マネタス

お金に関する疑問を専門家が分かりやすく解説

貯金3000万円で老後は安心?退職後の生活資金を貯める方法をFPが解説!

貯金3000万円で老後は安心?退職後の生活資金を貯める方法をFPが解説!

カテゴリー:

著者名

大野 翠

大野 翠

芙蓉プランニング代表、2級FP技能士、FP技能士センター正会員

芙蓉プランニング代表。金融業界歴9年目(2019年現在)。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。

この記事のポイント

  • 退職後の生活費では食費が一番の出費である。
  • 住居費は持ち家か賃貸かで老後生活費に差が出る。
  • 個人年金保険で退職後から年金受給開始までの収入の途絶に備えよう。
  • 夫婦世帯の場合は加給年金や振替加算も受給できる。
  • ねんきんネットで年金受給見込み額を確認しよう。

この記事は約8分で読めます。

内閣府の最新統計によると、2020年の平均寿命は男性80.93歳・女性87.65歳となっており、更に2050年には女性の平均寿命は90歳を超える見込みであるということです。この長寿化を控え、私たちは一体いくら老後資金に備えたら良いのでしょうか。本記事では、20代から50代まで段階ごとに対策をアドバイスしていきます。

 

老後生活資金のポイント

老後生活資金のポイント

老後資金とは、具体的にどのようなお金なのでしょうか。老後生活に必要なお金の流れを確認しながら項目別に解説していきます。なお、本文中の数字は総務省「家計調査年報」及び公益財団法人生命保険文化センターを参考にしています。

 

社会保険料や税は全世帯必要な経費

「必要な老後資金」というと、生活費をイメージする方がほとんどです。しかし、社会保険料(介護保険料など)や市県民税、国民健康保険税、固定資産税などの各種税金も、リタイア後の生活で必要な出費です。もちろんこれらを支払う場合も、老齢年金や預貯金から支払わなければいけません。

ちなみに夫婦二人世帯の場合、月平均で約27,952円・年間では約34万円を社会保険料・税として支出する計算となっています。

老後の主な支出=「生活費全般」+「社会保険料・税」

 

リタイア後夫婦世帯の平均生活費

リタイア後夫婦世帯の平均生活費

生活費には主に以下のものが含まれます。以下、生活費の中で占める割合の高いものから順に解説し、各項目ごとにアドバイスしていきます。

  • 食費
  • 交通費、通信費
  • 教養娯楽費
  • 水道光熱費
  • 保険医療費
  • 住居費

 

平均必要額と全体に対する割合

夫婦二人世帯では約24万円、単身世帯だと約14万円が最低限必要な月々の生活費とされています。これには社会保険料及び税は含んでいませんので、更に2万円前後の準備が必要となります。

世帯別の毎月の生活費についてはこちらもご参照ください。

 

食費

夫婦二人世帯の食費として約6.8万円、単身世帯で約3.5万円かかります。いずれの世帯でも、月の老後生活費のうち3割程度を食費が占めており、その他の支出項目の中でトップとなっています。

食事は生活には無くてはならないものですし、特に高齢になると食生活は健康にも直結してきますので、老後生活で節約するとしても食費の節約は後回しが良いのではないでしょうか。

食費も含め、老後生活費全般についてはこちらも合わせてお読みください。

 

交通費・通信費

夫婦世帯で2.8万円、単身世帯で1.3万円が月の平均支出です。交通費には、公共交通機関の運賃や、マイカー移動の際のガソリン代、タクシー代などを含みます。通信費は固定電話料金、インターネット通信費、携帯電話料金が含まれます。

若年層では固定電話を開設しない方も増えてきましたが、シニア層ではまだ重要な通信手段として必要ですので大幅にカットできる項目ではありません。ただし近年スマートフォンの普及により、各社競い合ってオトクな料金プランを発表していますので節約を検討する価値は存分にあると言えます。

 

教養娯楽費

夫婦世帯では約2.4万円、単身世帯では約1.6万円です。近年シニア層における「学びなおしの機会」が話題となっています。放送大学に入学してご自身のペースで好きな科目について学んだり、音楽や絵画などの芸術分野の習い事もシニア層の生徒数が増えているそうです。

退職後は余暇にあてる時間も増えますから、これまで働いてきたご褒美として、時間もお金も安心してゆっくり使いたいですね。

教養娯楽費の節約として、公民館講座や市民講座など公の機関が主催しているものは、無料または格安で受講することもできます。テキスト代の数百円のみ実費で他の料金はかからないものも多くあります。
「初心者向け英会話レッスン」「はじめてのパソコン講座」などは、このような無料講座で多いようです。是非お住まいの地域でどのような内容が開催されているのかチェックしてみてください。

 

水道光熱費

夫婦世帯で2.1万円、単身世帯で1.2万円です。ただし水道光熱費に関しては、お住まいの地域によって料金の差がありますので、あくまで参考程度にされてください。

一人暮らしの方の水道光熱費についてこちらの記事をご参照ください。

 

保険医療費

夫婦世帯では月に約1.4万円、単身世帯では月に約9千円となっています。もちろん健康であれば医療費は抑えることが出来ますから、節約のためにも若い内から健康増進を図るようにしましょう。

また、75歳以上は後期高齢者制度の対象となり現行制度だと自己負担額が1割です。長生きした方の医療費が生活を圧迫しないように国の制度として工夫されています。

医療費と保険については以下の記事もご一読いただけるとより分かりやすいのでオススメです。

 

住居費

夫婦世帯は1.3万円、単身世帯は1.4万円となっており、単身世帯の方が住居費が高くなっています。しかしこれは、持ち家で既にローン完済している方や賃貸の方など全ての方の住居費の平均です。

ご自身のこれからの生活を考えたときに、既にマイホームをお持ちの方は、ローン完済が何歳なのか知っておくと老後資金の貯蓄額の目安がより明確になりますし、賃貸の方は老後にどのような住まいの形態にするのか検討し、住居費にかかる目安の金額を知っておくと良いでしょう。

賃貸の家賃の目安については以下の記事をご参照ください。