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幼稚園にかかる費用はどれくらい?内訳&平均相場を私立・公立別にFPが解説

幼稚園にかかる費用はどれくらい?内訳&平均相場を私立・公立別にFPが解説

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婚活FP山本

婚活FP山本

CFP®、一級FP技能士

山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中の方や結婚直後の方など、主に比較的若い方のご相談を承っています。また「農業FP」としても活動をはじめ、独立10年を機に「後輩育成」にも力を入れています。詳細は「婚活FP」でご検索を。

この記事のポイント

  • 一年あたりの幼稚園費用は公立22万円、私立52万円程度。
  • 現在は「幼児教育の無償化」が始まっている。
  • 最終的な大学費用は極めて高額!

こんにちは、婚活FP山本です。子供を妊娠・出産直後は喜びでいっぱいなものですが、その後に待ち受けるのは、教育費の入り口である「幼稚園の費用」になります。

教育費は年々上がる性質のあるお金なので、入り口ほど割安ではありますが、やはり注意が必要です。ある程度の目安を知っておき、しっかり準備しておきましょう。

そこで今回は、幼稚園の費用や相場、そして関連する大切なことをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。

 

そもそも幼稚園と保育園の違いとは?

そもそも幼稚園と保育園の違いとは?

まずは費用の前に、幼稚園と保育園の違いについてお伝えします。幼稚園と保育園を混同している方も稀にいますが、この2つは大きめに違い、具体的な違いは以下の通りです。

幼稚園 保育園
管轄 文部科学省 厚生労働省
預け時間 4時間程度 8時間程度
目的 教育 保育

やはり一番の違いは「預けられる時間」といえます。幼稚園は4時間程度なのに対し、保育園は8時間程度です。また目的の違いも意外と大きく、「自分の子供にはどのような教育をしたいか、させてあげたいか」という考え方でも預け先が変わってきます。

住んでいる地域の事情によっても様々ですが、少なくともどちらか選べるのであれば、しっかり夫婦で話し合って決めていきましょう。

 

幼稚園は主に「専業主婦世帯」が対象?

昨今では共働きが主流ですが、だからこそ預け時間が長い「保育園」の人気が高まっています。どちらかと言えば、幼稚園は主に「専業主婦世帯」が対象です。共働きで幼稚園を選べる世帯は、相応に限られてくるでしょう。

ただし、昨今の時代の変化を受けて、少しずつですが地域の事情に合わせて幼稚園の運営も柔軟になりつつあります。どうしても保育園が見つからない場合は、ぜひ幼稚園にも目を向けてみましょう。

 

公立・私立別の費用の平均金額相場一覧!

公立・私立別の費用の平均金額相場一覧!

次は、公立・私立別の費用の平均金額相場を内訳とともにお伝えします。文部科学省の平成30年「子供の学習費調査」によると、一年あたりの幼稚園の費用は以下の通りです。

公立 私立
総額費用 22万3647円 52万7916円
学校教育費 12万738円 33万1378円
学校給食費 1万9014円 3万880円
学校外活動費 8万3895円 16万5658円

また、中核となる「学校教育費」の内訳は、以下のようになっています。

公立 私立
授業料 6万6206円 21万1076円
修学旅行・遠足・見学費 2492円 3494円
学級・児童会・生徒会費 5627円 703円
PTA会費 4962円 6885円
その他の学校納付金 2118円 4万6820円
寄付金 4円 347円
教科書費・他の図書費 1370円 2360円
学用品・実験実習材料費 7203円 1万81円
教科外活動費 460円 2541円
通学費 5831円 1万8052円
制服 3113円 8075円
通学用品費 1万1745円 1万372円
その他 9607円 1万572円

やはり、大きなところは「授業料」ですが、他も含めて全体的に私立のほうが割高な傾向です。ただ私立のほうが設備が充実していることもあるので、一概に「安いほうがいい」とは言えません。しっかり子供のことを考えて、公立・私立を選んでいきましょう。

 

授業料などの月謝以外に、入園料・保育料も大きく違う

授業料などの月謝以外に、入り口の「入園料・保育料」も公立・私立で大きく違います。一般的に公立なら1万円程度ですが、私立は本当に「幼稚園次第」です。また支払い時期も幼稚園次第になりますから、事前にチェックしておくとともに、前倒しでの準備を心掛けましょう。

なお、どうしても学費の準備・支払いが厳しい場合は、後述する様々な補助制度を使うこともできます。厳しくなくても使えるなら使ったほうが得ですから、しっかり調べておきましょう。

 

幼稚園の利用料金については補助金制度がある!

幼稚園の利用料金については補助金制度がある!

今度は、幼稚園の補助金制度についてお伝えします。幼稚園の補助金制度は自治体によって差がありますが、それでも代表的なものとしては以下の通りです。

  •  入園料補助金:一律交付(上限アリ)
  • 就園奨励費補助金:所得に応じて費用を補助 → 無償化制度へ移行
  • 保護者負担軽減補助金:所得に応じて費用を補助

なお、いずれの制度も「私立幼稚園」を対象としているケースが多くなっています。また「自治体による差」は、相応に大きく本当に様々です。このため、子供の出産前や引っ越し前には、自分の住む自治体の場合はどうなのかをしっかり確認しておきましょう。

また、これらの補助や助成というのは、一般的に「家計が苦しいほどに」利用できます。シングルマザー世帯やひとり親世帯ほど、しっかり確認して積極的に利用していきましょう。

 

幼稚園なら「保活」も不要?

先ほども触れましたが、今は共働き世帯が増えた結果、どちらかといえば保育園と比べて幼稚園は不人気です。だからこそ、保育園では有名かつ極めて苦しい「保活」も、幼稚園に通わせるつもりなら関係ありません。多くの幼稚園には十分な空きがあります。

この理屈は、仮にあなたが保育園を狙っており、そして失敗した時にも重要です。幼稚園で待機児童を受け入れる流れもできつつありますから、ぜひ広い視野で選択していきましょう。

 

現在は「幼児教育・保育の無償化」が始まっている

現在は「幼児教育・保育の無償化」が始まっている

今度は、「幼児教育・保育の無償化」についてお伝えします。これは令和元年10月からすでにスタートしている制度です。基本的に「3~5歳の幼児」が対象で、施設によって少しずつ違いがありますが、おおむね以下のような内容になっています。

  • 幼稚園:月2.57万円まで無償(保育所・認定こども園を含む)
  • 預かり保育:月1.13万円まで無償(幼稚園での預かり)
  • 認可外保育園:月3.7万円まで無償(0~2歳は住民税非課税世帯なら月4.2万円無償)

なお、0~2歳の間は保育所を使う場合、住民税非課税世帯なら認可外保育園と同じく無料です。また上記の通り、上限を超える部分は無料ではなく、「送迎費・食材費・行事費・制服費・PTA会費」など、無償化の対象とならない支出もある点には注意が必要といえます。

それでも、多くの家庭で全体として教育費が下がりましたから、喜ぶ声が極めて多いです。ぜひとも、存分に恩恵を受けていきましょう。

 

費用が安くなるのは喜ばしい事だが……

増税が背景にあるとはいえ、この無償化は多くの「子を持つ親」に歓迎された制度といえます。ただ……費用が安くなるのは喜ばしい事ではありますが、「だから沢山産んでも大丈夫」となった訳ではありません。むしろ、安易に考えやすくなったからこその注意が必要です。

すでに触れた通り、どちらかと言えば「部分的に無料になった」だけであり、ゼロ円になった訳でもありません。なるべく、前倒しで準備に励んでいきましょう。

 

 

もっとも警戒すべき教育費は「大学費用」!

もっとも警戒すべき教育費は「大学費用」!

ここからは、将来的な教育費についてお伝えします。教育費は年々上がる性質のあるお金ですから、一番高額な教育費は「大学費用」です。この大学費用は、日本政策金融公庫の2020年「教育費負担の実態統計調査」によると、以下のような結果になっています。

  • 国公立大:499.4万円(入学費用71.4万円、一年あたりの在学費用107.0万円)
  • 私立文系:717.0万円(入学費用86.6万円、一年あたりの在学費用157.6万円)
  • 私立理系:821.7万円(入学費用84.5万円、一年あたりの在学費用184.3万円)

また同調査によると、およそ3割の人は下宿をしており、その場合の平均仕送り額は「年102.3万円(月約8.5万円)」という結果です。いずれも極めて高額な数字が並んでいますから、しっかり警戒しておきましょう。

 

年間いくら貯金すれば間に合いそう?

子供が幼稚園の入学前なら、大学入学までに15年程度の時間があります。仮に子供が私立文系大学に通うことになったとしても、今から準備すれば年間48万円程度、月に4万円程度の貯金で達成可能です。共働きなら、十分に達成できるのではないでしょうか。

もっとも、子供が複数いるなら一気に大変になります。年間いくら貯金すれば間に合いそうかをしっかり考えて、まだ子供が小さいうちから準備に励みましょう。

なお、もしあなたが専業主婦ならぜひ以下記事も参考にどうぞ。

 

もっとも警戒すべき大学費用は補助が弱い!

もっとも警戒すべき大学費用は補助が弱い!

今度は、大学費用の無償化や補助についてお伝えします。結論からいえば、大学費用の無償化や補助は極めて弱いです。まず無償化の対象となるのは世帯年収380万円未満の子供だけであり、これは全体の2割程度とされています。大半の世帯は、当てはまりません。

他の方法には「奨学金や教育ローン」が挙げられますが、基本的にこれらは借金です。途中で返済できなくなり、破産する方も少なくありません。それどころか利用者は在学中でも、学費や生活費のために薄給のブラックバイトに時間を取られ、勉強できないと嘆く方も多いのが実情です。

なお、すでに大学生の約半数が奨学金や教育ローンを使っています。それほど準備が間に合わなかった親が多いわけです。できるだけ子供が小さいうちから大学費用を視野に入れておきましょう。

 

大学費用を考えて家族計画を考えるのが理想的

実質的に無償化や補助がないのが大学費用ですから、基本的に自力で準備するしかありません。そして、自力で準備するにはかなりハードルが高いからこそ、大学費用を考えて家族計画を考えるのが理想的です。今後、子供を増やしたいと考える方は、十分に注意しましょう。

なお、高校までの学費は減額傾向にありますが、むしろ大学費用は上昇基調です。実際に子供が大学に通うころには、さらに学費が高まっている可能性も高いといえます。ぜひ余裕を持たせた準備をしていきましょう。

 

学費に困った時に頼れるのは「行政と銀行」!

学費に困った時に頼れるのは「行政と銀行」!

ここからは、全般的な学費・教育費への対処法についてお伝えします。すでにお気づきでしょうが、教育費に困った時に最初に頼るべきところは「行政」です。

特に最近では少子化を少しでも解消したい意向がありますから、多くの行政では教育費を含めた子供への支援策をたくさん用意しています。

次に頼るべきところは「銀行」です。銀行はお金を預けるだけでなく、お金を借りることもできます。利子が必要になる点はありますが、それでも困った時には利用を考えたいところです。最優先は「親」という方も多いですが、親に頼れない場合は考えてみましょう。

とはいえ、教育費への対処の基本は「自分で毎月コツコツ貯金」です。自分で貯められた分だけ、他に頼る必要がなくなります。なるべく自分で貯める一方、どうしても足りない時はこれらを頼りましょう。

なお、効率的な貯金の方法を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。

 

学費に困らないようにサポートするのがFP!

学費準備の基本は「自分で毎月コツコツ貯金」です。しかし、中にはどうしても自力で貯金できない人もいます。そういう方でも、学費に困らないように計画・サポートするのが「FP」です。学費が不安な方は、なるべく早めにFPに相談してみましょう。

ただし、FPは「困ってから」では役に立ちにくい存在です。そうなれば、より高額な費用が必要になるか、あるいはどうにもなりません。そうならないように、FPを効果的に活用していきましょう。

 

 

親の破綻は子供の破綻に繋がる!

親の破綻は子供の破綻に繋がる!

最後に、教育費について大切な補足情報をお伝えします。幼稚園や小学校の学費なら大丈夫という方は多いですが、教育費は後半戦が勝負です。中でも大学費用は極めて高額であり、約半数の親が準備できていません。一方で、まだまだ子沢山な世帯も多いのが実情です。

そういう親の中には、「自分はどうなってもいい」と考えている方が少なくありません。お気持ちは分かりますが、無茶をすれば大丈夫でもありませんし、親の破綻は子供の破綻に繋がるのが現実です。将来的に、子供のお荷物になるか、子供に親を捨てさせるつもりでしょうか?

そうならないためにも、余裕を持った家族計画や学費準備が大切といえます。学費以外にも様々なことにお金は必要です。ぜひ先々を見据えて、ライフプランを考えましょう。

なお、ライフプランの立て方を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。

 

老後資金2000万円問題をお忘れなく!

学費以外に気を付けなければならない代表格が、「老後資金2000万円問題」です。教育費や住宅ローンも重なって、様々なアンケート結果によると7~8割の方が「貯められそうにない」と感じています。大学費用よりも、さらに達成が難しい問題かもしれません。

幼稚園の学費を考える頃なら、まだまだ先の話といえますが、時期が迫ってから対処するようでは手遅れです。追い詰められる前に、準備を始めていきましょう。

 

費用が安い幼稚園の頃から貯金を始めよう!

幼稚園の費用は、無償化も手伝って極めて割安です。しかし将来的には莫大な大学費用が待ち受けています。老後資金2000万円も、かなり大きな問題です。ぜひ費用が安い幼稚園の頃から先々を見据えて、しっかり貯金に励んでいきましょう。

 

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