- がん保険は「保障範囲を絞るか・保障金額を下げるか・保険期間を短くするか」で「安い」保険料にしていくことができる。
- 「安い」がん保険を選ぶには上記の3つのポイントを踏まえて検討するのが良い。
- 「必要な保障を外していないか・十分な保障金額か・更新後の保険料が高くなることを理解しているか」確認した上で加入する。
公開日:2019年1月22日
がん保険の加入を検討しているけれど、できる限り「安い」保険料で加入したいという方は多いと思います。家計への負担を考えると、少しでも「安い」保険料で、がん保険に加入したいというのは自然な考え方です。
あるいは、今後の環境の変化が予測できないけど、とりあえずがん保険には入っておきたいということで、「安い」保険料のがん保険を探している方もいらっしゃるかもしれません。今回は「安い」がん保険の検討ポイントと注意点をわかりやすく説明していきたいと思います。
なぜ、安いがん保険と、そうではないがん保険があるのでしょうか?ここでいう「安い」とは、保険料が「安い」という意味ですが、同じ保険会社のがん保険でも「安い」商品とそうではない商品とはどこが違うのでしょうか?
保険料を安くするポイントは、保険商品の仕組みから大きく3つあります。順番に確認していきましょう。
なお、保険商品の仕組みについてはこちらをご覧ください。
まず最初は保障範囲の観点です。結論からいうと保障範囲が絞られると保険料は安くなっていきます。具体的な商品を取り上げて確認したいと思います。
取り上げる商品は、ライフネット生命の「がん保険ダブルエール」です。
それではダブルエールの保障内容を確認していきましょう。以下の通りの保障内容となっています。
がん診断一時金 | 一時金として100万円 |
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上皮内新生物診断一時金 | がん診断一時金×50% |
上記の保障内容をご覧いただくとわかるのですが、がんと診断された時の保障だけになっています。通常のがん保険の保障内容は、次のような保障が含まれています。
ところがダブルエールは、上記の1の保障範囲しかありません。保障範囲を2~5まで広げていくと、保険料が1,437円から上がっていきます。
具体的に比較してみましょう。先ほどの保障内容に、いくつかの保障を追加します。
がん診断一時金 | 一時金として100万円 |
---|---|
上皮内新生物診断一時金 | がん診断一時金×50% |
治療サポート給付金 | がん・上皮内新生物の治療(手術・放射線治療・抗がん剤治療)を受けた月ごとに、月に1回10万円(回数無制限) |
がん収入サポート給付金 | がんと診断された翌年から、生存1年ごとに最大5回まで50万円(1回につき、がん診断一時金の半額) |
がん先進医療給付金 | がんの治療で先進医療を受けたとき、先進医療にかかる技術料と同額(通算2,000万円まで) |
そうすると、30歳女性の月払保険料は4,663円となり、1,437円から3倍近くになることがわかります。逆に言うと保障範囲をしぼることで保険料を安くすることができるのです。
「安い」がん保険のポイント①:保障範囲を絞り込んでいる
次に2つめのポイントは保障金額の観点です。先ほどのダブルエールを具体例として確認していきましょう。
がん診断一時金 | 一時金として100万円 |
---|---|
上皮内新生物診断一時金 | がん診断一時金×50% |
上記のがんと診断された場合の保障として「がん診断一時金」が100万円となっていますが、この保障金額が300万円になった場合はどうなるでしょうか?
がん診断一時金 | 一時金として300万円 |
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上皮内新生物診断一時金 | がん診断一時金×50% |
がん診断一時金が100万円から300万円に3倍となると、保険料も1,437円から4,311円と3倍になっていることがわかります。逆に言えば、保障金額を300万円から100万円に下げることで保険料を安くすることができるのです。
「安い」がん保険のポイント②:保障金額を引き下げている
最後の3つめのポイントですが、保険期間の観点です。保険期間とは、保障がいつまでつづくのかという期間です。そのため、保険期間が長くなればなるほどがんに罹患するリスクが大きくなるため、保険料も高くなるのです。
このことも具体的な商品で確認してみましょう。取り上げるのは、東京海上日動あんしん生命の「がん治療支援保険NEO」です。がん治療支援保険NEOの保障内容を確認しましょう。
診断給付金 | 1回100万円 |
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入院給付金 | 1日につき1万円 |
手術給付金(放射線治療含む) | 1回につき20万円 |
通院給付金 | 1日につき1万円 |
このがん治療支援保険NEOには、保険期間が10年間のタイプ(10年タイプ)と一生涯のタイプ(終身タイプ)とがあります。
まず10年タイプの保険料を確認しましょう。10年タイプということは、10年間という一定期間だけがんの保障をする、ということになります。
10年タイプに対して終身タイプというのは一生涯の期間、すなわち亡くなるまでがんの保障をしてくれるという商品です。なお補足として、終身タイプには、悪性新生物保険料払込免除特則という、がんに罹患した以後は保険料が支払免除となる保障がついています。(10年タイプにはありません。)
10年タイプと終身タイプの保障内容や保障金額はほとんど同一です。しかしながら確認いただいた通り、10年タイプは1,582円であり、終身タイプの2,975円の約半額の安さであることがわかります。したがって、保険期間が短くなればなるほど、保険料は安くなるのです。
「安い」がん保険のポイント③:保険期間を短くしている
これまで見てきた通り「安い」がん保険のポイントは以下の3つとなります。
この3つの観点から商品を見極めていくことで、「安い」がん保険を選ぶことができます。
具体的には以下の3つの観点から検討していただくことをお勧めします。
ここまで「安い」がん保険を選ぶポイントについて説明をしてきました。しかしながら「安い」保険料にこだわるあまり、本来がん保険に加入する目的が達成できないと意味がありません。自分にとって必要な保障は何かをしっかりと検討したうえで、優先順位が高い保障にしぼりこむことが重要です。
自分にとって必要な保障をどのように考えたらよいかについては、別の記事に詳細を記載しましたのでご覧ください。
また、保障範囲と同様ですが保障金額についても抑えすぎないことが重要です。がん保険の本来の機能とは、毎月一定の保険料を負担していることで、がんになった時の緊急かつ多大な経済的費用を手当てしてくれるというものです。この経済的費用の手当ての具体的な金額が保障金額です。
ですから「安い」保険料にしたいからといって、やみくもに保障金額を低くしてしまうと、がんになった時に給付金を受け取ったが不十分だった、ということになりかねません。
がんになった場合の経済的負担については、以下の記事で詳細を記載しましたので参考にしてください。
そして最後は、保険期間を短くして加入した場合に将来的に発生する注意点です。保険期間を短くして加入する場合、10年間というように年単位で区切って加入することになると思います。
これは10年間の保険加入ですが、ほとんどの保険会社では10年間経過後に(自動)更新といって、さらに次の10年間にわたって保険を継続する制度を設けています。
例えば30歳で加入して10年経過後の40歳になったら、また50歳まで次の10年間を保険契約を更新しましょう、という制度なのです。この更新自体は問題ないのですが、更新後の保険料が注意点です。先ほど取り上げた、がん治療支援保険NEOで更新後の保険料を確認してみましょう。
年齢 | 月払保険料(女性) |
---|---|
30歳 | 1,582円 |
40歳 | 2,360円 |
50歳 | 2,902円 |
60歳 | 3,920円 |
70歳 | 5,282円 |
更新するごとに保険料が増加していくことがわかります。ちなみに終身タイプの場合は2,975円で一生涯変更はありません。10年後の保険料が高くなることを納得したうえで、「安い」がん保険に加入することを決める必要があるのです。
「安い」がん保険を選ぶポイントについて確認をしてきました。がん保険の保険料が安くなっているポイントは、以下3つとなります。
これらの3つのポイントをふまえて商品を検討することで、「安い」がん保険を選ぶことができます。
しかしながら、「安い」がん保険を選ぶことによって、必要な保障まで外していないか、十分な保障金額となっているか、更新後の保険料が高くなることを了解しているか、などの注意点を理解して納得しておくことが重要です。
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