- PCR検査は医師の指示があれば自己負担なく受けられる。
- 体調に疑わしき症状がある場合は速やかに帰国者・接触者相談センターに連絡。
- 医療保険は適用対象となる。
公開日:2020年5月9日
2020年に入り世間を騒がせている新型コロナウイルスですが、日本だけでなく全世界に被害が及び、いまだ収束する気配はありません。連日のように感染者数や死亡した方のニュースが流れています。治療薬の承認まで時間を要するようで、1日も早く治療薬が見つかればと思います。
現在は対処療法でしか治療の方法はなく、自己免疫に頼るしか方法はありません。しかし、いざ罹ったとなったら治療費や検査にかかる費用はどうなるのでしょう。今回は、もしも新型コロナウイルスに感染したときの治療費に関する解説を行っていきますね。
はじめに新型コロナウイルスの検査方法について解説しておきます。
体調不良を感じ、発熱して37.5℃以上の体温が4日以上続いた場合、あるいは強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)の症状を感じた場合は、感染が疑われますので「帰国者・接触者相談センター」に連絡してください。
また、次のような方が先ほどの症状を2日以上に渡って感じる場合もセンターに連絡してください。
「帰国者・接触者相談センター」は保健所に設置されていますので、お近くの保健所へ連絡しましょう。
保健所の連絡先一覧は、こちらの厚労省HPよりお住いの県をクリックしてお進みください。
センターに連絡後は、各都道府県に設置されている「帰国者・接触者外来」の受診を勧められます。その後に医師の判断でPCR検査へと流れていくことになります。下図は福岡県のHPより引用した大まかな流れを図解したものになります。
出典:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/
参考までに、4月16日時点での各都道府県相談センターの設置数および外来を掲載しておきます。
北海道:31 | 青森県:8 | 岩手県:11 | 宮城県:12 | 秋田県:1 |
山形県:5 | 福島県:9 | 茨城県:9 | 栃木県:6 | 群馬県:12 |
埼玉県:17 | 千葉県:20 | 東京都:34 | 神奈川県:14 | 新潟県:14 |
富山県:9 | 石川県:6 | 福井県:7 | 山梨県:6 | 長野県:11 |
岐阜県:8 | 静岡県:9 | 愛知県:31 | 三重県:10 | 滋賀県:8 |
京都府:9 | 大阪府:18 | 兵庫県:17 | 奈良県:1 | 和歌山県:9 |
鳥取県:3 | 島根県:7 | 岡山県:11 | 広島県:19 | 山口県:10 |
徳島県:6 | 香川県:5 | 愛媛県:8 | 高知県:1 | 福岡県:19 |
佐賀県:5 | 長崎県:11 | 熊本県:11 | 大分県:10 | 宮崎県:9 |
鹿児島県:24 | 沖縄県:6 |
北海道:50 | 青森県:21 | 岩手県:19 | 宮城県:17 | 秋田県:12 |
山形県:14 | 福島県:29 | 茨城県:23 | 栃木県:17 | 群馬県:18 |
埼玉県:40 | 千葉県:52 | 東京都:77 | 神奈川県:51 | 新潟県:27 |
富山県:5 | 石川県:22 | 福井県:10 | 山梨県:12 | 長野県:26 |
岐阜県:25 | 静岡県:25 | 愛知県:41 | 三重県:23 | 滋賀県:8 |
京都府:22 | 大阪府:55 | 兵庫県:44 | 奈良県:11 | 和歌山県:19 |
鳥取県:14 | 島根県:21 | 岡山県:28 | 広島県:36 | 山口県:18 |
徳島県:14 | 香川県:12 | 愛媛県:22 | 高知県:19 | 福岡県:51 |
佐賀県:12 | 長崎県:26 | 熊本県:34 | 大分県:15 | 宮崎県:10 |
鹿児島県:32 | 沖縄県:6 |
新型コロナウイルス検査におけるPCR検査について解説をしておきます。PCR検査とは、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略で、ウイルスの遺伝子を増幅して検出する方法となっています。
このPCR検査がどれくらいの精度で正確なのかということですが、ざっくり言うと60%~70%の精度となっているようです。実際にはコロナウイルスだけを正確に判定できるだけの症例やデータが集まっていない中で検査しています。よって、今はPCR検査以上に正確な検査はないでしょう。
では、このPCR検査はだれでも希望すれば受診できるのかというと、そうではありません。健康な方までもが受診してしまうと検査機関がパンクしてしまいます。今は感染が疑われる方を優先して検査するため、医師の指示が必要となります。
そして気になる負担ですが、厚生労働省健康局より2020年3月4日に以下の通達が発表されています。
今般、PCR検査に健康保険が適用されるが、現在のところ、医師の判断により診療の一環として行われ、帰国者・接触者外来を設置している医療機関等において実施する保険適用される検査については前述の行政検査と同様の観点を有する事から、同検査を実施する医療機関に対して、都道府県等から行政検査を委託しているものと取り扱い、当該検査費用の負担を本人に求めないこととする。
このようにPCR検査を受診することになった方は、自己負担なく受けることが可能となっています。あくまで医師の判断で検査に進んだ場合に限りますので、まずは帰国者・接触者センターに連絡後検査を受けるようにしましょう。
では検査で陽性となった場合に治療に移行します。治療と言っても、手術をするわけでなく、現在では対処療法が中心となっています。見たこともない未知のウイルスですので、これまでの肺炎治療と全く異なります。
重症となった場合には、ECMO(エクモ)と呼ばれる人工肺を取り付けての治療となるそうです。肺の機能が大幅に低下し自力での呼吸が困難になるため、体外に取り付けて肺機能を維持するようです。
軽症であれば自宅療養の指示やホテルでの隔離となります。基本的には入院しての治療となりますが、費用は一体どうなるのかと言いますと、PCR検査同様にご本人の負担はありません。
新型コロナウイルス感染症は国が「指定感染症」に認定しています。指定感染症とは分かりやすく言えば、蔓延すると国民の生命および健康に重大な影響を及ぼすものとされています。
確実な治療法は世界各国で検討されていて、確実に完治にいたる薬の開発には時間を要します。再発する可能性もあり、油断なりません。
そして指定感染症に認定されているコロナウイルスですが、治療に関しては公費負担となるため、治療費の自己負担はありません。お金の心配はないものの命の危険が迫っていると考えると、素直に喜べないですね。
先ほどは検査に関する費用に関しての解説でした。ここからは、実際に罹患してしまい、治療のために入院した場合について解説しておきたいと思います。入院すると、今加入している医療保険から給付金は支払われるのでしょうか?保険会社の見解を見てみましょう。
現在皆さんがご加入されている医療保険ですが、ジャンルは生命保険商品となります。実際に保険をお使いになったことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
入院するとなると、仕事は休まなくてはなりません。就業規則によっては会社からの補償があるでしょう。逆にないケースも考えられます。コロナウイルスでの入院はどれくらいになるのか分かりません。そこで役に立つのが医療保険です。
基本的には、入院した場合に入院日数に応じて給付金が支払われます。ではコロナウイルスでの入院は対象になるのでしょうか?
まずは生命保険最大手の日本生命から見ていきます。日本生命では以下のように回答しています。
新型コロナウイルス感染症は疾病に該当しますので、新型コロナウイルス感染症の治療目を目的とされた入院や、検査の結果「陽性」と判定されたか否かに関わらず、医師の指示で入院している場合も、(疾病)入院給付金のお支払い対象です。
明治安田生命は以下のとおり発表しています。
新型コロナウイルス感染症は、他の疾病と同様に入院給付金や入院治療給付金のお支払対象となる疾病に該当します。また、新型コロナウイルス感染症により死亡された場合は、死亡保険金のお支払対象となります。保険金・給付金のお支払いについて、お手続き書類が整わない場合、個別に事情をお伺いし柔軟に対応いたします。
住友生命は以下のとおり発表しています。
新型コロナウイルス感染症に起因して、医師の指示により医療機関に入院された場合やお亡くなりになった場合、検査により陽性と判定されたかどうかにかかわらず、疾病入院給付 金・死亡保険金のお支払い対象になります。
大手保険会社だけでなく、生命保険各社一斉に、「新型コロナウイルス感染症で入院してしまった際には入院給付金をお支払いします」と足並みを揃えています。もし罹患してしまった際には加入している保険会社へすぐに連絡を入れてください。
ただし、保険会社のコールセンターも人員を削減し勤務にあたっていますので、繋がりにくいことも想定されます。時間を変更する、オンラインで給付金申請するなど行ってください。
では、新型コロナウイルス感染症で病院に入院できない場合、感染の度合いによってホテルでの療養や自宅療養を指示されることもあります。この場合は保険会社からの支払いはあるのでしょうか?ホテルの場合、ホテル代は誰が負担するのでしょう?
通常、医療保険の適用範囲は病院に入院することが条件ですが、新型コロナウイルス感染症では入院できる病床数にも限界があり、現在では罹患の程度によっては自宅療養を指示されることもあります。
また、ビジネスホテルなどを治療するための隔離施設として政府が一括で借り上げていますので、ホテル代・食事代も負担はなく、医師の指示であることが分かる証明書を取り付けていただければ医療保険は支払われます。
このように生命保険各社は、給付金においても有事とみなし臨機応変に対応してくれています。万が一罹患してしまった場合は、治療の方針や医師の指示を仰いだ後に保険会社へ連絡を入れてください。
今回は新型コロナウイルスの治療費に関する解説を行ってきました。医療保険はもちろんお支払いの対象となりますし、PCR検査も自己負担はありません。治療費に関しても公費負担となります。
いつどこで感染するのか分からないウイルスです。治療方法が確立されるまで自己防衛を徹底し、感染を避け国難を乗り切りましょう!
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