- 50代の平均貯金額は約1,574万円、中央値は約1,000万円です。
- 老後資金は約2,000万円必要で、50代からしっかり備えておく必要があります。
- 老後資金を貯めるには、計画的な節約や収入アップなどいくつかの方法があります。
公開日:2020年8月31日
50歳を超えると人生後半戦だという人がいらっしゃいますが、人生100年時代の50代はまだまだエネルギッシュな年代です。しかし、老後資金を具体的に考えなければならない年代でもあるため、貯金額は気になるところです。
この記事では50代の貯金事情と老後資金の貯め方について詳しく紹介します。
サラリーマンにせよ自営業者にせよ、50代になるとライフプランが落ち着く年代です。結婚や子育て、マイホーム購入、子どもの教育などに一段落が付いており、残すライフプランは老後資金の捻出ぐらいです。
しかし、50代で満足に貯金ができていないと、老後資金の捻出に後手を踏んでしまいます。まずは50代の貯金事情について以下内容を解説いたします。
金融広報中央委員会の「2人以上世帯の家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」によると、50代の平均貯蓄額はおよそ1,574万円です。
この額は現金による貯金だけでなく、株などの金融資産すべてを含んだ金額です。あなたの貯金額と見比べて平均値は多いでしょうか?それとも少ないでしょうか?
ただし、万一あなたの貯金額より多くても過剰な心配は不要です。なぜなら、中央値のほうが平均値よりも実態に近い数値だからです。
中央値とは、多い順もしくは少ない順に並べた中央の数値のことです。平均値は高額な貯蓄をしている人が平均値を上げてしまう傾向があるため、貯金額として50代のど真ん中にいる人の実態からかけ離れてしまいます。
50代の貯金額の中央値は約1,000万円ですので、こちらを目安と考えましょう。
50代で貯金ゼロという世帯も結構たくさんいらっしゃいます。厚生労働省による「国民生活基本調査(2016年)」では、貯金ゼロの世帯は14.8%となっており、6世帯に1世帯は貯金ゼロという実態があります。
万一貯金ゼロでも、同じ立場の人も多いため過剰に不安がる必要はありません。ただ、安心の老後のためにすぐにでも資産作りをスタートさせましょう。
では、老後資金をどのように捉えればよいのでしょうか?50代で考えるべきこととして以下内容を紹介します。
老後資金には2,000万円必要だと聞いたことがあるでしょうか?これは、金融庁が報告しているものです(2019年6月)。平均収支と年代別金融資産の推計により、年金だけの生活の場合は毎月5万円ほど赤字となるのです。
つまり、年金受給から20年生きた場合は1,300万円、30年生きた場合は2,000万円不足する計算となります。そのため、老後資金は2,000万円貯めることを一応の目安にするとよいでしょう。
50代で借金がある場合は、少しでも早く返済したほうがよいでしょう。借金を残したまま貯蓄しようとしても思うように貯まりません。
特に借金は利息が付くため、余分な出費となります。繰り上げ返済できれば本来支払うはずだった利息分が浮きますので、資金にゆとりがあれば繰り上げ返済してしまいましょう。
ただし、あえて借金を返済しないケースも考えられます。それは借金の金利よりも、投資しているものの金利が高い場合です。この場合は借金返済よりも投資に回したほうが差額金利がお得ですので、無理に返済する必要はありません。
老後資金が潤沢に貯まったとしても、想定外のことが起こるケースがあります。たとえば私の知り合いの話では、男性の会社員が定年後、暇を持て余して浪費するケースが多いと聞きます。特に会社員時代に高給取りだった人が、生活水準を下げられずに老後資金を一気に減らす場合があります。
女性の場合は離婚により生活が困窮するケースもあります。たとえば慰謝料不払いなどで厳しい老後になることもあり得るのです。
老後のリスクは厳しめに見ておいたほうが無難ですので、2,000万円の資金は目安としつつ、できることなら多めに備えたほうがよいかも知れません。
老後資金を貯めるには、どのような方法があるのでしょうか?数ある貯金のコツの中から、以下手順や内容をおすすめします。
50代で貯金するには、資産の洗い出しからスタートしましょう。必要な老後資金に対して今どれくらいの資産を持っていて、不足するお金がいくらなのかで貯金する金額がはじかれます。現金、住宅の資産価値、金融商品、高級品、相続財産など、現段階での資産を把握しましょう。
資産はそれぞれ業者に見積もったり、インターネットでおおよその目安を調べれば、カンタンに確認が可能です。ただし、資産は目減りする可能性がありますので、入手時から現在推移で老後時の予測を立てましょう。物価上昇率2%も加味した計算をするとより精度が高まります。
貯金すべき目標額が決まったら、そこから逆算して毎年いくら貯金が必要なのかを打ち出しましょう。そして、毎年必要な金額から逆算し、毎月必要な金額をチェックします。あとは家計簿をつけて収支の管理をし、着実に目標貯金額を達成していくだけです。
貯金額は通常の貯金額と、臨時出費に備えた貯金額に分けると良いでしょう。臨時出費の予測は、家電製品の買い替え、冠婚葬祭などを想定しておきましょう。それ以外の臨時出費があったとしても、これらのお金で賄いやすくなります。
貯金を増やすためには節約が不可欠です。節約するためには、食費や日用品代など項目ごとに予算化をし、予算内で買い物するようにしましょう。また、固定費を見直すと今後毎月支出の削減になりますので、節約効果が高いです。
ちなみに、節約は家族の意識改革も大切です。夫婦で節約しても子どもたちが浪費しては無意味ですから、家庭内で節約の共通認識が必要です。時折家族会議を開き、家計について話し合いましょう。
毎月の余剰金を貯金に回すというスタイルは意志力が必要となります。「今月は黒字額が大きいから外食でも行こう!」となると、満足に貯金できない可能性があります。
そのため、定期預金など、半強制的に貯められる仕組みが重要です。定期預金は銀行によっては1円から行えますので、意志力と関係なく無理のない範囲でお金を貯められます。
近頃はインターネットの普及により、副業やプチ稼ぎがしやすい時代です。たとえば、クラウドソーシングではネット系の案件に対して誰でも取り組むことができます。
また、ポイントサイトはお買い物やゲーム、アンケートを楽しみながら稼ぐことができます。ほかにもメルカリやヤフオクでの物販、ノウハウを販売するココナラ、広告収入を得るアフィリエイトなど、稼ぐ方法は無数にあります。
50代の平均貯金額は約1,574万円ですが、平均値より実態をあらわす中央値では約1,000万円です。もしもこれらより貯金が少ないのであれば、少しでも早めに資産形成をスタートさせましょう。
老後資金は約2,000万円必要といわれていますので、現在の保有資産との差額を考えながらしっかり備えておく必要があります。老後資金を貯めるには、計画的な節約や収入アップなどいくつかの方法がありますので、この記事を参考にぜひ実践してください。
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