- クラウドクレジットの販売中の表面利回りは5.9~12.7%。
- 2014年からの実績は5.48%(2019年1月時点)。
- ただし、元本割れの案件も12.74%。
- リスクを軽減するために、少なくとも10以上の案件に分散投資するようにする。
公開日:2019年7月19日
クラウドクレジットは海外案件に特化したソーシャルレンディング事業者で、高利回りで評判です。ただ、利回りが高いということは元本割れや貸し倒れなどのリスクが高いということでもあります。
クラウドクレジットにはどの程度のリスクがあるのでしょうか。今回は、2014年6月にスタートしてからの実績や評判についてまとめました。
目次
出典:クラウドクレジット
クラウドクレジットは、ソーシャルレンディングに分類されるサービス。ソーシャルレンディングとは、個人から小口のお金を集め、資金を大口化してお金を借りたい企業(借り手)などに融資する仕組みです。借り手が返済した金銭から投資家に利益が分配されます。
クラウドクレジットは、新興国を中心とした海外のファンドに特化したソーシャルレンディング事業者です。資金需要が大きい国の資金需要者に対し、日本の余剰資金をローン投資という形で融資します。
出典:クラウドクレジット
クラウドクレジットは、海外の消費者ローン・事業者ローン・延滞しているローン投資に特化したソーシャルレンディングです。各国のローンについては、現地の実績のあるパートナーが審査・回収を行っています。
海外案件に投資するメリットは、国内案件よりも高い利回りが期待できることです。現在販売しているファンドの表面利回りは5.9~12.7%と高い利回りが狙えます。
ソーシャルレンディングは元本保証ではないので、信頼性や透明性が高い事業者を選ぶことが大切です。その点クラウドクレジットは、伊藤忠商事から2億円の出資を受けて業務提携をしているので、信頼性は高いといえます。
また、VC(ベンチャーキャピタル)からも注目を集めていて、2013年にフェムト・スタートアップ、2014年にマネックスベンチャーズ、GCIキャピタルから資金調達しました。
ソーシャルレンディングは企業などに貸付を行っているため、返済が行われないとファンドが遅延したり貸し倒れしたりする恐れがあります。
そのようなリスクを避けるためには、「分散投資」が必要です。分散投資とは、ファンドのテーマや投資する金額などを複数の案件に分けて投資することです。
クラウドクレジットは、さまざまな海外ローンに分散投資し、資産を複利で増やすことを目指す運用を行っています。
たとえば、クラウドクレジットの個人ローンの案件は、一つのファンドの中でも複数の債務者が貸付対象になっています。こうすることで一つの資金需要者が資金を返せない状況になっても、他の資金事業者の返済によって損失額は抑えられるのです。
また、クラウドクレジットは1万円と少額から投資できます。1件だけでなく複数案件に投資することによって、さらに分散投資の効果が高まるのです。
クラウドクレジットでは、セミナーを定期的に開催しています。ソーシャルレンディングの内容から、各ファンドの運用状況まで詳しく説明してくれるのです。
クラウドクレジットのファンドに興味がある人だけでなく、ソーシャルレンディングとはどういう金融商品なのかを知りたい人も無料で参加できるのでおすすめです。
出典:クラウドクレジット
クラウドクレジットは、社会インパクト投資の一種です。社会インパクト投資とは、主に途上国の貧困層支援や教育問題など社会的課題の解決に取り組む企業に投資し、金銭的なリターンと社会的リターンを実現する投資手法です。
社会インパクト投資では、金銭的なリターンだけなく、社会的リターンの目標達成が求められます。たとえば、募集するファンドの中には現地の生活水準を上げる、多くの家庭に電力を通すといった目標が設定されているものもあります。
ただしクラウドクレジットでは、社会的目標のために金銭的(経済的)リターンを諦めたり、妥協したりすることはありません。
あくまでも、リスクに見合った金銭的リターンの獲得と、社会的目標の達成の両立を意図した投資なのです。
クラウドクレジットは、ファンドの透明性を大事にしています。ですから、2014年6月からのファンド実績や運用状況もすべて公開しています。
まずは、これまでのファンド実績を確認しましょう。
償還済みのファンド数が204に対して、元本割れの件数が26。元本割れの確率は12.74%です。
クラウドクレジットは海外案件に特化して高い利回りが狙える半面、元本割れの確率も他のソーシャルレンディングサービスと比べて高い数値になっています。実際の運用状況を見てみましょう。
出典:クラウドクレジット
2014年6月から2019年1月までの平均利回りは5.48%。プラスのリターンが期待できます。ただし、その中で元本割れを起こしているファンドが12.74%あるということには注意しましょう。
クラウドクレジットなどのソーシャルレンディングは、元本保証の金融商品ではありません。以下のようなリスクに注意しましょう。
どのようなファンドが元本割れの恐れがあるのか気になる方も多いと思います。それを判断する材料として、クラウドクレジットは「期待リターンマップ」を掲載しています。
出典:クラウドクレジット
期待リターンマップというのは、クラウドクレジットが運用しているファンドの状況を表したものです。どのファンドがうまくいっていないのかが一目でわかります。
出典:クラウドクレジット
クラウドクレジットは、円建て以外にもドル建てやユーロ建て、ルーブル建てなど海外通貨で運用できます。
海外に投資できるソーシャルレンディングは他にもありますが、円建てであることがほとんどです。外貨建ての運用で為替差益を狙えるのは、クラウドクレジットの魅力でしょう。
しかし、償還時や送金時に為替変動があった場合、大きな損失になる可能性もあります。
そこでクラウドクレジットでは、同じファンドでも為替ヘッジ付きと為替ヘッジなしの2種類を用意しています。
コストがかかっても為替リスクを抑えたいのか、それともリスクをとってでも利回り重視なのか、自分自身の投資方針に合ったファンドを選ぶようにしましょう。
クラウドクレジットの杉山社長は、定期的にブログを更新しています。特に昨年2018年の後半から新興国通貨建てファンドの数を大幅に増やしたことから、通貨分散を呼びかけています。
新興国通貨も、ロシア・ルーブルからインドネシア・ルピア、パキスタン・ルゴー、メキシコ・ペソなど10通貨になりました。昨年は新興国通貨が大きく動いた年なので、今後も注意が必要です。
ファンドの分散とともに、通貨の分散も心がけましょう。
クラウドクレジットは5~10%といった高利回りが狙えるソーシャルレンディングです。ただし、10%といった高い金利で融資を行うということは、それに見合った貸し倒れリスクも負っているということです。
ソーシャルレンディングは元本保証の金融商品ではないので、一つのファンドに集中投資を行っていると遅延や貸し倒れの影響をそのまま受けてしまいます。
そのようなリスクを軽減させるためには、「分散投資」を行う必要があります。投資するローン案件を複数に分けて、着実に資産の増加を目指すのです。
クラウドクレジットの杉山社長も、デフォルト(債務不履行・貸し倒れ)は必ず起こることを前提にして、リスクコントロールしていく姿勢が重要だと話しています。
たとえば10件のファンドに投資した場合、一つのファンドが30%の元本割れを起こしたとしても、全体としては3%です。残りのファンドでカバーできる可能性が十分あります。
クラウドクレジットでは、ローンに投資を行う場合、30程度のファンドに分散投資を行えば、300のファンドに分散したのとそれほどリスクは変わらないとしています。ですから、理想は30以上のファンドに分散投資をすることです。
しかし、現実的にはそれだけの数を管理するのは難しいので、最低10程度のファンドに分散投資するよう強く勧めているのです。
出典:クラウドクレジット
ただし、2008年のリーマンショックのような状況に遭うと、ほとんどのファンドで遅延や貸し倒れによる元本割れの恐れがある「総崩れリスク」は残ります。
10年に一度は大きな金融危機が起こり、分散投資をしていても損失が出てしまう可能性があることを認識しておくようにしましょう。
そのためには、ソーシャルレンディング事業者の分散や、株や投資信託金など他の金融商品への分散も心がけるようにしましょう。クラウドクレジットは、あくまでも資産運用の一部だと認識して投資するようにしてください。
クラウドクレジットなどソーシャルレンディングの分配金は、所得税の課税対象です。所得税の分類は10種類ありますが、クラウドクレジットの所得(分配金)は、雑所得に分類されます。
雑所得が20万円を超える人は確定申告が必要です。他のソーシャルレンディングでの分配金や副業での収入も雑所得として扱われるので注意しましょう。
雑所得は総合課税の対象です。事業所得や給与所得などと合算されて計算されます。総合課税は累進課税なので、所得に応じて5~45%が課税されます。
ただし、クラウドクレジットを含むソーシャルレンディング事業者は、法令により分配金の利益の20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)が源泉徴収されています。源泉徴収とは、年間の所得にかかる税金を、あらかじめ事業者が分配金から差し引くことをいいます。
ですから、クラウドクレジットの分配金と給与所得の金額が源泉徴収税率20.42%より少ない場合は、確定申告により税金が還付される可能性があります。
平成27年分以降の課税される所得金額は、以下の試算表で簡単に求められます。
出典:国税庁
たとえば、課税される所得金金額が195万円~330万円の場合は、累進課税税率は10%。分配金が20,000円だった場合、20.42%が源泉徴収されているので、10.42%分の2,084円が還付される可能性があるのです。
ただし、課税所得に関しては税務署によって見解が異なる場合があるので、事前に必ず確認するようにしましょう。
ソーシャルレンディングの口座を作るとき、ポイントサイト経由ならお得に開設できます。申し込みサイトのポイントがもらえるからです。また、ポイントサイト以外にもキャンペーンを利用して口座を開設する方法があります。
ただし、2019年7月時点でクラウドクレジットは、ポイントサイトからの申し込みやキャンペーンを受付けていません。
ただ、過去にはアマゾンギフト券をプレゼントするキャンペーンを行っていたことがあります。たとえば、ある期間内に合計10万円以上投資をすると、3,000円を全員にプレゼントするといったキャンペーンなどです。
クラウドクレジットのキャンペーンは不定期に開催されています。口座を開設したら、定期的にキャンペーンが行われているか確認してみるといいでしょう。
今回は、クラウドクレジットの実績や評判について解説しました。クラウドクレジットは2014年のサービス開始からの実績を公開していて、2019年1月時点で平均5.48%となっています。
ただ、海外の投資案件に特化しているので10%以上の高利回り案件がある一方で、元本割れを起こしている案件が12.74%あります。
クラウドクレジットでは、「元本割れもありうる」という姿勢で投資しましょう。リスクを低くするためには、複数の案件に分散投資することが大切です。
クラウドクレジットは、少なくとも10程度の案件に分散投資することを勧めています。1万円と少額から投資できるので、なるべく複数の案件に投資するようにしましょう。