公開日:2019年9月17日
今や世帯加入率が62.8%(注)となっているがん保険。生命保険を検討する際の保険種類として、その認知度は高くなっています。
しかし、一方で「本当にがん保険って必要なの?不要ではないの?」という疑問をいだく方もいらっしゃるようです。
今回は具体的なケース(がん保険に入らなかった場合と、がん保険に入っていた場合)を設定して、がん保険が必要なのか不要なのかをどのように考えればよいかをわかりやすく説明していきたいと思います。
注:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する実態調査」
がん保険が必要か不要かの前に、がん保険の仕組みや基礎知識が知りたい方はこちらをご覧ください。
それでは早速、ある具体的な人物像を設定して、がん保険に入らなかった場合と入っていた場合とを比較していきます。
まずはがん保険を不要と考え、加入していなかった場合を考えてみましょう。
30歳女性のAさんは独身の会社員(年収400万円)で一人暮らしをしています。
このAさんが、がん保険に入っていないまま、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんとの診断を受けたとしましょう。
入院後乳房温存手術を行い、1週間入院後に退院となりました。その後5週間にわたって放射線療法を受けたと仮定します。
皆さまご存知の通り、がん保険に入っていなかったとしても公的な医療制度があります。
今回のAさんの場合では、この公的な医療制度はどのように適用されて、Aさんの自己負担はどのぐらいになるのかを確認していきましょう。
まず、Aさんに対する治療費総額はどれぐらいになるでしょうか?
乳がんの専門学会でのデータをもとに試算すると以下の通りとなります。
上記の治療費合計122万円はあくまで総額であり、皆さんが負担する金額ではありません。
公的な医療制度が適用されて、皆さんの負担は通常この治療費総額の3割となります。
自己負担額の治療費をあらためて示すと以下の通りで合計37万円となります。
さらに、高額療養費制度というものがあり、1ヶ月の自己負担額は、80,100円+(267,000円を超えた額)×1%が限度となります。
今回は入院後6週間が経過したケースですが、仮に1ヶ月間で37万円の自己負担額であったとすると、自己負担額は81,100円程度となります。
以上の通り今回Aさんが、がんに罹患して治療する際にかかる自己負担額を確認してきました。
がん保険に入っていなかったとしても、こうした負担額をまかなえる貯蓄があればとりあえずの対処は大丈夫ということになります。
ただし気をつけていただきたい点があります。
今回のケースでは、公的保険の適用外となる治療がありませんでしたが、先進医療といわれる治療を行った場合は、公的医療が適用されないため、全額自己負担となります。
例えば身体への負担が少なく乳房等の切除を避けたいと考えて量子線治療という先進医療を選択した場合、276万円という全額自己負担の治療費がかかることあります。(注)
また治療費以外にも差額ベッド代といわれる入院代の追加費用や病院での食事代、入退院や通院でのタクシー代などの費用が別途かかることは押さえておきたいところです。
(注)生命保険文化センター「ひと目でわかる生活設計情報」
しかし逆にいえば、こうしたもしもの時の貯蓄が無く、がん保険にも入っていない場合は、経済的に苦しい状態になる可能性が残ってしまうのです。
それでは次に、がん保険を必要と考え、加入していた場合を考えてみましょう。
先程と同じ30歳女性のAさんに登場していただきましょう。
このAさんが、30歳でがん保険に加入していて、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんの診断を受けたとしましょう。
その後の経過は先程と同じと考えます。
このAさんが加入していたがん保険を設定しましょう。
アクサダイレクト生命のがん終身に入っており、保障内容は以下の通りだったとします。
もちろんこの保障内容で実際に加入することが出来ますし、アクサダイレクト生命のがん保険の保険料が安い順ランキングも以下でご確認いただけます。
がん診断給付金 | 一時金として 200万円 |
---|---|
がん入院給付金 | 1日につき 2万円 |
抗がん剤治療給付金 | 1ヶ月ごとに20万円 |
がん手術給付金 | 1回につき 10万円 |
がん先進医療給付金 | 先進医療の技術料の実費(通算500万円限度) |
退院後療養給付金 | がん入院後療養のため退院した時 10万円 |
Aさんが入っているがん保険から、どれぐらいの給付金が支払われるでしょうか?
今回の治療で支払われる給付金は以下の通りです。
合計すると234万円となります。
これに対して、Aさんの治療費の自己負担は先程の保険に入っていなかった場合と同じく8万円程度となりますが、出費はそれだけではありません。
35歳にまるまでの5年間、がん保険に加入していたのですから、その保険料の負担を考慮に入れなければいけません。
この負担額は毎月3600円×5年(60ヶ月間)であり約22万円となります。
最初のがん保険に入っていなかった場合と平等に比較するためには、この保険料負担も入れて考える必要があるのです。
自己負担額8万円程度に支払保険料の22万円を合わせて30万円の負担に対して、234万円の給付金の支払いがある、ということになります。
これまで確認してきた通り、がん保険に入っていた場合は、がん治療の自己負担額を十分まなかえる給付金が支払われることがわかりました。
しかしながら一方で毎月がん保険の保険料は支払う必要があり、さきほどのAさんのケースでは、5年間で22万程度の負担が発生することになります。
加えて5年後にがんになるとは限りませんので、10年後、15年後かもしれませんし、逆に1年後かもしれません。
10年後、15年後にがんになった場合は、そこまでの支払保険料は2倍、3倍になりますし、60歳、70歳まで保険を継続することになれば、30年、40年の保険料負担になるのです。
なお、今回のAさんが加入していた商品のように保険料払込免除特約(注)があれば、がんになった以降の保険料の負担はなくなります。
以上のことも考慮にいれてがん保険の必要性を考えると良いでしょう。
がん保険は、がんの診断で保険金を受け取った後も、保険自体は消滅せずに継続となります。そうすると本来は保険料をその後も支払う必要があるわけですが、保険料払込免除特約が付帯している保険は、その後の保険料支払いが免除されるわけです。これはがんに罹患した人にとってはとても有難い制度です。
今回は、「がん保険は本当に必要なの?不要ではないの?」といわれる素朴な疑問を出発点として、がん保険に入っていた場合と入っていなかった場合とを比較することで、がん保険が必要か不要かを考えるヒントにしていただきました。
がん保険に入っていない場合には、当然ながら公的な医療制度で保障される範囲をこえた治療費の自己負担額を貯蓄しておくことが必要となります。
一方でがん保険に入っている場合には、そうした自己負担額をがん保険の給付金で手当てすることが可能ですが、そのがん保険の保険料(費用)を毎月支払い続ける必要があります。
がん保険が必要か不要かを判断する際は、「がんになった時にどれぐらいの自己負担となり、それを貯蓄で支払えるかを考える。」または「自己負担をがん保険の給付金で手当てするために保険料はどれぐらいなら支払うのかを考える。」こうした両面から検討することが重要なのです。
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