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【完全ガイド】確定拠出年金iDeCoの始め方!手続き方法・必要書類をFPが解説

【完全ガイド】確定拠出年金iDeCoの始め方!手続き方法・必要書類をFPが解説

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世良 真貴男

世良 真貴男

2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士

大手小売業の経営コンサルティングを経て、ファイナンシャルプランナーへ転身。 年間200組以上を担当し、家計や保険、住宅ローン、相続や資産運用など、顧客の資産を最善化するカウンセリングを行っている。

この記事のポイント

  • iDeCoの掛金は月々5,000円からでも可能。今の生活に無理のない範囲で検討する。
  • iDeCo口座の開設は使い勝手の良い金融機関がおすすめ。手数料の安さも比較検討のポイント。
  • 会社員や公務員は事業主の証明が必要なため、手元に書類が届いたら早めに依頼すべき。

「人生100年時代」といわれる中で、老後の生活資金に漠然とした不安を抱えていながらも、「どうやって準備すれば良いんだろう?」と悩んでいる人は少なくありません。そんな人におすすめな貯蓄方法として、確定拠出年金iDeCoへの注目が高まっています。

この記事では、「iDeCoは聞いたことはあるけど、なんだか難しそう」と考えている人に向けて、iDeCoの仕組みやメリット、始め方や必要な書類について解説します。制度の仕組みを正しく理解して、自身の老後生活に向けた準備を着実に進めていきましょう。

 

確定拠出年金iDeCoって何?

確定拠出年金iDeCoって何?

誰でも始められる個人型の確定拠出年金

iDeCoとは、老後の生活資金のために自分で準備する私的年金制度のことです。毎月一定額を積み立て(拠出して)、定期預金や保険・投資信託などの金融商品を自分で選んで運用し、将来年金または一時金で受け取る仕組みです。

iDeCoは日本在住の20歳以上から60歳未満の人であれば、原則として誰でも始めることができます。

そもそも確定拠出年金とは2001年に開始されたもので、公的年金の上乗せとして、自分で掛金を運用して資産をつくっていく制度のことです。

それまでは企業にとって社員に向けた退職金準備という意義が強かった制度ですが、2017年1月から加入の対象が公務員やアルバイト・専業主婦などにも幅広く拡大し、個人向けの確定拠出年金としてiDeCoの名が世に広く広まるようになりました。

 

iDeCoが必要とされる理由

厚生労働省の「簡易生命表(平成28年)」によると、65歳時の平均余命年数(あと何年生きるか?)は、男性で19.55歳、女性で24.38年となっています。65歳でリタイヤし就労収入がゼロになってからも、あと20年~25年は老後生活が待っています

また、総務省の「家計調査年報(平成28年)」によると、65歳以上の無職世帯の1か月あたりの生活において、実収入から税金・社会保険料を差し引いた可処分所得が約18.3万円に対し、食費や住宅費などの消費支出は約23.8万円とされています。つまり、1ヶ月あたり約5.5万円が不足している計算になります。

これはあくまでも平均値であり、全ての世帯に同じことがいえるとは限りませんが、老後に向けた生活資金の貯蓄はあらゆる人に必要です。将来に向けて資金を準備する手段として、誰でも取り入れることができる仕組みがiDeCoです。

 

iDeCoには3つの税制メリットがある

iDeCoが選ばれる理由は、3つの税制メリットにあります。

  1. 掛金の全額が所得控除の対象になる
  2. 運用によって得られた利益は非課税になる
  3. 受け取りの際に税制優遇がある

 

1:掛金の全額が所得控除の対象になる

iDeCoで積立を行う月々の掛金は、全額を所得から控除することが可能です。掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、確定申告や年末調整にて申告をすることで課税所得額を抑えられ、所得税の負担を減らすことができます。

 

2:運用によって得られた利益は非課税になる

株式や投資信託によって得られた運用益には、通常であれば20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで得た運用益は非課税となります。運用によって得られた利益をそのまま次の運用に回すことができ、利益がさらに次の利益を生む複利の効果が得られます。

 

3:受け取りの際に税制優遇がある

iDeCoは60歳以降で受け取る際に、年金で受け取るか、一括で受け取るかを選択できます。

年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用され、公的年金などの収入と合算した金額が年間60万円(65歳以上は110万円)までは税金がかかりません。

一括で受け取る場合は退職所得控除が適用され、加入年数に応じて所得控除が受けられます。例えば40歳から60歳までの20年間積み立てた場合、所得控除額は800万円となるため、受取額が800万円以下であれば税金はかかりません。

 

iDeCoは月々5,000円からでも始められる

収入の事情により、毎月そこまで大きな金額を貯蓄できない人でも、iDeCoは毎月5,000円から開始できます。それ以上は1,000円単位で上乗せしていくことができるため、自身の収入に合わせて積立金額を設定できます。掛金は申し込み時に設定しますが、変更は年に1回のみ可能です。

個人年金保険などの保険商品と異なり、掛金拠出の休止や再開はいつでも可能です。金銭事情によってその月の積立が困難な場合、保険であれば一定期間支払いがなければ契約は失効してしまいますが、iDeCoの場合は未納扱いとはなるものの、強制的に解除されることはありません。

 

iDeCoに加入するときの注意点

老後の生活資金のために有効な手段であるiDeCoですが、加入を検討する上で注意すべきポイントがあります。税制優遇のメリットは確かに大きいですが、同時にデメリットと捉えられる点もありますので、十分に把握した上で加入を検討しましょう。

 

iDeCoの加入条件

会社員・公務員・アルバイトでも加入できる

iDeCoは、日本在住で20歳以上60歳未満かつ公的年金に加入している人なら加入できます。職業に関する加入制限もなく、自営業者・会社員・公務員・学生や主婦などどんな人でも加入は可能です。

しかし、自営業者で国民年金保険料の全額または一部免除を受けている人や、学生で保険料猶予を受けている人などは加入できないため、注意が必要です。また、加入条件の幅は広いですが、それぞれの職業に応じて拠出できる上限金額があります。

職業 月額上限金額 年間上限金額
自営業・アルバイト 68,000円 816,000円
会社員(企業年金に未加入) 23,000円 276,000円
会社員(企業型確定拠出年金のみ加入中) 20,000円 240,000円
会社員(企業型確定拠出年金以外の企業年金に加入中) 12,000円 144,000円
公務員・教職員 12,000円 144,000円
専業主婦(夫) 23,000円 276,000円

将来に向けた貯蓄としてメリットも多いiDeCoですが、その恩恵を受けられる金額にも上限があるため、他の制度と組み合わせながら上手に活用しましょう。

 

60歳までは引き出せない

iDeCoは老後の生活資金として活用することを目的にした貯蓄であるため、60歳までは引き出すことができません。また60歳で引き出すためには、10年以上加入していることが条件になります。つまり、60歳時点で加入している期間が5年だった場合は、65歳まで引き出すことができません。

毎月の掛金の拠出が難しくなったとしても、死亡した場合や障害状態になった場合以外は原則として中途解約できません。年に1回は掛金の変更が可能ですが、毎月の負担は無理のない程度で設定することが重要です。

 

運用リスクは自己責任

iDeCoは毎月拠出する掛金を投資・運用する商品です。よってその運用成果は、市場環境によって変動します。運用が上手くいけば高い収益を得ることができますが、市場環境の動向によっては元本を下回ってしまうリスクもあります。そのリスクは全て自己責任です。

iDeCoの運用先として指定する商品には、顧客のリスク許容度に応じて、元本確保タイプや価格変動タイプなど様々な種類があります。運用先は途中で変更することも可能ですが、自身のリスク耐性に応じた運用商品選びが重要となります。

 

iDeCoの加入方法・手続きの流れ(必要書類など)

 

iDeCoの加入方法・手続きの流れ(必要書類など)iDeCoの加入方法や手続きの流れ、必要な書類などを解説します。いざ始めようと思っても、手続きが完了するまでに1~2か月間の期間を要します。あらかじめ手順を把握し、円滑にスタートできるよう事前に準備しておきましょう。

 

 

iDeCoの加入手続きの流れ

iDeCoの加入手続きの流れは、以下の通りです。

  1. 金融機関を決める
  2. 掛金を決める
  3. 運用商品を決める
  4. 加入申込書を記入する
  5. 勤務先の事業主証明書を入手する(会社員・公務員の場合)
  6. 必要書類を提出し、国民年金基金連合会の審査を受ける

 

1:金融機関を決める

iDeCoに加入しようと思ったら、まずは専用口座を開設するための金融機関を選びます。銀行や証券会社・保険会社など、様々な金融機関でiDeCo専用口座の取り扱いを行っていますので、自分の使い勝手の良い金融機関を選びましょう。

iDeCoを開始するには以下のような手数料がかかります。この手数料は取り扱い金融機関によって異なるため、手数料を比較して金融機関を選ぶのもポイントです。

  • 口座開設にかかる手数料
  • 口座維持管理に必要な手数料
  • 運用に必要な手数料

iDeCoをどこで始めるか迷っている人は、以下の記事を参考にしてください。

 

2:掛金を決める

毎月積立を行っていく金額を設定します。月々5,000円から1,000円単位で設定可能ですが、毎月の生活を圧迫しないよう無理のない金額で継続することが重要です。

 

3:運用商品を決める

選定した金融機関の運用商品ラインナップの中から、自身のリスク耐性に合わせた運用商品を選択します。運用リスクは自己責任となるため、慎重な選定を心掛けましょう。

 

4:加入申込書を記入する

加入申込書に必要事項を記入し提出します。加入申込書は金融機関の窓口で受け取るか、電話での依頼、または金融機関のウェブサイトから郵送で手配することが可能です。

 

5:勤務先の事業主証明書を入手する(会社員・公務員の場合)

会社員や公務員の人は、「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を勤務先の事業主に記入してもらい、申込書と一緒に提出します。

 

6:必要書類を提出し、国民年金基金連合会の審査を受ける

加入希望者から提出された書類は、金融機関からiDeCoを統括する国民年金基金連合会に送られ、審査を受けることになります。審査に合格すれば、金融機関から口座開設のお知らせが、国民年金基金連合会からは加入資格確認結果通知が届き、加入手続きが完了します。

 

iDeCo口座開設に必要な書類は2つ

iDeCoの口座開設において準備しなければいけない必要書類は、大きく分けて2つあります。

  1. 加入申込書(金融機関から手配)
  2. 事業主の証明書(会社員・公務員の場合のみ)

 

1:加入申込書

iDeCo口座を開設する金融機関にて入手する書類一式です。申し込みの際は必要事項を記入して提出します。加入申込書には基礎年金番号の記載欄があり、年金手帳から転記する必要があるため事前に準備しておきましょう。

また、以前に企業型確定拠出年金に加入していた人は、個人別管理資産移換依頼書の提出が必要です。

 

2:事業主の証明書

会社員や公務員の場合のみ提出が必要な書類です。自営業者やアルバイト・専業主婦の人は提出の必要はありません。

加入申込書一式に入っている「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を、勤務先の総務部などの担当部署に依頼し、事業主の証明をもらう必要があります。

事業主の事情によって証明書の受け取りに時間を要する場合も考えられますので、書類が手元に届き次第、早めの依頼を行いましょう。

 

確定拠出年金iDeCoの始め方に関するまとめ

老後の生活資金を準備するための有効な手段として注目が集まっているiDeCoですが、加入方法は決して難しいものではありません。将来に向けて貯蓄しながら、税制優遇のメリットが得られるiDeCoを上手に活用し、老後への不安を安心に変えましょう。

 

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