- 少額から始めるならドルコスト平均法を活かした積立投資がおすすめ。
- 数百万円の資金を運用するなら債券投資がおすすめ。
- 1000万円以上の資金を運用するなら分散投資がおすすめ。
- 時間分散と資産分散を使い分ける。
公開日:2018年10月15日
超低金利の昨今、将来の老後生活を見据えて資産運用を始める人が増えています。特に30代・40代の若い世代は年金を十分に受け取れない可能性もあり、自助努力の必要性を感じている人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、これから資産運用を始めようと考えている人が何から始めれば良いのかを紹介します。
また、投資初心者の方はこちらの記事を読み進めるのもおすすめです。
目次
これから資産運用を始めようと考えている人の中には、いきなり大きな金額を投資しようと考えている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、安い時にまとまった金額を投資できれば理想的ですが、安い時を見極めるのは困難です。そこで、一つの選択肢として、買う時期を分散して一回当たりの投資額を小さくする方法があります。
今回は積立投資に適した「ドルコスト平均法」と呼ばれる方法のポイントを紹介します。ドルコスト平均法とは、一定金額を定期的に投資することで購入価格の平均額を低下させることを意図した方法です。
少額からコツコツと始めたい人やいきなり大きな金額を投資することに抵抗を感じる人におすすめです。
毎回、同じ金額で同じ商品を購入することが最大のポイントです。
継続的に投資することで価額が高い時には購入口数が少なく、価額が安い時には購入口数が多くなり、平均購入価額を下げる効果が期待できます。購入ペースは月1回程度が一般的です。
平均購入価額を下げるためには、価額の変動幅が大きい方が効果的です。大きく値下がりすれば、その分、購入できる口数が増えるので平均購入価格を下げる効果も大きくなります。
老後資金形成等を目的にした長期投資の場合には、目先の値動きに一喜一憂する必要はありません。
金融危機等が原因で一時的に大きく値下がりすることもありますが、長期的な視野で考えれば平均購入価額を下げることができるので、メリットと捉えることもできます。
最大の焦点は、途中経過ではなく、売却する時の価格が平均購入価格を上回っているかどうかです。
例えば株式に投資した場合、投資先の企業が経営破綻してしまうと資産価値がゼロになります。投資には付き物のリスクで、不動産投資や仮想通貨投資等にも同様のリスクがあります。
また、価格が下落するばかりで上昇する気配がない場合も注意が必要です。これらのリスクを軽減するためには、投資対象を分散することが効果的です。
手軽に分散投資を行うのであれば投資信託を利用すると良いでしょう。ただし、株式や債券等の特徴の異なる資産に投資しているバランス型の投資信託ではなく、特定の資産だけに投資している投資信託を選ぶことが重要です。
具体的には、日本株や米国株に投資している投資信託がおすすめです。
毎回の積立金額に対して積立金額の合計額が大きくなると、平均購入価額を下げる効果が小さくなるので注意が必要です。通常は、このタイミングで分散投資に切り替えます。
切り替えるタイミングは、積立金額の合計金額が500万円前後を目安にすると良いでしょう。
最近話題のiDeCoや積立NISAを利用することで運用益が非課税になります。通常であれば、運用益に対して20.315%の税金が引かれるのでメリットは大きいです。
100~500万円前後の投資額の場合には債券投資が有力です。債券投資であれば一部の例外を除いて、購入時に金利や期間等の条件が確定し、満期時の金額も確定します。
一般的には、株式や投資信託等と比べて収益性が低い反面、安全性が高いと言えます。そのため、元本割れのリスクをできるだけ小さくしたい人におすすめです。
一般的には債券も株式と同じように価格が変動しますが、個人向け国債は価額が変動しないので、安定した運用が期待できます。また、少ないながらも預金よりは良い金利が期待できます。
ただし、1年間は中途換金できない点、中途換金時には直近2回分の利息相当額が差し引かれる点には注意が必要です。
多くの場合、1%以上の高金利が期待できます。ただし、運用期間中に金利や期間が変更になる等の特殊な条件が付いていることが多く、商品性を正しく理解した上で検討することが重要です。
また、個人向け国債とは異なり、価格が変動するため、売却時の価格が発行時の価格を下回る可能性がある点には注意が必要です。そのため、 債券の種類にかかわらず、途中解約を前提にした債券投資は避けた方が良いでしょう。
各債券の具体的な金利や期間等の条件については、証券会社等のWebサイトで確認することができます。
まとまった資金を投資する場合には、できるだけ投資額を下回らないように管理することが重要です。特に全体の金融資産に占める割合が大きい場合には細心の注意が必要です。
投資額が1000万円以上になると分散投資を考えた方が良いでしょう。
値動きの異なる資産に分散することで全体の変動幅を小さくする効果が期待できます。一般的には、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券を中心に分散します。金や不動産等は補完的な役割として考えると良いでしょう。
投資資金を各資産にどのように振り分けるかが重要です。資産配分比率によって資産全体のリターンとリスクの大きさが決まります。年齢・家族構成・金融資産・将来の意向等を考慮して決めることが重要です。
各資産の値動きにより、資産配分比率が大きく変化した場合には当初の比率に調整することが重要です。調整せずに放置しておくと、分散効果が小さくなる可能性があります。
資産配分比率の決定・調整には、専門的な知識が必要です。慣れるまではファイナンシャルプランナー等の専門家に相談した方が良いでしょう。
金融機関であれば無料で相談に応じてくれます。いつでも気軽に相談できるので、信頼できる金融機関の担当者と仲良くなっておくと心強いです。
主な選択肢はバランス型の投資信託と各金融機関独自の投資一任サービスです。投資信託はあらかじめ決められた資産配分比率で運用されるので、各々の意向に合う資産配分であれば有効な選択肢になります。
一方、投資一任サービスではヒアリングを基に資産配分比率を設定するため、ある程度は希望通りの資産配分比率で運用することができます。どちらを選ぶかは手数料等のコストも考慮して総合的に判断すると良いでしょう。
例えば、コストを最小限に抑えるのであれば、ネット証券のロボアドバイザーや資産管理アプリ等を利用するのも有効です。ただし、ある程度の知識が必要になる点には注意が必要です。
マネー関連の雑誌やWebサイト等では、毎回の投資額を複数の資産に分散しながら、ドルコスト平均法を用いた積立投資を実践することを推奨している場合があります。しかし、両者の併用はメリットが小さいと言えます。
一括投資においては、値動きの異なる資産に分散することで全体の値動きを小さくすることができますが、積立投資においては特定の商品に集中投資することが重要であり、投資先を分散してしまうとドルコスト平均法のメリットが小さくなります。
つまり、少しずつ積み立てる積立投資には時間分散、まとまった資金を一括投資する場合には資産分散が有効であり、両者の特徴を把握した上で正しく使い分けることが重要です。
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