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個人年金保険にかかる税金とは?知って得するお金の知識をFPが徹底解説!

個人年金保険にかかる税金とは?知って得するお金の知識をFPが徹底解説!

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著者名

森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • 個人年金保険で毎年受け取る年金は雑所得となり、所得税・住民税がかかる。
  • 個人年金保険を一括受取すると、一時所得となることがある。
  • 個人年金保険の契約者(保険料負担者)と受取人が違うと贈与税がかかる。
  • 個人年金保険の契約当事者が亡くなった場合には、相続税がかかることがある。

この記事は約7分で読めます。

年老いてからの生活費の準備に活用できる個人年金保険ですが、税金がかかることをご存じでしょうか?課税にはいろいろなパターンがあるので、基本的な内容を知っておきましょう。

本記事では、個人年金保険の税金について解説します。節税のポイントについてもまとめていますので、参考にしてください。

 

個人年金保険の課税はどうなっている?

個人年金保険の課税はどうなっている?

老後の生活費は国からもらう年金だけでは足りないという人がほとんどですから、個人年金保険を受け取れると心強いものです。しかし、忘れてはならないのが税金です。保険契約でお金をもらったとしても、課税はされます。

 

タイミング別・かかる税金

個人年金保険を契約すると、何年か継続して保険料を積み立て、契約で定めた年齢(60歳など)になれば年金として払ってもらうことになります。タイミングにより意識しておくべき税金は、次の表のとおりです。

タイミング 関係する税金等
保険料払込時 生命保険料控除を適用可
運用(据置)期間中 運用益には課税なし(全額再投資)
解約時 所得税・住民税(一時所得)
年金受取開始時 契約者と年金受取人が異なる場合は年金受給権に贈与税
年金受取時(一時金) 所得税・住民税(一時所得)
年金受取時(年金) 所得税・住民税(雑所得)
死亡時 所得税(一時所得)、贈与税、相続税のいずれか

 

どんなときに課税される?

税金が発生するのは、年金や一時金、年金受給権、解約返戻金などをもらったときです。ただし、個人年金保険を解約して利益が出るケースはあまりないので、解約時はそれほど心配しなくてよいでしょう。

 

積立期間中は節税メリットもある!

保険料を払うときには支出だけなので税金はかかりません。逆に、払うときには所得控除が受けられるので、税負担を抑えられます

詳しくは以下の記事をご参照ください。

 

個人年金保険の種類を確認

個人年金保険は民間の保険会社で取り扱いされています。基本的に現役世代の間に年金原資を積み立て、60歳など契約時に定めた年齢に達すると支払いが受けられるものになりますが、いろいろなタイプの商品があります。

課税について理解する前提として、個人年金保険の主な種類を確認しておきましょう。

種類 概要
有期年金 被保険者の生存を条件に、一定期間年金が支払われる。被保険者の死亡後は年金の支払いなし。
確定年金 被保険者の生死にかかわわらず、一定期間年金が支払われる。被保険者が年金受取期間中に死亡したら、引き続き遺族に年金が支払われる。
終身年金 被保険者が生存する限り年金が支払われる。
保証期間付年金 保証期間内に被保険者が死亡したら遺族に年金が支払われる。有期年金、終身年金に保証期間付のものがある。

個人年金保険に加入するメリットやおすすめの商品については、以下の記事をご参照ください。

 

年金の支払いがあったら所得税・住民税がかかる

年金の支払いがあったら所得税・住民税がかかる

個人年金保険で契約時に定めた年齢に達し、年金をもらうと、所得税・住民税がかかります。

 

所得の種類

まず、所得の種類を確認しておきましょう。次の10種類に区分され、種類によって計算方法などが変わります。

所得の種類
利子所得 配当所得 不動産所得 事業所得 給与所得
雑所得 一時所得 譲渡所得 山林所得 退職所得

 

毎年受け取るなら雑所得

雑所得とは基本的に他の区分に該当しない所得で、公的年金も含まれます。個人年金保険も、年に1回、2回、6回、12回など分けてもらう形であれば、雑所得となります。

雑所得は収入の全額ではなく、必要経費を差し引きできます

  • 雑所得=収入金額-必要経費

 

必要経費とは?

払い込んだ保険料のうち、今年支払いを受けた額に対応する部分です。

  • 必要経費=1年間の年金受取額×払い込んだ保険料の合計額/支払われる年金の合計額(または見込額)

 

計算例

たとえば、払い込んだ保険料の合計額を420万円、1年間の年金受取額を48万円、年金受取期間を10年と仮定してシミュレーションしてみると、次のとおりです。

  • 必要経費=48万円×420万円/(48万円×10年)=42万円
  • 雑所得=48万円-42万円=6万円

 

一括受取する場合には?

受取期間が決まっている確定年金は、一括して受け取ることができます。保証期間付終身年金でも、保証期間の年金を一括して受け取れます。

 

確定年金

確定年金を一括して受け取ると、一時所得となります。一時所得とは臨時の収入で、生命保険の満期金のほか、懸賞の当選金やギャンブルの払戻金などが該当します。

  • 一時所得=支払いを受けた金額-払い込んだ保険料の合計額-50万円

上記の式で算出した金額のうち2分の1が課税の対象になります。

 

保証期間付終身年金

保証期間内の年金を一括受取しても、契約は消滅しません。保証期間経過後に被保険者が生存していれば、再び年金を受け取れるようになります。一括で受け取った年金は、雑所得となります。

 

年金受給権に贈与税がかかることも!

年金受給権に贈与税がかかることも!

契約者(保険料を払った人)と受取人が異なるときには注意が必要です。

 

 

贈与税とは

無償で財産を譲り受けたときに、譲り受けた人にかかる税金です。1年間に贈与で取得した財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引きした金額に税率をかけて計算します。贈与税の税率は贈与を受けた金額に応じて変わり、10%~55%となっています。

 

贈与税がかかるケース

以下パターンでは、妻が年金受取開始時に夫から年金受給権の贈与を受けたことになるので、贈与税がかかります。

契約者 被保険者 受取人

なお、2年目以降受け取る年金は、通常どおり雑所得となります。

 

当事者が亡くなったときはどうなる?

当事者が亡くなったときはどうなる?

契約者(保険料負担者)、被保険者、受取人が亡くなった際には、相続税が関係してくることもあります。

 

年金をもらう前に亡くなったら?

個人年金保険に加入した後、年金をもらう前に被保険者や契約者が亡くなったケースを考えてみましょう。

 

被保険者の死亡

年金をもらう前に被保険者が亡くなると契約は終了し、死亡給付金受取人が死亡給付金をもらえます。この死亡給付金には、パターン別に次の表のような税金がかかります。

契約のパターン 税金の種類
被保険者・契約者が同じ 相続税
被保険者・契約者が別 死亡給付金受取人と契約者が同じ 所得税・住民税(一時所得または雑所得)
死亡給付金受取人と契約者が別 贈与税

相続税は、亡くなった人(被相続人)が残した財産を取得した人にかかる税金で、財産全体の規模で課税の有無が分かれます。被相続人の残した財産が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。

  • 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

なお、相続税には生命保険金の非課税枠があり、個人年金保険の死亡給付金も対象になります

 

契約者の死亡

契約者と被保険者が同一なら、上の表のとおりです。契約者と被保険者が別人なら契約は続くことになり、死亡時点で相続税がかかります。

 

年金をもらっている期間に被保険者が亡くなったら?

年金の種類によって、次のようになります。

 

有期年金、保証期間経過後の年金、終身年金

契約は終了するので、課税はありません。

 

確定年金及び保証期間内の年金

契約は継続し、継続受取人がその後に支払いを受けた年金は雑所得となります。契約者、被保険者、受取人が同一のケースでは、継続受取人に相続税がかかります。

 

年金をもらっている期間に受取人が亡くなったら?

継続受取人が引き続き年金を受け取る場合、毎年もらう年金は雑所得です。受取人の死亡時点の課税関係は、パターン別に次のようになります。

 

契約者と受取人が同一

契約者 被保険者 受取人 継続受取人

妻の相続する年金受給権に相続税がかかります。

 

契約者と継続受取人が同一

契約者 被保険者 受取人 継続受取人

子の死亡時点では税金は発生しません。

 

契約者・受取人・継続受取人がすべて異なる

契約者 被保険者 受取人 継続受取人

残りの年金部分の年金受給権を夫から妻に贈与したものとみなされ、妻に贈与税が課されます。

 

iDeCoでかかる税金との違いは?

iDeCoでかかる税金との違いは?

老後資金の積立には、iDeCoを活用することもできます。個人年金保険とiDeCoの税金の違いを知っておきましょう。

 

 

老後資金の積立にはiDeCoの利用も可

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことです。20歳以上の人なら誰でも加入して掛金を積み立てることができ、60歳以降で年金を受け取れます。

個人年金保険とiDeCoの違いについては、以下の記事をご参照ください。

 

iDeCoで受取時にかかる税金

iDeCoで年金・一時金を受け取った際にかかる税金の扱いは、個人年金保険とは異なります。

 

年金で受け取る場合

雑所得ですが、iDeCoでは公的年金控除が受けられます

 

一時金で受け取る場合

iDeCoを一時金で受け取ると、退職所得となります。退職所得には勤務先から支給される退職金も含まれます。退職所得については退職所得控除という大きな控除があり、税負担が軽くなっています。

 

贈与税や相続税は?

iDeCoでは自分で積み立てた掛金を自分で受け取ることになるので、贈与税は発生しません。もしiDeCoに加入後に亡くなったら、遺族に死亡一時金が支払われます。この死亡一時金には相続税がかかります。

 

個人年金保険の節税ポイント

個人年金保険の節税ポイント

個人年金保険に加入するときには、節税対策もしておきましょう。以下、節税のポイントをまとめます。

 

加入するときには税制適格特約付きのものにする

生命保険料控除の中には次の3つがあり、それぞれ上限が4万円です。

  1. 一般の生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除
  3. 個人年金保険料控除

税制適格特約付きなら個人年金保険料控除で最大4万円の控除が受けられます。税制適格特約が付いていないものでも、一般の生命保険料控除が受けられます。ただし、他の生命保険にも入っている場合には、同一枠内なので控除額が少なくなることがあります。

 

契約者と受取人を同じにする

契約者と受取人が別人なら、贈与税と所得税の両方がかかってしまいます。贈与税は税率が高く、負担が大きくなりがちです。特に、夫婦で加入を考える際には、契約者と受取人を同じにしておきましょう

 

死亡給付金受取人を法定相続人にする

年金をもらう前に被保険者が亡くなったときには、死亡給付金受取人が死亡給付金を受け取れます。この場合、被保険者と契約者が同一、死亡給付金受取人が法定相続人であれば、相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使えるので節税になります。

 

個人年金保険にかかる税金に関するまとめ

個人年金保険を受け取ると、年金払いの場合には雑所得、一括払いの場合には一時所得となり、所得税・住民税がかかります。その他、契約当事者が亡くなった場合にも税金が発生することがあるので注意しておきましょう。

老後資金の積立にはiDeCoという方法もあります。税制メリットが大きく個人年金保険との併用も可能なので、iDeCoについても検討してみるのがおすすめです。

 

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