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個人事業主が副業をしたら税金はどうなる?所得金額の計算方法&確定申告の手順

個人事業主が副業をしたら税金はどうなる?所得金額の計算方法&確定申告の手順

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吉見 浩一

吉見 浩一

CFP、FP1級、TOEIC975点

「お得」が好きなFPライターです。大手電機メーカーおよび施設運営会社勤務を経て、2018年よりフリーのライターに。会社勤務中に、ファイナンシャルプランナー(FP)資格取得に取り組み、CFPおよびFP1級を取得。現在はクレジットカードやローンに関する記事を連載しています。

この記事のポイント

  • 個人事業主の副業のパターンはさまざまで、それに応じて所得金額の計算方法も異なる。
  • どんなパターンの副業であっても、基本的には同じ確定申告によって所得を申告する。
  • 初めて確定申告する場合、いくつか注意しておくべき点がある。

現在会社に勤めていてこれから副業をしてみようと考えている人や、最近複数の仕事を始めた人は、「副業をしたら税金はどうしたらいいのかな?」と、今後の税金の支払いについて心配をしているかもしれません。

働き方のパターンは人それぞれですが、いずれの場合でも税金はすべて確定申告をして支払うことになります。ポイントを押さえてしまえば確定申告は決して難しくはありませんが、思わぬところでつまずいてしまうこともあります。

この記事では、個人事業主の働き方ごとの所得の計算方法、確定申告の仕方および注意点について解説していきます。

 

個人事業主の副業のパターンとは?収入別の所得計算方法について

個人事業主の副業のパターンとは?収入別の所得計算方法について

副業をした際の税金の計算の仕方・確定申告のやり方について本やネットで調べていても、なんだかモヤモヤして、いまいち腑に落ちないような気がする人がいるかもしれません。

その理由は、先ほど申し上げた「働き方のパターンは人それぞれ」だからです。本当に自分はここで述べられているケースに当てはまるのかな、と感じてしまうわけです。

収入の内訳はいろいろなパターンに分かれているため、まずパターン別の所得の計算方法をきちんと理解することで、「ああ自分はこのパターンに当てはまるな」と納得していただけると思います。ということで、まずはパターン別の所得の計算のやり方について述べていきます。

ちなみに、収入とは勤務先やクライアントからもらう金額そのもののことで、そこから控除や経費を差し引いた金額を所得といいます。そして、税金は所得をもとに算出されます。収入を得るパターンはいろいろでも、副業をしていれば基本的には全員が確定申告をすることになります。

 

1.給与所得者が副業を始めて個人事業主を兼業する場合など

まずは、普通にサラリーマンをしている人が副業をする場合です。この副業にも2種類あって、別の会社でダブルワークをする場合と、個人事業者としてクラウドソーシングなどで事業をする場合があります。

ダブルワークをしている場合、本業の会社と副業の会社それぞれから源泉徴収票を毎年受け取りますので、それぞれの「給与収入ー給与所得控除額」で給与所得を算出します。そして、確定申告時にそれぞれを合算することになります。

ちなみに、いちいち「給与収入ー給与所得控除額」を計算しなくても、国税庁のWebサイトに収入額その他を入力すれば自動的に給与所得を計算してくれますので、「給与所得控除額って?」と悩む必要はありません。

 

副業で個人事業をする場合

また、副業で個人事業をする場合には、副業は事業所得となり「収入金額ー必要経費」で所得を計算します。こちらは、源泉徴収票のようにまとまった書類がない場合も多いので、自分で計算して算出する必要があります。

そして、本業の給与所得と副業の事業所得を合算して確定申告する、という手順になります。

サラリーマンの確定申告については、以下の記事を参照下さい。

 

給与所得者は確定申告をしなくてもよい場合もある

ただし、このケースでは唯一「確定申告をしなくてもいい」という例外があります。実は給与所得者の場合、「副業の所得が年間20万円以下の場合には確定申告をしなくてもよい」というルールが存在しています。

収入ではなく所得が20万円以下ですので、副業で30万円収入があっても経費が11万円かかったら確定申告は不要となります。

 

2.個人事業主・フリーランスが副業として給与収入を得る場合

こちらは、会社を脱サラした人などが個人事業主として活動しているが、副業としてパートやアルバイトのような形で会社で仕事をする、という場合です。

この場合、所得の計算としては、先ほどの会社勤めをしている人が個人事業者として事業をしているケースと同じになります。何が違うのかというと、単に給与所得と事業所得の金額の大小だけです。

ただし、この場合には源泉徴収に注意が必要です。ここでわざわざフリーランスと書いたのは、フリーランスでこの問題が発生しやすいからです。フリーランスの方は、自分では個人事業主として営業していると思っているかもしれません。

しかし、たとえばクラウドソーシングサイトで仕事を獲得するウェブライターなどの場合、クライアントは個人の場合と法人の場合があります。実は法人の仕事を請け負っている場合、事業所得であるにもかかわらず収入から給与所得のように源泉徴収されているんです。

したがって、確定申告で事業所得を計算する場合、法人から受け取っている報酬に源泉徴収額を加えたものが収入となります。ここは間違いやすいので注意しましょう。なお、ここで源泉徴収として加えた金額は、税金計算の際には差し引いて計算されますので決して損にはなりません。

 

3.個人事業主が本業以外の事業を副業として行う場合

最後に、個人事業主が副業として別の事業を始めた、という場合もあります。ただ、この場合にはあまり本業・副業の区別に意味はありません。それぞれの収入から経費を差し引いて事業所得を出し、それらを合算して確定申告するだけとなります。

 

副業をした場合の税金を確定申告で申告する方法

副業をした場合の税金を確定申告で申告する方法

それでは、副業をした場合にはどのように確定申告を進めていけばいいのでしょうか?実は、副業をしていれば合算の手間がかかるだけで、あとは通常の確定申告と何も変わりません。そして合算で一番わかりにくいのは収入の部分ですが、それはこれまで説明した通りです。

ただ、副業をして初めての確定申告を迎える場合、税務署から「確定申告をしてください」といった案内はきませんので注意しましょう。申告をして初めて、「この人は確定申告の対象」と税務署が認識することになります。なので、2回目からは案内をもらえる場合があります。

ちなみに、確定申告は所得税に関する申告で、住民税とは別です。ただし、確定申告すればその情報が住民税の方にも送られるので、失業中で申告する所得がないなどの場合を除き、住民税の申告をする必要はありません。

確定申告は、下記の手順で進めていきます。

  • 事前に白色申告か青色申告かを決めておく
  • 確定申告書を入手する
  • 収支内訳書を作成する
  • 確定申告書の作成・提出

以下で、それぞれについて見ていきましょう。

 

 

白色申告と青色申告のどちらで納税するかを決定

経理について詳しい人なら最初から青色申告してもいいでしょうが、副業を始めたばかりの人には帳簿作成などのハードルが高いので、最初は白色申告をするのをお勧めします。ということで、ここでは白色申告の仕方について述べていきます。

 

確定申告書を入手

まずは申告する書類がないと始まりませんので、確定申告書を入手しましょう。入手方法には以下の3つの方法があります。

  • 税務署などに行って、直接入手
  • 税務署に連絡して郵送してもらう
  • 国税庁のWebサイトからダウンロード

ただし、おすすめは何といってもサイト経由です。作業はWeb上で完結し、他帳簿の転記も自動で行ってくれます。このあとの説明もWebベースとなります。

 

収支内訳書を作成

次に、確定申告書の中の収支内訳表を作成します。副業をしている場合には、所得を受け取った会社やクライアントごとに収入や経費などを記入していきます。相手先の住所までいちいち記入しなければならないので、数十社と仕事をしている人などは相当面倒な作業になります。

さらに個人事業の場合、相手先が源泉徴収票などのきっちりとした書類をくれないケースもあるため、自分で資料を作成して金額を算出する必要があります。

初めて確定申告をする場合にはあまりの煩雑さに心が折れそうになるかもしれませんが、実はここがヤマですので、ここさえ乗り越えればあとは楽です。また、申告の時に大変にならないように毎月管理をしておくことがおすすめです。

 

確定申告書の作成・提出

収支内訳表さえ作成してしまえば、所得の金額などは確定申告書の必要な部分に自動的に転記されていきます。あとは医療費、生命保険、社会保険費といった控除項目に金額を入力していきます。そして、人によっては雑所得・雑損などに金額を入力して完成させます。

そのあと、データを保存して印刷し、税務署に提出します。どの税務署に持っていくかは、Web上に自動表示されます。マイナンバーカードを持っていれば、e-TAXで電子的に送付することもできます。

 

確定申告する際の注意事項

確定申告する際の注意事項

確定申告の大まかなやり方はこれまで述べてきたことに尽きるのですが、そうはいっても初めて申告をする場合にはいろいろと注意しておいた方がいい点もあります。そこで、以下では確定申告に関する注意事項について解説いたします。

 

 

会社を退職した人はサラリーマン時代の所得や退職金も申告する

年の途中で会社を退職して個人事業主になった人は、サラリーマン時代の所得も含めて確定申告をする必要があります。退職した際に受け取る源泉徴収票は大事に取っておきましょう。また、退職金については退職所得として申告する必要があるので覚えておきましょう。

 

申告期限に注意!

申告開始日と申告期限は忘れないようにメモなどしておくことをおすすめします。税金を支払うのではなく、支払い過ぎていて還付を受けられる場合には、申告開始日を待たずに年明けすぐから申告ができます。

万が一申告期限に遅れてしまった場合、税金に延滞金などが加算されてしまいます。遅れに気づいたら、税務署から通告される前に支払いに行くと、少し加算金が安くなる場合もあります。

 

医療費控除できるのは10万円以上?

また、確定申告で医療費控除ができるのは医療費が10万円以上のときと思っている人が多いですが、実は所得が200万円以下の場合、所得の5%を超える部分を控除できます。

退職して個人事業主になったばかりのときは、副業しても所得が200万円を超えない場合もありますので、間違えないようにしましょう。

 

いずれは青色申告者として登録しよう

ここでは白色申告の話をしましたが、経験を積んで収入が増えてきたら青色申告にチャレンジしましょう。帳簿作りは大変ですが、白色申告にはない控除などの特典があります。

何も届けなければ白色申告になりますが、青色申告の登録をするには期限までに申請書を税務署に提出する必要があります。

白色申告と青色申告については、以下の記事を参照下さい。

 

まとめ:個人事業主の副業について

個人事業主と副業について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

個人事業主が副業をするといっても、サラリーマンが副業で個人事業主をやることから、個人事業主が副業する場合までさまざまなケースがあり、それぞれの働き方に応じて所得の計算方法があります。

ただし、いずれの場合にも最終的には確定申告をすることになり、そのやり方もほぼ同じです。ただし、特に初めて申告する場合には注意すべき点もあります。

「確定申告することになるのか」と思うと、サラリーマンの方はなかなか副業に踏み切れないかもしれません。でも、ポイントさえ押さえれば確定申告は決して難しくはありません。自分にやりたいことがあれば、ぜひ副業にチャレンジしましょう!

 

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