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相続ではどんな手続きがある?相続手続きの流れや注意点を解説

相続ではどんな手続きがある?相続手続きの流れや注意点を解説

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森本 由紀

森本 由紀

行政書士、AFP(日本FP協会認定)、離婚カウンセラー

行政書士ゆらこ事務所・離婚カウンセリングYurakoOffice代表。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士として独立。メイン業務は協議離婚のサポート。養育費、財産分与など離婚の際のお金の問題や離婚後の生活設計に関するアドバイスなど、離婚する人の悩みを解決するためトータルなサポートを行っています。法人設立や相続に関する業務にも力を入れています。

この記事のポイント

  • 相続手続きの際には、遺産分割協議で財産を相続する人を決める
  • 遺産分割協議で遺産の分け方が決まらない場合には、家庭裁判所の調停や審判を利用することが可能
  • 相続手続きには手間や時間がかかるので弁護士等の専門家に依頼するのがおすすめ

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これから先、親が死亡したときの相続手続きが心配という人も多いのではないでしょうか?相続手続きを避けて通ることはできません。いつかは訪れるそのときのために、相続手続きの流れをしっておくことは大切です。ここでは、相続手続きの基本的な流れや注意点について説明しますので、参考にしてください。

 

相続発生後に必要になる手続きの流れと手順とは?

まずは、相続手続きの全体像を押さえておきましょう。

 

相続手続きの基本的な流れ

相続が起こった後の手続きの流れは、大まかには次のとおりです。

 

1. 相続人・相続財産調査

まず、相続人と相続財産を確定します。法定相続人として、把握している以外の人が出てくることもありますから、戸籍を取り寄せて調べます。相続財産については、何がどれだけあるかを明らかにし、遺産目録を作成しておくと良いでしょう。

 

2. 遺産分割協議

法定相続人全員で相続財産を分けるための話し合い(遺産分割協議)を行います。遺産分割協議で分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成します。

なお、亡くなった人(被相続人)が遺言書を残している場合には、遺言書に従って相続が行われますから、遺産分割協議は不要です。各財産を相続する人は、遺言書でわかりますから、すぐに3の各財産の相続手続きに入ることができます。

 

3. 各財産の相続手続き

遺産分割協議(または遺言書)にもとづき、不動産、預貯金、株式などの各財産を、被相続人名義から相続人名義に変更します。

 

場合によっては必要になる相続手続き

相続においては、次のような手続きが必要になることもあります。

 

相続放棄の手続き

相続放棄とは、相続しない旨の意思表示です。相続放棄をすれば、最初から相続人でなかった扱いになります。財産よりも借金が多く、相続したくないような場合には、相続放棄することも可能です。

相続放棄は、相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所で行わなければなりません。期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができなくなってしまいます。

相続放棄について、詳しくは以下の記事をご参照ください。

 

相続税の申告・納税手続き

相続財産の額によっては、相続税がかかることがあります。この場合には、相続開始を知ったときから10か月以内に相続税の申告・納税手続きが必要です。相続財産の合計額が、次の計算式で算出される相続税の基礎控除額を超える場合には、相続した人に相続税が課税されます。

  • 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

相続手続きで重要なのは遺産分割の手続き

相続手続きのカギとも言えるのが、遺産分割になります。

 

遺産分割とは相続財産分与の手続き

遺産分割とは、相続財産(遺産)を各相続人に分与する手続きです。遺言書が残されている場合を除き、遺産分割が終わるまでは、遺産は相続人全員の共有ですから、相続人の1人が勝手に処分することもできません。遺産分割が終わらなければ、相続手続きが進められないことになります。

 

遺産分割で争いになったら調停や審判を申し立て

遺産分割は、相続人全員による遺産分割協議で分けるのが原則です。遺産分割するときには、基本的に法定相続分に応じて分けます。しかし、不動産のように分けにくいものもある上に、相続人同士の利害関係が対立し、もめてしまうことはよくあります。

遺産分割協議で遺産の分け方が決まらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停や遺産分割審判を申し立てることが可能です。この場合には、裁判所で決着をつけることになります。

 

 

財産別の相続手続きを知っておこう

遺産分割(または遺言)で誰が何を相続するかが決まったら、いよいよ相続手続きです。主な財産の相続手続きの概略を知っておきましょう。

 

不動産の相続手続き

土地や建物、マンションなどの不動産の相続手続き(相続登記)は、法務局で行います。相続登記をすれば、不動産の名義が被相続人から相続人へと変更されます。

相続登記の手続きをするときには、登記申請書と添付書類を法務局の窓口に提出します。添付書類としては、戸籍謄本のほか、遺産分割協議書、遺言による場合には遺言書、住民票、印鑑証明書などが必要です。

不動産の相続手続きは自分ですることもできますが、相続のパターンにより必要書類が変わるなど、手続きは複雑です。不動産の相続手続きを自力でできない場合には、司法書士に依頼しましょう。

 

預金の相続手続き

銀行預金や郵便貯金(ゆうちょ)などの相続手続きは、金融機関ごとに行います。相続手続きの必要書類は各銀行で違います。遺産分割協議書によるか、遺言書によるかでも必要書類は変わりますので、事前に問い合わせてから用意しましょう。

遺産分割協議書による場合、通常必要になるのは、各金融機関で用意されている相続手続依頼書兼同意書、戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書です。

 

株式の相続手続き

上場株式の場合には証券会社で、非上場株式の場合には発行会社に問い合わせて、相続による名義変更の手続きをします。相続手続きに必要なものは、預金の場合と同様です。

 

自動車の相続手続き

自動車の相続手続きとしては、陸運局(運輸支局または自動車検査登録事務所)での移転登録申請が必要です。廃車にする場合や売却する場合でも、先に相続人名義に変更しなければなりません。

 

相続手続きの注意点

相続手続きをするときに注意しておくのは、次のような点になります。

 

相続手続きで必要な書類は多い

相続手続きをするときには、戸籍謄本を収集しなければなりません。相続手続きに必要な戸籍謄本は膨大な数にのぼることもあり、自分で集めようと思うとかなりの時間がかかってしまうことがあります

相続手続きでかかる時間や手間を考えると、専門家に依頼した方が安心です。何もかも自分でやろうとすれば手続きが進まないことがありますから、早い段階で弁護士などに相談しましょう。

 

相続手続きには期限があるものもある

相続手続きには、相続放棄や相続税申告のように期限があるものがあります。期限を過ぎてしまうと不利益を受けることになりますから、十分注意しておきましょう。

なお、遺産分割や相続登記には、期限はありません。しかし、遺産分割が終わらないと法定相続で相続税の申告を行わなければならなかったり、相続登記をせずに放置していると次の相続が発生して手続きが複雑化したりします

相続手続きをせずに放置していても、デメリットが増えるだけです。相続発生後は、各種の手続きを速やかに終わらせるようにしましょう。

 

相続手続きは弁護士等に依頼した方がいい?

相続手続きは自分ですることもできますが、弁護士等の専門家に依頼することもできます。専門家に依頼するメリットを知っておきましょう。

 

相続手続きを自分ですると時間がかかる

相続手続きを自分ですることもできますが、慣れない人がやると、時間や手間がかかってしまいます。相続手続きをスムーズに終わらせるためには、専門家に任せるのがおすすめです。

 

相続手続きを専門家に依頼した方がいいケース

相続財産として不動産がある場合には、司法書士に依頼して相続登記の手続きをしてもらうとよいでしょう。司法書士には、相続登記の前提として、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成も依頼できます。遺産分割協議書の作成は、行政書士にも依頼することができます

相続人間で争いになることが予想されるなら、弁護士に相続手続きを依頼した方がよいでしょう。弁護士に依頼すれば、遺産分割協議の代理人になって他の相続人と交渉してもらえます。遺産分割協議が成立しない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立ててもらうことも可能です。

なお、相続税の申告がある場合には、税理士に手続きを依頼しましょう

 

相続の手続きまとめ

相続手続きをするには、相続人や相続財産をはっきりさせてから、遺産分割協議をする必要があります。遺産分割協議が終われば、各財産の名義変更を行って、相続手続き完了です。遺産分割協議では相続人同士が争いになってしまうことがあります。相続手続きの際には必要書類も多くなるので、最初から弁護士等に依頼して手間を省くことも考えましょう。

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