- 一括返済とは返済期間の途中で残債を全てなくしてしまうこと。
- 事前に支払額の確認を行うことが重要。
- 一括返済をすると支払い利息が減る、次の借入で審査が有利になるなどメリットがある。
- 逆に、完済した後の生活が大変になるなどデメリットもある。
公開日:2020年3月24日
カードローンを利用中で、「借金を一気に清算したい」とお考えでしょうか?それは一括返済と呼ばれていて、実際に実行している人もいます。借りているお金がなくなればスカッとしますよね。
でも、本当に一気に返してしまっていいのかどうかよくわかりませんよね。それに、実際にはどうやって返済したらいいのかということも知りたいところです。そこでこの記事では、一括返済の方法とメリット・デメリットについて解説していきます。
そもそも、残っている借金を全て一気に返してしまうというのはどういうことなのか、やったことがないとあまりイメージが掴めませんよね?
一括返済とは、借金の途中で残債を全て返してしまうことを意味します。つまり、あらかじめ立てていた計画を、全部返すことによってご破算にしてしまうということです。
ただし、借金を全部返しただけではカードローン会社との契約は終了とはならないことに注意が必要です。完全に縁を切りたい場合には、別途契約終了の手続きをする必要があります。
一括返済の意味をもう少し明確にするために、一回払いとの違いの説明を次にいたします。また、具体的な方法について述べていきます。
返済方法には、これとは別に「一回払い」というものもあります。こちらは、元本と利息を一回で支払うという方式です。つまり、支払い回数は基本的には一回です。そしてこの場合、支払う時期は翌月末などと期限が定められています。
一方、一括返済はリボ払いといって、毎月一定額を分割で返していく途中で臨時返済によって残債を支払うというものです。この方法は定められた期間中いつ行ってもよく、期限などはありません。もちろんそれまでは決められた支払いを行っていく必要があります。
定義をご理解いただいたところで、次に具体的な方法について説明していきます。
まず最初にすることは、「残高を確認する」ということです。もともと借りた金額はいくらで、今いくら返していて、あと元本はいくら残っているのか、また利息は予定日時点でいくら支払わなければならないのかについて、しっかりと確認をしておく必要があります。
ここがあいまいで支払いが不足していた場合には、完済とならず再度支払いが必要となったり、場合によっては返し終わったと勘違いして滞納ということにもなりかねません。
このようなことがないように、残高または返済後の残金について不安がある場合には担当者にしっかり確認をしましょう。
カードローンの場合には、利息は日割りで計算されてかかってきます。なので、いったん当日までの金額を計算していても、都合によって実行がずれてしまった場合利息の金額は変わってきますので、再計算する必要があります。
利息額については実際の支払い日までの額をしっかり計算しておきましょう。
利息の仕組みと計算方法については、下記の記事を参考にして下さい。
一括返済の場合には、未返済の元本分と利息の合計金額を返済することになります。また、それに加えて手数料がかかることもありますので忘れずに準備をしておきましょう。準備ができましたら、借りた金融機関の指示に従って支払いを実行することになります。
返済を完了した後に住宅ローンなどに申し込む場合、完済証明書の提出を求められる場合があります。このような場合には、借入先の銀行や消費者金融などの金融機関に連絡して、発行してもらうことができます。その後、発行された完済証明書を申込先に提出すればOKです。
残った借金を一気に返してしまうと、さまざまなメリットを受けることができます。なので、できるのであればできるだけ早く一括で返済してしまうことをお勧めします。
では、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?おおよそ、下記の点があげられます。
以下で、それぞれについて説明いたします。
先ほども述べた通り、利息は日割りでかかってきます。なので、返済期間が長ければ長いほど利息の総額は膨らんでいくことになります。
一括返済をすると、その時点で借金が消えるためもう利息は発生しません。したがって、支払い総額が抑えられることになります。まずはこうした金額面でのメリットが大きいですね。
カードローンを設定する際には、借入限度額といって借金の枠を設定します。限度額いっぱいまで借入を行っていた場合、予定外の出費があって追加で借金をしたい場合など、この枠のせいで思っていた金額まで借りられない、といったことがあります。
一括で返済をしておいて契約を残しておけば、そうした事態が発生しても限度額までまるまる借入ができるので大変便利です。
すでにご存じかもしれませんが、金融機関からお金を借りるとその情報は信用情報機関に登録されます。なので、借金をした事実は各金融機関が知るところとなります。
これが誰もがお金を借りることを避けようとする理由です。住宅ローンやマイカーローンを利用する際にそのような情報が登録されているといい印象を与えない、と思われているからですね。
確かに、滞納をしてしまったりするとブラックリストに載ってしまい、借り入れができなくなったりクレジットカードのキャッシングが利用できなくなったりします。ただし、これはあまり知られていないことですが、信用情報には良い情報も記録されます。
ということは、一括返済をするとその情報も登録されて、優良な借り手という評価が得られるということになります。このような評価が付きますと、次に別のローンに申し込んだ時に信用が得られて審査を通過しやすくなる、という結果が得られます。
良い信用情報というものは、お金を借りてそれをきちんと返すということがないとなかなか得られるものではありませんので、これは高価値といえるでしょう。
お金を借りたまま生活をしていると、寝ても覚めても「どうやってお金を返そう」ということが気になって精神的にストレスがたまるものです。そのせいで普段の生活でも思い切った行動ができなくなったり、つい節約を気にしてしまったりすることになります。
これが全て返済をしてしまうと、そうした精神的なプレッシャーから解放されることになります。実際には借りていたものがなくなっただけで何かを得られたわけではないのですが、気持ちの上ではかなり楽になり、今までできなかった思い切った行動を取ることができるようになります。
このように、一括で返済をすると色々なメリットがあるのですが、一方ではすべてを一度に返すことによる不利益も存在しますので十分に気を付けなくてはいけません。具体的には、下記のようなことが考えられます。
以下でそれぞれについて見ていきます。
一括の返済には色々と面倒なことをこなさなければいけない場合があります。
まず、支払いをするために金融機関の支店まで足を運ばなければいけない可能性があります。なかにはネット上の手続きで完了できる場合もありますが、支店でしか受け付けられない場合もあります。地方などに住んでいると、そこまで行くのが大変な場合もありますね。
また、支払日にいくら返せばいいのか、自分で確認するのが面倒です。特に、それまでローンの内訳に無頓着だった、金額の計算が苦手といったケースでは、いくら返したらいいのかを知るまでが大きなハードルとなってしまうこともあります。
メリットがあるからと十分な余裕がないまま無理をして全額返してしまうと、その後の生活費が足りなくなってしまうことがあります。
そして生活が苦しくなり、つい借金に手を伸ばしてしまうと、元も子もなくなってしまいます。何のために一括返済したのかと後悔する結果になりますね。そうならないためには、余裕資金を十分に確保し、今後の収入にも目途を付けたうえで全額の支払いに臨むことが肝要です。
これは完済してしまった時に、勢いで契約も終了させてしまった場合に起こりがちです。借金の支払いを終えてやれやれとなっているところに、突然大きな出費が必要になったりします。人生にはよくこういったタイミングの悪いことが起こります。
またお金を借りなくてはいけなくなりますが、契約を終了させてしまった場合には、また新規契約を結ぶ必要があります。すると、借金額を増やすよりも当然時間がかかります。
ということで、最悪の場合お金が間に合わないということにもなりかねません。こうならないように、契約の終了は慎重に行うようにしましょう。
これは完済によって精神的に楽になることの裏返しになります。お金を返し終わって解放感を得られるのはいいのですが、それを通り越して気が大きくなることがあります。
そうなると、あれが欲しいこれがやりたいとなって、不必要な出費をしてしまうことになります。その結果、借金生活に逆戻りという笑えない結末を迎えることになります。あまり羽目を外しすぎないようにしましょう。
カードローンを一括で返済することについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
一括返済とはお金を返している期間内で残りの元本と利息・手数料をまとめて支払って残債をなくすことです。また、そうすることによって次の借金の審査に有利になるなどメリットもある反面、返済後の生活が大変になるなどデメリットもあります。
確かに借金は早く返してしまった方が金額的にも得ですし、精神衛生上にもいいです。ただし、だからといって無理をしてしまうと結果的にはよくないことになります。こうしたことは事前に十分計画を立ててからおこなうのが成功のコツです。
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