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失業保険は確定申告の対象になる?必要な人の条件&手続きの流れをFPが解説

失業保険は確定申告の対象になる?必要な人の条件&手続きの流れをFPが解説

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大野 翠

大野 翠

芙蓉プランニング代表、2級FP技能士、FP技能士センター正会員

芙蓉プランニング代表。金融業界歴9年目(2019年現在)。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

この記事のポイント

  • 失業手当は最低限の生活費とみなされます。
  • 失業手当は所得に当たらないので非課税です。
  • 前の勤務先で年末調整が行われない場合は自分で確定申告が必要。
  • 退職金も源泉徴収ナシなら確定申告が必要。
  • 退職した同じ年に転職した場合は確定申告不要。

この記事は約5分で読めます。

様々な理由から離職をした方は、ハローワークにて失業手当に関する手続きを行います。実際に受給できる金額や、受給期間の違いこそあっても、失業手当を受給した場合の税務の取り扱いはどうなるのでしょうか?

会社勤めの時は年末調整によって一括して済ませていたものを、わざわざ確定申告で行う必要があるのでしょうか?今回は「失業保険受給時に確定申告が必要かどうか」について解説していきます。

失業保険の待期期間などについては以下の記事にまとめています。どうぞご一読ください。

 

 

失業手当とは

失業手当とは

失業手当とは、簡単に解説すると「働く意思があるのに、勤務先の都合や自分の都合で退職せざるを得ない場合、次の仕事が見つかるまでの間の基本的な生活費としてもらえるお金」です。つまり、最低限の生活を送る為に必要なお金ということになります。

勤めている間に給与から天引きされていた雇用保険の一環として受給するお金ですし、働いて得た労働の対価ではありませんから、これは所得とはみなされません。つまり失業保険は、住民税も所得税もかからず基本的には非課税扱いです。

 

確定申告が必要な場合もある

基本的には非課税である失業手当ですが、一部の条件に当てはまると確定申告をする必要があります。この後「必要な場合」「不要な場合」に分けて詳しく解説をしていきます。

 

確定申告が必要なケース

確定申告が必要なケース

会社員の方は、通常秋ごろから年末にかけて、勤務先に「生命保険料控除証明書」などを提出し、年末調整をしてもらっていたと思います。解りやすく言えば、年末調整は、会社員の方の確定申告のようなものです。

自営業者やアルバイトの方は年末調整をしてくれるところがないので、ご自身で確定申告を行う必要があります。それに基づいて翌年納めるべき税金が算出されます。

 

年末調整の有無がポイント

失業手当を受給していて確定申告が必要なケースは、この「年末調整」が前勤務先で行われなかった場合です。

1年の途中で退職した場合は、その時点までの給与が発生しているわけなので、その給与に関しては確定申告をして所得の申告をする必要があります。それに基づいて翌年の納税額が決まります。

 

年末調整について

年末調整または確定申告で、正しい収入を申告し、それに基づいた正しい納税額をはっきりさせることは必要です。

このいずれも済ませていないということであれば、年度の途中まで勤めていた会社から給与天引きされていた税金について、還付金があっても戻ってこない事にもなります。

正しい納税額がわからないどころか還付金も受けられず、場合によっては損をすることもあり得ます。前の勤務先で年末調整が行われないようであれば、必ずご自身で確定申告を済ませましょう。

年末調整については、こちらの記事も是非ご参照ください。

 

年内の再就職は確定申告不要

年内の再就職は確定申告不要

上記のような確定申告が必要なケースとは逆に、確定申告が不要なケースもあります。一番の代表例は、一年の途中で退職しても、同じ年の内に再就職をし、新しい勤務先で年末調整を行ってもらえる場合です。

この場合、新しい勤務先で12月31日まで勤務している等の条件がありますが、それらを満たすことで年末調整が行われます。

 

源泉徴収票を提出

新しい勤務先で年末調整を行ってもらう場合、前の勤務先での源泉徴収票を提出する必要があります。前の勤務先の源泉徴収票は、退職後おおむね1か月以内には郵送などでお手元に届きます。

この源泉徴収票は、確定申告が必要な場合でも必ず提出しなければならない書類です。働いていた期間の所得と納付済の税金を示す大切な証明書です。必ず大切に保管しておきましょう。

 

転職した場合の年末調整

確定申告が不要な例の場合は「退職後に次の勤め先に就職」=「転職」ということになります。

転職の場合の年末調整については、こちらの記事にまとめられています。

 

退職金がある場合は要注意

退職金がある場合は要注意

離職時に、退職金を受け取っている方は要注意です。会社員だった方の大半は「退職所得の受給に関する申告書」の提出により、あらかじめ源泉徴収後の金額を退職金として受け取っているので問題はありません。

要注意なのは、この申告書が提出されていない場合です。この場合は退職金に関して別途確定申告を行う必要があります。詳しくは、国税庁ホームページ内タックスアンサー「No.2732・退職手当等に対する源泉徴収」をご覧ください。

 

 

【補足】雇用保険で受給できる給付・手当

雇用保険と聞けば、一般的に「失業手当」を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。実はこの雇用保険では、失業手当(正式名称は基本手当)以外にも、該当すれば受給できる給付や手当があります。

 

基本手当

通称・失業手当のことです。これは「求職者給付」の内の一つの手当で、自己都合と会社都合で受給開始の時期や、受給総額に差があります。求職者給付には、この他「傷病手当」もあります。

 

再就職手当

再就職手当は「就職促進給付」の内のひとつです。再就職した場合に一定の要件を満たすことで受給できます。就職促進給付では、このほかに「就業促進定着手当」「広域求職活動費」もあります。再就職のために必要な手当の総括だと理解すると良いでしょう。

 

教育訓練給付

「教育訓練給付」とは、再就職やスキルアップの為に教育を受けることを促進する給付です。「一般教育訓練給付金」「専門教育訓練給付金」の二つがあります。

この教育訓練給付に関しては、離職していなくても、現在の仕事のスキルアップのために、所定の通信教育などで資格取得をするための給付としても利用できます。

所定の通信教育とは、厚生労働大臣の定める講座であること等いくつか要件を満たしている必要があります。大手通信教育会社などでは、対象の講座はわかりやすく案内されています。

 

雇用継続給付

「雇用継続給付」は、お子さんのいる方や高齢者の就職促進・働く意力を向上させるための給付です。「育児休業給付」「高年齢雇用継続基本給付金」があります。

いずれも、年齢条件、雇用保険加入条件などがあります。この条件を満たすことで受給対象となります。個別の該当事由に関しては、所轄のハローワークにお尋ねください。

 

雇用保険給付金を正しく知ろう

ここまでで、雇用保険には様々な手当・給付があることはお解りいただけたと思います。これらの雇用保険給付金は、離職後お仕事を探している方が安心して求職活動ができるようにサポートする目的があります。

会社都合にしろ、自己都合にしろ、なんらかの形で離職している事実は変わりません。一日でも早く希望する勤務先へ再就職できるよう、これらの雇用保険給付金等を上手に活用しながら求職活動を進めていきましょう

 

失業保険の確定申告に関するまとめ

いかがでしたか。失業保険を受給する場合、課税対象となりませんので確定申告は不要です。失業手当は「次の仕事が見つかるまでの最低限の生活費」とみなされるからです。失業手当を受給しているという申告をどこかにする必要もありません。

ただし、年末調整あるいは確定申告のいずれかで、税金に関する申告は行わなければなりません。失業保険の実際の流れに関しての問い合わせ窓口はハローワークです。

待期期間や受給額に関して、ご自身の場合どうなるのかについては、個別ご相談いただく方が確実かと思います。今回の記事では一般的な内容に関してご紹介していますので、詳細なご不明点があればハローワークにてご相談下さい。

 

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