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投資に欠かせないポートフォリオとは?意味や作成方法をFPが解説!

投資に欠かせないポートフォリオとは?意味や作成方法をFPが解説!

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大川 敦士

大川 敦士

おおかわ1級FP技能士事務所代表、日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャルプランニング技能士

大学卒業後、大手証券会社にて株式や投資信託等の販売営業に従事。2016年に退職し、FP事務所を開業。現在は、老後資金対策や介護と仕事の両立等の個別相談を中心に活動中。

この記事のポイント

  • 投資におけるポートフォリオの意味とは。
  • ポートフォリオの重要性について。
  • ポートフォリオの作成方法について。

投資について調べると「ポートフォリオ」という言葉を目にすることがあります。中にはよくわからないまま読み進めている人もいるのではないでしょうか。

しかし、実は「ポートフォリオ」は投資を検討する上で欠かせない基礎知識の1つと言っても良いぐらい重要です。そこで今回は、ポートフォリオの基礎知識や作成方法について解説します。

 

【投資におけるポートフォリオ①】ポートフォリオの意味・基礎知識

ポートフォリオの基礎知識

まずは、ポートフォリオを知る上で重要な基本的な内容を解説します。また、投資の世界では定説とされている考え方についても簡単に紹介します。

 

意味と語源

ポートフォリオには「書類入れ」の意味があり、もともとはイタリア語のポルタフォリオ(札入れ)が語源と言われています。日本では「作品集」の意味で使われることが多いです。

 

投資の世界におけるポートフォリオの意味

投資の目的や期間等から計算した資産配分比率に合わせて選択した具体的な金融商品の内訳のことです。ただし慣用的には、資産配分比率を示す言葉として使われることもあります

本来は資産配分比率のことをアセットアロケーションと呼ぶため、使い分けが必要ですが同義で使われることが多いです。

例えば、投資金額の半分を株式、残りの半分を債券に投資している場合であれば資産配分比率は株式50%・債券50%となります。そして、株式50%に対してどの株式をどれだけ組み入れ、債券50%に対してどの債券をどれだけ組み入れるのかを示したものがポートフォリオとなります。

野球のチーム作りに例えると野手と投手の比率がアセットアロケーション、具体的な選手の内訳がポートフォリオと言えるでしょう。

 

株式と債券を中心に特徴の異なる資産を組み合わせると良い

アメリカの経済学者であるマーコビッツは、株式と債券を組み合わせるとリターンは2つの平均値になるがリスクは2つの平均値以下になることを発見しました。つまり、様々な資産を組み合わせることでリターンを維持しながらリスクを軽減することができると言えます。

リスクを軽減できる主な理由としては、株式と債券が反対の値動きをすることが多く、相殺する力が強いことが挙げられます。そのため、同じ値動きをする資産を組み合わせてもリスクを軽減する効果は小さくなるので注意が必要です。

 

資産価値の主な変動要因は2つ

資産価値の変動要因には様々な種類がありますが、大きく分けると個別リスク(資産固有の要因)と市場リスク(市場全体の要因)の2つに集約できます。個別リスクとは決算内容や業績見通し等のことであり、投資においてはできるだけ避けた方が良いと言われています。

市場リスクとは為替変動や物価変動等のことであり、どの資産にも影響を与えることがあります。そのため、ポートフォリオ全体で考えると市場リスクを避けることは困難です。

 

個別リスク(資産固有の要因)を避けるためには400銘柄以上の分散が必要

以前は個別リスクを避けるためには数十銘柄程度で十分だと考えられていましたが、最近の研究結果ではさらに銘柄数を増やすことが必要だと考えられています。

具体的には、100銘柄以上で個別リスクの90%を避けることができ、400銘柄以上で個別リスクの95%を避けることができると言われています。

 

運用成績は資産配分で決まる

様々な調査結果から、投資の結果の約94%は資産配分で決まることが明らかになっています。つまり、個別の銘柄選択や売買のタイミングよりもポートフォリオの重要性が高いと言えます。

 

【投資におけるポートフォリオ②】ポートフォリオを作成する手順

ポートフォリオを作成する手順

いきなりポートフォリオを作成するのではなく、事前準備を入念に行うことが重要です。ここでは、先述した内容を踏まえて、ポートフォリオを作成する際の具体的なポイントについて解説します。

 

 

投資金額と目標金額を明確にする

まず初めに、投資金額を明確にすることが重要です。そして、その金額をいくらにしたいかを決めることが計画的な投資の実現につながります。投資金額や目標金額の設定は具体的な金融商品の選択にも影響するため、慎重に検討しましょう。

 

期間を明確にする

次に投資金額を目標金額にするための期間を考えます。例えば、5年後に使う予定の資金であればそれまでに目標金額を達成できるように計画を立てることが重要です。

 

1年間の目標を計算する

目標と期間が決まれば、あとは1年間にどの程度増やしていく必要があるのかを確認します。多くの場合、金融商品のリターンやリスクは年率で表記されているため、1年単位で考えることが重要です。

 

比率を決めて金融商品を選択する

1年間に必要なリターンを基に各資産の比率を決めて、具体的な金融商品を選択します。業種や会社の規模等を基準に複数の商品に分散することで個別リスクの軽減につながります。

 

【投資におけるポートフォリオ③】手軽にポートフォリオを作る方法

手軽にポートフォリオを作る方法

ポートフォリオの重要性については十分に理解していただけたのではないでしょうか。しかし、最大の問題はポートフォリオの作成に手間がかかることです。

特にこれから投資を始める人や経験の浅い人にとっては簡単な作業ではありません。そんな時は、第三者の力を有効活用することも検討してみると良いでしょう。ここでは、2つの選択肢を紹介します。

 

①専門家に依頼する

お金の専門家と呼ばれることもあるファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナーに相談するメリットは、完全オーダーメイドのポートフォリオを作成できる点です。一方、デメリットは相談料がかかる点です。特に相談回数が複数回になると相談料も高額になるので注意が必要です。

また、ファイナンシャルプランナーにも得手不得手があるので、資産運用を得意としているかどうかは事前に確認しておくと良いでしょう。

 

②ラップ口座(投資一任口座)を利用する

ラップ口座とは金融商品の選択等を金融機関に一任することができるサービスです。具体的なサービス内容は金融機関によって異なりますが、一般的には、いくつかの質問に答えるだけで自動的にポートフォリオを作成してくれます

ただし、あらかじめ用意されたポートフォリオの中から意向に近いものを選択するので自分にぴったりのポートフォリオになる可能性は低いと言えます。

ラップ口座を利用するメリットはポートフォリオを作成する手間が大幅に省ける点です。また、定期的に状況報告が行われるので運用経過を頻繁に確認する手間も省けます。

一方、デメリットは手数料がかかる点です。ラップ口座の場合、投資金額の1~3%程度が年間の手数料として差し引かれることが多く、投資金額が高額になれば年間手数料も高額になると言えます。

また、最低投資金額が設定されていることが多く、まとまった資金を用意してからでないと利用できない点にも注意が必要です。

 

まとめ:ポートフォリオが投資の結果を左右する

計画的な投資を実現するためにはリターンとリスクの管理が欠かせません。特に長期投資においては、意向に沿ったポートフォリオを作成することが重要です。

過去の研究や調査等によりポートフォリオの重要性は明らかになっており、投資の結果を左右する大きな要因と言えます。また、適切なポートフォリオを作成できればリスクを調整することが可能になり、効果的な投資につながると言えます。

ポートフォリオの作成においては、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談すると良いですが、専門家のアドバイスを有効活用するためには基礎となる考え方を理解しておくことが重要です。

 

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