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がん保険と医療保険はどちらを選ぶべき?違いや重複加入の注意点をFPが解説

がん保険と医療保険はどちらを選ぶべき?違いや重複加入の注意点をFPが解説

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岩崎真明

岩崎真明

CFP(日本FP協会認定)、一級FP技能士、証券アナリスト(日本CFA兼CIIA)

独立系ファイナンシャルプランナー、CFP歴20年の資格保持者です。現在は独立系FP会社の代表として、外資系金融機関に勤務した経験も活かしつつ、幅広い金融知識を簡単にわかりやすくお伝えし、ご相談者の生活に役立てていただく相談業務を中心に活動しています。保険のセールスを一切行わないという真にお客様の立場での保険相談業務にも定評があります。

がん保険と医療保険は何が違い、どちらを選ぶのが良いのでしょうか?あるいはどちらを優先して先に加入するのが良いのでしょうか?すでに医療保険に加入している人はがん保険は不要なのでしょうか?

または、がん保険と医療保険の両方に加入していて、重複した保障で無駄になっていないかどうかを確認したいという方もいるかもしれません。

今回はがん保険と医療保険の共通点や相違点、そしてどちらを選ぶのが良いのかをわかりやすく説明していきたいと思います。

なお、生命保険の必要性が気になる方はこちらをご覧ください。

 

 

がん保険と医療保険の共通点

がん保険と医療保険の共通点

がん保険と医療保険の共通点を確認していくために、それぞれの基本的な仕組みを理解しましょう。

 

がん保険の仕組み

まず、がん保険の基本的な仕組みを確認しましょう。がん保険には、通常以下のような保障があります。

  • がんと診断された場合の保障(1回のみ100万円など)
  • がんで入院・通院した場合の保障(1日につき1万円など)
  • がんで手術した場合の保障(1回につき10万円など)
  • がんで特定の治療をした場合の保障(1回につき20万円など)

がん保険の仕組みについては、詳細を別の記事で説明していますので参考にしてみてください。

 

医療保険の仕組み

次に医療保険の基本的な仕組みを確認しましょう。医療保険は、以下のような保障が基本となっています。

  • 病気やケガで入院・通院した場合の保障(1日につき5千円など)
  • 病気やケガで手術した場合の保障(1回につき15万円など)
  • 特定の病気で治療した場合の保障(1回につき20万円など)

現在の医療保険には多種多様な保障内容があるようにみえますが、突き詰めると上記の基本的な保障にまとめることができます。

 

がん保険と医療保険との類似点

両保険の基本的な仕組みを確認したところで、類似点を整理していきましょう。両保険とも入院・通院・手術・特定の治療といった場合に給付金が支払われる、という点です。

類似点:入院・通院・手術・特定の治療で場合に給付金が受け取れる点

 

がん保険と医療保険の違い

がん保険と医療保険の相違点

それでは逆にがん保険と医療保険の違いを確認していきましょう。がん保険と医療保険のどちらを選ぶのが良いのかを考える際に最も参考になるのが、この相違点となります。

 

異なる保障範囲

医療保険は、視力回復手術(レーシック)などの一部を除いて、ほとんどの病気やケガという幅広い対象を保障するのが特徴です。

これに対してがん保険は、がんに特化した保障範囲です。医療保険は保障する範囲が広く、がん保険はがんのみで保障範囲が狭い、というのが一つ目の相違点です。

相違点1:医療保険は保障範囲が広く、がん保険はがんのみの保障範囲である点

 

手厚いがん保障

医療保険は幅広い病気やケガを保障範囲とする反面、保障額は入院や通院で1日につき3千円からせいぜい1万5千円までが限度です。また手術も1回につき5万円から40万円となっています。

これに対して、がん保険はがんのみを保障範囲としますが、医療保険と比べて手厚い保障となっています。なかでも特徴的なのが、がんと診断された場合に支払われる「診断給付金(診断一時金などの別名もあり)」です。

この診断給付金は1回だけの支払いである保障がほとんどですが、その1回の支払額は100万円から300万円となり、手厚い保障金額となっています。

相違点2:がん保険独自の手厚い保障がある点

なお、診断給付金については詳細を別記事に記載していますので参考にしてみてください。

 

がん保険には免責期間がある

がん保険に加入した後の3ヶ月間(90日間)は免責期間といい、がん保険の保障が開始されません。

なぜ免責期間があるのかというと、がんは自覚症状がある場合が考えられるからです。がんかもしれないと疑いを持った方が、まずがん保険に加入してから次に病院に行ってがんの診断を受けて、すぐに給付金の支払いを受ける、ということが出来てしまいます

こうしたことを避けるため、がん保険には3ヶ月間という給付金が支払われない期間があるのです。医療保険にはこうした免責期間がありません。

相違点3:がん保険には免責期間90日間がある点

なお、免責期間については詳細を別記事に記載していますので参考にしてみてください。

 

 

がん保険と医療保険はどちらを選べばよいのか

がん保険と医療保険をどちらを選べばよいのか

ここまでがん保険と医療保険の類似点と相違点について確認をしてきました。それでは次にがん保険と医療保険ではどちらを優先すればよいのか、あるいはどのような組み合わせやセットで加入したほうが良いのか、についてケース別に説明をしていきましょう。

 

どちらにも加入していないケース

がん保険と医療保険のどちらかに加入したい、あるいは先にどちらかに加入したいという場合を考えてみましょう。これまで整理してきた通り、あなた自身がどんな保障が欲しいかということがまず最初に重要です。

病気やケガの幅広い保障が欲しいということでしたら医療保険を優先して検討しましょう。やはりがんになった時の保障を最初に手当てしておきたいということでしたらがん保険です。

次に重要なのはがん保険や医療保険に加入する本来の目的です。病気・ケガ、がんになった時の治療費や急な出費に備えるのが、がん保険・医療保険の目的です。

自分の貯蓄などで手当てできない部分を保険で補完するという考え方で、必要ながん保険や医療保険を検討されることをお勧めします。

なお、がん保険の具体的な選び方については別の記事で詳しく紹介しましたので、参考にしてみてください。

 

既に医療保険に加入しているケース

次に医療保険に既に加入済みである場合に、どのようながん保険を検討したらよいのかを考えていきましょう。

がんを含めた病気やケガの保障は医療保険で手当てされています。そうすると、あえてがん保険の加入を考えるのであれば、がん保険にしかない保障を中心に加入を考えたほうがよいということになります。

がん保険独自の保障ということで先ほどご説明したのが、診断給付金などといわれる一時金の保障です。特に一時金だけ欲しいという方は、「ライフネット生命のダブルエール」のように診断給付金だけに絞り込んだ商品もありますので参考にしてください。

がん保険ダブルエール

 

がん保険にのみ加入しているケース

がん保険にすでに加入している場合は、がん以外の病気やケガでの保障がどれぐらい必要かを検討したうえで、医療保険の加入を検討しましょう。特に公的医療制度の自己負担3割が適用されず、治療費の全額が自己負担となってしまう先進医療を対象とした医療保険もあります。

 

がん保険も医療保険も両方加入しているケース

がん保険と医療保険に両方加入している場合には、両方の保険で重複している保障がないかを念のため確認しておきましょう。例えば医療保険の特約(追加保障)にがんの保障がついているのに、別にがん保険に加入している、といった事例などもありますので注意してください。

 

がん保険と医療保険の違い・選び方に関するまとめ

がん保険と医療保険ではどちらを選ぶのがよいのか、あるいは優先して加入すべきなのはどちらなのかを考えるために、両保険の類似点と相違点を整理しました。

  • 類似点:がん、病気・ケガになった場合の入院・手術・通院などの給付金があることです。
  • 相違点:医療保険が幅広く病気・ケガを保障しているのに対して、がん保険はがんのみに重点を絞って手厚い保障になっていることです。

なお、がん保険には免責期間という当初3か月は保障対象外の期間があるので注意してください。

がん保険と医療保険の選び方ですが、がん保険についてはがん診断給付金の一時金といった独自の手厚い保障を中心に検討しましょう。医療保険は幅広い保障であることから、がん保険との重複に気を付けて加入を検討しましょう

 

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