公開日:2019年8月9日
自己破産をすると、クレジットカードなどを一生作ることができないと考えている人も多いのではないでしょうか?
確かに自己破産をすると、クレジットカードを作ることは非常に難しくなってしまいますが、一生作ることができないわけではありません。
一定期間経過し、審査基準を満たしている人であればクレジットカードを作ることも可能です。
自己破産後にクレジットカード審査に通過するためにはいくつかコツがあります。
自己破産をするとどのくらいの期間クレジットカードを作ることができないのか、審査に通過するためのポイントなどについて解説していきます。
目次
すでにクレジットカードを持っている人が自己破産をすると、今持っているクレジットカードはどうなってしまうのでしょうか?また、自己破産申請中はクレジットカードの利用は十分に注意しなければなりません。
一般的には自己破産前にクレジットカードが強制解約になることがほとんどです。通常、自己破産は弁護士に依頼して行うので、自己破産前に弁護士からクレジットカード会社へ受任通知という書類が届きます。この書類を受け取ったカード会社はクレジットカードの利用を停止し、クレジットカードの契約は強制解約され、信用情報はブラックになります。
クレジットカード会社に受任通知が届いたり自己破産をしたことが知られるとクレジットカードは停止され契約も解除されます。契約が解除されると、これまでどれだけコツコツとポイントを貯めていたとしてもそのポイントは無くなってしまいます。このため、自己破産をする前にポイントは使っておいた方が無難です。しかし、ポイント以外のクレジットカードの使用は厳禁です。
この点については後述します。
カード会社が自己破産申請をしている人の契約を解除したり、利用を停止するかどうかはカード会社の判断です。
また受任通知の送付漏れなどによってカード会社が自己破産をしたことを気づかずにカードの利用を止めないケースも可能性としてはあり、自己破産手続中にカードを利用できる可能性もあります。
しかし、このような場合でもクレジットカードを使用してはいけません。
自己破産の手続中にカードを使用してしまうと、場合によっては自己破産申請そのものが却下されてしまう可能性もあるためです。
自己破産手続中にカードを使用するリスクについて解説していきます。
自己破産手続中に借入を行なったり、クレジットカードを使用することは厳禁です。自己破産をすると、債務は免責になり、これまでの借入金はチャラになります。
つまりカードを使用しても、その後自己破産をすればクレジットカードの支払いをする必要はなくなります。
自己破産手続中にカードを使用してしまうと、カード会社に損をさせる目的でクレジットカードを使用したと裁判所に判断されてしまい自己破産申請が却下されてしまう可能性があるのです。
このため、いくら自己破産手続中にクレジットカードを使用することができたとしても、クレジットカードは絶対に使用しないようにしてください。
自己破産をして債務が免責になった後もカードを使用することができた場合には、自己破産後であれば使用しても問題はありません。自己破産後に使用した分に関しては免責にはならないので、カードを使用した分に関しては支払って行かなければなりません。
つまり自己破産後であれば債権者が損をすることはないのです。
しかし、一度自己破産をするとその後7年〜10年程度は再度の自己破産は認められませんので、クレジットカードの使用や新たな借金については十分に注意してください。
自己破産をするとクレジットカードはほぼ確実に解約され、その後も簡単にはクレジットカードを作ることができなくなってしまいます。
クレジットカードを持つことができないと、これまでは当たり前のようにできたことができなくなってしまいます。
クレジットカードがないとどのような不都合が生じるのか、具体的に解説していきます。
今は、インターネットでの買い物はクレジットカードが主流になっていますので、クレジットカードがない場合には手数料がかかる代引きや銀行振込しか利用することができません。
また、NetflixやDAZNなどのオンラインコンテンツもクレジットカードがなければ著しく不便になってしまいます。
この他ゲームの課金などもクレジットカードではできなくなってしまいますので、カードがあれば当たり前にできる日常生活が著しく不便になってしまいます。
クレジットカードを持つことができればETCカードを持つことはできません。高速を乗る時にETCを使うことができないので、料金の割引を受けることもできませんし、ETC専用のインターチェンジを利用することもできません。
自己破産をすると、官報という国から国民へのお知らせに個人情報が記載されます。
CIC以外の個人信用情報機関は官報をチェックしていますので、自己破産をした情報を官報で見つけると、自社の個人信用情報に金融事故情報として自己破産をした旨が記録され、信用情報はブラックになります。
このブラックの情報は信用情報期間によって保存期限が異なります。
自己破産をするとどのくらいの期間、個人信用情報はブラックになってしまうのか見ていきましょう。
CICというのは主にクレジットカードの情報を集める個人信用情報機関です。また、JICCは主に消費者金融の情報を集める個人信用情報機関です。
これらの信用情報機関はどのような情報であれ、5年までしか保管しません。
また、CICは官報に記載されている情報を収集しないので、直接的に「自己破産」という金融事故情報を記録することはありません。
KSCとは全国銀行協会の信用情報機関で、銀行や信用金庫や農協などが加盟しています。
KSCは官報に記載される情報はしっかり集めており、自己破産と個人再生の官報記載情報は10年間保管しています。
つまり、自己破産を行うと、銀行や信用金庫の審査では10年間信用情報ブラックという扱いになりますが、CICやJICCにしか加盟していない消費者金融やクレジットカード会社の審査では5年間しかブラックとしては扱われないことになるのです。
自己破産などによって信用情報がブラックになってしまうと、審査にはまず通りません。また、自己破産以外にも以下のような金融事故を起こすと信用情報はブラックになってしまいます。
前述したように、これらの情報は個人信用情報に5年間〜10年間保管されるので、この期間はクレジットカードを作ることはほぼ不可能と考えた方がよいでしょう。
クレジットカード審査に当たってはどの信用情報機関に照会が行われ、何の情報が審査に問題になるのでしょうか?
ほとんどのクレジットカード会社はCICにしか照会を行いません。
CICは官報の情報を収集しないので直接自己破産の登録はしないと説明しましたが、自己破産をしてもCICでブラックにならないわけではありません。
前述したように、自己破産をする前に弁護士がカード会社へ受任通知を送るとクレジットカードは強制解約になります。
強制解約の情報についてCICは金融事故情報として登録しますので、自己破産という情報を記録していなくても信用情報はブラックになります。
この状態でクレジットカードへの申し込みを行うと、申し込みを受けたカード会社はCICに照会を行い信用情報ブラックということを知りますので、クレジットカードの審査には通過することができないのです。
このように、自己破産をすると、CICに何かしらの金融事故情報が記録されるので信用情報がブラックになってしまいます。
ブラックの人はクレジットカードの審査に通過することはできませんが、どのくらいの期間が経過すればクレジットカードを再び作ることができるようになるのでしょうか?また、審査に通過するためにはいくつかポイントを抑える必要があります。
次からは自己破産後に再びクレジットカードを作る方法を解説していきます。
では、自己破産をしてから何年たてば「ブラック」という理由で審査に落とされてしまうことがなくなるのでしょうか?
自己破産をすると信用情報には長期延滞や強制解約などの金融事故情報がCICに記録されます。
前述したように、クレジットカード審査ではCICに照会を行いますし、CICはどんな情報でも5年間しか保管しないので、基本的には自己破産から5年経過すればクレジットカード審査で照会を行うCICは過去の使用履歴などがクリアになり、少なくとも「信用情報ブラック」という理由で審査に落とされるようなことはないでしょう。
金融事故情報が基本的に5年未満で消えることはないので、自己破産をしてから5年なのか4年なのかはしっかりと覚えておき、不安な場合にはCICに情報開示の手続きを行なうようにしてください。
信用情報から金融事故の情報が消えていたとしても、過去にトラブルがあった会社で申し込みを行なってしまうと、社内ブラックという理由で審査に落とされてしまうことがあります。
過去に返済トラブルなどがあった顧客の情報は、信用情報とは別の社内情報としてカード会社は残すものです。
社内に過去のトラブル情報がある人に対してわざわざ改めてカードを発行するようなことはしませんので、これまで取引をしたことがない会社へ新たにカードの申し込みを行うようにしてください。
自己破産から5年間経過すればCICの金融事故情報はクリアになり、ブラックではなくなります。
しかし、あくまでもブラックで審査に落とされてしまうということがないだけであって、審査は行われます。
特に、自己破産後に5年間もクレジットカードを持つことができなかったのですから、信用情報にはクレジットカードなどの使用履歴が何もないことになり、審査担当者とすれば海のものとも山のものともわかりません。
つまり、信用情報がクリアになってもクレジットカード審査に通過することは簡単ではないのです。
このような人がクレジットカード審査に通過するためには以下のポイントを抑えておく必要があります。
審査で求められることは安定した収入です。
カード会社などの審査で申込者が安定収入があると判断する基準が、正社員で1年以上の勤続年数があることですので、クレジットカードに申し込む前には1年以上正社員として勤務した状態で申し込みを行なった方がよいでしょう。
信用情報になにも情報がない人がいきなり100万円とか50万円の限度額のクレジットカード審査に通過することは非常に難しいでしょう。
学生でも作ることができる10万円程度の限度額でカードを申し込んだ方がよいですし、そもそもの限度額の設定が少額のクレジットカードに申し込んだ方が審査は通りやすいと言えます。
また、比較的高いリスクの人まで許容してくれるリボ払い専用カードなどの方が審査に通過しやすいでしょう。
自己破産を行うとその後5年間はクレジットカードを作ることが非常に難しくなり、日常生活に支障をきたしてしまう可能性があります。
自己破産をしなくても、過払金の返還などによって借金を整理することができる可能性もあるので、まずは債務整理や過払金に強いプロに相談することがおすすめです。
法律事務所の中には高額な着手金や相談料が発生するところもありますが、イストワール法律事務所のような債務整理に強い法律事務所であれば、相談料無料で過払金の調査なども行なってくれます。
自己破産はその後の人生の不都合も多いので、まずはプロへ気軽に問い合わせを行なった方がよいでしょう。