- 不動産投資初心者は書籍やセミナー参加などで不動産投資の知識を身に着けることが大切。
- 不動産投資の運用方法は、自主管理と管理委託がある。
- 不動産投資には空室リスクなど様々な事情を考慮して資金計画を立てることが大切。
公開日:2020年2月10日
「不動産投資に興味はあるけれど、どうやって始めたらよいのかわからない」「不動産投資をしてみたいけれど、失敗したらどうしよう…」と悩んでいる人がいるのではないでしょうか。
入居者からの安定した家賃収入が魅力の不動産投資ですが、初心者の場合は何から行動してよいのかわかりにくいですよね。
そこで今回は、不動産投資の始め方と失敗しないための基礎知識について解説します。これから不動産投資を始めようと検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資初心者は、まず不動産投資の仕組みを理解するところから始めましょう。ここでは、不動産投資の仕組みについて解説します。
資産運用とは、ご自身が保有している資産を利用してさらに資産を増やすことをいいます。株式投資や投資信託、不動産投資などが該当するでしょう。資産運用の中には、FXのようにハイリスク・ハイリターンという投資方法も存在します。
投資の世界では、リスクとリターンは密接に関連しています。ハイリターンの投資方法は、ハイリスクであるということになるのです。ちなみに、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資方法であると言われています。
一般的に「不動産投資」といわれるものは、所有する不動産を賃貸して収入を得る投資方法です。不動産を他の人に貸して家賃収入を得る方法では、家賃収入から経費・ローン返済額を差し引いた手残りがいくらになるのかというキャッシュフローが非常に重要となります。
不動産投資は長期で運用する投資方法ですから、途中で破綻してしまわないように綿密な計画を立てる必要があるのです。不動産投資で利益を得る方法としては家賃収入の他、売却したときに得られる利益もあります。
賃貸経営では多くの場合、金融機関などからローンを借り入れてアパートなどの物件を購入します。購入した物件を利用して継続的な利益を得られるよう経営していくのです。
年度ごとに収支を報告して税金を納めたり、軌道に乗ってくると個人事業から法人化したりすることも。賃貸経営は「事業」という一面も併せ持っています。
初心者が不動産投資を始める場合、まずどんなことから取り組めばよいでしょうか。ここでは、不動産投資初心者が取るべき行動について解説します。
まずは、不動産投資に関する知識を身に着けることから始めましょう。不動産会社は丁寧に解説してくれるかもしれませんが、営利目的の業者です。
ある程度、自分で判断できる知識がないと業者の言いなりとなってしまい、収益性の低い物件を購入してしまうことになりかねません。不動産投資初心者の方は、不動産投資に関する書籍を読んで知識を身に着けることが大切です。
不動産会社や不動産投資家などが開催しているセミナーに参加してみましょう。不動産投資は規模や種類が様々ですので、できれば自分の方針に合うセミナーに参加するとよいでしょう。
不動産投資セミナーに参加すると、不動産投資に関する知識を身に着けることができるほか、オーナー同士の交流ができる場合があります。実際に不動産投資を行っているオーナーとの交流からも、有益な情報を得られることがあるでしょう。
不動産投資ではフルローンで物件を購入するにしても、手付金や諸費用など現金で支払わなければならない場面があります。したがって、本当の元手ゼロでは始められません。不動産投資を行う場合はまず資金を作ることから始めましょう。
資金を作る方法としては、節約をして貯蓄を増やす、家の中にある不要品を売却するなどの方法が考えられます。初心者の方は、上記で解説したように不動産投資に関する情報収集を行いながら、資金を作ることを意識しましょう。
不動産という特性上、初期投資額が大きくなりやすいという一面があります。しかし、不動産投資には様々な種類があります。一棟のマンションよりは分譲のワンルームマンションの方が購入価格は少額で始めることができるでしょう。
また、REITと呼ばれる不動産投資信託を利用して少額から始める方法があります。ご自身の現在の状況や今後のことを踏まえて、不動産投資の方法を検討してみるとよいでしょう。
不動産投資の運用方法としては、管理業務をすべてオーナー1人で行う運用方法と、管理業務の一部または全部を管理会社に委託する方法があります。ここでは、不動産投資の2種類の運用方法について解説しましょう。
2種類の運用方法を解説する前に、賃貸経営における管理業務にはどのようなものがあるかご紹介します。一般的な管理業務には、次のようなものがあります。
賃貸経営の管理業務は上記のように、日常的に行われる業務から入退去に関する業務など、多岐に渡ります。
自主管理とは、賃貸経営を行うオーナーが管理業務のすべてを行う運用方法です。管理会社に委託しないので管理会社へ支払う管理費用がかからない、自分の自由に管理ができるというメリットがあります。
しかし、上記のように不動産投資における管理業務は非常に多岐に渡ります。時間のある人や物件の近くに住んでいる人でないと、管理業務のすべてをオーナーのみで行うことは難しい可能性があります。
管理委託とは、賃貸経営に関する管理業務の一部または全部を委託する運用方法です。上記で解説したように管理業務の内容は幅広くあり、クレーム対応など突発的な業務も発生します。
サラリーマンなど日々忙しく投資にかける時間が少ない人は、管理委託をする人が多いでしょう。管理会社によって管理委託できる業務範囲や管理費用などが異なります。複数社を比較検討して、最終的に決定することをおすすめします。
不動産投資は「投資」ですから、様々なリスクが存在しています。不動産投資を行う場合は、「安定した家賃収入」というメリットだけでなく、必ずリスクを理解しておくことが大切です。ここでは、不動産投資における代表的なリスクについて解説します。
不動産投資は、入居者からの家賃が収入源となっています。したがって、入居者がいなければ収入はゼロ。不動産投資を行うのであれば、空室リスクは必ず考えておかなければならない問題です。
空室リスクを考える上で、物件を購入するときの立地選定が非常に重要です。利回りという収益性だけにとらわれず、多方面から検討した上で物件を購入しましょう。
また、空室リスク対策としては管理会社の選定も非常に重要です。不動産会社によって、入居者の客付けの得意・不得意があるからです。管理会社の選定は、複数社を比較検討した上で行いましょう。
無事客付けできたとしても、入居者が家賃を滞納してしまうことがあります。家賃を滞納されるとオーナーの家賃収入がなくなってしまいますから、賃貸経営にダメージを与えてしまいます。
家賃回収や滞納者への対応を管理会社へ委託している場合は、滞納者への対応を管理会社が行います。オーナー自身が滞納リスクへの対策をすることは中々難しいので、初心者の方は管理会社へ業務委託するのが無難でしょう。
建物を丁寧に管理していたとしても、年数が経つごとに劣化していきます。壊れた設備の修繕や入れ替え、外壁塗装工事、室内リフォームなど、修繕費用が発生します。不動産投資を行うときには、あらかじめ修繕リスクについても考えておきましょう。
修繕の内容によっては多額の費用がかかりますので、少しずつ修繕費用として積み立てしておくことをおすすめします。
建物の価値は年数を経過するにつれて低下していきます。新築時に設定した家賃は、年数を経過して入退去を繰り返していくと下落していきます。
不動産投資を行う場合には、家賃下落リスクも考慮した上で物件選定を行う必要があるでしょう。資金計画を立てるときには、家賃下落リスクを考えて余裕を持った計画にすることが大切です。
日本は災害大国です。近年では、東日本大震災や熊本地震などの大規模な地震が発生しています。日本で不動産投資を行うのであれば、災害リスクについて考えておく必要があるでしょう。
例えば地震という災害リスクに対策する方法として、新耐震基準の物件を選ぶ、地震保険に加入するなどの方法が考えられます。また、災害は地震だけではありません。水害や火災などの被害を受ける可能性も考えられるでしょう。
物件を購入する前に自治体で公開されているハザードマップを確認することも大切です。
不動産の市場価格は、時代とともに変化しています。街の再開発により人気(=需要)が高まり、周辺の不動産価値が上昇することもありますが、逆に様々な事情から下落することもあります。不動産投資においては、出口戦略も非常に重要です。
周辺の不動産価値が下落すると、思うような値段で売却できなかったり、手放したくても買い手がつかったりする可能性があるのです。物件を購入するときには物件そのものの情報だけでなく、周辺の情報も調べておくべきだといえるでしょう。
不動産投資では上記で解説したように、様々なリスクが存在します。しかし、株式やFXなど、他の投資の場合でもリスクは付き物です。
不動産投資で収益を得るためには、様々なリスクを考慮して余裕をもった資金計画を立てることが大切です。不動産投資初心者の方は、まずはある程度自分で判断できるようになるために知識を身に着けることから始めましょう。