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個人事業主が加入すべき保険とは?リスク対策におすすめの制度&種類をFPが解説

個人事業主が加入すべき保険とは?リスク対策におすすめの制度&種類をFPが解説

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著者名

棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士、国土交通大臣指定 マンション管理士、ファイナンシャルプランナー

大手人材派遣会社に正社員として入社。 主要取引先であったJASDAQ上場(当時)の株式会社エイブルへ出向。 その後ヘッドハンティングされ、完全に移籍。およそ3,000人の社員の中で、トップセールスを記録するなどして活躍。 その後管理職として複数年勤務後、独立。 行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

この記事のポイント

  • 個人事業主が加入すべき保険には賠償責任保険と生命保険の2種類がある。
  • 生命保険には定期保険、終身保険、養老保険のほか個人年金保険などの選択肢がある。
  • 小規模企業共済を利用すれば、個人事業主でも退職金代わりになる手当てを受け取ることができる。

この記事は約6分で読めます。

個人事業主として事業を運営されている方、保険の加入を検討したことはありますでしょうか。

会社員についてはあらゆる責任を会社がとってくれることが多いので、あまり保険について気にしたことはないかもしれませんが、個人事業主となるとあらゆるリスクを自分自身で管理しなければなりません。

そこで本記事では、個人事業主におすすめの保険について詳しく解説します。

 

個人事業主におすすめの保険の種類

保険というとさまざまなものがありますが、個人事業主が加入を検討すべき保険には主に2つの種類があります。

個人事業主におすすめの保険の種類

 

ビジネス上の損害賠償責任や倒産などに対する保険

事業を行っていると、どんなに注意して仕事をしていたとしても取引相手に損害を与えてしまうことも少なくありません。

そのような場合に、なんのリスク管理もしていないと大きくキャッシュがマイナスになってしまったり、場合によっては廃業に追い込まれてしまったりする可能性もあり得ます。

そこで、個人事業主や中小企業の負う損害賠償責任を担保するための保険として、賠償責任保険に加入することで、これらのリスクを管理することが可能です。

 

個人の生命や給与の補填をするための保険

会社員の場合は企業側で社会保険に加入していることから、老後についても基礎年金の上乗せ部分である厚生年金を受け取ることができます。

一方で個人事業主については、国民年金のみという非常に手薄い保障になっていることから、老後資金の対策として生命保険や個人年金なども積極的に検討していくことが大切です。

今回はこの2つの保険で人気のものやおすすめのものについてご紹介したいと思います。

 

個人事業主に人気の賠償責任保険

個人事業主に人気の賠償責任保険

個人事業をしていて損害が発生すると、受けるダメージは計り知れません。

例えば、ちょっとしたミスであれば菓子折りを持参して誠心誠意謝罪すれば許してもらえる可能性もありますが、取引先に実害が生じているような場合については金銭による賠償が求められる可能性が十分あります。

損害賠償を担保できるだけの内部留保があればよいのですが、ほとんどの個人事業主の方はそのような余剰資金を持ち合わせてはいないでしょう。となると、やはり損害賠償リスクを管理するための保険の加入というのは絶対的に必要であるといえます。

 

保険に加入すれば給与を減らさなくて済む

賠償責任保険に加入すれば、取引先に与えた損害に対して保険金が支払われます。つまり、損害賠償による自らの金銭の持ち出しを回避できるのです。具体的には、次のようなケースについて保険金が支払われます。

  • 施設、業務遂行中の事故
  • 生産物や仕事の結果の事故
  • 保管財物、借用不動産の事故
  • 預かった自動車に生じる事故
  • 運送貨物に生じる事故

補償内容や対象についてはあくまで保険会社や契約内容によって異なりますので別途確認は必要ですが、このように幅広い損害をリスク管理することが可能です。

 

賠償責任保険のメリット

賠償責任保険に加入すると次のようなメリットがあります。

 

相手との交渉を任せられる

個人事業主で損害賠償責任が生じた際には、自分自身が窓口となって相手と交渉して賠償金額などを取り決めしなければなりません。交渉すること自体も大変ですが、それによって他の仕事が手につかなくなり、さらなる損害が生じる可能性もあります。

賠償責任保険に加入していれば、取引の相手方との交渉は保険会社に任せられるので時間や労力をとられる心配がありません。ただし、売上高などに制限がある場合がありますので事前にご確認ください。

 

補償の範囲が広い

保険会社にもよりますが、賠償責任保険の補償範囲は比較的広いケースが多く、国内すべての施設や業務が対象となっているものもあるので、あらゆる業種のリスクに対応できます。また、施設や業務を限定することで保険料を抑えるといった工夫もできます。

 

賠償責任保険に加入するケースが増えている業種

次のような業種の個人事業を営む方は、賠償責任保険に加入するケースが増えているようです。

  • 建築業
  • リフォーム関連業
  • 内装業
  • ハウスクリーニング業
  • 設備工事業
  • ビルのメンテナンス業
  • 製造業

こういった業種の個人事業については、賠償責任保険で担保される範囲が広いのでぜひ加入することをおすすめします。

 

将来のために加入すべき生命保険

将来のために加入すべき生命保険

個人事業主の方は会社員に比べて年金などの社会保障が手薄になるので、老後の生活資金まで念頭において保険の加入について検討する必要があります。

生命保険に加入することで、万が一の際に保険金を受け取ることができますが、実は加入する保険によって得られる効果が違うことに注意が必要です。

 

 

生命保険の3つの種類

生命保険には次の3つの種類があり、積立や費用について違いがありますので加入する際には注意が必要です。

 

定期保険

予め決められた期間の保障をするタイプで、その期間内に死亡した場合に保険金が支払われます。全期間掛金が同じで保険料が割安であるというメリットがある一方で、掛け捨てになってしまうので期間中に死亡しなければそのまま終了し返戻金はありません。

つまり、貯蓄性は一切ないので、本人の死亡を担保する以外のリスク管理にはならない点に注意が必要です。資金に余裕がない場合や、とりあえず短期間だけ加入したい場合でなければあまりおすすめではありません。

 

終身保険

保障が一生涯続く保険で、満期という概念がないので満期返戻金というものもありませんが、途中で保険契約を解除した場合は解約返戻金として一定の保険金を受け取ることができます。

保険料の支払い方法については、生涯払い続けるタイプと一定の年齢までに払い終えるタイプがあります。個人事業主には定年がありませんが、老後引退することも考えると、できるだけ60歳前後までに保険料の支払いを終えるような設計にするとよいでしょう。

 

養老保険

保険期間は決まっていて、その間に死亡した場合に保険金が支払われます。定期保険との違いは満期返戻金の有無です。養老保険は保険期間が満期になると、一定の満期返戻金が支払われるので貯蓄性があります。

満期になるタイミングを仕事の引退時期と合わせることで、満期返戻金を退職金代わりに応用することも可能です。

このように同じ生命保険でも貯蓄性の有無に違いがありますので、老後を考えて加入を検討する際には、できるだけ終身保険か養老保険の方がよいでしょう。

 

第4の選択肢個人年金保険

個人事業主最大の弱点は、厚生年金がないことによる老後年金の不足です。

会社員の場合は厚生年金に加入できて、しかも保険料を会社が半分負担してくれているというかなりのメリットがある一方、個人事業主は国民年金のみなので将来受け取れる年金額が非常に少なくなります。

そこで老後年金を確保する手段として、個人年金保険を活用することもできます。個人年金保険とは年金の民間バージョンで、契約の際に年金を受け取る年齢を任意で決めて、その年齢になったら年金を受け取るというタイプの保険です。

受け取る方法としては一定期間年金が受け取れるタイプと、一生涯年金を受け取れるタイプがあり、それぞれ保険料が異なります。最近では保険料をドル建てで運用することで、将来受け取れる年金額を増やせる外貨建変額年金といった保険も出てきています。

ただし、変額年金は投資としての側面があり、元本割れのリスクがあるので注意が必要です。

 

個人事業主の退職金として人気の共済とは

個人事業主の退職金として人気の共済とは

会社員にはあって個人事業主にはないものといえば退職金です。企業については退職金制度がある場合、退職の際にまとまったお金が支給されますが、個人事業主の場合はそういった制度が基本的にないため、老後資金に困ってしまうことがあります。

そこでおすすめしたいのが小規模企業共済です。小規模企業共済とは、国が作った個人事業主などの小規模経営者に対する退職金制度です。

個人事業主の場合、常時使用している従業員の人数が20人以下、商業と宿泊、娯楽を除くサービスの場合は5人以下であれば加入できます。(※詳しい加入条件については、別途ご確認ください。)

 

廃業した時に手当てが支給される

小規模企業共済は毎月掛け金を支払うことで、将来的に事業を廃業した時にまとまった手当てを共済から受け取ることができます。これが退職金代わりになるというわけです。

また、節税対策になるという側面もあります。小規模企業共済に支払う掛金は、個人事業主が確定申告をする場合の経費、つまり所得控除の対象になるので所得税を節税できるのです。

廃業した時に手当てが支給される

 

契約者貸付も魅力

小規模企業共済のもう一つの魅力、それは契約者貸付です。個人事業をしていれば急遽資金繰りが圧迫したり、事業拡大のためにまとまった資金が今すぐ必要になったりすることも少なくありません。

そんな場合、小規模企業共済に対してすでに積み立てている金額の範囲内であれば、一時的にそこから資金を借り入れる契約者貸付を利用することが可能です。

個人事業主は法人に比べて金融機関の融資が受けにくい場合がありますので、契約者貸付は非常に魅力的な制度といえます。

 

加入期間に注意

メリットの多い小規模企業共済ですが、加入期間が20年未満の短期になると将来受け取れる金額が支払う掛金を下回る可能性が出てきます。よって、小規模企業共済に加入する場合はできるだけ長い期間で加入するイメージで検討することが大切です。

 

個人事業主におすすめの保険に関するまとめ

今回は個人事業主におすすめの保険について解説してきました。個人事業主は法人とは違い、損害賠償責任や老後の生活資金について自分でリスク管理をしなければならないので、保険加入の必要性は非常に高いといえます。

また、小規模企業共済を活用すれば個人事業主の弱点である退職金問題をカバーできるだけでなく、所得控除で節税もできるのでとてもおすすめです。

保険といっても賠償責任保険や生命保険などさまざまな種類のものがありますので、まずは自分にとって何が一番必要なのかをよく検討したうえで、優先順位の高いものから順番に加入していくとよいでしょう。

 

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