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確定申告を正しく行うために必要な源泉徴収票の役割とは?紛失時や複数ある場合の対応も解説いたします。

確定申告を正しく行うために必要な源泉徴収票の役割とは?紛失時や複数ある場合の対応も解説いたします。

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士、経理実務士

税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

この記事のポイント

  • 確定申告を正しく行うために必要な源泉徴収票の役割を紹介しています
  • 多くの方が抱えている確定申告をする際における源泉徴収票の疑問について回答しています
  • アルバイトやパートといった職業に就いている方の確定申告と源泉徴収票の取り扱いについても紹介しています

この記事は約5分で読めます。

源泉徴収票は、勤務先から給与の支払いを受けている方が渡される書類で、毎年、年末になると税金の精算手続きとして行われる年末調整の後や中途退職した場合などに交付される収入などが記載された重要なものです。

そのため、自営業やフリーランスなど、給与の支払いを基本的に受けない方に対して源泉徴収票が交付されることはありませんが、確定申告をする際に、源泉徴収票の交付を受けている方は、源泉徴収票が確定申告をするために必要な書類の1つとなります。

そこで本記事では、確定申告を正しく行うために必要な源泉徴収票の役割から多くの方が確定申告をする際に抱えている源泉徴収票の疑問について、幅広く解説を進めていきます。

確定申告についての基礎知識は「確定申告とはどのような手続き?時期や方法、必要書類など初心者でわかりやすくまとめました」をご覧ください。

 

確定申告を正しく行うための源泉徴収票の役割

確定申告を正しく行うための源泉徴収票の役割

源泉徴収票には、その方の年収や給与や賞与(ボーナス)から源泉徴収された税額をはじめ、配偶者控除や扶養控除といったさまざまな所得控除が記載された重要な書類であり、いわば、この書類1つで、その方の収入や家族状況がわかるものです。(年末調整済みの場合)

また、確定申告で確定申告書を作成するにあたって、源泉徴収票に記載されている収入などの各種情報を基に作成することになるため、正確な確定申告書を作成するためになくてはならないものが源泉徴収票です。

併せて、確定申告で税務署に提出することになる確定申告書は、源泉徴収票に記載された各種情報を作成する確定申告書に反映させる必要があるため、いわば、本人の収入や家族状況(所得控除を含みます)を再現するために必要な役割を担っているのが源泉徴収票とも言えます。

 

確定申告をする際における源泉徴収票の疑問を紹介

確定申告をする際における源泉徴収票の疑問を紹介

確定申告をする上で源泉徴収票は、とても重要な書類であることがわかりましたが、ここからは、確定申告をする際における源泉徴収票の疑問をQ&A方式で幅広く紹介していきます。

 

確定申告をする際に源泉徴収票を提出(添付)する必要はある?

こちらは、すでに冒頭でも紹介をしておりますように、確定申告をする際に、源泉徴収票の交付を受けている方は、源泉徴収票が確定申告をするために必要な書類の1つとなります。

確定申告書を作成する際に、源泉徴収票を見ながら金額を入力したり申告書に金額を記入したりする必要があるほか、税務署側が、源泉徴収票の内容を基に正しく確定申告書が作成されているか確認するための書類にもなりますので、源泉徴収票の交付を受けている方は、源泉徴収票の提出(添付)が必須となります。

 

確定申告で提出(添付)する源泉徴収票は、原本?コピーは可能?

確定申告で提出(添付)する源泉徴収票は、原本を提出するように国税庁では案内をしているため、原則として、源泉徴収票のコピー(写し)は提出不可となっています。

国税庁 確定申告の際にご持参いただくもの

確定申告の際に作成した確定申告書は、税務署に対して提出をする確定申告書とご自身の控えにあたる確定申告書が作成されますが、この時、勤務先から渡された源泉徴収票の原本は、税務署に対して提出をする確定申告書に添える必要があります。

実務上、税務署へ源泉徴収票を提出するにあたって、ご自身の源泉徴収票の控えがなくなってしまうため、控え用として源泉徴収票のコピー(写し)を取って、確定申告書の控えと一緒に保管しておくのが、一般的です。

 

確定申告で電子交付された源泉徴収票も提出(添付)不可?

勤務先によっては、年末調整後の源泉徴収票をご自身でインターネットからダウンロードする方法によって取得するところもあり、いわゆる電子交付された源泉徴収票を確定申告で提出(添付)して良いのか気になる方も多いと思います。

先に解説したことを踏まえますと、電子交付された源泉徴収票も原則として提出は不可であると考えられますが、実際のところ、電子交付された源泉徴収票を提出(添付)しても差し支えないようです。

源泉徴収票の原本も写しも記載されている内容は同じであることを踏まえますと、どちらを提出しても良い気がするのですが、国税庁では、源泉徴収票の原本を提出するように求めているため、素直にそれに従うのが無難です。

 

確定申告をする際に源泉徴収票がない場合やなくした場合は?

確定申告をする際に、源泉徴収票の提出が必要ですが、事務手続きがしっかりとされていない会社などでは、源泉徴収票を交付しないところも多くあり、それによって源泉徴収票が手元にない方もおられます。

会社は、年末調整後の源泉徴収票を従業員などへ交付する義務があることから、源泉徴収票をそれぞれの従業員へ交付することは当然なのですが、仮に、源泉徴収票の交付を勤務先から受けられない場合は、面倒ではありますが、1年間の給与明細書と賞与明細書を使って確定申告をする必要があります。

これは、確定申告期限(原則として3月15日まで)が迫っている中で、勤務先からの源泉徴収票の再発行が間にあわない場合も同様に1年間の給与明細書と賞与明細書を使って確定申告をする必要があります。

なお、勤務先から源泉徴収票の交付を受けているものの、なくしてしまった場合は、再度、勤務先に連絡することで再発行してもらうことができます。

勤務先の担当者には、ちょっとした手間をかけてしまいますが、実務上、源泉徴収票を印刷するだけですので、事情を説明した上で対応してもらうのが望ましいでしょう。

 

アルバイトやパートで、確定申告をする際に源泉徴収票が複数ある場合は?

アルバイトやパートといった職業の方で、仕事を掛け持ちすることによって、それぞれの勤務先から源泉徴収票の交付を受けることがあると思います。

このような場合は、原則として、複数の勤務先から交付を受けた源泉徴収票を基に確定申告書を作成し、確定申告をしなければなりません。

具体的には、複数の勤務先から受け取った源泉徴収票の収入や源泉徴収税額などをそれぞれ合算し、まとめたものが作成した確定申告書に記載されるといったイメージになります。

複数の源泉徴収票を合算した時、年収が低い場合は、確定申告をしなくても良い場合があるのですが、このような方々の場合ですと、確定申告をすることで給料から天引きされた源泉所得税が還付される場合がほとんどですので、できる限り、確定申告を行うようにしたいものです。

また、その逆のパターンも考えられ、本来ならば確定申告をしなければならないのにも関わらず、確定申告をしなかった場合もあると思います。

仮に、このような場合は、後から税務署よりお尋ねが来るほか、場合によっては、無申告加算税などといったペナルティーとなる税金も本税に加算して納めなければならないことにつながる可能性がありますので、いずれにしましても、確定申告は申告期間中(原則として2月16日から3月15日)にしっかりと行うようにするべきでしょう。

 

確定申告をe-taxで行った場合も源泉徴収票は提出が必要?

これまでの解説より、源泉徴収票は、確定申告をする際に必要な書類であることがわかりましたが、実のところ、国税電子申告・納税システム(e-tax)を利用して確定申告を電子申告で行った場合は、源泉徴収票の提出を省略することができます。

ただし、源泉徴収票の提出を省略した場合は、税務署側は、原則として5年間に渡って入力内容確認のために源泉徴収票の提出や提示を求めることができるとされているため、少なくとも5年間は、源泉徴収票をしっかりと保管・管理しておくことが大切です。

 

確定申告を行うため必要な源泉徴収票の役割まとめ

確定申告を行うため必要な源泉徴収票の役割まとめ

確定申告を正しく行うための源泉徴収票の役割と確定申告をする際における源泉徴収票の疑問を紹介させていただきましたが、本記事をざっくりまとめてしまいますと、確定申告をする際に源泉徴収票は原本で提出するといったところにつきます。

上記以外のポイントをまとめます。

  • 源泉徴収票が手元にない場合や紛失した場合は、再発行をしてもらう
  • 再発行をしてもらえない場合やそもそも源泉徴収票の交付がされていない場合は、給与明細書や賞与明細書で確定申告の添付書類の対応をする(ご自身の控えとして写しを残しておくのを忘れないこと)
  • 源泉徴収票が複数枚ある場合は、金額がすべて合算される

確定申告と源泉徴収票の関係は、何も難しくありませんので、ポイントをしっかりと押さえて来たる確定申告を正しく行うようにしたいものです。

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