- 医療保険を考える際には高額療養費を念頭に置いて下さい。
- 保険の依存度を低くしましょう。
- 医療保険は見直しを前提で考えておくこと。
公開日:2020年4月29日
今回は、おすすめの医療保険についてランキング形式で解説を行っていきます。本記事に関しては私の独断でランキングを付けていきますので、いちFPの私見だとお考え下さい。また、選び方のポイント解説を付け加えておきますので、是非最後までお付き合い下さい。
最初に役割、特徴について解説しておきます。どんな内容なのか、どういうときに支払われるのか解説しておきますね。
まず役割からです。記事をご覧頂いている方の中には、保険を使ったことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。基本的には入院したときに使うことができるように設計されています。
また手術をしたとき、通院をした場合や先進医療と呼ばれる高額な治療を受けた場合も支払いの対象になります。このように色々と治療にお金が掛かります。その費用の負担軽減を図る目的で販売されています。
保険を提案された方、検討している方様々いらっしゃるかもしれません。ここで一般的な用語を解説しておきます。
入院1日につき、保険金をいくら支払いますという金額のことです。加入する前に設定が必要になりますので、希望の保障を考えておきましょう。
最近のトレンドと言っても良いでしょう。入院した場合に一括で3万円~20万円という形で支払われるものです。ここ近年、入院が短くなっています。短い入院の場合に費用が高額になる傾向も。その際に入院一時金が付いていれば金銭的にも助かります。
また日帰り入院とは、その日の朝病院に来て夕方には帰ることを言いますが、このケースでも一時金を支払ってくれますので付けておいて良いのではないでしょうか。
手術を受けた場合に支払われます。保険会社の商品によって手術給付金は2種類に分かれます。1つは「倍率方式」と言って、手術の内容により入院日額の10倍、20倍、40倍という設定になっています。
もう1つは「一律方式」と言って、手術の内容に関係なく一律10万円、20万円というように決まっているタイプがあります。また外来(その日帰り)手術も対応できるようになっています。
女性を対象とした保障です。女性特有の疾病で、入院したときに日額に上乗せしてお支払いするものです。例えば、子宮筋腫や子宮頸がんなどで入院を伴う場合です。保険会社によって該当の疾病が異なりますので、事前に確認しておくのも良いでしょう。
男性の方は付加することができない唯一の保障となっています。
入院後に治療を伴う通院をしたとき、通った日数分お支払いするという内容です。あくまで治療を伴う場合によりますので、経過を見せに行っただけ、薬を受け取りに行っただけでは対象になりません。
また、保険会社によっては入院前の通院も保障、退院後一度でも病院に行けば日数分ではなく、1回で1万円~5万円の金額を受け取れる会社もあります。
先進医療と呼ばれる、健康保険が適用されない治療を受けた場合に支払われます。先進医療に関しては保険会社が指定する病院で、かつ指定の治療方法に該当しなければ支払われません。
本年4月以前は目の治療である白内障治療が対象になっていましたが、4月以降は対象外になっていますので気を付けておいて下さい。
合わせてがん保険を一緒にしておきたい方向けの特約になります。主にがんと診断されたときの一時金を設定することができ、50万円や100万円と高額な設定をすることが可能です。
上記用語については一般的な内容を記載しました。どんなときにカバーしたいのかを明確にした上で保険をチョイスしましょう。
次に特徴について解説していきます。
特徴の1つとして、保険の形が終身なのか定期なのかに分かれます。終身の場合は一生涯保障されることになり、定期の場合は期間を決めて保障されることになります。現在保険会社では終身タイプが主流となっており、定期タイプはほとんど見かけなくなりました。
2つ目の特徴として、積立の機能を付加するか、掛け捨てにするのかということで分けられます。多くの保険会社が掛け捨てタイプを販売しており、掛け捨てタイプに加入している方の方が圧倒的に多いようです。積立の機能を付加できる保険会社は少ないです。
また、積立の機能とは異なりますが健康祝い金と言って、加入している間に入院がなければ、または〇日以内の入院であれば5万円~10万円お返ししますという内容です。祝い金の支払われるタイミングは5年毎になっています。節目でお金が返ってくるのは嬉しいですね。
以前は何も付帯サービスはありませんでした。最近では保険に加入するだけで、セカンドオピニオンサービスや健康無料相談のサービスが付いてきます。
代表的なサービスは「T-PEC(ティーペック)」社と提携している場合が多いです。このティーペック社では医療に関するサービス提供を行っており、保険を通じて治療の役に立てるような情報提供、アシストを積極的に行っています。
参考までにセカンドオピニオンサービスの概要を掲載しておきます。もし治療でお悩みのことや健康に不安がある場合や相談など受けたい方にはとても良いサービスですので、是非活用してみて下さい。
以上が主な特徴となります。保険会社によって販売の商品は様々ですが、基本的な特徴は各社押さえています。これらの特徴を踏まえた上で、どんな保障を希望しているのか、損得を考える上で参考にして下さい。
ここから選び方について解説していきます。店頭で相談する場合、営業マンが訪問してくれる場合、ネットを通じて加入する場合なども含め、どんなところに注意するのか解説していきますね。
加入する際に憶えておいて頂きたいことは、医療保険は先々も見直しが必要であるということです。加入して今後ずっとこの保険のままということではありません。理由に関しては、お医者さんの治療行為が時代と共に変わってくるからです。
先程の解説でも触れましたが、以前は入院7日以上でお支払いという保障が多かったです。しかし今ではどうでしょう。7日以内に退院する可能性が高くなっており、保障が使えないこともあり得ます。
では今の保険が10年後、20年後使えるものである確証はありません。治療に関して医学は発展しています。患者さんやお医者さんにとって最良の方法が編み出されている訳です。
いつか病気が投薬で治る日が来るかもしれません。そうしたら、入院しなければお金を受け取ることができない保険では全く役に立ちません。
少しオーバーな話をしてしまいましたが、お伝えしたいことは、治療行為に合わせて保険が後発で開発されているということです。つまり、見直し前提で加入するというアドバイスになります。
たまに、医療保険だけで毎月の掛け金が高すぎる方をお見かけします。ハッキリと言えばもったいないです。理由として、入院する確率を考えた時に毎月入院することはまずありません。支払いと受け取りの金額を考えると、圧倒的にコスパが悪くなります。
この考えに至った経緯として、私のクライアントから入院したという連絡を頂き、実際に保険金が支払われました。そのときに一時的にお金が入ってくることに喜んで頂けますが、これまでの支払い額と受取額を冷静になって計算している方はまずいません。
積立型であれば掛け金は高く、受取額と釣り合いが取れないことの方が多いでしょう。また、アドバイス①でも申し上げましたが、見直しを前提としている保険商品になりますので、積立型であれば元本割れを起こすことは当然に発生するでしょう。それこそもったいないと考えます。
ですから、医療保険を考える場合は最小限に留めておくべきではないかと思います。
そもそもですが、保険に加入できる絶対条件として健康であることが求められます。何かしら治療している方、過去に大病を患った方は加入することが難しくなってしまいます。
では加入後、何か大きな病気をしてしまったとします。すると以後見直しはまず難しくなります。このケースで考えたときに定期タイプであれば、いつか保障の終わりがくるでしょう。そうならないようにするためにも終身タイプがおすすめであるということです。
医療保険を検討する際には高額療養費を念頭において検討して下さい。
健康保険が適用される手術や治療に関して高額になることが予想されます。高額な治療費を所得に応じて支払い上限を定めたものが高額療養費です。
こちらの図をご覧下さい。
区分 | 所得条件 | 計算式 | 多数該当 |
---|---|---|---|
区分ア | 年収約1,160万円~ 健保:標準報酬月額83万円以上 国保:所得901万円超 |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
区分イ | 年収約770万円~約1,160万円 健保:標準報酬月額53万円~79万円 国保:所得600万円~901万円 |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
区分ウ | 年収約370万円~約770万円 健保:標準報酬月額28万円~50万円 国保:所得210万円~600万円 |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
区分エ | ~年収約370万円 健保:標準報酬月額26万円以下 国保:所得210万円以下 |
57,600円 | 44,000円 |
区分オ | 住民税非課税者 | 35,400円 | 24,600円 |
これは高額療養費の負担をまとめたものです。日本で所得の最も多い区分ウであれば治療費は8万円~となっています。つまり、ある一定の貯蓄があれば保険に依存する割合を減らすことができますので、この制度をしっかりと理解した上で加入を検討しましょう。
加入する際に様々なオプションの提示があると思いますが、私のアドバイスとしては余計な特約を一切付けないということです。主な考え方として、医療保険に高額な掛け金をかける必要がないという点です。
理由はこれまでのアドバイスの通り、入院の頻度とコスパ、そして高額療養費制度を総合するとシンプルに日額、一時金、先進医療くらいで十分だと考えます。女性特約、通院特約は付加しなくても良いということです。
そしてがんに関する特約は付けずに別で加入することをおすすめします。理由はがん保険も医療保険同様に見直し前提となります。治療行為が変わったときに見直せるようにしておきたいものです。
そして加入を分ける最大の理由は次の通りです。もし医療保険に画期的な保障が販売されたとします。この時、医療保険部分だけ見直せば良いですが、がんの特約が付いていればそれも含めて切り替えなければなりません。
保険料が上がることは想像できます。つまり、メンテナンスしやすくするために分けておくということです。以上が私のアドバイスになります。
では、ここから独自のランキングで解説、発表していきますね。
1位に選んだのは、朝日生命より販売されている「スマイルメディカルネクストα」です。理由として日額、一時金、先進医療とシンプルに構成されていて、掛け金も手ごろです。付帯サービスもT-PECが採用されています。
また、通院一時金が大きく1回の通院(経過観察でもOK)で1万~5万円受け取ることができます。この手の通院であれば付加しておいても確実に受け取れるでしょう。
出典:https://www.asahi-life.co.jp/
2位は、オリックス生命の「医療保険 新CURE(キュア)」とさせて頂きました。以前から根強い人気を誇るオリックス生命の医療保険です。保険料も抑えられ、また通販でも加入することができます。シンプルで分かり易い設計になっています。
また付帯サービスも朝日生命同様にT-PEC社を採用しています。甲乙つけ難い1位と2位ですが、入院一時金設定の幅を比較して2位とさせて頂きました。
出典:https://www.orixlife.co.jp/
第3位は、日本生命グループのはなさく生命、「はなさく医療」とさせて頂きました。あまり聞いたことがないと思います。それもそのはずです。
はなさく生命は限られた保険代理店でしか取り扱いがなく、また2019年4月に誕生したばかりです。日本生命という保険業界のトップが作ったグループ会社ですので安心です。
はなさく医療は上記1位2位と同じ保障内容となっています。何より、保険料払込免除特約の要件に、上皮内がん罹患で免除となるためおすすめですね。ただし、保険料水準が1位2位と比べてほんの少し高めということもあって3位にしました。
出典:https://www.life8739.co.jp/
今回は医療保険に関するランキングということで解説してきました。あくまで私見が大きな要素を占めていますが、ご覧になったことがないという方は資料請求してみて下さい。そして、医療保険は最小限の支払いに留めておきましょう。
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