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退職者必見!失業保険の給付制限の意味・仕組みをFPがわかりやすく解説

退職者必見!失業保険の給付制限の意味・仕組みをFPがわかりやすく解説

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大野 翠

大野 翠

芙蓉プランニング代表、2級FP技能士、FP技能士センター正会員

芙蓉プランニング代表。金融業界歴9年目(2019年現在)。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

この記事は約5分で読めます。

今回のテーマは「失業保険の給付制限」についてです。失業保険とは一般的な名称であり、正式には「雇用保険のうちの失業手当の給付について」ということになります。この失業手当については、一度でも転職や退職を経験された方ならご存知ではないでしょうか。

失業したらすぐに失業手当がもらえるのか?失業保険とはどのようなシステムになっているのか、等を項目別に詳しく説明していきます。また、この記事の内容はあくまでも一般的な解説です。ご自身の給付内容についての詳細はハローワークにてお尋ねください。

 

管轄はハローワーク

管轄はハローワーク

退職後はやらなければならないことが多く、会社勤めの社会保険から国民健康保険への切り替えや、厚生年金から国民年金への変更手続きも必要な為、一体どこに何をしに行って良いのか混乱する場合もあるかと思います。

退職後の手続きについては、まず一番にハローワークへ行きましょう。離職票など、退職時に前の勤め先から渡される必要な書類を持参してハローワークを訪ね、「求職票」に所定の事項を記入し提出しなければいけません。

曜日や時間帯によっては、かなり待たされてしまうこともありますので、時間には余裕を持って行動しましょう。

 

退職後の手続きをする場所

以前は公共職業安定所と呼ばれていましたが、現在ハローワークと呼ばれるようになりました。これに付随して、土日祝日も開所していて、遅い時間まで空いており利用しやすい出張所のような関係施設も増えてきました。

そこでは主に、求人情報の閲覧や職業相談を行っています。たとえば若者支援コーナーやマザーハローワークコーナー等のような施設ですが、このような関係施設では退職後に行わなければならない求職票の記入、提出などを行うことができない場合がほとんどです。

退職後まず最初の手続きについては、お住まいの地域の要となるハローワークで行う必要がありますので、退職時に受け取る書類などで事前に調べてから手続きに向かうようにしましょう。

 

雇用保険とは

雇用保険とは

雇用保険=失業保険と考えている方がほとんどだと思います。しかし、雇用保険はこれ以外にも大切な役割を担っています。

メインは「失業手当」ですが、他にも、求職活動の促進・働く人の能力開発などの教育支援・働く人の働く環境を改善し、あらゆる年齢や性別の方でも平等に払炊くことが出来る機会を与えられるよう推進すること等を目的としています。

ハローワークの掲示板には、公共職業訓練の資格取得講座や各種セミナー募集の張り紙を見かけることもありますが、このようなことも雇用保険の一環です。

職業訓練には2種類あり、ひとつは失業手当を受け取ることが出来る人が対象の「公共職業訓練」もうひとつは、失業手当の給付対象ではない人向けの「求職者支援訓練」です。
失業保険の対象で、失業給付の受給権を持っている方は「公共職業訓練」でスキルを身に付け、次のお仕事へのステップにすることができます。
簿記などの資格取得を目指すコースや、パソコンスキルを身に付けるコースなど様々な講義があります。是非ハローワークにてお尋ねください。

 

育児休業給付金

雇用保険は、働く意思があるのに事情があって働けない方をサポートする目的があります。育児休業給付金という制度も、実は雇用保険の制度として利用できます。

以下の記事が詳細にまとめられています、どうぞご参考になさってください。

 

失業手当について

失業手当について

失業手当とは、正式名称「基本手当」のことを指します。基本手当とは退職する前の2年間の中で、連続して12カ月以上雇用保険に加入している人が退職した場合に受け取る権利が発生します。

この際の失業手当の額は、退職する6カ月前の「平均賃金日額」の5~8割部分を日額として計算し、退職した理由や雇用保険に加入していた期間などから「いくら(基本手当)」を「いつまで(受給期間)」もらえるか決まります。

 

 

期間や受給額は人それぞれ

基本手当を受給できる日数や受給金額などは、離職理由や年齢、これまでに何年間雇用保険に加入していたか等によって差があり、決して一律ではありません。

基本手当を受けられる期間は離職日翌日から1年間という条件は統一されています。

 

実際に受給できるまでの期間

実際に失業手当(基本手当)をもらえるようになるまでには、どれくらい時間がかかるのでしょうか。退職した条件によって給付額や給付期間が変わります。以下「会社都合退職」と「自己都合退職」にわけて解説します。

 

会社都合の場合

リストラや勤務先の倒産など、本人の都合ではなく勤務先の都合で退職せざるを得ない場合を「会社都合」と呼びます。この場合は、最短で7日間の待期期間の後、受給開始となります。

会社都合の場合、雇用保険に加入していた本人はまだ働く意思が有ったにも関わらず退職せざるを得ない状況であり、突然無職になるわけですから、当然給付制限なしですぐに失業手当をもらうことができます。

 

自己都合の場合

自己都合退職(離職)の場合、7日間の待期期間の後、さらに3ヶ月の待期期間(給付制限)があります。したがって、早くても3ヶ月と7日間経った後からの受給開始となります。

いずれの場合も給付制限後すぐに失業手当をもらえるわけではありません。手当の所定の振込日が決まっていますので、最短の締め切り日後の振込日に受給できることになります。2週間~1か月後と思っておく方が確実です。

 

給付制限の意味とは?

給付制限の意味とは?

雇用保険に加入していて離職した場合、すぐに失業手当などを受給できるわけではありません。なおかつ、離職後に働く意思がない場合などは「求職者」に認定されず、失業手当の受給条件に該当しない場合もあります。

ここから給付制限の概要と、なぜ給付制限が設けられているのかについて解説します。

 

給付制限は原則3ヶ月

自己都合退職の場合、原則として3ヶ月の給付制限があります。

そもそも自己都合退職で、失業保険をもらっているという状況は「働く意思があり、少なくとも認定日には必ずハローワークに行き就職活動をしているにも関わらず、なかなか仕事が見つからない」状態のことです。

この給付制限の3ヶ月の間には、十分な就職活動をしたとみなされる必要があります。このことから、求職活動をするのに十分な期間ということで、自己都合退職の場合のみ給付制限が3ヶ月とされます。

 

【補足】特定理由離職者

自己都合の場合は必ず3ヶ月の給付制限があることは、すでに解説しました。一部、給付制限が免除になるケースがあり、これを「特定理由離職者」と呼びます。

主に、急を要しやむを得ない離職理由である場合です。これらのいずれかに該当すれば特定理由離職者となり、給付制限なしで失業給付を受給することができる場合があります。

  • ドクターストップの場合(医師から勤務継続が困難であると診断された場合)
  • 家庭環境の急変により勤務困難になった場合(家族の死亡など)
  • 結婚による転居や、勤め先が変わり長距離通勤の必要がある場合(往復4時間が目安)
  • 家族の長期看病(または看護)により勤務不可能(おおむね30日以上が目安)

 

失業保険の給付制限に関するまとめ

いかがでしたか。一度も退職、転職をしたことがない方には未知の世界だったことと思います。失業保険は雇用保険のことですが、雇用保険の核は失業手当ですが、失業した時だけでなく、育児中の給付金やスキルアップのための教育訓練にも利用できます。

給付制限は、離職理由によって差があることもお解りいただけたと思います。特定理由離職者の概念も覚えておかれると心強いでしょう。

ご自身の意思での退職の場合はもちろん、意図しない離職に見舞われた際にもお役に立てるかと思います。是非ご参考になさってください。

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