- 独身なら老後貯金3000万円ほしい。
- 夫婦なら老後貯金5000万円ほしい。
- 貯金より「老後でも稼ぐ」方向性で準備を。
公開日:2019年2月5日
こんにちは、婚活FP山本です。最近の日本において、多くの人が関心を寄せている社会問題の一つに「老後破産」が挙げられます。
「下流老人」「介護離職」など、関連する諸問題も多々ありますが、結局のところ「老後のための貯金はいくら必要か」が気になるところではないでしょうか。合わせて、老後への対処法も大切です。
そこで今回は、老後の貯金額はいくら必要なのかを結婚の有無別に解説します。あなたの人生に、お役立て下さいませ。
目次
まずは老後生活への対処法をお伝えします。詳しくは後述しますが、ハッキリ言って必要な老後資金を「老後までに」貯金するのはほぼ不可能です。昨今の日本は年収が上がりにくくなっており、その割には税金や支出は上昇の一途を辿っていますから尚更といえます。
このため、老後までに(つまり現役中に)貯金をがんばる一方で、老後を迎えてもなお稼ぐ方向性で準備をしたほうが現実的です。結局のところ、老後破産などは定年によって年収が下がり、支出を賄いきれなくなって起こる問題になります。なので、以後も稼げば良い訳です。
実際にどのような手段で稼ぐかは自由であり、様々な方法があります。ただ60歳、あるいは70歳を超えても現役のように働き、稼いでいる方は沢山です。ぜひ見習いましょう。
誰だって老後でも「ゆとりある生活」を願うものです。しかし、願うだけでは叶わず、しかも年金額はドンドン減少しています。このため、何の対策も取らずに老後を迎えてしまえば、あなたも老後破産の仲間入りです。旦那任せにするのも、かなり危険といえるでしょうね。
独身なら一人で、既婚なら夫婦で、老後でも稼げる何かを老後までに準備することが最高の老後対策です。ぜひとも「100年生きても安心のライフプラン」を作り、実行しましょう。
次に、老後を考える時の最重要ポイントをお伝えします。結論からお伝えすると、それは「定年への強い意識と危機感」です。自分や旦那の今の年収は、定年を迎えれば無くなってしまう……冷静に考えれば当たり前のことのハズですが、これが抜けている方が沢山います。
まるで、死ぬまで今の給料は貰えて当たり前といった感覚……でしょうか。もちろん、そんな事はありえません。今では定年延長が義務化され、60歳で定年を迎えても基本的に再雇用されますが、それでも年収は半減することが多いですし、しかも65歳が期限です。
仮に「死ぬまで働く」という意識があっても、現実問題として現役並みの給料で雇ってもらえるでしょうか。危機感が無ければ、何の対策も取らずに老後を迎えるだけでしょうね。
少し前なら、定年までは会社が守ってくれ、以後は退職金と年金で悠々自適の老後生活が保障されている……そんな感覚の方がほとんどでした。ですが今は、そもそも定年まで会社に残れる保障もなく、退職金や年金も減額の一途というのが現代のリアルではありませんか。
生まれた時代を嘆いていても状況は何も変わらず、結局は自力で時代に合わせて生き抜くしかありません。厳しい現代の経済事情をしっかり見つめ、自助努力に励みましょう。
そして、独身者の老後に必要な貯金額についてです。あくまで一つの目安なのですが、独身者なら最低でも3000万円は欲しいところかもしれません。ざっくりの理屈としては、70歳までは何とか働き、以後は月10万円程度、年100万円程度を取り崩す生活30年分です。
とはいえ、収入の元となる年金額は人によりますし、望む生活水準も人によりますから一概にはいえません。それに、老後生活に入ったからこそ医療費や交際費(孤独対策費)がかさむことも多いですから、やはり安心はできません。あくまで最低限の目安でしょうか。
何より、独身ということは誰もあなたの介護をしてくれませんから、更なる貯金か健康への対策が必要になります。場合によっては、(シルバー)婚活も視野に入れたいところです。
独身なら、仮に失敗しても自己責任で済みますから、いっそ定年後は「独立開業」をして自営業になるのも一つの手段かもしれません。自営業者の最大の長所は「定年がない」という点ですからね。自営業なら、カラダが動く限りは死ぬまで働くことも可能となります。
もっとも、独立開業は思い立って即座にできるものでもありませんから、やはり長い準備期間が必要です。このような展望を望むのなら、ぜひ早くから準備に励んでいきましょう。
さらに、夫婦の老後に必要な貯金額についてです。こちらもあくまで一つの目安ですが、夫婦ならできれば4~5000万円は欲しいといえます。同様に仮に年間100万円取り崩すなら、4000万円で40年分、さらに2人分の介護費用も考えれば、やはりこの位は欲しいです。
ただし、夫婦の場合は独身者とは違って「夫婦の足並みを揃える」ことが重要といえます。どんなに一方が先々を見越して質素倹約に励んでも、もう一方が多額の貯金に気が緩んで使ってしまうことも多々あるのが現実です。何とも、難しいものかもしれませんね。
なお、本当にそういった夫婦関係になってしまった場合は、金銭感覚の相違という理由で「熟年離婚」になる事もあります。これは夫婦共倒れの危険性もあるので、注意しましょう。
少し意外に思える方もいるかもしれませんが、本当に「過ぎた安心感」は将来への対策の大敵です。そして安心しきっていれば、そこには危機感も計画性も持てず、お金が少なくなるまで浪費してしまうのが人間といえます。こういう夫婦は、本当に多いのが実情です。
このため、結局のところ老後までに蓄えた貯金額に関わらず、老後破産に陥る可能性からは逃げられない事も多いといえます。ぜひ、先々を見据えて今の状況を考えていきましょう。
最後に、老後貯金を考える上で肝心なポイントをお伝えします。それは「必要貯金額は世帯で違う」という点です。つまり、簡単にいえば「周囲のマネをしていてもダメ」といえます。なぜなら、計算の元になる世帯事情も以後への考え方も、世帯で全然違うのが普通だからです。
例えば、月々の生活水準が1万円違うだけでも、年で12万円、40年で500万円ほど変わります。それに、定年後に働くつもりなのか否かでも、大幅に必要貯金額は変わってくる訳です。このため、盲目的に必要な老後貯金額を求めるのは、そもそもの間違いかもしれません。
どうせ求めるのなら、「自分の場合はいくらなのか」を具体的に計算することが重要です。必要に応じて、プロであるFPへの相談も視野に入れ、必要額を計算していきましょう。
少し余談ですが、完全な自給自足生活をする準備があるのなら、貯金なしでも大丈夫という事もあります。あるいは定年頃に、相応の相続をする予定があるのなら、やはり貯金なしでも大丈夫かもしれません。ただ、そういった事情は降って沸いたようには起こりえません。
結局のところ、老後への(貯金)対策は、自力でするしかない訳です。年金などの国からの支援も増えるどころか減る一方ですから、早くから自助努力に励んでいきましょう。
老後対策は、貯金でも稼ぐ方向性でも、いずれにしても一朝一夕でできるようなものではなく、何十年も必要になるのが基本です。いくらの貯金が必要かは世帯によりますが、いずれにしても莫大な金額が要りますから、一日でも早くからこの現実に気付き、準備に励みましょう。
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