- 在籍確認はクレジットカード会社から職場に入る電話確認のことです。
- 在籍確認は属性や信用情報、カード会社の事情により入らないケースもあります。
- 職場に電話されたくない場合は、信用情報を健全にする・繁忙期に申し込むなどの対策をとる必要があります。
公開日:2020年10月7日
クレジットカードに申し込みたいけれど、職場への在籍確認が心配という声を耳にします。そこでこの記事では、在籍確認は必ずあるのかや、職場に電話してほしくないときの対処法を紹介します。ぜひカード申し込みの際の参考にしてください。
目次
クレジットカードの申し込みをすると勤め先への電話連絡が入り、申込者が申告どおりの会社に勤めているのか確認がなされます。このことを在籍確認といいます。まずは在籍確認の基礎知識として以下内容を紹介します。
在籍確認が行われる理由は、申込者を名乗りなりすましている本人以外の人にカード発行するのを避けるためと、支払い能力の裏付けのためです。
クレジットカードは決済から支払いまで期間が空く後払い式で、分割払いやリボ払いなどは借金に近い性質があります。キャッシングにより借金自体もできるため不正利用される恐れもあります。その防止策として在籍確認は有効なのです。
また、本人に支払い能力があるかどうかの参考として、申告どおりの会社への勤務実態があるかをチェックされます。
在籍確認の内容はカード会社によって差がありますが、基本的には申込時に申告した会社に勤めていることが分かれば終了となります。そのため数秒から数十秒で終わり、仕事に支障が出る可能性は低いでしょう。
具体的な内容としては、氏名や生年月日、住所などの基本情報の確認がなされます。在籍確認と聞くと何となく身構える人がいらっしゃるようですが、カンタンな事務手続きの1つですので気軽に考えましょう。
在籍確認は本人が電話を取れない場合でも問題ありません。勤務先へ電話が入るということは、休憩時間中でないかぎり仕事をされているかと思います。外回りや会議、接客中、ほかの電話に出ているときなどは出れないケースもあり得ます。
しかし、在籍確認の目的は申告した会社に勤めているかのチェックですから、本人が出られなくても大丈夫なのです。これはクレジットカードだけに限らず、カードローンなどでも同じです。
在籍確認はクレジットカードに申込み後の審査時に入ります。しかし、審査のうちどの段階で入るのか知らない人も多いです。ここでは在籍確認のタイミングを含め、以下内容を解説いたします。
クレジットカードの審査は、属性審査と信用情報の照会が行われます。属性審査とは年収や勤続年数、勤務先などの個人情報がスコアリングされ、一定基準に満たない場合に足きりになる審査です。
信用情報とは個人の金融取引の履歴で、クレジットカード利用実績や借金情報などがガラス張りとなっています。在籍確認はこれらの審査をクリアした最後に行われます。
在籍確認の電話は、カード会社によって個人名で入ることやカード会社名で入ることなどさまざまです。
勤務先にカード会社から電話があっても恥ずかしい思いをすることはありませんが、職場の雰囲気が私用電話をよしとしない会社もあるでしょう。個人名であればそのような気を遣う必要がありません。
また、消費者金融系カードの場合、会社名を名乗られるのが恥ずかしいと感じる人もいるようです。カード会社ごとの配慮により個人名でかけることもあります。
在籍確認は必ず入るというものではありません。在籍確認が入るかどうかはカード会社の事情次第となっています。通説によると在籍確認が入る確率は2割未満とされており、入らないことのほうが多いようです。
カードローンなどの借金の場合にはほぼ確実に在籍確認が入るため、クレジットカードも同様と考える人も多いのですが、実はそうではありません。
派遣会社に勤務している場合には、在籍確認は入らないケースが多いです。派遣会社は個人情報保護の観点から在籍確認を拒否するところが多いため、カード会社も在籍確認に手間をかけないのです。また、カード会社や状況にもよりますが、学生やパートアルバイトも入らないケースが多いです。
在籍確認が入る確率を少しでも下げたいという場合は、どのような対策をすればよいのでしょうか?ここでは職場に電話されたくない場合の対策として以下を紹介します。
信用情報が健全だと在籍確認が省かれやすくなります。クレジットカードは借金の性質があると紹介しましたが、もしあなたが誰かにお金を貸す場合、ちゃんと返してくれる人に貸すはずです。
信用情報が健全ということは、その人の信用力が高く、支払い能力も高いことが類推できます。そのため、カード会社も信用してくれやすくなるのです。金融取引で延滞をせず、実績を積み上げることが重要です。
多重申込をしないことも大切です。クレジットカードは申し込み情報も信用情報に記録されます。たくさん申し込んでいると多重債務リスクも高くなるため、このような申込者はカード会社から敬遠されやすくなります。
その上、どこの審査も通っていなければ、いわく付きの申込者と見なされやすくなり、カード審査で不利となります。不安要素が多いと在籍確認免除も厳しくなるでしょう。そのため、多重申込はやめましょう。
カード会社の繁忙期に申し込むと、在籍確認の確率は下がるといわれています。カード会社も繁忙期には手続きを簡素化したいため、在籍確認を省いて負担を軽くしているのです。
カード会社の繁忙期は進学・就職などの節目である春と、転勤が行われやすい9月ごろです。在籍確認が億劫であればこのタイミングが申し込みの狙い目です。
審査難易度が低いクレジットカードは、在籍確認される確率が低いといわれています。もちろん、在籍確認はカード会社のさじ加減ですので、一概に言うことはできませんが、一般論的傾向としてはこのような傾向があるようです。
審査難易度が低いカードの象徴としてよく取り上げられているのが、楽天カードとイオンカードセレクトです。ただし、在籍確認の有無でクレジットカード選びをするわけではありませんから、参考程度に知っておきましょう。
キャッシング枠をつけなければ借金の要素が軽減され、審査難易度が下がります。審査難易度が下がることにより、在籍確認が入る可能性も低くなるでしょう。キャッシング枠を外せるかどうか、カード会社に確認してから申し込みましょう。
在籍確認対策をする上で気を付けないといけないことがあります。ここでは具体的な注意点として以下内容を紹介します。
在籍確認回避目的で申し込み時に虚偽の申告をしないように注意しましょう。
たとえば自宅番号を会社の電話番号と偽って記載し、自分は携帯電話しか持っていないという申し込みや、よい所に勤めているように見せるための会社情報の虚偽、派遣会社で勤めているフリをしての申告など、虚偽は一律でNGです。
もしもバレてしまうと審査落ちの可能性は極めて高くなりますし、場合によっては今後そのカード会社のクレジットカードを作れなくなる可能性もあります。在籍確認を回避したいためだけに、より大きなリスクを背負うのは賢明でありません。
アリバイ会社の利用も控えましょう。アリバイ会社とは、ペーパーカンパニーを設立して、その会社で働いているように見せるといったアリバイ作りのための書類を発行する会社です。
在籍確認の電話対応をしているところもあるため、カードローンの在籍確認対策で利用される人もいらっしゃいます。
「只今席を外しています」「只今外出しております」というような対応をするので、在籍確認をクリアできますが、クレジットカード会社やカードローン会社は、アリバイ会社の電話番号を把握しているケースもあります。結局バレてしまって審査落ちとなる可能性が高いでしょう。
そもそも、クレジットカードの在籍確認は必ず行われるわけではありませんから割に合いません。
在籍確認の電話を職場の同僚が不審に思って、在籍していることを明かさないケースがあります。
クレジットカード会社名の電話を売り込みと思ったり、個人名の電話を怪しいと思い、用件を聞くまで担当者の在籍を分からないようにするなどが考えられます。。カード会社は絶対に用件を言わないので、結果的に在籍確認が取れないこともあります。
このようなことにならないよう、職場の同僚には事前周知しておいたほうが無難です。たとえば朝礼などで「今日カード会社から連絡が入るので、私につないでください。」「カード会社から個人名で電話が入るかも知れませんが、私宛で間違いないです。」などと伝えておきましょう。
ここまでクレジットカード会社の在籍確認について紹介して来ましたが、ほかにも知っておきたいさまざまな豆知識があります。ここではその中からいくつかピックアップして紹介します。
カードランクが高いと在籍確認は入りやすくなります。カードランクとはクレジットカードの格付けのことで、クレジットカードには年会費やサービス内容に則したランクがあるのです。
カードランクが低いほうから順に紹介しますと、一般カード(年会費無料・年会費有料)、シルバーカード(最近はほとんどない)、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードとなっています。
ブラックカードや一部のプラチナカードはカード会社からの招待(インビテーション)がないと申し込みすらできませんが、ほかのカードは自分から申し込みが可能です。
このカードランクが高いほどカード利用枠やキャッシング限度額が高くなるため、信用力が高くないと延滞リスクが高まります。そのため、カードランクに比例して審査難易度が設定されており、在籍確認有無もそれに相関してきます。
各種ローンなど借金があると在籍確認は入りやすくなります。もちろん収入とのバランスもあるので一概には言えませんが、同じ収入レベルなら借金がある人のほうが在籍確認が入りやすくなります。
特にカードローンのようなノンバンクローンを利用している場合には、信用力の裏付けとして在籍確認は入りやすいです。
借金があると多重債務になるリスクや延滞リスク、債務整理のリスクが高まるため、カード会社側も慎重になります。もちろん、借金額や借入れ件数なども踏まえて判断されますので、借金しているから必ず在籍確認が入るということではありません。
属性が低い場合も在籍確認が入りやすいです。正社員よりも派遣社員やパート・アルバイトの人のほうが入りやすいですし、持ち家よりも賃貸に住んでいる人のほうが入りやすいです。
そのため、日頃から属性を上げるように意識しておきましょう。副業で年収を上げたり、申し込み時期をずらして勤続年数を上げるなどの工夫をしましょう。
申込時には携帯電話番号だけでなく、固定電話番号も記載しておきましょう。携帯で事足りるからと言って固定電話番号を書かない人も多いようですが、信用力は固定電話番号のほうが上と見なされます。
回線を買取していた時代ほどではありませんが、今でも携帯電話より固定電話番号のほうが信用力は高いです。
在籍確認はクレジットカード会社から職場に入る電話確認のことで、カード審査の最後に入ります。ただ、必ず入るとは限らず、カードの事情に合わせた対応となっています。
在籍確認されたくない場合は、信用情報を健全にする、繁忙期に申し込むなどの対策をとるとよいでしょう。反面、回避目的での虚偽申告などは控えましょう。