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連帯保証人も自己破産できる?借金が返済できない場合の対処方法をFPが解説!

連帯保証人も自己破産できる?借金が返済できない場合の対処方法をFPが解説!

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田中 英哉

田中 英哉

2級ファイナンシャルプランニング技能士、上級心理カウンセラー

2級ファイナンシャルプランニング技能士の有資格者。長年のライター経験の中で、お金に関する記事を執筆。日本最大級のソーシャルワークサイトにてプロクラウドワーカー TOPclass認定。ライター部門契約ランキング最高6位。難しいお金の話しを分かりやすく伝える記事は、読者から読みやすいと好評。

この記事のポイント

  • 連帯保証人も自己破産ができます。
  • 借金が返済できない場合は収入を増やすことや、支出を減らす、借金をするなどの金策を講じましょう。
  • どうしようもなければ債務整理を検討しましょう。
  • 自己破産をすると、就けない職業があるなどのリスクがあります。

連帯保証人になった人が、主債務者や自分の都合によって借金返済が厳しい場合、自己破産をすることができます。この記事では、連帯保証人が借金返済できない場合の対処法について具体的に紹介します。

 

連帯保証人は自己破産で免責を受けられる?

連帯保証人は自己破産で免責を受けられる?

連帯保証人は主債務者とほぼ同等の責任があり、借金が焦げ付いた場合には連帯保証人が返済していかなければなりません。しかし連帯保証人側の支払いが厳しい場合にはどうなるのでしょうか?

 

連帯保証人も自己破産できる

結論から言いますと、連帯保証人も自己破産は可能です。主権者が破産宣告をし、連帯保証人に借金が降りかかったとした際、払えなければ連鎖して自己破産することが考えられます。

自己破産の理由はさまざまですが、連帯保証人になったことが原因で自己破産に追い込まれる典型例を紹介します。

 

会社の代表が自社の連帯保証人になった場合の自己破産

会社の代表が自分の会社の連帯保証人になっている場合、会社の借金返済が厳しくなると、自分にのしかかってくることになります。法人の借金を個人で賄うことができず、あえなく自己破産してしまうケースがあります。このケースでは会社関係者全員が自己破産するケースもあります。

 

子供が自己破産して親も自己破産

子供の奨学金に対して親が連帯保証人となっている場合に、連鎖的に自己破産となる場合もあります。子供が奨学金を返せなくなり自己破産した結果、親にその債務がのしかかってきます。

もしも想定ができていなかった場合、親も返済できないということも珍しくありません。結果的に親子で自己破産となってしまいます。あらかじめ想定しておくか、子供が奨学金を滞納していないか時折確認した方が良いでしょう。

 

主債務者の影響で自己破産

連帯保証人になってしまうと、債権者からの請求に抗う権利がありません。たとえば先に主債務者から取り立てて欲しいと主張したり(催告の抗弁権)、主債務者に支払い能力があると主張したり(検索の抗弁権)、ほかの保証人と分割して支払う権利(分別の利益)がないのです。

これらの権利があるのは保証人の場合のみなので、連帯保証人は保証人よりも主債務者の影響をダイレクトに受ける形となります。

 

連帯保証人が先に自己破産

連帯保証人自体の事情で自己破産することもできます。連帯保証しているという事情とは無関係に、連帯保証人が独自にしている借金返済が苦しくなった場合などです。住宅ローンやカードローン、その他借金によって先に連帯保証人が自己破産するケースもあります。

 

借金請求に耐えられなくなった場合の対処法

借金請求に耐えられなくなった場合の対処法

借金が返せなくなった場合にはうろたえてしまいがちですが、優先順位を付けて今できることから冷静に取り組みましょう。お金の悩みに関する対策はとてもシンプルです。ここでは以下の順番で対処法を解説します。

  1. 支出を減らす
  2. 収入を増やす
  3. お金を借りる
  4. 自己破産を含めた債務整理を検討する

 

1.支出を減らす

お金が厳しくなった場合には、まず支出を減らすことから始めましょう。そのためには家計簿をつけることをオススメします。家計簿をつけるとこれまで見えなかった浪費が浮き彫りになったり、節約可能な固定費が浮き彫りになるなど、対策が可視化できます。

消費支出に予算組をしてその範囲で買い物をしたり、固定費を見直して半自動的に節約するなど、具体的な対策が取れるようになります。

 

2.収入を増やす

支出を減らすだけでも赤字になる場合は、収入を増やすことを検討しましょう。残業を増やす、副業をする、夫婦共働きになるなど、さまざまな方法があるはずです。

特に最近は副業が認められやすくなっていますし、在宅でできる仕事も増えているため、マイペースに収入を増やしやすい時代となっています。

 

3.お金を借りる

緊急性が高い場合や、将来まとまった入金予定がある場合には、借金でその場をしのぐ方法もあります。銀行カードローンや消費者金融キャッシングは、気軽に借金できる方法です。

気軽な分だけ年率1%代~20.0%と高金利ですので、返済計画をしっかりと立てることが大切です。ちゃんと返せるという目途が立つ場合にのみ、臨時として活用しましょう。慢性的な借金になると生活苦に陥りますので注意が必要です。

 

4.自己破産を含めた債務整理を検討する

それでも対処が難しい場合は債務整理を検討しましょう。債務整理は借金を軽くしてくれる任意整理、借金を大幅カット(5分の1程度)してくれる個人再生、資産を没収される代わりに借金を帳消しにしてくれる自己破産があります。

弁護士や司法書士に相談し、状況に合わせた債務整理の方法を取りましょう。

 

自己破産のリスクや影響

自己破産のリスクや影響

自己破産をすると、99万円以上の預貯金や、住宅、車などの資産が没収されます。その代わり借金が帳消しとなる方法であるため、借金が大きい場合や資産を失っても良い場合に選択することとなります。

借金苦に陥った連帯保証人にとって、自己破産はとてもありがたい制度ではありますが、一方で大きなリスクもあります。ここでは自己破産のリスクとして以下について紹介します。

  • できない(就けない)職業がある
  • 家族に迷惑がかかる
  • クレカやローンを申し込めない

 

 

できない(就けない)職業がある

自己破産をしてしまうと、職業に制限が付きます。たとえば警備員や古物商、生命保険募集人や、宅地建物取引士などに就くことができません。ほかにも弁護士や司法書士などの士業や、代理人、後見人など法律行為を行う人にも制限があります。

職業は収入の蛇口である上、職業選択の自由が生活のクオリティーを高める役割もあるため、人生における大きな制限と成り得るのです。

 

家族に迷惑がかかる

自己破産すると家族に迷惑がかかる可能性があります。たとえば今まで住んでいた住宅を没収されれば、済むところが変わってしまいます。車を没収されれば移動が不便になったり、雨の日のお迎えも来てもらえなくなるでしょう。

特に、連帯保証人になって主債務者の借金が焦げ付いた場合、迷惑をかけられた側の生活は悲しいものがあります。自分が作った借金でもないのに、自分の家族が悲しく不便な思いをするのです。

連帯保証人になる際には、万一のことを想定した上で引き受けなければなりません。

 

クレカやローンを申し込めない

自己破産をすると約10年ほどは金融取引に制限が生じます。具体的には各種ローンが組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなります。ローンが組めないということは今後のライフスタイルの質が下がる可能性が出てきます。

たとえば住宅購入を諦めざるを得なくなったり、携帯電話の本体を一括で購入しなくてはならないなど、大きなところから小さなところまで影響します。

クレジットカードが作れなければ、お得なカードポイントや優待特典が得られませんし、クレカ付帯のETCカードも使えません。金融取引は信用で成り立っており、自己破産はその信用を失墜させる側面もあるのです。

 

連帯保証人の自己破産に関するまとめ

連帯保証人も自己破産ができます。しかし、自己破産をする前に、収入を増やすことや支出を減らすこと、借金をするなどの金策を講じましょう。それでもどうしようもなければ自己破産を含めた債務整理を検討しましょう。

自己破産は借金が帳消しになる方法ですが、資産を没収されるほか、就けない職業があるなどのリスクがあります。あらかじめリスクを把握した上で検討する必要があります。

 

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