- 確定申告をしなければならないアルバイトの方とは、どのような場合なのかについて紹介しています。
- 確定申告に対してアルバイトの方が抱える多い疑問と回答を紹介しています。
- アルバイトの方が、確定申告をする必要がある理由を詳しく知ることができます。
公開日:2019年1月26日
確定申告や年末調整は、個人の方を対象にした税金の精算手続きを言い、たとえば、アルバイトの方で年末(12月31日)以降も引き続き勤務先に籍を置いて働いていく方は、勤務先が年末調整を行うことで1年間の税金精算手続きが完了します。
ただし、アルバイトといった職業に就いているすべての方が、年末調整で1年間の税金精算手続きが完了するとは限らず、時には、確定申告をすることで税金精算手続きをしなければならない場合があります。
そこで本記事では、確定申告をしなければならないアルバイトの人とは、どのような人なのかを紹介し、合わせて、アルバイトの人が抱えている確定申告に対する疑問と回答まで、幅広く紹介していきます。
なお、本記事で解説するアルバイトには、パートや日雇い労働者も含みますのでご留意ください。
確定申告に関する基本的な知識は以下記事をご覧ください。
はじめに、アルバイトの人で確定申告をしなければならない主な例を2つ紹介します。
仮に、アルバイトを1ヶ所で行っている場合は、基本的に勤務先が行う年末調整で1年間の税金精算が終了することになります。
ですが、勤務先から支給を受けたアルバイトの給与のほかにも、たとえば株式投資やFXをはじめ、別の副業などで得た他の収入が20万円を超えるアルバイトの人は、確定申告をして1年間の税金精算を行う必要があります。
また、アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちして働いている場合は、複数の勤務先から受けた給与を合算して確定申告をしなければならないことになっており、こちらにつきましては、他の収入が20万円を超える・超えないに関わらず確定申告が必要になります。
アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちして働いている人も多いと思いますが、なぜ、アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちしている場合は確定申告が必要になるのか、次項から紹介する確定申告に対してアルバイトの人が抱える多い疑問と回答を読み進めていくことでおわかりいただけると思います。
ここからは、確定申告に対してアルバイトの人が抱える多い疑問とその疑問に対する回答を紹介していきます。
アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちしている場合、それぞれの勤務先で得た給与収入を合算して確定申告をする必要があります。
たとえば、1月1日から12月31日までの1年間において、アルバイトによる1ヶ所からの給与年収が80万円で、もう1ヶ所からの給与年収が50万円だったとします。
この場合、これらの給与収入を合算して年収130万円の給与年収があったものとして確定申告をしなければならないといったイメージになります。
もしも、それぞれの勤務先で年末調整を行うことによって1年間の税金精算を済ませてしまいますと、給与所得控除や基礎控除といった各種控除が重複して適用されてしまうことになり、同じく給与年収130万円を得ている方と比較すると税負担の公平性に欠けてしまいます。
比較内容 | 給与年収を個別に計算した場合
(それぞれ年末調整をした場合) |
給与年収を
合算して計算した場合 |
---|---|---|
1年間の
給与年収 |
130万円(80万円+50万円) | 130万円 |
給与所得 | 給与年収80万円の場合:15万円
給与年収50万円の場合:0円 |
65万円 |
基礎控除 | 76万円
(年末調整でそれぞれ適用と仮定) |
38万円 |
課税総所得金額 | 0円 | 27万円
(65万円-38万円) |
納めるべき税金
(復興特別所得税含みます) |
0円 | 13,700円 |
上記のようになることを防ぎ、公平な税負担をするためには、給与収入を合算して確定申告をする必要があるわけです。
先の解説を踏まえまして、仮にアルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちしている場合で、複数の勤務先から得たアルバイトの合算給与年収が103万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。
これは、1年間で得た給与年収が103万円以下であれば、税金の計算上、税金がかからない仕組みになっているためです。
副業でアルバイトをしたからといって、必ず確定申告が必要になるとは限りません。
厳密に言えば、副業でアルバイトをした場合に得た給与の収入をはじめ、おもに得ている収入がどのような形態なのかによっても判断がわかれることになると考えられます。
たとえば、会社員の方が勤務先のほかにも副業として別のところからアルバイトによる給与収入を得た場合、すでに解説をしましたように、給与収入を合算して確定申告をしなければなりません。
一方、筆者のように事業を営んでいる場合で、仮に副業によるアルバイトの収入を得たとしても、1年間に得た給与収入が65万円以下であれば、税金の計算上、給与収入を含めても含めなくても納めるべき税金が変わることはありません。
このように、副業でアルバイトをした場合の確定申告はケース・バイ・ケースとなりますので、特殊な事情がある場合は税務署や税理士などにあらかじめ確認しておくことが望ましいでしょう。
確定申告をしてもしなくても、アルバイトで得た収入は税務署にしっかりと把握されているため、確定申告が必要なのにも関わらず無申告で、かつ税金を納めなければならない場合は、税務署からお尋ねがくる場合があります。
つまり、アルバイトで得た収入を隠すことはできず、税務署にばれるということです。
この理由は、アルバイトをしているそれぞれの勤務先では、アルバイトを含む従業員の年末調整をすべて完了させた後、翌年1月31日までに税務署に対して法定調書と呼ばれる資料を提出しなければならない義務があるためです。
この法定調書の中には、勤務先が作成し交付したマイナンバーが記載された源泉徴収票も含まれており、税務署だけではなく、お住いの市区町村に対しても情報が届くことになります。
そのため、アルバイトの掛け持ちの質問で紹介したように、80万円の給与を支給した勤務先も50万円の給与を支給した勤務先も税務署に対して法定調書を提出しているため、マイナンバーから簡単に1年間の給与年収が把握できるという仕組みになっているわけです。
この結果、本来は確定申告をする必要があり、収入に見合った税金を納めていない方に対しては、お住いの所轄税務署からお尋ねがきて、修正申告をしてくださいといった流れになるのが一般的です。
確定申告をしなければならないアルバイトの人や、確定申告に対する疑問と回答を幅広く紹介させていただきましたが、本記事のポイントをざっくりまとめます。
本記事を通じて、確定申告をしなければならないアルバイトにあてはまっている人は、率直なところ、所得税の追徴や還付といった損得に関わらず、確定申告を行うのが最も確実でわかりやすい考え方だと言えるでしょう。
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