- 所得税の還付金について、基本的な仕組みから還付される時期など、幅広く解説しています。
- 確定申告で還付金が生じる可能性のある場合を紹介しています。
- 確定申告をすることで所得税の還付金は、いくらになるのか計算例を紹介しています。
公開日:2019年6月17日
確定申告をすることによって所得税の還付金を受けられるケースは、極めて多いのですが、やはり多くの方が気になることとして、所得税の還付金は、いつ頃指定口座へ入金されるのかといったことがあげられると思います。
また、実際に確定申告をすることによって、どのくらいの還付金が戻ってくるのかといった金額が気になる方も多いと思いますが、本記事では気になる所得税の還付金について、基本的な仕組みから還付される時期など、幅広く徹底解説していきます。
確定申告の基礎知識については、以下記事を参考にどうぞ。
目次
所得税の還付金とは、1月1日から12月31日までの1年間で源泉徴収された所得税が、年末調整や確定申告といった税金の精算手続きによって戻ってくるお金のことを言います。
所得税の還付金は、源泉徴収された所得税が戻ってくるお金であるということは、少なくとも、所得税の還付金を受け取るためには、最低条件として、1月1日から12月31日までの1年間で源泉徴収された所得税がなければならないことを意味します。
そのため、通常、会社員や公務員など勤務先から給料や賞与(ボーナス)の支給を受けている方であれば、支給の都度、所得税が源泉徴収されるため、金額が多かれ少なかれ所得税の還付金を受けられる可能性があると考えられます。
また、事業を営んでいる方や士業の方などの場合ですと、事業の遂行上、受け取った報酬から源泉徴収されることもあり、このような場合も同様に所得税の還付金を受けられる可能性があることになります。
では、実際に所得税の還付金が、確定申告をすることで生じる場合には、どのようなものがあるのでしょう。
確定申告をすることによって、所得税の還付金が生じる可能性があるおもな場合は、以下の通りです。
上記は、確定申告をすることによって還付金が生じる可能性のある一例になりますが、これらのほかにも、確定申告をすることによって所得税の還付金を受けられるケースは多々あることから、特に、普段と変わった特殊な事情が発生した場合は、税金の還付が受けられないか調べたり、専門家へ尋ねてみることをおすすめします。
ふるさと納税をした場合は、前項で紹介した中の内、確定申告をして寄附金控除の適用を受ける場合にあてはまるため、昨年度に2,000円を超えてふるさと納税を行った場合、翌年に確定申告をすることによって、所得税の還付金が生じることになります。
たとえば、平成30年1月1日から平成30年12月31日までの1年間で、ふるさと納税を2,000円を超えて行った場合、平成31年2月18日(月曜日)から平成31年3月15日(金曜日)の確定申告期間内に確定申告をすることで、所得税の還付が受けられることを意味します。
なお、ふるさと納税につきましては、同サイト内の記事で幅広く解説しているものがありますので、そちらも併せて読み進めてみることをおすすめします。
会社員や公務員などといった給与所得者の方が確定申告を行う場合、そのほとんどが還付申告といって、納めすぎた税金の還付を受けるための手続きである場合が多くなっています。
その一方で、実際に確定申告をすることで受けられる所得税の還付金額は、源泉徴収されている金額やどのような控除が受けられるのかによって変わるため、一概に還付金額を案内することができないのも確かです。
しかしながら、確定申告をすることで所得税の還付金がいくらになるのか気になる方も多いと思いますので、次項では、大まかな具体例をあげて計算例を紹介していきます。
確定申告をすることで所得税の還付金がいくらになるのか計算する方法は、とても簡単なのですが、以下の源泉徴収票を基に、所得税の還付金がいくらになるのか計算例を紹介していきます。
なお、ここでは、確定申告で医療費控除を10万円適用する場合を想定して所得税の還付金がいくらになるのか計算したものを紹介します。
医療費控除は、所得控除にあたりますので、源泉徴収票に記載されている所得控除の額の合計額1,511,693円に100,000円を加算します。
給与所得控除後の金額から計算手順1で計算した金額を差し引きします。
1,906,000円-1,611,693円=294,307円(課税総所得金額)
課税総所得金額の1,000円未満を切り捨てした金額に、以下、所得税の速算表から、計算手順2で計算した金額に税率を乗じて所得税および復興特別所得税を計算します。
計算手順③で計算した金額から源泉徴収税額を差し引きして、還付される税金を計算します。
15,000円(納めるべき所得税および復興特別所得税)-20,100円(源泉徴収税額)=▲5,100円
医療費控除が10万円適用されたことによって、1年間で納めるべき所得税および復興特別所得税は、15,000円で済むはずなのですが、実際には20,100円の税金を納めているため、差し引きした5,100円が所得税の還付金として、指定した口座へ後日戻ってくることになります。
確定申告をすることによって、所得税の還付金が生じた場合、その還付金が指定口座に入金されるまでには、おおむね1ヵ月から1ヵ月半程度の期間を要するものとされています。
ただし、e-Tax(電子申告)で確定申告をすることによって、1月や2月に還付申告(所得税の還付金が生じた場合)として確定申告書を提出した場合は、その還付金が指定口座に入金されるまでに3週間程度の期間を要するものとされています。
参考:国税庁【税金の還付】Q42 還付金はどのくらいで還付されるのですか
確定申告をした後に所得税の還付金が、指定口座へ入金されるまでに遅いと感じられる方も多いようですが、約1ヵ月間といった確定申告期間中に、多くの方の申告内容を確認・精査して還付金の処理がなされることを考えますと、還付金が入金されるまでに1ヵ月から1ヵ月半程度の期間を要するのはやむを得ないことだと思われます。
それでも、できる限り早く還付金を受け取りたい場合は、1月や2月に還付申告として、e-Tax(電子申告)で確定申告をするのが最も望ましい方法であると考えられます。
なお、初めてe-Tax(電子申告)で確定申告をするには、事前準備や届け出などの手間や時間が少々かかることになるため、そちらの内容も確認されてみることをおすすめします。
確定申告をすることによって戻ってくる還付金は、実際に入金になるまでには、通常で1ヶ月から1ヶ月半という期間を要することになります。
ただし、確定申告をする時期が早い場合やe-Tax(電子申告)で確定申告をすることによって、還付金が入金になるまでの期間を短くすることも可能ですので、早い段階で還付金の入金を希望される方は、事前の申告準備が大切だと言えます。
また、所得税の還付を受けるためには、所得控除や税額控除といった各種控除が適用になるのかどうかを知る必要があるため、1年間を通じて、特に、普段と変わった特殊な事情が発生した場合は、税金の還付が受けられないか調べたり、専門家へ尋ねてみることが望ましいでしょう。
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