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児童福祉制度の一つである「児童手当」の仕組みを解説します

児童福祉制度の一つである「児童手当」の仕組みを解説します

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岡崎 隆宏

岡崎 隆宏

社会保険労務士、1級FP技能士、CFP

社会保険労務士・1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®。 1児の父親として育児に携わりながら、妻の妊娠・出産に立ち会う中で、妊娠・出産における社会保障制度についてどうあるべきかについて真剣に考える。 現在は、社会保障とお金の関係について講演やブログで情報を発信することで、一人でも多くの人にお金と社会保障について正しい認識を持ってもらうための活動を行っている。 得意分野は「妊産婦等の社会保障制度」「年金」「ワークライフバランス」「家計見直し」など。

この記事のポイント

  • 児童手当対象者は、15歳に達した日後最初の3月31日までにある子がいる世帯で、5つの支給要件のいずれかに該当する者
  • 年齢、人数に応じて児童手当支給額が変わる
  • 児童手当を支給するために必要な手続きを理解する

この記事は約4分で読めます。

児童福祉制度とは、児童福祉法を基本として、様々な行政機関や施設、専門職の働きや実践によって推進される制度で、具体的には「保育子育て支援」「健全育成」「母子保健対策」などの施策があり、妊娠・出産に関する福祉だけでなく、育児を行っている世帯まで、幅広い世帯においてかかわりが深い制度といえます。

今回は児童福祉制度の一つであり、もっとも身近に感じることが出来る給付の「児童手当」の制度の仕組みについて説明します。

 

子どものいる世帯の経済的支援を行う「児童手当」の仕組み

児童手当は、児童がいる世帯に対して、子の年齢子の人数に応じて支給される金額が変わります。この児童手当は、過去には「こども手当」という名称で支給されていたこともありますが、現在では、児童手当として支給されています。

 

対象者

児童手当は、15歳に達した日後最初の3月31日までにある子(つまり、「中学卒業するまでの子」のことで、「支給要件児童」といいます。以下同じ)がいる世帯に対して、その子の年齢、人数に応じて市町村から支給される給付で、毎年2月・6月・10月にその前月までの4か月分をまとめて支給されます。

 

児童手当の支給要件

次の①~⑤のいずれかに該当する者に支給されます。

 

①父母等

中学卒業前の児童である子を監護(児童の面倒を見ており、通常必要な監督保護を行っていること)する必要があり、かつ、その子と生計を同じくする父また母、もしくは、未成年後見人であり、日本に住所がある人のこと

 

②父母指定者

日本に住所がない父母等が指定する人のうち、その父母等が仕送り等で生計を維持している子と同居している人で、日本国内に住所がある人(例えば、祖父母や叔父、叔母など)のこと

 

③父母等又は父母指定者のいずれにも監護されず、または、これらと生計を同じくしない支給要件児童を監護し、かつ、その生計を維持する者であって、日本国内に住所を有するもの

簡単に言うと、「両親が離婚等をして別居しており、生計を同じくしていない場合」に児童と同居している人のこと

 

④施設等受給資格者

何らかの理由によって里子として出された子を監護している里親等、または、障害児入所施設に入所している支給要件児童がいる施設の管理責任者のこと

 

⑤所得制限(2019年度)

世帯の所得の合計金額が以下の金額未満であることが必要です。なお、所得制限の判断基準は所得(給与所得控除語の金額)がいくらになるかで判断されます。

なお、今までは所得制限を超えた世帯であっても児童1人当たり5,000円の特別支給が行われていましたが、2019年度は廃止されます。

  • 扶養親族がいないとき 年収:833.3万円(所得:630万円)
  • 扶養親族が1人 年収:875.6万円(所得:668万円)
  • 扶養親族が2人 年収:917.8万円(所得:706万円)
  • 扶養親族が3人 年収:960.0万円(所得:744万円)
  • 扶養親族が4人 年収:1002.1万円(所得:782万円)
  • ひとり親+扶養親族が0人(子供1人) 年収:833.3万円(年収:622万円)

 

児童手当の額

児童手当の額は子どもの人数や年齢によって異なり、1月当たりの金額で規定されており、4か月分を2月・6月・10月の年3回にその前月分(2月:10~1月、6月:2~5月、10月:6~9月)を支給されます。ただし、15歳に達した日後最初の3月31日以降になる子がいる場合は、その子については支給の対象とはなりません

 

①3歳未満の子

15,000円×該当する支給要件児童の数

 

②3歳以上小学校卒業までの子

2人目まで

10,000円×該当する支給要件児童の数

 

3人目以降

15,000円×該当する支給要件児童の数

 

③小学校卒業後中学校卒業までにある子

10,000円×該当する支給要件児童の数

 

児童手当の額の具体例

①14歳・10歳・6歳の場合

10,000円+10,000円+15,000円=35,000円/月

 

②17歳・14歳・10歳の場合

10,000円+10,000円=20,000円/月

※第1子が15歳に達する日後最初の3月31日を過ぎており、児童手当の支給対象児童とはならないため、支給対象児童である第2子と第3子が児童手当の支給額の計算の対象となります。

 

③17歳・16歳・14歳の場合

10,000円/月

※第1子と第2子が15歳に達する日後最初の3月31日を過ぎており、児童手当の支給対象児童とはならないため、支給対象児童である第3子の10,000円/月が児童手当の金額となります。

 

児童手当を支給するために必要な手続き

児童手当は、支給手続きを忘れてしまうと遡及(過去にさかのぼること)して支給を受けることが出来ないため、必ず手続きができるようになった時に行うことが必要です。

 

支給手続きで必要なもの

児童手当の支給手続きをするときに必要になるものは以下に挙げるものが必要です。

  1. 児童手当認定請求書
  2. 申請者の健康保険証の写し
  3. 申請者名義の振込先口座のわかるもの
  4. 申請者の印鑑

 

支給手続きの注意点

具体的に支給手続きを行う際の注意点は、以下のようになります

 

初めて子が生まれた場合

子が生まれて、児童手当の支給対象児童となった日の翌日から15日以内に市町村に申請手続きをする必要があります。

 

2人目以降が生まれた場合

その子を出産した日の翌日から15日以内に市町村に申請手続きをする必要があります。

 

引越しをして住所が変わったとき

転入日(転出予定日)の翌日から15日以内に市町村に申請手続きをする必要があります。

 

公務員になった場合

基本的に勤務先である市町村に対して申請手続きを行いますが、新たに公務員になった場合、または、公務員を辞めた場合は、その事実があった日の翌日から15日以内に住所地の市町村に対して申請手続きを行う必要があります。

 

まとめ

児童福祉制度の一つである、子供・子育てに関する支援制度の一つとして児童手当があります。児童手当は、子が生まれた世帯に対する経済的支援を行うことで「生活の安定を図ると共に、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする(児童手当法1条)」とされている制度です。

児童手当は、子供の年齢や人数によって支給される金額が異なり、また、世帯合算の所得によって制限がかかることがあります。さらに、自治体によっては児童手当以外にも、児童福祉に関する給付が行われているところがありますので、今、お住いの自治体が子供の育成に関する給付として、どのような支援を行っているのかを改めて確認することは重要なことといえます。

児童手当の制度などを理解したうえで、妊娠・出産・育児を包括的に考えたうえで、今後のライフイベントをどのように計画していくべきかを、改めて考えてみるといいでしょう。

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