという法的な債務整理手続きの1つです。
自分が持っている資産を債権者へ分配し、借金の返済に充てる代わりに借金もチャラになる手続きで、自己破産を行うと借金の返済義務から免れることができます。
ただし、持ち家などの20万円を超える資産も全て没収になるので、自己破産は借金から逃れるための人生の最後のリセットボタンなどと言われるのです。
自己破産については以下記事も参考にしてみてください。
一方、生活保護とは、生活困窮者が生活していくことができるように、地域ごとに決められた最低生活費を国が扶助するという社会保障制度の一環です。
例えば最低生活費が14万円の地域では、生活保護受給者の収入が14万円になるように生活保護費が支給されます。
無収入の人であれば14万円の生活保護費が支給されますし、バイト収入などで5万円の収入がある場合には差額の9万円が生活保護費として支給されます。
生活保護費とは、人が最低限の生活を営んで行くために必要なお金を国が扶助する制度なのです。
自己破産は公的な債務整理手続きで、生活保護は最低限の生活を営むための社会保障制度ですので、自己破産と生活保護は無関係です。
したがって、生活保護は自己破産の資格制限に該当するものではありませんので、自己破産をしたからと言って生活保護を受けることができないというわけではありません。
自己破産は資産も負債もリセットするための手続きですので、むしろ資産を失い、場合によっては仕事も失う生活に困窮した人にこそ必要な制度です。
結論的に言えば、生活保護は自己破産をするほど追い込まれた人にこそ必要な制度ということができます。自己破産をしても生活保護は受けることができるのです。
自己破産をすると、「会社が倒産して収入が絶たれた」、「生活を支えてくれた妻が家を出ていき無収入になった」、「会社に自己破産をしたことがバレてクビになってしまった」などの理由で収入源が絶たれてしまうことになりがちです。
こうなってしまったら、生活をしていくために必要な収入が絶たれてしまいます。
まさに生活保護とは、このような事情によって生活が困窮している人の生活を維持するための制度ですので、自己破産をして収入源を絶たれた人は生活保護の支給対象になることができる可能性が非常に高いのです。
自己破産は裁判所が認めて初めて借金が免除される手続きですが、裁判所が認める前の自己破産手続き中のタイミングでも、そもそも自己破産を裁判所に申請している時点で収入源がなければ、生活保護を受給できる可能性は高いと言えます。
自己破産をすると生活保護を受給できないといういう噂があるのは事実です。しかし、これは全くの逆です。
むしろ自己破産をした方が生活保護を受給しやすいということができます。その理由としては、自己破産をすることによって借金と資産がゼロになるためです。
生活保護の受給を決めるは地方自治体のケアワーカーです。この審査の際に資産がある人は、生活保護の審査に通過することは極めて難しくなります。
「資産があるのであれば、先に資産を売却すべき」というのが生活保護の基本的な考えです。
自己破産をすると、必然的に20万円超の資産は没収されますので、生活保護支給のハードルとなる「資産の保有」は不可能になります。
資産を手放すことができるという点が、自己破産をした方が生活保護を受給しやすい理由の1つです。
借金があると生活保護を受給することはできません。
生活保護費は必要最低限の生活を維持するための税金による公的扶助ですので、借金の返済に生活保護費を使われてしまったら、生活保護の本旨から外れてしまうことになります。
このため、借金がある人が生活保護を受給することは難しくなり、借金がある人が生活保護に申し込みをしても、ケアワーカーから「まず自己破産をした方がよいのでは?」と言われてしまうことが一般的です。
このように、自己破産や生活保護受給のための障害となる、資産と負債の両方をリセットすることができるので、生活保護受給のためにはむしろ後押しになります。
自己破産をすると生活保護を受給できないどころか、自己破産をした方が生活保護は受給しやすいと言えるのです。
自己破産をはじめとした債務整理と生活保護を同時に行うことは可能です。しかし、どのような方法がよいのか、本当に生活保護を受給することができるのかどうかはプロに相談してから進める必要があります。
生活保護の受給に関しては市区町村役場のケアワーカーに相談するのが最も適切で早い方法です。自分は今生活保護を受給できるのかどうかは、収入状況や資産状況や借金の状況によっても異なります。
自分のそのような状況を赤裸々に伝え、生活保護を受給できるかどうか確認しましょう。
自己破産などの債務整理手続きは法律のプロでないと不可能です。特に自己破産は裁判所の許可が必要な手続きですので、弁護士などのプロでないと手続きはほぼ不可能です。
法テラスなどの相談無料の窓口に相談するか、債務整理に強い相談無料のイストワール法律事務所などに相談を行い、債務整理を進めてもらいましょう。
自己破産を行うには税金関係の費用で20万円〜30万円程度、弁護士への成功報酬でも20万円〜30万円程度の費用がかかります。
合計で50万円程度の費用が必要になりますが、自己破産をしようとしている人がこれだけの費用を用意するのは不可能なことが多いです。
しかし、この費用を事前に支払う必要は全くありません。
債務整理手続では最初に過払金の有無を確認し、過払金があるのであればこの還付金で清算することもできますし、還付金がない場合でも、自己破産後に分割で弁護士事務所にこの費用を支払っていくローンを組むことも可能です。
手元にお金がなくても自己破産は可能ですので、どうしても借金で首が回らなくなった時にはまずは相談してみましょう。
自己破産をしても生活保護を受給することは可能です。むしろ資産や負債がある状況下では生活保護の受給は難しくなります。
自己破産手続きは素人では不可能ですので、債務整理に強い弁護士事務所へ相談しましょう。
手元にお金がなくても分割での後払いが可能ですので、お金の心配をそれほどする心配はありません。