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住宅ローンの借り換えはタイミングが命!メリット・デメリットもFPが解説

住宅ローンの借り換えはタイミングが命!メリット・デメリットもFPが解説

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田中祐介

田中祐介

住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランナー

大学卒業後、大手金融機関にて融資業務を担当。その後外資系生命保険会社にスカウトされ転職。 主にライフプランニングを中心に活動。以後、保険代理店へと移籍。移籍後は数多くの企業と提携し 個人向けマネーセミナーを開催中。金融業界で経験した知識、経験を基に「お金」にまつわる幅広い知識を 「いかに分かり易くお伝えするか?」をモットーに日々活動しています。

この記事のポイント

  • 借り換えは金利差が大きいほど効果は高い。
  • 住宅ローン控除期間中の借り換えはしっかりシミュレーションしておくこと。
  • 金利差が無ければ諸費用分高くつくこともある。

この記事は約8分で読めます。

人生で一番高いお買い物である住宅ですが、支払いも長きに渡ります。今では寿命も延びて長生きする時代の中で、支払いは人生の3分の1にも及びますよね。出来れば支払いの負担は軽くしたいとお考えの方は多くいるはずです。

今回は住宅ローンの負担を軽くする方法の一つである借り換えについて解説していきます。住宅ローンをご利用中の方は是非ご覧頂ければと思います。

 

住宅ローンの見直し時期っていつ?

住宅ローンの見直し時期っていつ?

住宅ローンの借り換え時期、いわゆる見直しのタイミングですが、いつが一番良いのでしょう。借りて直ぐ行った方がいいのか、ある程度返済してからの方が良いのか、タイミングは重要です。ここからの解説は借り換えのタイミングについてお話していきたいと思います。

 

目安は固定金利から変動金利がお得になる

一番のポイントでもありますが、通常借り換えのメリットを出すならば、金利差を重要視すると思います。金利2%で借りていたとして、他の銀行が1%で融資していれば、長きに渡っての返済を考えるなら大いにメリットは出せます。

また、金利が高い固定金利から金利が一番低い変動金利への借り換えは実感が湧きやすいかと思います。利息負担を軽減出来るだけでなく、毎月の返済額も軽減できますので、分かりやすいでしょう。

 

借り換えの期間はいつが一番いいの?

住宅ローンの返済が始まって、どの時期なら借り換えが効果的なのかをシミュレーションツールを使い検証してみたいと思います。借り換え後の金利が上がる事は失敗事例にしかなりませんので、先程の解説の様に固定金利から変動金利に変更してみます。条件は下記の通りで行ってみます。

  • 借入額:4,000万円
  • 借入当初:全期間固定金利2.0%
  • 121回目の返済より変更する
  • 変更後金利:変動金利0.5%(尚、変動金利水準は残り期間変更しないものとする)

 

検証①10年後に借り換え

年月 住宅ローン
金利 返済額 うち元金 元金残高
うち利息
1年後 2.00% 132,505 67,168 39,135,483
65,337
2年後 2.00% 132,505 68,523 38,320,685
63,982
3年後 2.00% 132,505 69,907 37,489,441
62,598
5年後 2.00% 132,505 72,757 35,776,278
59,748
10年後 2.00% 132,505 80,402 31,181,517
52,103

上の図の様に、4,000万円を2%で借りた場合10年後の残高が3,118,517円、残り返済期間が25年残っている事が分かります。この3,118万円を金利0.5%に借り換えた場合がこちらの図になります。

借り換え無し 借り換え(諸費用一括払い) 借り換え(諸費用をローン)
借入額(ボーナス分含む) 31,180,000円 31,180,000円 31,455,970円
うちボーナス返済分 0円 0円 0円
金利 2% 0.50% 0.50%
返済期間 25年0ヶ月 25年0ヶ月 25年0ヶ月
一括払い諸費用 275,970円
返済額(通常月) 132,158円 110,586円 111,565円
(-21,572円) (-20,593円)
利息 8,467,201円 1,995,674円 2,013,333円
(-6,471,527円) (-6,453,868円)
総支払額 39,647,201円 33,451,644円 33,469,303円
(-6,195,557円) (-6,177,898円)

金利差が1.5%は大きいですよね。この効果として毎月の返済額が約20,000円浮きます。そして将来支払うはずだった利息も約600万円も浮くことになります。かなり効果は絶大だと言えるでしょう。

 

検証②1年後に借り換え

では1年後に早々と借り換えしたらどうでしょうか。結果がこちらの図になります。

借り換え無し 借り換え(諸費用一括払い) 借り換え(諸費用をローン)
借入額(ボーナス分含む) 39,130,000円 39,130,000円 39,437,770円
うちボーナス返済分 0円 0円 0円
金利 2% 0.50% 0.50%
返済期間 34年0ヶ月 34年0ヶ月 34年0ヶ月
一括払い諸費用 307,770円
返済額(通常月) 132,260円 104,310円 105,130円
(-27,950円) (-27,130円)
ボーナス月返済額 132,260円 104,310円 105,130円
(-27,950円) (-27,130円)
利息 14,831,683円 3,428,173円 3,455,132円
(-11,403,510円) (-11,376,551円)
総支払額 53,961,683円 42,865,943円 42,892,902円
(-11,095,740円) (-11,068,781円)

ご覧の様に返済額は約27,000円浮きました。そして利息軽減効果は約1,100万円もの差が発生しました。1年後に借り換えるという事で極端な事例ではありますが、借り換えを行うのであれば早めに行う方が負担を軽減できる効果が大きいという事が分かりますね。

 

借り換えのメリット・デメリットについて

借り換えのメリット・デメリットについて

先程の検証を踏まえて、メリット・デメリットについて解説しておきたいと思います。

 

 

借り換える事のメリット

先程の検証結果からも分かる様に、メリットは経済的な負担を軽減する事が出来る点です。また当初ローンの返済開始からどれだけ早めに借り換えを実行できるかによって、毎月の返済額や利息負担総額に影響が大きく出ますので、早めに借り換えを実行する事が望ましいと言えます。

なるべく今の適用金利よりも低い金利の銀行を探す事は非常に大事ですし、一旦借りたからと言って、そのままにせずに金利等はこまめにチェックしておきましょう。

 

借り換える事のデメリット

借り換えのデメリットについては返済期間の融通が利かない点があるでしょう。通常35年で住宅ローンを組んだ場合で説明すると、10年後に借り換えをしたとします。残り期間は25年ですが、この段階で新たに35年に変更する事はできません。

可能であれば毎月の返済額を軽減したいところですが、返済期間変更は難しいです。また借り換えの金利差がそこまで開いていない場合は諸費用がかかる為、効果を得にくい点があります。詳しくは後述しますね。

 

注意点は何?

注意点は何?

ここからは借り換えにおける注意点をいくつか解説していきます。これまで、計算した上での軽減効果等ご覧いただけたかと思いますが、手続き面での注意点は多くありますので、必ずここを押さえておいて下さい。

  • 再度審査が発生する
  • 銀行への手間がする
  • 団信へ再加入しなければならない
  • 諸経費が発生する
  • 住宅ローン控除は延長されない

 

 

注意点①再度審査が発生します

借り換えるという事は、銀行を変更する事になります。取引があってもなくても大きな金額を借りる際は、絶対に審査は必須です。この時に注意して頂きたい点は、借入当初の頃と環境が異なる場合です。環境とは、転職して勤務先が変わる、独立して個人事業主になる等です。

融資を行う際、年収は必ず見られます。借入当初よりも年収が大きくダウンしていた場合は、もしかすると審査に通らなくなる可能性はあります。また、勤続年数も短くなりますので、転職をお考えの方は計画を立てておきたいところです。

また独立した場合は売り上げの変動が見通せない事になります。返って審査に通りにくくなる可能性もありますし、確定申告の3期分の提出は必須だと思います。少なくとも、独立後すぐの借り換えは難しいとお考え頂ければと思います。

 

注意点②銀行への手間がかかります

住宅ローンを借りる場合、銀行へ足を運ぶ、何度かやりとりする、あれこれ必要書類がいる等、結構大変な思いをされる事が多いようです。やっと終わった!と一息ついたその後に借り換えとなると、同じように時間を取られ、書類を準備しなければなりません。

気忙しいのがお嫌いな方はストレスがかかってしまいますね。ネット系銀行でも同じように書類は必須ですので、この点はある程度憶えておいて頂ければと思います。

 

注意点③団信へ再加入しなければならない

この団信加入は注意が必要です。何故なら、加入を必須とする銀行が多く、加入出来なければ融資はしてもらえません。ではなぜ注意する必要があるのかと言うと、加入当時の健康状態と借り換え時の健康状態が必ずしも同じである事は無い事もあります。

団信は生命保険です。健康状態が良好でなければ、加入は出来ません。返済期間中に大病を患い、治療費にお金が掛かる為、住宅ローンの見直しをするケースも少なからずあるでしょう。

しかし、病気の程度によっては借り換え後の団信に入れない等問題が発生する事も無くはないです。加入の審査は保険会社の判断に委ねられますので気を付けておきましょう。

 

保険の引受で憶えておいて頂きたい事

団信は生命保険ですと解説しましたが、少し余談を挟みます。病気になった時、病院の先生は「問題ありません」と言っているのに、いざ保険に申し込もうとなったらNGが出た事はありませんか?稀にあるケースですが、病院の先生の見解と保険会社の見解は見事に分かれるんです。

風邪など大きな病気でなければ問題ありませんが、例えば「偏頭痛」という症状を病院で見て貰ったら、頭痛薬などの処方してもらいます。これはこれで頭痛が治まれば助かります。

しかし保険に加入する際に「偏頭痛」があるといった場合には、最悪引き受けが出来ないなどの事例もあります。これは、偏頭痛の原因が何か判然としない為、その他の疾患が影響しているかもしれない等1つの症状だけを見るのではなく、広く考えるからです。

お客さんからすると「何で?病院の先生は問題ないって言ったよ」となります。しかし引き受けの判断は保険会社の為、程度が軽い病気でも楽観視はできない事は憶えておいていただきたいです。

 

注意点④諸経費が発生します

先程の借り換えシミュレーションの表に諸経費の項目があったかと思います。借り換えをするという事は、登記を書き換えなければなりません。今借りているローンを一括返済し、新たに借入をし直す為です。

登記はその気になれば自分でも出来るようですが、殆どの方は司法書士さんに任せます。この費用が再度発生します。また他の費用としても抵当抹消費用、登録免許税、印紙代、保証取扱い手数料、事務手数料など、諸々掛かります。

この諸費用だけでも各銀行によって幅は大きく、上記の表では30万円くらいで入れていますが、場合によっては高額になる事もあります。

そして、借り換えの金利差がそこまで無ければ、返って諸費用分高くつく事にもなりかねませので注意が必要です。借り換えをご検討の場合は細かいシミュレーションをしておく事をおすすめします。

 

注意点⑤住宅ローン控除は延長されません

住宅を購入した場合、減税の対象になります。その制度が住宅ローン控除です。購入した期間、入居のタイミング、物件によって減税額や控除対象期間が異なります。

例えばですが、5年後に借り換えをした場合、再度10年間の控除が受けられるかというと、違います。残り5年間は控除対象になりますので、憶えておいて下さい。

また借り換えの金利差がそこまで無ければ、逆に控除を受け終わってから借り換えする事の方がメリットになる事もあります。大きな差が発生しない様であれば、控除期間が終わるのを待つという事も大事なポイントです。

 

変な話ですが、減税効果が高いのは金利が高い商品

住宅ローン控除について、これまた変な話ですが、同じ物件の価格であれば金利が高い方が減税額は高くなります。理由は元金が減らない為、年末のローン残高が多く残るからです。住宅ローン控除は年末のローン残高の1%が控除額になります。上限は40万円若しくは50万円です。

金利が低ければ元金の減りも早いですし、毎月の負担も軽いです。しかし減税効果は小さくなりますので、必ずしも金利の高い固定金利にデメリットがあるとも言い切れない部分ではあります。

金利の高い低いという事でメリット・デメリットを比較するなら、シミュレーションツールを活用し、減税効果まで見込んで借入先を決定しましょう。

 

住宅ローン借り換えのタイミングに関するまとめ

今回は住宅ローンの借り換えについて解説してきました。借り換えと言っても、効果が大きいのか小さいのかという事によって、実行の有無も決まってきます。

今、様々なサイトで簡単シミュレーションツールがありますので、比較し易いかと思います。しっかりと計画した上で借り換えしましょう。

 

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