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介護保険料の支払いはいつから?知っておきたい制度の仕組みをFPが解説!

介護保険料の支払いはいつから?知っておきたい制度の仕組みをFPが解説!

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大野 翠

大野 翠

芙蓉宅建FPオフィス代表、宅地建物取引士、2級FP技能士(きんざいFPセンター正会員)

芙蓉宅建FPオフィス代表。金融業界歴10年目(2020年現在)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

この記事のポイント

  • 介護保険料は40歳になったら支払い開始。
  • 国民健康保険加入の方は健康保険料に上乗せして納付。
  • 社会保険加入の方は給与天引き。
  • 年金受給者の方は年金から天引きの「特別徴収」。

今回のテーマは【介護保険料】です。20代、30代の方は「まだまだ先だ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。40代以降の方はすでに支払っている状況で、大変身近に感じるのではないでしょうか。

本記事では【介護保険料】の支払いなど、実際の制度全体についてわかりやすくまとめていきます。ぜひ参考になさってください。

【介護保険】の申請については、こちらもご参照ください。

 

 

介護保険制度の概要

介護保険制度の概要

介護保険制度の概要について、簡単にご紹介します。

実際に、介護保険を申請する際の流れについては、こちらもご参照ください。

 

介護保険制度とは

介護保険制度とは、40歳以上の健康保険加入が対象となり、必ず加入しなければならないものです。要介護状態、要支援状態になり介護サービスを利用する際には、収入に応じた自己負担額で必要に応じた介護サービスを受けることになります

 

加入者区分は年齢に応じて2つ

介護保険は強制加入ですが、年齢に応じて2つの区分にわけられます。また、それぞれの区分によって、どのような場合に介護保険を利用できるのかも違います。以下、表にまとめますのでご確認ください。

区分 第1号被保険者 第2号被保険者
年齢 65歳以上の方 40歳~65歳の健康保険加入者
介護保険を利用できる事由 要支援・要介護認定を受けた場合(支援・介護の要因は問わず) 16種の特定疾病が原因で要支援・要介護認定を受けた場合

第2号被保険者が、介護保険を適用したサービスを利用する場合の16種の特定疾病とは、末期がん、関節リウマチ、パーキンソン病関連疾患などがあります。この16種類は、主に加齢が原因で発症しやすいとされている病気です。
これらを理由として要支援・要介護状態に該当した場合にのみ、公的介護保険サービスを受けることができます。

 

自己負担額

自己負担額

65歳以上の方で、公的介護制度を利用した介護サービスを受ける際、ほとんどの場合が自己負担額は1割です。中には、所得に応じて2割や3割の負担となる場合もあります。

65歳以上の年金受給者の方で、お1人暮らしの方は以下のように区分されます。

  • 年金収入とその他の所得の合計が年間280万円以上340万円未満…2割負担
  • 年金収入とその他の所得の合計が年間340万円以上…3割負担

ご夫婦2人暮らしの場合は以下のとおりです。

  • 年金収入とその他の所得の合計が年間346万円以上…2割負担
  • 年金収入とその他の所得の合計が年間463万円以上…3割負担

 

支払い開始の時期・納付方法

支払い開始の時期・納付方法

支払い開始の時期

40歳になると必ず加入しなければならない介護保険制度ですが、40歳の「いつ」から支払いが開始するのでしょうか。定義として【満40歳に達したとき】となっています。具体的には、40歳の誕生日の前日を基準とし、その日の属する月から介護保険料の支払いが開始します。

6月5日が誕生日の方は、誕生日の前日である6月4日の属する月から介護保険料の支払い開始なので、6月分からスタートということになります。

【介護保険】について、こちらもご参照ください。

 

納付方法

現在働いている世代の方の納付方法は、主に2つあります。1つは自営業者などの方で「国民健康保険に上乗せして納付」、もう1つは、会社員や公務員の方で「給料天引き」です。

また、すでにリタイア後の方で公的年金を受給している方は、あらかじめ介護保険料を天引きされ、その残りの額を年金として受給します。

 

社会保険料控除の対象

納付した介護保険料は、確定申告などの場合に社会保険料控除の対象となります社会保険料控除とは、実際に納付した全額が所得控除となります。社会保険料控除では、同一生計の配偶者や親族の分も同時に控除対象とすることができます。

ただし、公的年金受給者の方で、受給している年金から天引きされている場合は、年金受給者ご本人のみの控除となり、ほかと合算することはできません。

 

ケース1:国民健康保険加入者

ケース1:国民健康保険加入者

国民健康保険に加入している方は、介護保険料を「国民健康保険料に上乗せ」して支払います。年度の途中で誕生日を迎えた場合は、介護保険料が上乗せされた新しい納付書が送付されて手元に届きます。

すでに手元に届いている国民健康保険の納付書は使わず、介護保険料が乗せされた新たな納付書で国民健康保険料を納付すれば、介護保険料も同時に支払ったことになります。

 

自営業者などが対象

国民健康保険に加入しているのは、自営業者や、社会保険の加入条件を満たさないパートやアルバイトの方です。

 

 

ケース2:社会保険加入者

ケース2:社会保険加入者

社会保険に加入している方は、勤務先から毎月の給与をもらう際に、介護保険料が天引きされます

 

会社員・公務員が対象

社会保険に加入しているのは、企業や団体にお勤めの「給与所得者」の方です。健康保険料、介護保険料、厚生年金なども給与から天引きされる場合がほとんどです。

毎月天引きされるため、年金や各種保険料などの滞納の恐れがないので安心です。

 

ケース3:年金受給者

ケース:年金受給者

年金を受給するようになれば、本来受け取る年金受給額から、あらかじめ介護保険料を差し引いた額が、2カ月に1度の年金受給日に振り込まれます。これを「特別徴収」と言います。

一般的に65歳以降の年金受給者の方が、その都度介護保険料を払い込みに行く手間や負担を減らすために、年金からあらかじめ差し引く徴収方法をとっています。「特別徴収」とは言いますが、ほとんどの場合はこの支払い方法です。

「特別徴収」のほかに、「普通徴収」と言う支払い方法もあり、こちらは天引きではなく払込票によってその都度払い込む方法です。一定の基準を満たせば、年金受給者の方でも普通徴収とすることができる場合もありますが、お住まいの行政に相談が必要です。

 

払えなかったらどうなる?

払えなかったらどうなる?

年金受給者の方で「特別徴収」として天引きされている場合や、社会保険加入者で「給与天引き」されている方は、毎回自動的に差し引かれているので未納や滞納の恐れはほとんどないと言えます。

しかし、年金受給者の方で「普通徴収」としてご自身で払い込む方法の方や、国民健康保険加入の方で、払込票により毎回支払っている方の場合は、事情により滞納する場合も考えられます。

 

滞納はデメリットしかない

介護保険料の滞納は、デメリットしかありません。まず、本来受けられるはずの介護サービスが、一部しか利用できないことがあります。さらに、延滞金が加算されますので、当初の介護保険料よりも金銭的な負担が大きくなります。

滞納は2年までであれば、延滞金を加算した額で「追納」ができますが、2年以上経つと「未納」となり、遡って追納することができなくなります。このことで、本来受けられる介護サービスに制限がかかったり、自己負担割合の引き上げ対象となります。

また、高額介護サービス費の払い戻しも受けられなくなるなど、本当に介護支援が必要になったときに金銭的な負担が大きくなります。

払込票で支払う方は、払込を失念しないよう気をつけましょう。国民健康保険料を納付している方は、納付書払いではなく、銀行口座からの自動引き落としを利用することをおすすめします。

 

介護保険料をいつから払うかに関するまとめ

介護保険は、40歳になったら必ず加入しなければならない制度です。国民健康保険に加入している方は、介護保険料が上乗せされた新しい納付書が届くことで、ご自身が介護保険の対象になったことにお気づきになるかと思います。

社会保険加入の会社員、公務員の方は給与天引きなので通知が来てもあまりピンとこない場合もあるかもしれません。しかし、どなたでも40歳以上では必ず支払うことになっており、将来ご自身が介護サービスを受ける際の手助けとなります。

介護保険料は年々上がる仕組みですので、年齢が上がれば保険料が負担になることもあるかもしれません。しかし、滞納や未納はデメリットしかありません。ご自身の将来の安心のために、払い漏れがないように心がけましょう。

 

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