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芸能人の遺産相続トラブルから学ぶべきこと!生前贈与の基本と活用方法について知ろう

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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所代表、日本FP協会CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士。 税理士や社会保険労務士といった士業事務所経験と保険代理店を行った経験などを活かし、生活する上で避けて通れない「お金」の相談に幅広く応じている独立系FP。家計の収支状況と専門性を融合したプランニングを提供しています。

作曲家の平尾昌晃さんが亡くなった後に、平尾さんの妻と子の間で遺産相続問題になっていることがメディアで度々取り上げられて話題になりました。

60億という遺産や三度の結婚など、一般の私たちから取ってみますと特殊な事情があり過ぎて他人事のように思える方もおられるのかもしれませんが、筆者は、この遺産相続問題からお金のあるなしに関わらず学ぶべきことがたくさんあることを率直に感じています。

そこで本記事では、遺産相続トラブルを事前に避けるための生前贈与の基本と活用方法についてポイントを紹介していきます。

そもそも遺産相続のトラブルは、なぜ起こるのか考えてみる

遺産相続のトラブルが起こる原因は、単に言い切ることはできませんが、少なくともお金のあるなしに関わらず、遺産相続で引き継ぐ財産の公平・平等といった部分が欠けていることも大きな原因の1つであると考えられます。

通常、遺産相続は亡くなった故人の遺産を引き継ぐことになる相続人同士でうまく話し合いがまとまればトラブルに発展することはありません。

しかし、相続人の間で話し合いがうまくまとまらない場合や遺産分割の仕方について不平・不満がある場合は、遺産相続の問題が解決するまでに長い時間がかかってしまう場合や裁判沙汰になってしまうことがあります。

そのため、このような問題や懸念をあらかじめ避けるためには、事前の対策がどうしても必要になってくるのですが、具体的な事前対策の1つとして、生前贈与があげられ、遺産相続のトラブルを避けるためには極めて効果的です。

 

生前贈与の基本と活用方法

生前贈与とは、ご自身が生きている間に保有している財産を配偶者や子供をはじめ、親族などの第三者に対して無償で提供することを言います。

生前贈与が、遺産相続のトラブルを避けられるための大きな理由は、財産を提供する方と財産の提供を受ける方の話し合いによる合意によって成立するところにあり、また、遺産相続が始まる前に、将来、相続人が受ける財産を確実に公平・平等に与えられるメリットもあります。

これによって、いざ遺産相続が始まったとしても、それぞれの相続人があらかじめ納得した財産の提供を無償で受けていることにつながり、遺産相続のトラブルが発生しにくい効果が得られます。

 

生前贈与と税金の関係について

生前贈与をすることによって、遺産相続のトラブルが発生しにくいことがわかりましたが、生前贈与をする上におきましては、税金との関係性について、少なくとも後述する2つのポイントを必ず押さえておく必要があります。

 

①生前贈与を受けた方は、贈与税を納めなければならない可能性がある

日本の法律上、1月1日から12月31日までの1年間において、一定金額を超えた贈与を受けた場合、贈与を受けた方(受贈者と言います)は、贈与税を国に納めなければならない可能性が生じます。

実際のところ、贈与税は、暦年課税制度と相続時精算課税制度といった2つの制度によって大きく異なり、どちらの制度を適用されているのかによって、贈与税を納めなければならない、納めなくても良いといった違いが生じることになります。

以下、暦年課税制度と相続時精算課税制度の違いを表にまとめてポイントを紹介します。

制度名称 暦年課税制度 相続時精算課税制度
適用できる方 すべての方 父母または祖父母が60歳以上で、かつ、子や孫が20歳以上であること
控除額 年間あたり110万円

(1年間で110万円以下の贈与を受けた場合は、贈与税を納める必要はありません)

通算で2,500万円

(通算して2,500万円までの贈与に対して贈与税がかかることはありません)

おもな注意点 複数の方から贈与を受けた場合であったとしても、基礎控除額110万円は、個別に適用されるものではありません

多額のお金や不動産の贈与を受けた場合は、贈与税を納めなければならない納税義務がまずもって生じます

相続時精算課税制度を適用するためには、相続時精算課税選択届出書や受贈者の戸籍謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告をしなければなりません

一度、相続時精算課税制度を適用した場合は、暦年課税制度に戻すことはできません

遺産相続対策のために生前贈与を活用する場合は、専門的な注意点がたくさんあることから、できる限り税理士へ相談の上、実行されることを強くおすすめします。

 

②土地や建物などの不動産について生前贈与を受けた場合は、不動産取得税も納めなければならない

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した場合に1回限りかかる税金のことを言います。

生前贈与によって土地や建物などの不動産を取得した場合におきましては、不動産の贈与を受けた方が、不動産取得税を納める義務を負うことになります。

また、不動産の所有権を変更するための登記手続きも必要になるため、司法書士への報酬や登記をするための登録免許税などの経済的負担もかかることにつながります。

ちなみに、あらかじめ対策をすることなく資産価値の高い不動産の贈与を受けた場合、高額な贈与税と不動産取得税を納めなければならないことも十分予測できますので、安易な生前贈与は避けるようにしたいものです。

 

【参考】生前贈与を活用した遺産相続トラブルの対策方法

遺産相続のトラブルが起きないようにするためには、将来、遺産を相続することになるすべての相続人が納得した財産の引き継ぎがなされることに尽きると筆者は考えています。

そのためには、生前中に保有している財産の分配を、すべての相続人と話し合いをした上で決定し実行することがとても重要だと思われます。

最もわかりやすい例としては、すべての相続人が平等に財産を取得するために、保有している不動産や株式・投資信託などの金融商品といった財産をすべて現金化して分配する方法です。

一方で、不動産や株式などの金融商品は、現物で引き継ぎますと、その価値が判断しにくく分割しづらいデメリットがあることから、公平性や平等性に欠けてしまうことが原因でトラブルになってしまう危険性も高くなることは否めません。

そのため、これらの財産を売却して現金化することで、公平に分割しやすくなるメリットが得られ、公平性を図ることができることから、トラブル回避につながると考えることもできます。

 

代償分割についてもあらかじめ検討しておく

保有している財産が土地や住宅といった不動産だけで、現金や預金が多くない方の場合は、遺産相続トラブルについて特に注意が必要です。

たとえば、両親と長男が実家へ同居し、それ以外の兄弟姉妹が別のところへ住んでいたとします。

この時、両親が順に亡くなり実家の土地と住宅を長男のみが相続した場合、他の兄弟姉妹は、相続によって取得する遺産が無く、公平性に欠けることから遺産相続のトラブルになってしまうことも否めません。

これを解決するためには、あらかじめ、両親が生前中に土地や住宅に代わる財産(たとえば、生命保険金)を兄弟姉妹のために備えておくことや長男が兄弟姉妹に対して実家を取得する代わりに兄弟姉妹に支払う現金などを準備しておくことが必要になってきます。(代償分割)

ただし、あくまでも相続人の間で話し合いがまとまっていれば遺産相続のトラブルは発生しないわけでありますから、たとえば、長男が実家を相続して、自分は何もいらないといった考えを持っている兄弟姉妹であれば、遺産相続トラブルがまずもって発生しにくいと考えることもできるでしょう。

 

まとめ

遺産相続のトラブルは、少なくとも、故人が生前中に話し合いや贈与などの対策を施すことによって大きく避けられることは確かです。

また、本記事では、遺産相続によって財産がある前提で話を進めさせていただきましたが、場合によっては、遺産相続によって故人の債務を抱えてしまう危険性があることも決して忘れてはなりません。

遺産相続の話し合いは、中々しにくいというのが多くの方の率直な感想であるとは思いますが、ご自身や周りの家族をはじめ、兄弟姉妹の関係性が崩れないようにするためには、どこかで時間を設けて話し合ってみることをおすすめします。

 

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