- iDeCo(イデコ)の始め方①加入できるか自己診断する
- iDeCo(イデコ)の始め方②金融機関を決める
- iDeCo(イデコ)の始め方③掛け金・運用商品・配分を決める
- iDeCo(イデコ)の始め方④加入申込書に記入して送付する
公開日:2019年1月4日
iDeCo(イデコ)とは、老後のための資産形成の制度です。以前は自営業者と会社員(企業型確定拠出年金・企業年金などがない場合)だけしか加入できませんでした。
しかし、2017年1月の改正により、会社員・公務員・主婦・主夫も加入できるようになりました。つまり、現在ではほぼすべての20歳以上、60歳未満の人が原則として加入できます。
本記事は、iDeCo(イデコ)の始め方について、分かりやすく4ステップで記しています。
目次
まずは「加入できるか、いくらまで掛け金を出すことができるのか」をチェックしてみましょう。
チェックは「iDeCo(イデコ)カンタン加入診断」で行うことができます。
iDeCo(イデコ)制度の概要については、こちらの記事をご覧ください
さて、上記チェックで無事に加入できることが分かった方は、運営管理機関を選びましょう。
運営管理機関とは:iDeCo(イデコ)は様々な金融機関で扱っています。金融機関ごとに、選べる金融商品・各種コストが異なりますので、比較検討をしてみることも必要です。
運営管理機関について「どこが良いのか分からない」という方は、楽天証券・SBI証券・ろうきんなどの大きいところ数社を比較してみるのも一つの方法です。
規模が大きいところでは、金融機関同士の競争が働きますので、品ぞろえが豊富でコストが安い傾向にあります。ただ、品ぞろえが豊富だから運用がうまく行く、という相関性(関連性)はありません。運用結果は、経済や社会情勢などに左右されます。
一方で各種コストは、単純に運用成績を押し下げるだけのものですので、低い方が「マシ」な運用成績になります。
インターネット上で検索をすると、各社のコストや運用商品が公開されていることが一般的です。もちろん、各運営管理機関から直接資料を取り寄せて比較検討することもできます。
筆者のおすすめはSBI証券か楽天証券です。業界屈指の格安手数料や、豊富なサービス・商品ラインナップを誇るネット証券業界最大手の2社です。
運営管理機関が決まったら、その運営管理機関へと連絡をして、加入・申し込みに必要な資料を請求します。
この段階で、毎月の掛け金・運用商品・配分を選択します。
掛金とは、毎月、あるいはまとめて出すお金のことです。
ちなみに、掛け金は最低5,000円からです。iDeCo(イデコ)は通常の証券会社や銀行で投資信託や預貯金を行うのと異なり、税制面で大きく優遇されています。そのため、掛け金が全額所得控除になります。ザックリ言いますと、払い過ぎていた税金が戻ってくることがあります。
人によっては、節税メリットだけでも一生で数百万円もお得になることがありますので、いくら出すのか、じっくりと考えたいところです。
掛金と所得控除の関係で「どのくらいお得になるのか?」については、こちらの記事をご覧ください。
iDeCo(イデコ)での運用では、大きく次の2種類から運用商品を選びます。
1の預貯金タイプは、文字通り貯金スタイルです。基本的に価格は変動せず、コツコツと貯蓄できます。まもなく定年を迎え、近々資産を取り崩す予定の人にはこちらの配分を多くすることがより安定した資産運用になりやすいでしょう。
ただし、現在のような低金利では、預貯金ではほとんど増えません。また、経済成長がひと段落した「先進国日本」においては、20年30年前のような預貯金で金利4%や6%というのも期待があまりできません。というのも、先進国諸国の金利は高くても2%程度を目標に設定することが多いからです。
この背景には「チーム先進国の金利を同程度に設定しておけば、大きな為替変動を避けられるだろう」という各国の作戦があるのが一つの要因だと考えられます。
そのため、現在においては「貯蓄から投資へ」という流れがあります。そして、その投資の合理的な投資対象として考えられるのが、2の投資信託タイプです。
投資信託とは、大きな袋の中に、たくさんの金融商品が入ったものです。入れられる金融商品は、株式・債券・不動産など、多岐にわたります。分散投資が容易にできる金融商品です。
乱暴に言いますと、投資信託にはリスク(値動きの不確実性)があります。ですから損をすることもあります。
ただ、投資の世界ではリスク(値動きの不確実性)を背負うことでリターン(見返り)を得ることができると、理論上考えられます(経済が成長するから、という見方もありますが、より正確にはリスク(不確実性があり、それを市場が効率的に評価するから、と考えられます)。
より分かりやすく言いますと(正確な表現ではありませんが)不確実性が高いことにチャレンジすると、大きく褒められる、ということです。一例を挙げます。
これと同じように、投資の世界では不確実性=リスクを背負うことで、それ相応のリターンを得られるようになっています。そうでなければ、誰も投資をしませんし、「貯蓄から投資へ」とも言えません。
また、逆に言えば、ローリスク・ハイリターンもあり得ません。筆者が近所の低い山に登ったくらいでは誰にも褒められないのと同じです。
すなわち、大きなリターンを期待したいのであれば、大きなリスクを背負わなければならないのです。ちなみに筆者は、基本的に株式(ハイリスク・ハイリターン)の配分比率高めの組み合わせにしています。
これは「iDeCo(イデコ)のお金は60歳まで出せない。そして60歳から70歳までの間に引き出すのだから、それまでにいくら短期的に価格が変動しても、別に動じない。だから株式重視で、より高いリターンを期待している」という考え方があるからです。そして、それが筆者のリスク許容度です(正確にはリスク許容度は%で示しますが)。
もちろん、リスク許容度はその方の年齢・働き方・資産規模、そして考え方によって、十人十色です。一概に「これがベスト」というものはありません。
iDeCo(イデコ)の商品が多すぎて迷っている方は、こちらの記事をご覧ください。
内容を確認したのち、申込書類に記入し、本人確認書類とともに送付します。
以下の点は基本的に提出後に変更可能です。ただ、手続きが面倒な場合もありますので、できれば事前にしっかりと考えてから行いたいところです。
特に1と2は面倒です。3と4に関してはweb上で簡単に行うことができます。
不明な点等は運営管理機関に問い合わせをしましょう。
ちなみに、会社員・公務員の場合は、運営管理機関に提出する書類に事業所の証明が必要なものがあります。担当者に確認をしましょう。
本記事ではiDeCo(イデコ)の始め方について記しました。
iDeCo(イデコ)を始める前には、慣れないことばかりで大変に感じることもあるかと思いますが、これは全て「未来の自分」のためです。そして、それができるのは「自分だけ」です。
また、基本的にiDeCo(イデコ)を開始した後には、基本的にすることはありません。
また、現実におよそ9割以上の人がiDeCo(イデコ)開始後に何もしていません。そして、実は資産運用においては「何もしない方が成績が良くなりがち」というデータも出ています。
これは、人が非合理的な存在なので認知的なエラーにより「高く買って、安く売ってしまう」というおかしなことをしやすい性質を持っているのが一因と考えられます。iDeCo(イデコ)で行うことで、それを防ぎやすくなるのです。
iDeCo(イデコ)は節税面でも通常の証券会社・銀行などで資産運用・貯蓄をするよりもお得ですので、長く付き合っていきたい存在です。