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iDeCo(イデコ)の人気商品、ひふみ年金を徹底解説!

iDeCo(イデコ)の人気商品・ひふみ年金の魅力とは?プロが徹底解説します!

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佐々木 裕平

佐々木 裕平

1級ファイナンシャルプランニング技能士

中立・公正な立場から金融リテラシーを発信します。お金の疑問を「なるほど!」に変えます。書籍「入門お金持ち生活のつくり方」(こう書房)にてAmazon kindle全体1位達成。【所属・学会・協会:金融教育研究所代表/行動経済学会/NPO法人日本FP協会】

この記事のポイント

  • iDeCo (イデコ)で人気のある「ひふみ年金」はアクティブ型投資信託。
  • iDeCo (イデコ)で買える「ひふみ年金」の主な投資対象は株式。
  • iDeCo (イデコ)で「ひふみ年金を買って、値下がりしたのは「失敗」ではない。

 

iDeCo (イデコ)をするなら、ひふみ年金に入るべき?運用成績が良い?

iDeCo (イデコ)をするなら、ひふみ年金に入るべき?運用成績が良い?

本記事では、iDeCo (イデコ)のラインナップの一つ、「ひふみ年金」というアクティブ型投資信託(後述)について考察します。

iDeCo (イデコ)では、窓口となる金融機関ごとに取扱商品が異なります。そのため、A証券では「ひふみ年金」を扱っているけど、B証券では扱っていない、ということがあります。

また、最近では株式市場が急上昇、急下降した場合に、ネット上で「ひふみ年金を選んでて良かった・ダメだった」「さっさと売っておいて良かった・今こそ買うべきだ」などという正反対の意見も飛び交います。このような場合、どのように考えるべきなのでしょうか?考察していきたいと思います。

※本記事は特定の銘柄に触れていますが、勧誘・斡旋・推奨をする意図はありません。

なお、iDeCo (イデコ)の基礎知識が知りたい方はこちらをご覧ください。

 

SBI証券・マネックス証券・イオン銀行・野村證券などの大手でも取り扱っているiDeCo(イデコ)の金融商品「ひふみ年金」ってどんなもの?

SBI証券・マネックス証券・イオン銀行・野村證券などの大手でも取り扱っているiDeCo(イデコ)の金融商品「ひふみ年金」ってどんなもの?

まず、ひふみ年金とはどのようなものなのでしょうか。ひふみ年金を運用するレオスキャピタルワークスのHPによると、次のようになっています。

ひふみ年金は確定拠出年金制度を通じて「ひふみ」をご購入いただける投資信託です。

出典:レオスキャピタルワークス

なるほど、「ひふみ」という名前の投資信託があり、それがiDeCo (イデコ)のラインナップに入ると、「ひふみ年金」という名前の投資信託になるのですね。

投資信託とは、投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が株式や債券、不動産など複数の資産に分散投資し、その収益を投資家に分配する金融商品です。

では、その「ひふみ年金」とはどのような内容なのでしょうか?「ひふみ年金」の投資信託説明書(交付目論見書)を参考にポイントをまとめてみましょう。

  • 投資対象:国内外の株式
  • 投資対象地域:グローバル(日本を含む)
  • 投資信託のスタイル:アクティブ型投資信託
  • 国内外の上場株式が主要な投資対象
  • 市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資する
  • 株式の組み入れ比率は状況に応じて変化する

と、このようになっています。ポイントは、株式主体アクティブ型投資信託である、ということです。

ひふみ投信公式HPはこちら

 

楽天証券のiDeCo (イデコ)ラインナップには「ひふみ年金」は入っている?

ちなみに、楽天証券のiDeCo (イデコ)ラインナップには「ひふみ年金」は確認できませんでした(執筆時点)。大手証券会社でもラインナップに入っていないところはあるのですね。

 

ひふみ年金を始めるならSBI証券がおすすめ!

iDeCoを始めるには口座を開設する必要があります。銀行や証券など多くでiDeCoの取扱いがございますが、一番のおすすめはSBI証券です。業界屈指の格安手数料や、豊富なサービス・商品ラインナップを誇るネット証券業界最大手です。

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iDeCo (イデコ)ひふみ年金のようなアクティブ型投資信託とはどんなもの?

iDeCo (イデコ)ひふみ年金のようなアクティブ型投資信託とはどんなもの?

それでは、「ひふみ年金」の特徴の一つである、アクティブ型投資信託とは、どのようなものでしょうか?

アクティブ型投資信託とは、「積極的」な投資信託です。何が積極的なのでしょうか?それは市場平均を超えることに対して積極的なのです。

さて、市場平均とは何でしょうか?国内株式の市場平均として代表的なモノはこちらです。

  1. 日経平均株価(225社の平均のようなもの)
  2. トピックス(国内株式市場の平均のようなもの)

どちらも、毎日のニュースなどで発表されるので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

これらの株式市場の「平均」を「頑張って超えることを目標としている」のがアクティブ型投資信託です。あくまでも「目標としているの」ですから、「市場平均を超えないものも、もちろんアクティブ型投資信託」です。ちなみに毎年全体の10分の7くらいのアクティブ型投資信託は市場平均を下回ります。上回った10分の3も毎年のように入れ替わります。

そのため、積極的に投資信託内部の銘柄を入れ替えたり、積極的に株式銘柄などを分析します。

アクティブ型投資信託:市場「平均」を超えることを目標とする。しかし、アクティブ型投資信託の平均こそが市場平均に酷似してしまう。長期で見ると、理論上はコスト分だけ市場「平均」に劣る。市場の「平均」とは、私たちの身近な「平均」のイメージをしていると、ミステイクを犯しやすいかも。

 

 

iDeCo(イデコ)ひふみ年金の中身の割合は?

iDeCo(イデコ)ひふみ年金の中身の割合は?

そんな「ひふみ年金」の中身は何でしょうか?「ひふみ年金」の投資信託説明書(交付目論見書)(内容は2018/10/31時点)によりますと、このようになっています。※表は資料を参考に筆者作成

資産の種類 国・地域 比率(%)
株式 日本 85.42
海外 10.51%
現金・預金・その他資産(負債控除後) 4.07%
合計(純資産総額) 100%

国内株式が85%と大半を占めています。そのためかどうかわかりませんが、金融機関によっては、「ひふみ年金」の分類を「国内株式」に分類しているところもあります。

また、筆者のおぼろげな記憶では「ひふみ年金」の運用成績が「日経平均株価やトピックスなどの市場平均より良かった」という表をどこかのサイトで見た記憶がありますが、これは一概に事実とは言えないかもしれません。

確かに、運用利回りがそれらの市場平均を超えていたとします。ですが、「ひふみ年金」の中身は、海外株式も入っていれば、それらの平均に入っていない小型株も入っています。それらは一般的にリスクが「高い」です。つまり、リターンも「高い」ということになります(と同時に、理論上は下がり幅も大きいですが)。

そのため、単純にその市場で扱っていないものが入っているので、「市場平均を超える投資信託」とは言えない一面もあります。

株式主体:株式はハイリスク・ハイリターン。そのため、株式主体の投資信託は、短期的に見ると1年間で5割上昇したり、6割下落したりすることもある。しかし、長期分散投資では短期的なリスクに賭けるのではなく、高いリターンを期待するものなので、ハイリスク・ハイリターンの株式を投資対象の主体にすることは、合理的であると考えられる。

 

結局、iDeCo (イデコ)で「ひふみ年金」を買うべき?不況時はどう考えたらいいの?

結局、iDeCo (イデコ)で「ひふみ年金」を買うべき?不況時はどう考えたらいいの?

iDeCo (イデコ)を「する・しない」を含めて、資産運用でどの投資信託を選ぶべきかは、結局のところ、個人が判断を下すことです。という点をふまえた上で、「ひふみ年金」をiDeCo (イデコ)口座で積み立て投資の対象に「するべきかどうか」を考察してみます。

また、不況時や株価急落時にネットをにぎわす「下がる前に売っておいて良かった」や「○○(投資信託の名前)はダメ・良い」はどう考えたら良いのかについて根本的なところを見てみましょう。

 

iDeCo(イデコ)口座でひふみ年金を選んだらマイナスになっちゃう?

2018年末に大きく国内の株式市場が下落しました。その時に決まって出てくるのが次のような意見です。

  • ①「○○投資信託を買っていて大損した
  • ②「さっさと売っておいて良かった」
  • ③「○○投資信託は大きく値下がりしたからダメ

というものです。それと同時に、大きく国内の株式市場が上昇した時には次の意見が増えます。

  • ④「いまが買い時
  • ⑤「大きく上がっている○○投資信託を買えば正解」
  • ⑥「○○投資信託は急上昇しているから良い投資信託」

このような意見です。

私たちの日常生活では、前者と後者はそもそもの対象が違うことが多いです。例えば、映画でいえば前者は「面白くない映画」で後者は「面白い映画」でそれぞれ異なるタイトルの映画です。しかし、投資の世界では、前者と後者はしばしば「全く同じ投資信託」であります。どういうことでしょうか。

投資信託は大きな風呂敷袋にたくさんの株式などを入れたような金融商品です。そのため、対象が(例えば)国内株式であれば「大体同じような値動き」になってしまいます。

そのため、株式市場が大きく下がった場合は同じ投資信託でも①②③の意見が多く出やすいです。

また、株式市場が大きく上がった場合は先ほどと同投資信託で合っても④⑤⑥の意見が出てきます。

ここで重要なのは「投資信託には基本的に良い・悪いはない」ということです。ただ、コスト(※1)だけは実質的な運用成績を押し下げる存在ですので、信託報酬と呼ばれるものは低い方がより良いとなります(0.5%以下が望ましい。)

ということは、当然ながら「ひふみ年金」を選んでも同様です。株式市場が好調なら良くなります。株式市場が不調なら悪くなります

これは「ひふみ年金」が「良い・悪い」投資信託であるかどうかとは、まったくの別問題です。

(※1)コスト:コストはただのマイナス要因なので年率0.5%以下が望ましい。もちろんより低い方が良い。ちなみに前述の投資信託説明書(交付目論見書)によれば「ひふみ年金」の信託報酬は年率0.82%

 

また、先ほどの①~⑥の考え方は、典型的な「お金が増えにくい考え方」です。添削してみましょう。

  • ①「○○投資信託を買っていて大損した」→値下がりするとは「売ると大損だが、安く買うチャンスが来たということ」、そのまま積み立て投資をするのが「吉」
  • ②「さっさと売っておいて良かった」→さっさと売ると、安く買うチャンスが得られない。積み立て投資は「いじらない」ことが重要
  • ③「○○投資信託は大きく値下がりしたからダメ」→どれを買っても投資対象クラスが同じならどれも大きく値下がりする、良い・悪いはない
  • ④「いまが買い時」→高くなった時が買い時ではない。投資の正解は「安く買って高く売る
  • ⑤「大きく上がっている○○投資信託を買えば正解」→大きく上がっている投資信託を買うということは、高く買って安く売るということの要因になる。積み立て投資なら別にタイミングを読む必要は何もない、ただ積み立てるのが長期的には良い成績になりやすい
  • ⑥「○○投資信託は急上昇しているから良い投資信託」→どれを買っても投資対象クラスが同じなら、どれも大きく値上がりする、良い・悪いはない

普通の考え方とはおよそ反対の意見になってしまいました。これには参照点依存症(※2)が大きく関与していると思われます。大きく値動きがあった時こそ、冷静に判断するようにしてはいかがでしょうか。

(※2)参照点依存症:行動経済学の用語ですが、これはどういうことでしょうか。例えば、Aさんが1万円で買って、5千円に値下がりすると「これはダメなモノを選んでしまった」と錯覚しがちです。しかし、Bさんがその5千円に下がった時に買って、1万円に戻った時には「これは良いものを選んだ」とやはり錯覚しがちです。どちらも「同じモノを選んだ」のに、感情が異なります。その原因は基準点(参照点)に依存しているからです。この場合は、買った時のお値段がその基準です。Aさんにとっての基準点は1万円ですので、がっかりする。Bさんにとっての基準点は5千円なので、うれしい。ということですね。ただこの基準点には、まったく売買の根拠がありません。しかし、このように「感情・感覚・気分」で投資をしてしまうのが人です。それゆえに「損をしやすい」のだと考えられます。

 

iDeCo(イデコ)をするなら、ひふみ年金を選ぶべき?

iDeCo(イデコ)をするなら、ひふみ年金を選ぶべき?

では、iDeCo (イデコ)をする際に「ひふみ年金」を選ぶかどうか?ですが、どうでしょうか。前述のように株式主体の投資信託ですから、リスク(値動きの幅)は大きいですが、長期ではリターンも期待できそうです。ただ、以下2点気になります。

  • コストが高い
  • アクティブ型投資信託

理論上は「アクティブ型投資信託の平均≒市場平均」となります。つまり、アクティブ型投資信託が優秀で「ひふみ年金」の特徴にもあったように

  • 市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資する

ということをしています。これは、世界中の賢いファンドマネジャーも行っています。もちろん「ひふみ年金」のファンドマネジャーも大変に優秀でしょう。

同時に、割高だと思われる銘柄を選別して売っています。世界中の賢い人々が行っています。すると、どうなるでしょうか?結果として「平均」がとても効率的になっていきます。

これは「賢い人々が真剣に頑張るほど、皮肉なことにコストの安い「平均」が良くなる」ということを意味します。

そのため、投資をするなら、コストの安い市場平均ということになります。それはインデックス型投資信託と呼ばれます。ですから、理論上は長期分散投資での合理的な投資対象は市場平均と安全資産ということになります。

現代投資理論:Modern Portfolio Theory1952年(ハリー・マックス・マーコウィッツ1990年ノーベル経済学受賞)では、合理的な投資対象は市場平均と安全資産となる。私たちに当てはめると「インデックス型投資信託と預貯金・国債」がそれに当たる。当然ながら、iDeCo(イデコ)はもちろん、つみたてNISAでも買える(つみたてNISAには預貯金タイプはない)。

 

iDeCo(イデコ)ひふみ年金まとめ

  • iDeCo (イデコ)で人気のある「ひふみ年金」はアクティブ型投資信託
  • iDeCo (イデコ)で買える「ひふみ年金」の主な投資対象は株式
  • iDeCo (イデコ)で「ひふみ年金を買って、値下がりしたのは「失敗」ではない

今回は「ひふみ年金」について考察してみました。同じようなアクティブ型投資信託はたくさんあります。それらに対して、こっちが「良い・悪い」というのは、事前に判断が付きません

また、去年良かった投資信託が今年も良いかどうかは分かりません。(あてになりません)高いコストを考慮したうえで、さらに市場平均を長期で上回れるかもわかりません。人気があるのと、運用成績が市場平均と同程度になるかどうかは関連性がありません

資産運用では「何を買うか」は個人の自由責任です。だからこそ、じっくりと考えてみたいところです。

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