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生命保険に加入するためには、健康体であることや過去の病歴や治療歴に著しい問題がないと加入の申し込みをした保険会社から判断されることが必要です。
ただし、現在では、長い期間に渡っていつまでも治らない、いわゆる持病を持っている人でも生命保険に加入できることは確かです。
そこで本記事では、持病を持っている人を対象に、加入できる生命保険や加入しやすい生命保険を中心にポイントの解説を進めていきます。
目次
持病がある場合、健康体の人が加入できる生命保険に加入することができない場合や加入できたとしても保障が手厚くない、保険料負担が重くなるなどのデメリットがあります。
そのため、まずは、これらのデメリットを理解した上で、それでもなお生命保険の保障が必要と判断された人が加入するべきものであることを念頭に入れておく必要があるでしょう。
ちなみに、持病があっても加入できる生命保険の1つに、無選択型の生命保険があります。
無選択型の生命保険とは、通常、生命保険に加入する際に必要な告知や医師の診査が求められない生命保険のことを言います。
つまり、持病があることによって、生命保険に加入できない人や年齢制限によって生命保険に加入できない人であったとしても無選択型の生命保険であれば加入できることを意味します。
ただし、次項で解説するようなデメリットをあらかじめ理解した上で契約加入する必要がある点に注意です。
無選択型の生命保険は、健康体の人が加入できる一般の生命保険や医療保険などに比べて保険料が高く保障が薄いデメリットがあります。
たとえば、死亡保障を得るために無選択型の生命保険に加入したとしても、死亡した時期や契約日との関係によって、これまで払い込んできた保険料が戻ってくるだけといったこともあり、本来の加入目的がしっかりと果たせない場合もある点に注意が必要です。
免責とは、ざっくり言いますと、保険会社が保険金を支払わない部分のことを言い、無選択型の生命保険に加入したとしても、場合によっては、保険金が支払われないデメリットが生じます。
当然のことながら、これでは何のために生命保険に加入しているのか分かりません。
そのため、どのような場合に保険金が支払われ、どのような場合に保険金が支払われないのか、加入前に必ず保険約款や契約のしおりなどで確認する必要があります。
無選択型の生命保険は、無選択型終身保険や無選択型医療保険などがあるものの、実際に販売している保険会社は多くなく、種類も少ない特徴があります。
そのため、生命保険の見直しや先々の保障準備をする上において、選択肢が限られてしまい、どこがいいのか比較検討しづらいデメリットがあります。
無選択型の生命保険には、無選択型終身保険や無選択型医療保険があることを解説しましたが、ここでは、これらの生命保険の特徴を保険会社同士で比較してみます。
なお、比較する上での前提条件は、以下の通りとします。
保険会社 | アフラック | FWD富士生命 |
---|---|---|
商品名 | どなたでも
(6,000円コース) |
無選択型終身保険(低解約返礼金型)(2012)
(200万円プラン) |
加入対象年齢 | 満40歳~満80歳まで | |
保険期間 | 終身 | |
保険料払込期間 | 終身 | |
月々保険料 | 6,000円
(2,000円から1,000円単位で選択することが可能) |
8,876円 |
保険金 | 病気死亡:1,257,000円
災害死亡:5,028,000円 (病気死亡の4倍) |
病気死亡:2,000,000円
災害死亡:2,000,000円 |
備考・注意点 | 契約日から2年以内に病気で死亡した場合は、既払込保険料相当額が保険金となる。ただし、交通事故など不慮の事故や所定の感染症で死亡した場合は、2年経過を問わずに、病気死亡の4倍の保険金が支払われる | 契約日から2年以内に病気で死亡した場合は、既払込保険料相当額が保険金となる。ただし、交通事故など不慮の事故や所定の感染症で死亡した場合は、2年経過を問わずに、基本保険金額と同額の保険金が支払われる |
アフラックの場合、毎月の支払保険料が定額な特徴があり、FWD富士生命では、希望する保険金のプランに合わせて支払保険料が変化する特徴があります。
いずれの保険も、契約日から2年以内に病気で死亡した場合は、既払込保険料相当額が保険金となる点には注意が必要です。
たとえば、アフラックのどなたでも6,000円コースに加入し、契約から1年半後(18ヶ月)に病気で死亡した場合、死亡保険金は、108,000円(6,000円×18ヶ月)といったイメージです。
無選択型終身保険は、他の生命保険に比べて保険料が割増に設定されているものの、保険料は掛け捨てではなく、中途解約をすることによって解約返戻金を受け取ることができます。
ただし、貯蓄型の生命保険のように、解約返戻金がこれまで支払ってきた保険料を上回ることによって保険差益が得られず、むしろ、長い期間に渡って継続加入することで、累計払込保険料が保険金よりも上回る点に注意が必要です。
加入するタイミングが重要な生命保険と言えます。
保険会社 | 太陽生命 | チャブ保険 |
---|---|---|
商品名 | やさしい保険
(基本プラン) |
まかせて安心医療保険
(5,000円コース) |
加入対象年齢 | 40歳~75歳 | 満16歳~満70歳 |
保険期間 | 10年間 | 5年間 |
保険料払込期間 | 10年間 | 5年間 |
月々保険料 | 10,075円 | 6,810円 |
保険金
(保障内容) |
入院給付金:5,000円
入院手術・放射線:5万円 外来手術:2.5万円 満期祝金:50万円 死亡給付金:満期祝金の金額×(経過日数/120) 災害死亡保険金:50万円 |
疾病入院保険金:5,000円
災害入院保険金:5,000円 手術保険金:5万~20万円 健康祝い金:5万円 賠償責任保険金:1事故あたりの支払限度額5,000万円 権利保護費用保険金:支払限度額1回1万円・1被害・3万円、弁護士費用支払限度額100万円 被害事故死亡保険金:500万円 被害事故後遺障害保険金:20万円~500万円 |
備考・注意点 | 契約日から90日までは、免責期間となっており、この期間中に病気による入院や手術などをしたとしても保険金が支払われない。基本プランと医療集中プランの2つがあり、医療集中プランは、保険料が安い | 契約日から90日までは、免責期間となっており、この期間中に病気による入院や手術などをしたとしても保険金が支払われない。また、先天性異常や精神障害による事故も保険金の支払対象外となるため注意が必要 |
無選択型医療保険の大きな特徴は、一般の医療保険と異なり、保障に免責期間が設けられているところにあり、契約から90日が経過し、91日目からでなければ保険金が支払われません。
そのため、たとえば医師から、がんをはじめとした三大疾病や大きな病名を告げられたことによって、すべり込みで保険契約をしたとしても保険金が支払われることはありません。
無選択型の生命保険は、持病があっても加入できる生命保険でしたが、持病があっても加入しやすい生命保険として、引受基準緩和型生命保険があります。
引受基準緩和型生命保険は、一般の生命保険と同じように、保険会社に対する告知は必要になるものの、告知事項が少なく、持病があっても加入しやすい生命保険です。
また、保険の種類も、死亡保障を対象にしたものから医療保障やがん保障まで様々なタイプのものが販売されています。
引受基準緩和型生命保険には、引受基準緩和型終身保険、引受基準緩和型医療保険、引受基準緩和型がん保険などの種類が販売されておりますが、保険会社によって取り扱いは全く異なります。
また、現在の症状や過去の治療歴などによっては、引受基準緩和型生命保険の告知事項にすべて問題がなかったとしても、必ず加入できる生命保険になるものではありませんので、この点には注意が必要です。
こちらは参考情報となりますが、引受基準緩和型生命保険の内、多くの保険会社で販売されている引受基準緩和型医療保険の安い保険料をランキングで紹介します。
なお、保険料が最も安いものを高ランクとし、それ以外にかかる保障内容などは一切加味しないものとします。
引受基準緩和型医療保険には、無選択型生命保険のように重要な注意点があるため、この注意点をあらかじめ知った上で加入の申し込みをすることがとても大切です。
引受基準緩和型医療保険は、無選択型医療保険のように、保障がされない免責期間というものはありませんが、契約日から1年以内に保険金の支払事由に該当した場合、受け取ることができる保険金は、災害などの特殊な事情を除いて、当初契約した保険金の半分になります。
なお、健康状態について詳細に告知をすることによって、引受基準緩和型ではなく一般の医療保険に加入できる場合もあります。
一般の医療保険では、保険料の払込期間を60歳や65歳のように払込期間を選択できるものの、引受基準緩和型の医療保険は、保障は一生涯であるものの、保険料の払込期間も基本的に死亡するまで払い続けていかなくてはなりません。
そのため、引受基準緩和型や無選択型の生命保険に加入を検討している場合、次項で解説する内容を読み進めていただき、じっくり家族と話し合って方向性を決めてみることを強くおすすめします。
持病がある人が生命保険に加入する場合、持病の内容などによるものの、引受基準緩和型の生命保険や無選択型の生命保険でなければ加入することが難しいのが現状です。
また、安い保険料を求める程、保障が薄くなったり、保障範囲が限定されるなどのデメリットがあることを認知した上で加入手続きを取る必要があると言えます。
生命保険に加入するための引受基準は、保険会社によってそれぞれ異なるため、一概に持病があるからといった理由で健康体の人が加入できる一般の生命保険に加入できないとは言い切れない部分があることも確かです。
そのため、手間や時間がかかってしまうものの、一般の生命保険・引受基準緩和型の生命保険・無選択型の生命保険の順番で、加入の申し込みをしてみるのがおすすめです。
持病を抱えている人にとって、引受基準緩和型や無選択型の生命保険に対するニーズが高いことも十分わかるのですが、持病があっても無くても公的保険や公的年金の保障が受けられることに変わりありません。
そのため、これらの制度を加味した医療費などの準備を医療貯蓄という形で計画的に行うことができれば、無駄な支出を削減し、効果的にお金を残せることも知っておく必要があります。
引受基準緩和型や無選択型の生命保険は、保険料が高く保障に厚みがないため、持病を抱えている人ほど、計画的な医療貯蓄は効果が高いと考えられます。
持病を抱えている人は、医療費が心配、保険に加入していると安心などといった目先の部分にどうしても目がいきがちですが、保険料負担と医療貯蓄にかかるお金の出入り(キャッシュフロー)をFPなどの専門家を通じて比較検討することで、お金のロスを防げる可能性が高くなります。
持病があっても加入できる生命保険や加入しやすい生命保険はあるものの、一般の生命保険に比べてデメリットが多いことは確かです。
そのため、現状だけではなく、将来のことを考えた上で、本当に加入する必要性があるのかしっかりと検討する必要があると言えます。
特に、公的保険や公的年金制度で受けられる各種保障も考慮すると高い保険料を支払ってまで厚みのない保障を準備する必要があるのかどうかの判断基準になるものと思われます。
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