- 不労所得を作る方法は多種多様で、それぞれ人によって向き不向きがある。
- 不労所得の種類を大きく分ければ、投資関係と投資以外の2つがある。
- 不労所得は簡単には作れず、注意するべき事項もたくさんある。
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コロナウィルスの感染リスクを避けるため、職場に出社せず在宅でお仕事をされるようになった方も少なくないと思います。
収入を得る場合、出社しての労働を対価として得るのが一般的でしたが、今やその前提は崩れつつあります。その中で労働収入とは違った不労所得という言葉を耳にする方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は不労所得がどんなものか、それにはどれくらい種類があるかについて記載したいと思います。
不労所得とは「不労」という言葉が示すとおり、労働をしないで収入になる所得全般を指します。伝統的に世界中で見られる不労所得の代表は、不動産収入です。
お金をテーマにした書籍の中には、こういった収入を得ることが人生を豊かにするために必要であると述べられているものも少なくありません。
そもそも、なぜ労働を対価にしない所得を持とうとする人がいるのでしょうか。その理由は、人生の大切な時間を仕事以外のことにも使いたいニーズがあるからだといえるでしょう。
また、年を取ると労働をするのは体力や健康状態の観点から難しくなるので、その代わりの収入を得たいというニーズもあります。
不労所得には大きく分けて2つあります。それは投資関連のものとそれ以外のものです。以下それぞれの具体的な方法について記載いたします。
投資に関連した不労所得は、以下のとおり主に7つあります。なじみのあるものもあれば、初めて聞くものもあるかもしれません。同じ投資系でも多少の違いがあるので、それぞれの違いを意識して比較してみるとわかりやすいです。
銀行口座に預金をしていれば、円貨ないし外貨で金利が得られます。これをネット銀行などの外貨預金という形で金利収入を得ている方もいらっしゃるでしょう。投資関連では一番シンプルでわかりやすい不労所得です。
FXでは、お金を借りることで大きな金額で為替取引ができます。ただ、為替の売買益で収益を狙わず、保有する通貨の金利収入で利益を得る方法もあります。そういう意味でFXも不労所得の1つに挙げられます。これは外貨預金と似たイメージです。
債券も金利がつくので不労所得があります。日本の企業が発行する債券では、普通社債より弁済順位が劣後する劣後債として発行されるケースが多く、ソフトバンクの債券などが高金利で有名です。発行体の信用度が低いものや外貨建てのものであれば、さらに高金利を狙うことが可能です。
株式もFXと同様に売買益で利益を上げるのが一般的に見られるケースですが、まとまった金額を保有して配当金で不労所得を得る方法もあります。富裕層ではこういった形で不労所得を得る方々も少なくありません。
それなりの金額を狙うなら、まとまった株式を保有する必要があるため、現実的には株式の値上がり益も含めた収入を得て資産を大きくしていく必要があります。
投資信託関連には以下のとおり主に4つの方法があります。今までの投資系の不労所得と比較すると、運用を誰かに任せて稼いでいける点が主な違いになります。
投資信託の中には分配金が出るものがあります。そういったタイプの投資信託を選べば、株式と同様にまとまった金額を保有することで、日々の生活を支える不労所得の1つになり得ます。
ロボットアドバイザーは種類にもよりますが、一度お金を入金し取引を始めれば、あとは資産配分のリバランスまで自動化できるタイプもあります。分配金収入ではありませんが、投資家が自分のタイミングで解約し利益を享受できる点で、実質的には不労所得と考えることができます。
積立金額と積立商品を設定すれば運用を自動化できる点で、つみたてNISAによる非課税口座での資産運用も、ロボットアドバイザーと同様に不労所得であると考えることができます。
なお、非課税口座では最長投資期間は20年間ですが、その後も課税口座で運用継続することが可能なので、利益を享受するタイミングは自由に選択可能です。
確定拠出年金も、積立金額と積立商品を設定すれば運用を自動化できる点で、不労所得の一種と考えることが可能です。ただ、つみたてNISAと違い運用可能な期間は老後までと決まっているので、運用期間の縛りはあります。
不動産関連の不労所得は現物の不動産を活用したものやそうではないものまで様々種類があり、調べてみるとたくさんの方法があります。代表的なものとして以下4つのタイプをご紹介いたします。
一番ポピュラーなのが、物件を購入し賃貸経営を行い不労所得を得る方法です。物件購入の初期投資は非常に高額ですが、その資金を全てご自身で用意する必要はなく、銀行融資も活用できます。
賃借人から得られる賃料が毎月の返済額以上の金額になれば、融資の返済と不労所得の獲得の2つを同時に行うことが可能です。もちろん細かくはさまざまなコストやリスクもあるので、それらへの配慮も必要です。
詳細は下記の記事もご参照ください。
ご自身で保有する土地に建物を建てずに駐車場にするという方法もあります。賃貸経営に比べると、建物を建てるほどの敷地でなくてもできることに加え、建物を建てないために初期費用がより少額で、なおかつより短期間で実施できるところが特徴です。
もちろん、土地の中には駐車場経営に向いている土地とそうでない場合もあるので、その辺りの見極めは大切になります。
賃貸経営や駐車場経営にプラスして、駐車場にするほどのスベースがない場合は自動販売機の設置により不労所得を得ることも可能です。自動販売機を設置すれば、飲み物の補充は業者に委託することも可能なので手間はほとんどかかりません。
ただし電気代などの負担を考えれば必ずしも利益になるとは限らず、その辺りの考慮も必要です。
REITとは投資家から得た資金でさまざまな不動産物件を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する不動産型金融商品です。
物件を保有するための資金がなくても実質的に不動産に投資をすることが可能で、定期的に分配金を得るという形で不労所得を得ることが可能です。ですので、投資初心者の方でも無理のない範囲で始めやすいです。
ソーシャルレンディングとはクラウドファンディングの一種で、お金を借りたい人とお金を貸したい人とをインターネットを通じて結ぶサービスです。一定のタイミングで分配金を得ることができるため、これも不労所得を得る手段の1つです。
こういった融資は銀行融資などを受けることが難しい案件に利用されることが多く、高金利の商品が多いですがその分ハイリスクです。
ソーシャルレンディングの詳細は下記の記事もご参照ください。
ここまでは投資に関連した不労所得を得る方法のご紹介でした。次に投資以外に不労所得を得る方法について解説いたします。種類としては大きく分けて4つあります。
YouTubeなどで広告収入を得る不労所得です。動画を見る人の興味関心のある分野の広告を動画配信中に流すことで、動画配信者には視聴数に応じた収入が入ります。始めたばかりの頃は視聴者数が少なくほとんど収入にはなりませんが、一度視聴者が増えれば収益も安定してきます。
動画ではなくインターネットサイトで広告収入を得る形の不労所得です。
ある商品やサービスに関連するブログを開設して当該商品・サービスを紹介します。その後、ブログを見た人がそこから関連サイトのバナーをクリックしたり、該当の商品・サービスを購入したりすると広告収入が入る形です。
動画の場合と同様に、始めたばかりの頃はあまり大きな収入にはなりませんが、長く継続していくことで収益が安定してきます。
インターネットで広告ではなく直接商品を販売して不労所得を得る方法もあります。様々なものがありますが、代表的なものは以下の3つです。
ご自身で撮影した写真をネットで販売する方法です。一度作品を出品すれば、あとは売れ行きに応じて収入になっていきますので、不労所得を得る方法の1つになります。
プロのようなきれいな写真を撮って販売しなくても、意外性のある写真など切り口を工夫した写真を販売することで売れていく事例もあります。
ご自身の経験やノウハウなどを電子書籍などにして売るコンテンツ販売も比較的多く見られます。こちらも一度作品を作って出品すれば、その後の売れ行きに応じた不労所得を得ることができます。
誰でもご自身のユニークな経験やスキルは意外と持っているものなので、自分自身をよく振り返ってみることで意外なネタが見つかるかもしれません。
ご自身の経験やノウハウなどを動画や音声にして売るコンテンツ販売もあります。例えば、セミナー講師の方がセミナー講義の動画を撮って、その動画をDVDや動画配信サイトなどで販売する方法です。
また、声優さんなど声の仕事をしている方などが、何かのシーンに沿ったセリフを読む上げるコンテンツを販売する事例もあります。
自分の作ったものを使用してもらい、その使用料を徴収するタイプの不労所得もあります。これにもさまざまなものがありますが、代表的な2つのものについて記載します。
出版社の売上に応じて著者に収入が配分される印税収入です。出版不況といわれる中でも出版される作品数自体は少なくないため、競争が激しいのが実情です。出版記念セミナーを行うなど労働型の収入を獲得する手段と組み合わせないと、まとまった収入にならないケースが多いです。
アニメなどのキャラクターを作ってその使用料で稼ぐ版権収入です。世界的にはディズニー、国内ではサンリオなどが有名ですが、個人でもLINEスタンプを作るなどして同様に収入を得ていく方法もあります。
こちらも競争が激しく収入を計算するのは難しいですが、当たれば思わぬ大きな収入になるケースもまれにあります。
以上、さまざまな角度で不労所得を作る方法について記載しましたが、これらはいずれにも特徴があり、それぞれに向き不向きがあります。どの不労所得がどんな人におすすめなのかについて以下記載します。
初期投資が少なく始めやすいという点で、金融商品に投資するタイプがおすすめです。配当や分配金などでそれなりの金額の不労所得を得るならば、まとまった資産を保有する必要がありますが、そのまとまった資産も金融商品では作りやすいです。
いろんな場所に足を運び物件を見るのが好きな方には、一戸建てやマンションなどを保有して不労所得を得る方法がおすすめです。物件を探すときは実際に足を運んでチェックすることが大切なので、こういった作業が苦にならないのは不動産投資への適性があるといえます。
また、銀行融資をうまく活用することで少ない資産から大きな資産を作ることが可能なので、信用度の高い企業に所属する会社員の方にも比較的向いています。
事業を行っている方であれば、相乗効果が狙えるので本業に関連した不労所得を作るのがおすすめです。セミナー講師などをされている方であれば、出版や講義動画の販売は有力な手段でしょう。
またインターネット型の会社を経営していれば、アフィリエイトや動画広告に取り組むのも有力な手段です。
実際に不労所得につながるかどうかは難しい側面もありますが、先述の手段の中にご自身の好きなものがあれば、挑戦してみる価値はあります。
写真が好きであれば写真の販売をしてみたり、こだわりの趣味があれば、その分野のブログを書いてアフィリエイトをやってみたり、絵を描くのが好きならLINEスタンプを作ってみたりするのもいいでしょう。
このように不労所得を得る方法にはさまざまな方法がありますが、いずれも簡単には作ることはできません。今まではどちらかというと不労所得を得るメリットに関する内容が多めでしたが、以下は不労所得を作る際の注意点について記載します。
不労所得も、純粋な意味で労働がない収入ではありません。投資で不労所得を得る場合でも、投資をする前にじっくり勉強することが必要ですし、投資以外でもコンテンツや権利につながるものを作るのには莫大な時間と労力が必要です。
いずれの不労所得も収益化には時間がかかります。投資系の場合は始めてみてからの試行錯誤が必要ですし、投資以外でも不労所得となる商品やサービスを生み出すことそのものに時間がかかります。また、生み出した後に人に知ってもらう活動にも時間がかかります。
不労所得は知識や経験といった無形資産をお金に変えるところに特徴があります。その無形資産を作るのにも学びが必要ですし、不労所得を得た後も学びは継続的に必要です。
不労所得で生活している人というと遊んで暮らしているように見えるかもしれませんが、実際にはいろんなことを学び続けることで継続的な収入を得ている方が多いです。
世間一般では不労所得というと楽をして簡単に儲かるといったイメージがあり、そこに付け込んだ怪しいビジネスも横行しています。そういった話を持ち掛けてくる人がいたら、詐欺の可能性を疑うことが必要です。
歴史的にも架空の投資による詐欺事件などがマスコミで大きく取り上げられることが繰り返されており、今後もなくなることは考えにくいです。
不労所得は確実に計算して作るのは難しく、上記のいずれの手段も実施することで必ず利益になるわけではありません。生活していく上で必要な最低限度の資金は手元に置いておくことが必要であり、ここに無理な金額を投資するのはおすすめできません。
不労所得を得るにはたくさんの手段があり、それぞれ特徴があります。人によってそれぞれ向き不向きもありますので、複数の手段を検討した上で関心のあるものがあれば、まず作り方を学んでみるのもよいでしょう。
実際に不労所得は作る行動に移すときには、収入を得るのはとても大変であると肝に銘じておくことも必要です。
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