- 学資保険は、「生命保険料控除」の対象で、所得控除が受けられ、税金が安くなる。
- 学資保険の控除額は、契約時期で計算式が変わる。
- 受取人が親族でなくなった際は、「生命保険料控除」の対象外となる。
公開日:2018年12月19日
お子さんの将来の学費に備える学資保険。保護者などの契約者に万が一の場合には、その後の保険料の納入が免除になる生命保険の一面があります。
生命保険は掛け金の一部に対して、所得控除を受けることができます。「生命保険料控除」という制度で、その年に払った掛け金の一部が戻ってくるのです。
いくらくらい戻ってくるのか、誰がもらえるのか、どうやってもらうのか、そんな疑問にお答えしましょう。
目次
お子さんの学資を貯めよう!という際は、学資保険の他に、さまざまな貯蓄方法がありました。
銀行預金や投資信託、ジュニアNISA、変わったところで「教育資金の一括贈与(祖父母、父母などからの学資贈与)」など、元本保証も保障なしもあり、それぞれ一長一短です。
詳しくは学資保険の必要性は本当にある?他とは代えがたい学資保険のメリットとは?をご覧下さい。
学資を貯める商品の中で、学資保険は唯一生命保険の仕組みを利用している商品です。というわけで、学資保険だけが「生命保険料控除」を利用できることになります。「生命保険料控除」とは何か、次項で詳しく見て見ましょう。
「生命保険料控除」は、14種類ある所得控除の1つです。適用できると、その分税金の計算の元になる「所得(給与所得控除などを差し引いた金額)」から生命保険料控除分を減らすことができるので、所得税や住民税が安くなるのです。さらに、会社員の方は年末調整で、自営業の方は確定申告で申請すれば、多く払っている税金があれば返還してもらえます。
ここで、「どうして生命保険料を払っていると、所得控除してもらえるの?」という疑問が湧きますね。所得控除してもらえる制度ができたのは、国が「国民の皆さん、世帯主などの主に家計を支える人の万が一の場合に備えてくれるのは、すごく良いと思う」と生命保険に入ることを応援しているからです。同じ理由で、医療保険や介護保険の掛け金にも所得控除があります。
学資保険は、生命保険の一種なので、契約した人=「生命保険料控除」の対象になります。学資保険を契約したら、ほぼ全員が「生命保険料控除」が使える!ということですね。ただし、保険期間が5年未満の契約のものは例外になり、対象から外れます。
「生命保険料控除って、年末調整で証明書を出すやつですね!」という経験者の方もいらっしゃるかもしれません。会社員や公務員の方は、勤務先でまとめて「年末調整」をやってもらえるので、お馴染みの制度ですね。
では、個人事業主など、「年末調整」に縁のない場合はどうなるのでしょうか。お勤めの場合と、個人事業主の場合に分けて確認してみましょう。
会社員や公務員の方は、先ほどもお伝えしましたとおり、勤務先で「年末調整」をお願いします。具体的には、平成30年以降は「平成00年分給与所得の保険料控除等申告書」で申告します。必要な添付書類は、契約している保険会社から10月~12月くらいに送られてくる「生命保険料控除証明書」です。
自営業の方は、確定申告の際に「生命保険料控除」の項目に記入し申告します。必要な添付書類は、会社員の方と同じ契約している保険会社から10月~12月くらいに送られてくる「生命保険料控除証明書」です。
会社員でも自営業でも等しく受けられる「生命保険料控除」ですが、具体的な控除額が知りたくなってきますね。この項では、具体的な学資保険の年間掛け金からいくら控除してもらえるのか、計算してみましょう。
その前提となるのが、学資保険の契約時期がいつかということです。保険契約を結んだ日が平成24年1月1日以降と、それ以前(平成23年12月31日以前)で生命保険料控除の取り扱いが少し違います。平成24年1月1日以降を新契約、それ以前を旧契約と呼んで区別しています。
年間の支払保険料から、控除額を計算する表を国税庁のデータから見てみましょう。
年間の支払保険料 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等x1/2 +10,000円 |
40,000円超 80,000万円以下 | 支払保険料等x1/4 +20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000万円 |
「旧契約」も、同じく年間の支払保険料から、控除額を計算する表を国税庁のデータから見てみましょう。
年間の支払保険料 | 控除額 |
---|---|
25,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
25,000円超 50,000円以下 | 支払保険料等x1/2 +12,500円 |
50,000円超 100,000万円以下 | 支払保険料等x1/4 +25,000円 |
100,000円超 | 一律50,000万円 |
※医療保険や介護保険の保険料は、旧契約です。
※支払保険料とは、その年に支払った保険料―余剰金―割戻金を言います。
学資保険以外の生命保険や医療保険などに加入していることもあるかもしれません。保険契約1件について全て同じ控除額が適用されると良いのですが、何件も加入する人と少ない加入の人の不公平感をなくすため、控除の上限が決められています。
新契約のみ、旧契約のみの場合はそれぞれの当てはまる計算式を使い、新旧両方の契約がある際は、最高40,000円までの合計額が控除されます。また、学資保険や生命保険、個人年金保険、医療保険や介護保険の生命保険料控除額の上限は、合計で120,000円です。
控除額の計算式が分かったところで、一度年間の支払い保険料から、「生命保険料控除額」を計算してみましょう。
平成25年4月に学資保険を契約した田中さんの場合。
毎月12,000円積み立てている田中さんの年間保険料は12,000円x12=144,000円です。
平成25年4月の契約は「新契約」です。80,000円超は一律40,000円の控除のため、田中さんが受けられる控除は40,000円になります。
「生命保険料控除額」の計算例はいかがでしたか?我が家の支払額から控除額を計算されましたでしょうか。
次に、国税庁のホームページに紹介されている、ありそうで判断に困る例を見てみましょう。
生命保険料控除の対象となる「生命保険契約等」とは、契約者が誰かという要件がありません。
「保険金等の受取人の全てをその保険料の払込をする者(この場合、夫)またはその配偶者(この場合、妻)その他の親族とする者をいい・・・」と、規定されています。
妻が契約者でも、保険料を払った夫の生命保険料控除の対象となります。
離婚してしまうと、学資保険の受取人である元妻が「その保険の受取人の全てが、自己または自己の配偶者その他の親族である」という要件を満たさなくなってしまいます。
保険料を支払った際の現況で生命保険料控除の対象となるかどうか判定されますので、離婚された際は、迅速に受取人を親族に変更すれば、生命保険料控除を受けられます。
学資保険は生命保険の一種のため、「生命保険料控除」を受けられることが分かりました。また、保険料控除の具体的な金額は、平成24年1月1日以降を新契約、以前を旧契約と分けて計算する計算式を紹介しました。
最後に、学資保険の受取人が親族でなくなった際は、急ぎ受取人の変更をするべきという情報を紹介させていただきました。学資を貯める際の学資保険の大きなメリットである「生命保険料控除」をしっかり活用しましょう。
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