- 必ずマイナンバーカードが必要なので早めに申請すること。
- 誰もが必ず最大5000円相当のポイント還元が受けられる。
- 赤ちゃんからお年寄りまで対象となる。
- 普段利用している決済を選ぶとメリットが大きい。
- キャッシュレス決済に馴染みがない世代では使い勝手が良くない場合も。
公開日:2020年10月13日
2020年7月からマイナポイントの予約申し込みがスタートしました。同9月からは登録も始まり、いよいよ本格始動しました。しかし、なかなか制度自体についてよくわからず、結局何もしていないという人が多いようです。
マイナポイント事業は、メリットの多いお得な制度です。本記事ではメリット・デメリットも含めてわかりやすく解説していきます。
マイナポイント全体については、こちらもご参照ください。
目次
マイナポイント事業について手続きを進める上で欠かせないのが、マイナンバーカードです。カードがなければ、マイナポイントのポイント還元を受けることができません。
すでにカードをお持ちの方は安心ですが、まだお持ちでない方は、カードの申請・交付を受けるところからスタートしましょう。
マイナンバー制度全体については、こちらの記事もご参照ください。
マイナンバーカードの申請自体は、自宅からオンラインで完結します。しかし、実際に交付通知が届くまでに最低でも1か月、地域によってはそれ以上の2か月前後かかるところもあるようです。
原因として推測されるのは、交付通知を持参して、居住地の市町村役場に本人が受け取りに行かなければならないことでしょう。
平日お勤めの人が、役所の開いている時間帯に受け取りに行くのは少々厳しい印象です。例外的に、時間外でも対応している地域もあるようですが、基本的には開所時間内に本人が受け取りに行くことになっています。
このことから、申請は済ませたものの、なかなか受け取りに行くことができずにいる人も多いといいます。
マイナポイント事業のポイント還元は、子どもから高齢者まですべての国民が対象となっています。しかし、マイナンバーカードが必須ですので、マイナポイントを利用する場合は必然的にカードを作成する必要があります。
未成年の子どもがカードを作成する際は、法定代理人(通常は親)が代理で作成・申請します。もちろん赤ちゃんでも作成可能です。
代理申請は親でも可能ですが、完成したカードを受け取りに行く際は、基本的には子どもを連れていく必要があります。カード申請時に提出した写真と、子ども本人が一致するか等の本人確認という面もあります。
マイナンバーカードの有効期限は通常10回目の誕生日までです。しかし、20歳未満の人のカードの場合は、成長につれて見た目が変わることが推測されるため、5回目の誕生日までを期限とし、新しい証明写真をもって作り変えることになります。
なお、署名用電子証明書及び利用者証明書の有効期限は5回目の誕生日までと定められています。この際は更新が必要となります。
マイナポイント事業とは、2020年7月から予約開始、9月から登録がスタートした新しい制度です。
マイナンバーカードを使って予約、申し込みを行い、選んだキャッシュレス決済を使ってチャージまたは買い物をすると、利用金額のうち最大25%分のポイント還元が受けられます。還元されるポイントの上限は5000円相当です。
つまり、2万円のチャージまたは買い物で、5000円相当分のポイント還元が受けられるということです。
マイナポイントを受け取って利用するには、持ち物の準備や手続きといったさまざまな流れを踏む必要があります。マイナポイントの利用を考える場合は、以下を参考に、あらかじめ準備できることは先に済ませておくことをお勧めします。
マイナポイント事業における最大5000ポイント還元は、誰でも必ずもらうことができます。この5000ポイントは、どの決済サービスを選んでも必ずもらえる国からの支援であると考えてよいでしょう。
マイナポイントの5000ポイント還元は、国からの支援であると説明しました。マイナポイント事業自体が国主導(総務省管轄)で行われており、還元されるポイントの総額は予算で決められています。
つまり、予算に達した場合は、この誰でももらえる5000ポイントももらえなくなる可能性があるということです。この件に関しては、各決済サービス事業者の注意事項にも明記されています。
しかし実際は、マイナポイントの登録・利用に必要なマイナンバーカード自体の普及率が低迷していることから、早期に予算に到達するということは考えにくい状況です。
マイナポイントは、お年寄りから赤ちゃんまで、全ての国民が平等にポイント還元を受けることができます。未成年の子供の場合は、親が代理で申請を行うことでポイント還元を受けることが可能です。
お年寄りの場合、スマートフォンやパソコンの操作が分かりにくいこともあるでしょう。そのような時は「マイナポイント手続きスポット」と呼ばれる市町村窓内、郵便局などの所定の場所で申請をすることも可能です。
マイナポイントでは、決済サービスを一人に一つ紐付けしてポイント還元を受けます。この際の注意点は、一度紐付けした決済サービスは変更できないということです。この点も考慮し、どこを選ぶかは慎重に決定しましょう。
マイナポイントのポイント還元を受けることができる決済サービスは、スマートフォンを利用したQRコード決済、チャージして利用するプリペイドカード、電子マネー、電子決済などがあります。もちろん、クレジットカードやデビットカードも対象です。
マイナポイント事業で利用可能な決済サービス事業者は、マイナポイント公式ホームページ内「対象となるキャッシュレス決済サービス検索」にて検索することが可能です。常に最新情報で掲載されていますので、比較検討する際に活用しましょう。
キャッシュレス決済全体の概要については、こちらもご参照ください。
それでは、実際に自身がキャッシュレス決済サービスをどこか一つに決めるとした場合、一体どのような基準で選べばよいのでしょうか。比較検討のポイントについてアドバイスします。
ポイント還元は、最大25%(5000円ポイント相当)までは必ず受け取ることができます。2020年9月現在、さらに事業者独自で上乗せキャンペーンを行っているところもあり、例えば「d払い」ではトータルのポイント付与率が37.5%にもなります。
これには期間の定めや条件などもありますが、お得に利用すれば、基本となる25%以上のポイント還元を受けることができます。トータルの付与率を比較し、より自身にとってメリットの高い決済サービスを選んではいかがでしょうか。
決済事業者独自の上乗せポイントは、利用期限が設けられている場合もあります。いつ付与されて、いつまで使えるのか、事前に確認しておきましょう。せっかくもらったポイントの期限が切れてしまってはお得さも半減します。
①のトータル付与率は、条件さえ満たせば誰でも付与率を上げることができるという情報でしたが、キャンペーンは少し違います。
例えば「三井住友VISAカード」では、マイナポイントに申し込んだ人の中から抽選100名に、独自のポイント1万円相当が当たるキャンペーンを9月いっぱい開催しています。
ほかにも、抽選であたるキャンペーンを開催している事業者がありますので、楽しみも兼ねて検討してはいかがでしょうか。
実は、筆者が一番お勧めなのは「身近な決済を選ぶ」という選び方です。
冒頭でも書きましたが、マイナポイントに紐付けする決済サービスは後で変更ができません。ということは、普段使い慣れたキャッシュレス決済サービスであれば、この先も使い続ける確率が高いので何かと便利ではないでしょうか。
また、例えばポイント付与率が高いからといって選んだ決済サービスが、住んでいるエリアでは使えない場合などは少しもったいない気もします。
暮らしの範囲内で利用しやすい決済サービスであれば、2万円のチャージまたは買い物というマイナポイント還元の条件もすぐにクリアできそうです。さらに、還元されたポイントも生活費の一部として消費できるのではないでしょうか。
ここまで、マイナポイントについてあらゆる角度から解説してきました。ここからは、マイナポイントについてメリット・デメリットについてまとめていきます。まずはメリットについてです。
繰り返しになりますが、マイナポイントはマイナンバーカードさえ保有していれば、赤ちゃんからお年寄りまで全国民が対象となり、ポイント還元を受けることができます。この点は大きなメリットといえるでしょう。
例えば、5人家族で全員が最大のポイント還元を受けると、トータル25,000円相当のポイントが付与されることになり、生活費として大きな助けとなるでしょう。
マイナンバーカードは、身分証明書としても利用可能です。また、市役所の閉所時間であっても、コンビニで住民票などを発行することができて便利です。
なお、マイナンバーカードは、国として将来的にはあらゆる証明書と一元化していきたい考えであるということです。運転免許証や保険証など、マイナンバーカード一枚に凝縮してしまおうということです。
これは少々逆説的な考えになりますが、マイナポイントを活用するためには、マイナンバーカードが必要です。マイナポイントの還元を受けるということは、マイナンバーカードの発行のきっかけになるとも考えられるでしょう。
マイナポイントは、メリットがいっぱいのような印象もあります。では、デメリットについて考察してみましょう。
マイナンバーカードの項目でも書きましたが、マイナンバーカードの発行には現在時間がかかっています。せっかくマイナポイントに興味を持っても、まずはマイナンバーカードの発行から行う必要があり、さらに待たされるとなると途中で挫折する人もいるかもしれません。
また、マイナンバーカード自体に否定的な考えをお持ちの人も少なからずいらっしゃいます。物事には両方の意見があって当然ですから、マイナンバーカードを発行したくない人にとってはデメリットといえるでしょう。
マイナポイントの申請は、スマートフォンやパソコンを利用します。通信環境をお持ちでない場合は、市役所や郵便局でも手続きが可能です。
いずれにしても、手続きするためにはマイナンバーカードが必要で、紐付けするキャッシュレス決済サービスも決めなくてはならず、決してスムーズに簡単に終わるとはいえません。
日頃からキャッシュレス決済サービスを利用している若い世代ではスムーズな場合がほとんどでしょう。しかし、普段あまり現金以外の決済を利用しない世代では、マイナポイントの一連の手続きは面倒に感じるかもしれません。
現金を使うことが多い主に高齢世代では、クレジットカードを保有していないことも考えられます。携帯電話を持っていない、またはスマートフォンではないなど、これまでキャッシュレス決済サービス自体を利用していなかった人にとっては、マイナポイント事業自体がメリットが薄いといえます。
また、クレジットカードを持っている場合でも、残念ながらマイナポイントのポイント還元対象なるクレジットカード会社は少ないのが現状です。
このように、世代によってはマイナポイント事業自体にメリットがない場合や、メリットがあるにしても限定的になることがあります。
いかがでしたか。マイナポイント事業は、とてもお得であるとおわかりいただけたかと思います。
ただし、マイナンバーカードの交付自体に賛同できないと考えている人が多いのも事実です。このため、マイナポイントには興味があるけれど、マイナンバーカードを発行したくないと考える場合もあるでしょう。
ここはメリット・デメリット両側面から検討していただき、自身の納得するタイミングでマイナポイントの利用を始めてみてはいかがでしょうか。